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すべては相対的で、唯一絶対の真理や正しさはない――この相対主義の「論理」を相対主義自身にも適用し、極限まで追いかける。その最果ての地で、どのような風景が目撃されるのか? 本書では、ルイス・キャロルのパラドクス、マクタガートによる時間の非実在性の証明、デイヴィドソンの概念枠批判、クオリア問題等を素材に、「相対化」の問題を哲学する。相対主義を純化し蒸発させることを通して、「私たち」の絶対性を浮き彫りにすると同時に、その「私たち」も到達しえない“他なるもの”の姿を鮮やかに描き出す。ダイナミックな哲学の思考運動が体感できる名著。
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年03月13日
私の好みとしては本書の第6章がすこぶる良かった。デイヴィドソンについての本を最近読んだばかりのせいかもしれない。
ただ解説者の野矢茂樹さんが言っている通り、分岐の可能性もあったと思う。つまり、理解不能なものが一つであることはできなくてゼロ個以上のどこかであるとも考えられる。物質を分割しても一種類の...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年07月09日
哲学者入不二基義氏のデビュー作でありながら入手困難の状態が続いていた幻の名作が、ちくま学芸文庫に殿堂入りして帰ってきた。春秋社版を読み損ねていたわれわれファンにとっては待望の文庫化である。
「あらゆる真理は相対的である」という相対主義の考え方を、相対主義自身に適用するとどうなるか。相対主義もまた相...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年01月11日
「なんかよくわからんが凄い」これがこの本の印象で、論理的に思考展開するという行為の凄まじさを実感する本である。
そういう意味ではまさに「私たち」の存在が無限の反復の中に存在するという本書の主張の延長線上にある感想となってしまった。
「私たち」という絶対的な存在が立ち現れるという事をイメージする為には...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年10月19日
『相対主義の極北』というタイトルに惹かれて購入。
「地平線と国境線」と「足の裏の影」の話から入る。ここに相対主義の枠組みと実在の関係と、相対主義の無限後退と実在の関係を想像するべきなのだろうか。
著者は本書の考察を「円錐形」になぞらえる。絶対的な真理や正しさはなく、枠組みや観点に依存するという相...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年11月09日
本格的な哲学書というのは初めて読んだが、ダイナミックな思考の過程が感じられて面白かった。
相対主義のによって、私たち、の存在の否定と肯定を繰り返す無限ループ、終わりのない問いかけによって生み出される境界のない枠組み、そしてその私たちすら、ない、という状態こそが、相対主義の極北であるという。その、真...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年04月21日
タイトルがとっても興味をそそった。
がはっきり言って難しかった。
難解だった。
でも、あとがき(のあとがき)に書いている、
「…平易で分かりやすくて『おもしろい』のではなく、単純なはずなのに難しくて、頭が変になりそうだけれど、それが『おもしろい』でなくては意味がない。哲学なのだから。」
という言葉に...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月06日
相対主義を究極まで純化した「極北」には何があるのか、著者が徹底的な掘り下げを行なった過程を論じた一冊。
極めて抽象的な思索が巡らされますが、哲学には全くの門外漢である自分にも決してわかりづらいということはありませんでした。
繰り返される「無限後退」といった循環的なイメージが、自分の持っている相対主...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月25日
相対主義は、つきつめていけば相対化の無限後退を招く
その無限後退では、無限後退しているという状態を考察できる。
さらにその先には、あるともないともいえない。認知すら出来ない極北がある
なお、相対主義は主観(個人)に対する相対ではなく、認知の枠組みに対して相対と考えるべき
同様な極限を実存に対して...続きを読む
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