作品一覧 2022/09/16更新 宋代司法制度研究 試し読み フォロー 宋名臣言行録 試し読み フォロー 中国近世刑法志 試し読み フォロー 中国歴代刑法志 試し読み フォロー 文天祥 試し読み フォロー 1~5件目 / 5件<<<1・・・・・・・・・>>> 梅原郁の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 文天祥 梅原郁 国家に殉じた忠臣の鑑として喧伝され後世の権力者に利用された文天祥の生涯を小説のような筆致で記述され興味深く読める。科挙に及第して状元となり、その優秀さ・真なる儒教的道徳心ゆえに中央官界では不遇となる中でモンゴル帝国の侵攻にあい、北への連行からの脱出劇をへて抵抗軍活動を行うも中央からはなおも冷遇され囚...続きを読むわれの身となり、幾度ものフビライの重用勧誘に応じず命を落としたその時々の状況がスペクタクルに描写されているが、これらは単なる空想ではなく文天祥本人が編纂した詩文集や同時代に近い史料を多く博捜した著者だからこそと言える。これは忠君愛国者と理解・利用された虚像よりも真に迫るものだと思う。 Posted by ブクログ 宋名臣言行録 朱熹 / 梅原郁 朱熹編纂とされる北宋時代を対象とした前半部からの抜粋。訳と共に書き下し文と原文を載せる。書物の性格や時代背景の解説を踏まえる事で、北宋社会の一面をうかがうこともでき、価値観の違いを実感できる内容でもある。 Posted by ブクログ 文天祥 梅原郁 戦前は忠君の代名詞とされ、良いように利用された感があるが、実感として、良くも悪くも試験秀才の人。確かにすぐ裏切る節操のない人より、好感は持てるが、戦乱の世では生きにくい人という印象。 Posted by ブクログ 文天祥 梅原郁 陳舜臣の「中国の歴史」にも崖(やまかんむりはない)山悲歌と正気の歌の二章を割いて文天祥を書いているが、著者との違いが面白い。 著者は文天祥を忠君愛国なドン・キホーテと見るのに対して、陳は悲劇の英雄と見る。この違いは研究者か作家か、という違いからなのか。日本人と華人、或いは片や昭和九年生まれの国民学...続きを読む校卒業(国民学校教育の反動として)、片や大正十三年生まれの神戸華僑という境遇の違いからか。 自分は著者の見解に同する。不遇なインテリが科挙主席という一点を拠り所として国家と己が滅びゆく中で気骨を見せた、という印象である。 喜久屋書店阿倍野店にて購入。 Posted by ブクログ 宋名臣言行録 朱熹 / 梅原郁 ライフネット生命出口会長のお薦め。 本書裏表紙の紹介文より。 「北宋時代とは、士大夫層の形成とともに中国的官僚制が確立した時代である。また、王安石の新法をめぐり、新旧両世代の対立と混乱に彩られた変革期でもあった。朱子学の大成者・朱熹が編纂したという『宋名臣言行録』は、北宋百五十年における名臣たちの言...続きを読む動を収録したもので、唐代の『貞観政要』と並び立つ書である。本編訳書では、明快な日本語訳と書き下し文に加え、八朝の天子の特色や登場人物の経歴、言行各条の背景を説明することで、北宋時代史としても通覧できる構成を取っている。組織での身の処し方について、名臣たちはいかなる知恵をわれわれに伝えるのか。不朽の古典がここに甦る。」 「儒教の経典や古代の歴史からその正当性の根拠を数多くあげるのが約束ごとで、そのパターンは現在まで続いている。たとい事柄が正しくても正しくなくても、過去の人為的に確定された事実をまず前提にすること、それが中国においては公式文章に客観性、説得力を与える一つの条件になっていた。」 「賄賂という感覚も日本と中国では相当違う。胥吏への世話になったお礼は一定程度までは手数料として当然渡されるべきで、賄賂とはみなされぬ。中国の賄賂は金額が常識をはるかに超えてはじめて悪になると考える方が適当である。」 以上のような解説等により、当時の中国社会がどのようなものであったのかを知るには、必読書と思われるが、自分の教訓となるような領域まで、自分自身が至っていないという印象。出口会長の領域にはなかなか辿り着かない。。。まだまだである。 そんな中でも一箇所だけ引用する。 「人間は生きていくことには勤勉でなければいけない。勤勉なら欠乏や行き詰まるということはない。開き戸の枢を虫は喰わず、流れている水は腐らないのと同じ理屈である。」 Posted by ブクログ 梅原郁のレビューをもっと見る