貧困の戦後史 ──貧困の「かたち」はどう変わったのか

貧困の戦後史 ──貧困の「かたち」はどう変わったのか

1,705円 (税込)

8pt

4.2

敗戦直後の貧困は「食べるものすらない」という「かたち」で現れた。こうした中で、戦争により生み出された浮浪者や浮浪児の一部は炭鉱へと送られた。そこで生まれ育った若者の多くは集団就職で都会へと出ていき、その一部は「寄せ場」の労働者となった。高度経済成長により実現した大衆消費社会は多重債務問題をもたらし、バブル崩壊はホームレスを生んだ――。戦後日本の貧困の「かたち」がいかに変容したかを描き出し、今日における貧困問題の核心を衝く。

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貧困の戦後史 ──貧困の「かたち」はどう変わったのか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年09月19日

    副題にあるとおり、戦後日本の社会において貧困の「かたち」はどう変わったのかを綿密な実証分析とともにたどる好著。

    著者は1947年生まれでまさに戦後日本とともに生きてきた学者ならではの視点が充溢している。これは決して本書が著者の主観に左右されているということではない。叙述は客観的かつ冷静で要所が押さ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年09月22日

    岩田正美の本は面白い。著者によっては、同じ内容の繰り返しになってしまっていることが多いがこの人の本は何かしら新しい着眼点がある。
    この本では、戦後日本の貧困の「かたち」を素描している。「かたち」というこのふんわりとした語彙は厳密に意味を定めることができないかもしれない。しかし、著者の多年に渡る研究か...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年04月19日

     戦後日本の「貧困」の変遷をそれぞれの時代に沿って具体的な事実を通して(できるだけ当事者性を重視して)まとめている。貧困者の生活・家計の実情が具体的にわかる同時代史料を多く引用しており、数字の羅列ではない「生きた」戦後生活史・都市社会史として情報量が非常に多い。他方、本書では直接の批判は抑えているが...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年08月30日

    貧困の問題は根深い。貧困に対する無理解や、誤解が貧困対策への理解の妨げになっている。
    生活保護費の不正受給を大きく報道するが、その割合は微々たるものであり、それを理由に保護を必要とする人までも締め出されている。原因と対策が正しく対応していない。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2018年02月11日

    貧困問題の碩学が御年70歳にまとめた本書は、もしかしたら、著者のライフワークの集大成なのかもしれない。「下流老人」とか「ネカフェ難民」など現在の貧困に関する言説は多いが、戦後史として、より広い時間・世相がまとめられていて、読み応えがある。特に、貧困の「かたち」という言葉で示される、貧困状態にある人々...続きを読む

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