ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
8pt
おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。幼い娘を抱えながら、理不尽な暴力に直面してなおその目の光を失わない著者の姿は、連載中から大きな反響を呼んだ。ベストセラー『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』から3年、身体に残った言葉を聞きとるようにして書かれた初めてのエッセイ集。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
p240 この海をひとりで抱えることはもうできない。だからあなたに、海をあげる。 この最後の1行は、「助けて」という叫びだと感じた。 だから、私は沖縄の海をもらわなくてはならない。 旅行でたまに訪れる遠くの観光地としてではなく、自分の故郷のように。 そしてそれは、沖縄だけでなく、 福島であり、ガザ...続きを読むであり、ウクライナでもある。 頑張って頑張ってももうこらえきれない、抱えきれない人たちの苦しみを、安全な所にいる私たちは自分事として受け取り、行動を共にしていく義務があると思う。
1972年(S.47)に沖縄は本土復帰を果たした。 「その後沖縄はどうなったか?」普天間で暮らす著者が現状を綴ったエッセイです。幼い娘を持つ母の思いも伝わってきました。 息が詰まるような書き出しでした。 「食べられなくなるほどの苦しみ」を受けた彼女が書く作品を、最後まで読まなければならないと思いま...続きを読むした。 美しい沖縄の海。人は海に住む生きものと暮らし、亡くなればまた海に帰っていく。 シマ(今帰仁村)では、祖父の遺骨をお墓に納めた後、海に入り、海の彼方(ニライカナイ)に皆で声をかける。 旧暦の12月8日には、家族の健康や無病息災を願い、ムーチー(鬼餅)を作る。 沖縄に残る風習は親から子へと受け継がれていく。 「綺麗な海や水を、私たちは残せるのか?」 島の湧水や、子どもが飲んだり遊ぶ水も汚染されていた。 「基地のない平和な沖縄」には遠く「沖縄に基地は残され、飛行機が飛んでいる間、娘は怯えて泣き叫ぶ」 性暴力の被害にあわないよう、性教育を4歳で始める母親の気持ちを思うといたたまれなかった。 今、米軍の新しい基地のため、辺野古の青い海に土砂が投入されている。赤く濁った海で魚や珊瑚はゆっくり死んでいくだろう! 「もし、富士五湖に土砂が入れられると言えば、湘南の海にならどうだろうか?」と著者は問うている。 実際に現地に足を運ぶことができないもどかしさを感じるものの、沖縄に住む人々の痛みや怒りを知ることは私にもできると思う。
ご飯が好きな沖縄で暮らす母と娘の話かな〜くらいに読み始めたら全然違った。心にガツンと来る内容だった。 沖縄と聞けば、旅行、青い海、リゾート、バカンスといったイメージばかり。SNSでもそういう明るい沖縄の姿しか見かけない。でもこの本を読んで、中学の修学旅行で初めて訪れた沖縄のことを思い出した。初めて...続きを読むの沖縄の記憶は、戦争、白百合学徒隊、防空壕、、、そんな重い思い出ばかり。大人になってリゾートとして沖縄に行くいくようになってからは、その部分をすっかりと置き去りにしていた。 どうしても身近にない出来事は、日常の中でリアルには感じにくい。でも、この本をきっかけに、あの暗い防空壕の中で感じたことを思い出した。あの記憶は一生忘れてはいけない。これからはSNSでキラキラ沖縄を見る度に、修学旅行での経験と、この本のことを思い出したい。 いつか、子供にも読んでもらいたい一冊。
真藤順丈さんの『宝島』と並行しながら読んでいたのですが、両作品から、己の無知さや無関心さをひしひしと痛感させられました。 無意識に基地を押し付けている。これを差別と言わずに何と言うんだ? そう訴えかけられているようで、どちらも読んでいて終始苦しかった。 本島に生まれ、基地のない場所で暮らす自分こそ、...続きを読む沖縄のことに関心を持ち、彼らの抱える問題や歴史について知ろうと能動的にならなくてはいけないと感じました。住まう人々の苦しみを全てわかることが出来なくても、それでも海の向こうにある遠い出来事と思わず、これは自分たちにも繋がっている問題なのだと、そうやって無関心や無知という加害性を自覚することが、その土地への差別から抜け出す一歩だと思う。 まだまだ知識のない状態ですが、これから知って感情移入して、考え続けていきたいです…。
