無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
富と人口が集中し、世界最大規模を誇る都市、東京。だがこの都市は、少なくとも三度、占領されてきた。1590年の家康、1868年の薩長連合軍、1945年の米軍によってである。凹凸をなすこの都市の地形と結びつきながら、過去の「敗者たち」の記憶は、歴史的な地層をなしてきた。縄文の古代から現代までを視野に入れ、地球史的視座と家族史的視座とを往還しながら、江戸=東京に伏在する「敗者たち」の記憶の水脈を探り当て、「勝者」であり続けようとする令和の東京とは異なる可能性を探究した、比類なき「江戸=東京」論!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
未来に向けて発展する都市、東京。勝者としての東京のイメージ。しかし、東京は過去、3度征服された過去を持つ町である。徳川家康に象徴される西の勢力に征服された縄文時代以来の人々に大陸からの渡来系民族が混じり合って形成されたクレオール的文化(土着系秩父平氏)。薩長に征服された徳川家康により開発された江戸文化。アメリカに占領された明治・大正・戦前昭和のモダニズム東京。それら敗者であることがかえって豊かさを持つ過去が層を成して痕跡を残す敗者としての都市東京。そして、その敗者の声は敗者自らでしか語り得ず、その敗者により刻み残された声に耳を傾け、東京を見つめ直す。勝者により一元的な価値観ではなく、そこに敗者の声、経験、価値観が混ざり合う事で真の豊かさを感じることが出来るようになるのではないか。
豊かな未来のみを信じる事が出来なくなったポストモダンの時代における豊かさとは何かを問う著書である。
また、戦後の日本人にとっては、太平洋戦争の敗者としての自覚を持てぬ日本人の敗者としての価値再構築を求める。
Posted by ブクログ
都市を発展史観で捉えるのではなく、幾重もの重層的な歴史であるととらえる点がユニークである。本書によれば東京は徳川政権、薩長連合、米軍に敗れてきた歴史があるという。筆者の述べていることだが、この3度にとどまらず、常に勝者と敗者とが生まれているのが都市である。
出版社の雑誌に連載されていたものを一本化したものらしく、やや大部の本書の真ん中には筆者の一族の歴史にかかわる具体的な話が挟まっている。この部分を読んでいる時は脇道にそれた感じがして、少々不愉快になった。
だが、彼らは忘れられた起業家であり、経営が破綻した企業主であり、やくざであり、そのほかいわゆる「勝者」とは言えない人々である。そうした敗者としての人々が実は確かな足跡を残している。こういった人物が東京の地層にいるのであることが分かった。
本書の説得力は終章に来てはっきりする。国力の頂点を越え、緩やかな衰退に向かっているといわれる今日の日本にこそ、敗者としていかに生き抜くかという意味が問われるというのだ。勝者であり続けることからは得られない新次元は敗者の側から達成されるのかもしれないという気持ちになれた。
Posted by ブクログ
「ちくま」の連載をとりまとめたものなので、必ずしも論旨が一貫しているとは言えない。江戸・東京の敗者としての歴史を鈴木理生等によって概述。
・彰義隊の怨念は抑圧されたのに対し、清水次郎長は敗者である天田愚庵「東海遊侠傳」で、東京の貧民窟は敗者のジャーナリストが語る。
・敗者が抹殺されず複層していく。ファミリーヒストリ(曾祖父山田興松(水中化の発明・教育・実業家)、祖母(離婚後木挽町で旅館、いとこ叔父安藤昇)でミクロ史を記述するが、敗者としての東京との関係は複層。
・鶴見俊舗の敗北への拘り(限界芸術論など)
・敗者は勝者の文化を部分的にとりいれつつ根幹的な精神世界を保持してきた。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
試し読み
ビジネス・実用
試し読み
ビジネス・実用
ビジネス・実用
試し読み
小説・文芸