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日本型組織の本質を維持しつつ、腐った組織に堕さないよう、自ら主体的に思考し実践していこう。本書は、常識的な論理をひとつずつ積み上げて、組織設計をめぐる誤解を解き明かす。決断できるトップの不在・「キツネ」の跋扈・ルールの複雑怪奇化等の問題を切り口に、組織の腐り方を分析し対処する指針を示す。
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Posted by ブクログ
市場・マーケットにどう適合していくか、という観点での組織戦略本は沢山あるが、「組織内部」の問題にフォーカスした本は少なく、後者を論じたのが本書。 組織で働いていると、厄介者やフリーライダー、野党的な人材の他、時代に即しないルールや内向きな議論などが蔓延ってくる。 そのような組織を腐らせる「悪害」と...続きを読むどう対峙し、組織の健全性を保ちながら戦略を立て運営していくか、という点に焦点を当てている本である。 組織が腐っていくプロセスをこれまで上手く言語化しながら解明して解決策を明示できるのは凄いの一言。 この本が最も伝えたいのは以下だと捉えた。 「安全な場所から非難するだけの野党になるな。自分からリスクをとって悪害を壊す改革者になれ」ということである。
2025.11.10 抜群に面白い 社内評論家、宦官、キツネの権力がうまれるメカニズムをわかりやすく解説 組織の問題ではなく人の問題であることを疑うなど、目からウロコ
一橋大学で名誉教授を務める著者による「日本企業の組織デザインの改善」をテーマとした本。 著者は経営組織論・経営戦略論のスペシャリストであり、本書は経営組織論の内容に寄っている。 本書は著者が自ら冒頭で述べている通り、実用的な内容となっている。「自分が経営するとすればどうするべきか?」という視点を持...続きを読むちながら読めるのが特徴的で、そこが本書の優れた点だと感じた。 日本企業の一般的な問題点を挙げ、その原因を分析し、有効なソリューションを紹介・解説する形で書かれている。 この問題点補足の精度が高く、個人的にはいままで感じていた問題が「なぜ起こるのか?」の解像度が上がった。 テーマは組織デザイン、人事制度、決断力不足、社内権力の種類、組織腐敗のメカニズムと多岐にわたる。 特に興味深かったのは、「ある問題を解決するためには誰かがコストを負担する必要があるが、それを解決することによる利益は多くのメンバーが受けられるので、誰も積極的にコストを負担しなくなる」というフリーライド問題についてだった。 これを解決するための策として、著者は「かなり少数の人々をコア人材として選別し、その少数のエリート社員が周りの社員にフリーライドされても平気でいられるくらい大幅に高い賃金を獲得し、強い権限を発揮できるようにすること、また自分がかなり確実に会社のトップ層へと登り詰めていくという意識を早い段階から植え付けること」が有効だとする。 確かにこれは欧米でも主流の方法で、一定の成果を発揮できると考える。 ただし、この施策はエリート/ノンエリートの乖離を大きくして対立を強めるものである。だから、この間を取り持ち、当たり前のことを当たり前にやれる中間層の重要性が増す。 しかし、エリート層に金銭・昇進のインセンティブは充ててしまうので、彼らに報酬や昇進で十分に還元することはできない。故にそれに代わる報酬を開発しなければならない。 この報酬のひとつとして著者が挙げているのが、「彼らの働きを褒め、感謝を伝えることで承認・尊厳欲求を満たしてあげること」である。この感情が満たされれば人は頑張れる。 他にも興味深い内容が幾つもあり、実用的なので参考になった。良書。
職場同僚の推薦図書として読んだ。 第2部 組織の疲労 第7章 トラの権力、キツネの権力、第3部 組織の腐り方 第9章 組織腐敗のメカニズム、 が、自分の勤める会社が観察されてたのか、と思うぐらい、グサグサ来た。著者は学者一筋の筈なのに、随分とフィールドワークを熟して来たのだろう。 特に、「宦官v...続きを読むs武闘派」で、外向きにリスクを取って勝負している武闘派が、安全地帯から批評を述べるだけの宦官に屈するパスを解説する箇所は、当たっているだけに恐怖を感じた。(自分の仕事は、ここでいう宦官にかなり近いのでは?と。。) あと、マトリクス型組織を、ミドルに権限ではなく「悩み」を委譲する形態、と断じる分析が秀逸だった。(P73-76) 組織は生き物であり、破壊と創造、新陳代謝を絶え間なく続けて行かない限り腐敗していくものだ、と肝に銘じたい。
学者が書いた本とは思えない現実的な内容 組織は人が動かしているため、組織形態を変更しただけで効果が出ると考えない方が良いと本書は警告する。人がいかにして組織を内向きに腐らせていくのか、そのために人を中心に組織をいかにして設計していくのかが述べられる。