上間さんが書いたものは、本当に俺の感情を強く揺さぶる 以前に読んだ本もそうだった 最後の「海をあげる」もとてもよかった 内容からいうと、よかったなんて感想が出てくるはずないのだけれど そうです、わたし(たち)は海をもらわなければいけないんです
思いのほか、すっと読めました。 今まで何度も手に取りながら読めなかったのは何故だったんだろう。 あたたかくて、悲しくて、痛くて、愛おしい、あらゆる感情がぎゅっと詰まった一冊でした。 沖縄の現実に胸が苦しくなり、娘さんの存在にふわりと緩みました。 沖縄が背負わされているものを、沖縄以外の地に住む私...続きを読むたちももっと知らなくては、と思いました。
何を言えばいいかわからない。読むべき。読ませたい。読んでほしい。娘をかわいいと思うすべての人が。小さな女の子のかわいさを愛するひとが。沖縄で暮らすということが、女であるということが、女が娘を育てるということが、差別の中に暮らし、育てるとはどういうことなのかを。想像させてくれたし、想像させられてしまっ...続きを読むたから辛くて辛くて、動揺させられて、差別する側にしかいない自分が(行動しないのは現状を仕方ないとして容認することでしかないのではないか?)しんどくて、でももちろん行動なんかしたくなくて、他人事にしておきたいのに、それはやっぱりゆるされないと思う。 描かれているのはきちんと生きている明るい日常であって、筆致は優しい。本当に読みやすいし、普通に良いお話だし、でも読む前と読んだ後で変わって(変えられて)しまう。それは良いことだけど。
本土に出るには飛行機に乗らないといけなかったり、好きなアーティストのグッズを買うのに高い送料を払ったり、本土の人と明らかに経験できることが違ったりで、正直沖縄で生まれ育ったことに対してそこまでいいなと思ったことはなかった。 だけどこの本を読んで、沖縄に生まれたというアイデンティティを大切にするべきだ...続きを読むと思ったし、せっかく沖縄に生まれたんだから地元のことをより知ろうと思えた。
ほんとうに、これは読むことのバトンを渡したいと思う本だ。 沖縄で小さな娘の成長を見守りながら描かれたエッセイ、という形で届けられた、優れたノンフィクション。 柔らかな感受性の中に、きちんとした芯が感じられて、言葉がすーっと入ってくる。 生活と人柄のぬくもりが伝わる、いいエッセイだなと思う。 上間さん...続きを読むが抱えた傷、娘である風花ちゃんへの愛情は、舞台が沖縄でなくても普遍的に共感できる。 でも、沖縄に住むからこそ伝えたい現実があるのだと知るほど、深く言葉が刺さってくる。 沖縄での出口が見えない問題に押しつぶされそうな呻き声が散りばめられている。 差し出された海を、土砂で濁った海を拒絶するわけにはいかない。 耳を塞ぐわけにはいかない。 ここからは私見。 沖縄については、「ファクト」を知ってほしいと思う。 基地建設のための埋め立て工事が、資金投下しても見通しが立たない難事業であること。 米軍側が、軍事的には利用価値が低い政治の妥協点だとみなしていること。 結局、普天間の解決につながってないこと。 これらは「隠された不都合な真実」なんかじゃない。全国紙にたびたび掲載された、誰でも接するはずのオープンな情報だ。 基地の県内移設を決めたときの橋本龍太郎首相や沖縄県内の関係者の方々には苦渋の思いがあったと、想像する。 問題は、いま現実としてここまで継続が難しい案件をなぜ中止できないかということ。 いったん、始めてしまったことを止められないことが、政治でも身の回りでも、余りに多いのではないか。 すでに決まったことに反対するな、という思考停止した声を聞くたびに、情けなく思う。 辺野古が唯一の解決策だと繰り返す政府の思う壺なのが悔しい。 いや、いつだって最適な答えを探していくことが一番大事だろう。
真っ直ぐに響いてくる言葉に胸を突き刺される想いだった。沖縄が凝縮されている本。穏やかな救いもあるけど、自分の能天気さ無自覚さを突きつけられもした。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
海をあげる
新刊情報をお知らせします。
上間陽子
フォロー機能について
「ノンフィクション」無料一覧へ
「ノンフィクション」ランキングの一覧へ
言葉を失ったあとで
裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち
別冊NHK100分de名著 フェミニズム
裸足で逃げる ――沖縄の夜の街の少女たち
沖縄社会論 ――周縁と暴力
「上間陽子」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲海をあげる ページトップヘ