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なぜ、「すべて」と「無」が一致するのか?
「私」はかけがえがなく、特異な存在であるがゆえに、消え去り無と化してしまう……。「語ること」と「沈黙」が、「すべて」と「無」が、正反対のものが折り重なる不思議な世界。独我論から私的言語論まで、「私」をめぐる独創的思考の奥深くまで分け入る。
[内容]
序章 不二の法門に入る──補助線として
第一章 独我論──「限界」としての「私」とは何か
第二章 無主体論──独我と無我は一致する
第三章 私的言語論──「ない」ままで「あり」続ける「私」
ウィトゲンシュタイン小伝
読書案内
Posted by ブクログ 2019年07月09日
本書は単なるウィトゲンシュタインの入門書ではない。『相対主義の極北』と『時間は実在するか』で確立された入不二哲学の手法を自我論に適用した、オリジナルな哲学書である。
入不二はウィトゲンシュタイン哲学を「私」の問題に限定し、「独我論」「無主体論」「私的言語論」の三つの側面に切り分ける。そのそれぞれ...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年05月07日
私と世界の深淵をのぞき込む体験をした。言葉に出来ないものを言葉で表す野心作。ウィトゲンシュタインの思考の深まりも追っている。冒頭の維摩詰の導入から引き込まれた。
・限界という概念 P39
0.限界とはあるものごとが、それでありうるぎりぎりの条件である。
1.限界とは、部分ではなく、全体に関わる...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年06月07日
[ 内容 ]
「すべて」と「無」は一致する。
私は強力で特異だからこそ、無と化していく。
独我論から私的言語論まで、正反対のものが折り重なる不思議な世界に分け入る。
[ 目次 ]
序章 不二の法門に入る―補助線として(この本のテーマ;正反対の一致 ほか)
第1章 独我論―「限界」としての「私」とは...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年12月27日
『論考』が「私」「世界」「言語」をどのようなものとしてとらえているか。そこに焦点を絞って説明してくれているのでありがたい。本書を読み進めていくと、著者が引用する『論考』の文が何だか理解できた気がするのがうれしい。特に60頁あたりの、「「言語」は、「世界」や「思考」や「論理」とは違って、その中で「限界...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年06月19日
ウィトゲンシュタインの入門書は書くのが難しいだろう。10人いれば10とおりの入門書ができる気がする。そんな訳でこれも一般的な入門書ではない。僕はそもそも独我論というのがまったくピンとこないので,その路線からのウィトゲンシュタインには興味がない。しかも論理学がからきしダメなのもあって,言語哲学そのも...続きを読む
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