沼上氏の文章は、書籍にしろ論文にしろ、ロジックが明快であり、学ぶことが多い。ロジカルな文章を書く上で、何か一つは読むと良いと思う。 本書は組織戦略についての論考であるが、ロジックが明快であるぶん読みやすい。ややオーバーに書かれているところもあるが、これは筆者の意図するところだろう。 自分の勤務先...続きを読むがどうなのかをイメージしながら読み進めると良いだろう。さらには、自分自身が「フリーライダー」や「キツネ」になっていないか、よく考えながら読むべきである。
発行された当時の若い頃に読んでも、抽象的と感じたかもしれないが、ある程度の経験があると非常に参考になると思う。 学者の理想論と思いきや、まるで色々な現場を動かしてきたような印象を受けた。 自分の仕事の考え方に幅がついたかもしれない。
日本的経営への評価や流行りの組織論と少し距離を置きながら、大きな組織の中で発生しがちな実際的な問題を考察して解決に向けた考え方を示す本。 「組織デザインは万能薬でない」「問題を処理するのはヒトであって、組織構造ではない」、自己実現や平等主義の罠など、まさにうちの会社のことを言い当てていると思う箇所が...続きを読むいくつもあった。 結局「この仕事は会社を良くしているのか」ということを真摯に問い続けることを忘れてはいけないということだと思う。
一読して組織戦略というタイトルに違和感を覚えましたが、組織構造やヒト、企業の中での組織に生じる現象(フリーライダー、厄介者、キツネの権力など)について解説しており、日々の自分の属する組織と対比させながら読むと、なるほどと納得することばかりでした。 組織構造に関しては官僚組織が基本であること、ヒトに関...続きを読むしてはマズローの欲求階層説での承認・尊厳欲求の重要性と配慮について、気づかされました。 お勧め本です。
組織戦略の考え方 自分の組織を考える上で、とても面白く、勉強になる本であった。 ①組織においてまず考えられるべきは、官僚制である。プログラムとヒエラルキーを骨格として考えなければ、本来長期的・総合的視野で俯瞰しなければならない上層部が雑務に忙殺されてしまうため、組織として機能することはない。不確実...続きを読む性の高まりに対応し、マイナーチェンジをしていくことは、官僚制が機能して以降の話である。 ②ボトルネックを考えよ。ボトルネックとは、複数の過程において行われる作業のうち、生産に制限があるため、全体に対して制限をかけている過程である。ボトルネックを意識し、ボトルネックを基礎に組織の行動をデザインしなければ、無駄な努力、もしくはロスが発生する確率が高い。 ③組織戦略は万能薬ではない。組織は生き物であり、初めに制度設計をしても、逐一その制度の長所と短所に適合した調節を人間が心がけなければならない。 ④欲求階層説から学ぶべきは、承認・尊厳欲求の大切さ。多くに人は、欲求階層説の最上部である自己実現の欲求に達してはいない。そのため、組織の人を機能させるためには、承認・尊厳欲求をまず高めさせることが先決であり、欠くことのできない行動である。よくもわるくも評価を与えることを怠った組織は、みんな頑張ったという悪平等のなかよしクラブとなってしまう。弱者に対する配慮は、目標に向かって進む組織にとっては必ず霜良い影響を与えない。 ⑤中間層を大切にせよ。組織において、エリートだけを養成しても、フリーライダーのケツをたたいてもよい組織はできない。エリートとフリーライダーを結ぶ中間層が機能しなければ、組織の中の疲労が一か所に集中しやすい。これは非常に示唆に富んだものであり、私の知る限りフランスの政治学者であるアレクシス・ド・トクヴィルの中間共同体や貴族制を重要視する考え方と同根ではないかと思う。国家においても、エリートと貧困層の格差の増大は致命的であり、厚みのある中間層が多くの亀裂を調停し、民主主義国家を機能させるのである。 ⑥決断し、集中せよ。長期的に安泰な集団では、ある種尖った人材よりも、落としどころをわきまえた調整役が多くなる傾向がある。このような傾向では、人々は組織の外部の利益よりも、組織内部の人間関係に注意力を集中させ始める。組織内部のコンセンサスを得るためには、欠点のない全方位的な案が多く通りやすくなる。しかし、欠点のないプランとは、裏を返せば利点もあまりないということである(これは、楠木健がストーリーとしての競争戦略で強調し続けているポイントでもある)。組織の継続的な維持には、外部からの制限の中で、選択と集中を具現化したプランが必要である。 ⑦組織の阻害要因―トラとキツネの権力―。組織の円滑なコミュニケーションを阻害するものは、二つある。トラと呼ばれる癇癪持ちの声の大きい人間である。トラの存在する組織では、プランの中身よりも、いかにトラを通過するかということに集中力をそがれるようになってしまい。結果的に、トラに忖度したプランが組織に跋扈するようになる。二つ目はキツネの権力である。トラと人々の調整役に見えて、トラの恐ろしさを利用し、歪曲した情報伝達を送ることでトラと人々を分断し、自分の意のままに物事を進める人々のことである。現在の日本のメディアにはそのきらいがある。 本書では、その後、組織の腐り方という部分があるが割愛する。 自分のいる組織において、考える上で上記の7つのポイントがコンパスとなり得よう。
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