あらすじ
おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。幼い娘を抱えながら、理不尽な暴力に直面してなおその目の光を失わない著者の姿は、連載中から大きな反響を呼んだ。ベストセラー『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』から3年、身体に残った言葉を聞きとるようにして書かれた初めてのエッセイ集。
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Posted by ブクログ
はじめ小説かと思った。はじまりのストーリーはどこへやら、と思ったけどまぁそこは置いておいて。
日常の中にある社会問題と、真っ向から向き合っている。
一番グサグサきたのは沖縄のこと。
私は沖縄が大好きだけど、何度行こうともそれは観光の側面でしかない。そして沖縄出身の方にとても無神経な言葉を言っていたと反省。
沖縄の方が触れない話題というのもリアルだった。
私自身、海の美しさに幸せを感じながら暮らす日々に、なんとも言葉にしがたい槍を投げられた。
Posted by ブクログ
文章からものすごいエネルギーを感じた。
大多数に向けて書かれているはずなのに、自分に向けられているように感じる言葉がいくつかあって、どきりとした。
自分の視野の狭さに恥じると同時に、色んなことについて知ろうと努力するようになった。
色んな人がいる…それだけの認識では足りないのかなと考えさせられた。
Posted by ブクログ
読んでいると、生活のすべてがいとおしくなった。子どもたち、夫、目に映る風景、見たこともない誰かの今、看板の文字とか風とか音とか、あらゆるところに心がとんでいって何度も涙が出た。著者の文章が好きです。
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p240 この海をひとりで抱えることはもうできない。だからあなたに、海をあげる。
この最後の1行は、「助けて」という叫びだと感じた。
だから、私は沖縄の海をもらわなくてはならない。
旅行でたまに訪れる遠くの観光地としてではなく、自分の故郷のように。
そしてそれは、沖縄だけでなく、
福島であり、ガザであり、ウクライナでもある。
頑張って頑張ってももうこらえきれない、抱えきれない人たちの苦しみを、安全な所にいる私たちは自分事として受け取り、行動を共にしていく義務があると思う。
p224 富士五湖に土砂が入れられると言えば、吐き気をもよおすようなこの気持ちが伝わるのだろうか?湘南の海ならどうだろうか?
p234 沖縄に基地を押し付けているのは誰なのか。3人の米兵に強姦された女の子に詫びなくてはならない加害者のひとりは誰なのか。
沖縄の怒りに癒され、自分の生活圏を見返すことなく言葉を発すること自体が、日本と沖縄の関係を表している
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1972年(S.47)に沖縄は本土復帰を果たした。
「その後沖縄はどうなったか?」普天間で暮らす著者が現状を綴ったエッセイです。幼い娘を持つ母の思いも伝わってきました。
息が詰まるような書き出しでした。
「食べられなくなるほどの苦しみ」を受けた彼女が書く作品を、最後まで読まなければならないと思いました。
美しい沖縄の海。人は海に住む生きものと暮らし、亡くなればまた海に帰っていく。
シマ(今帰仁村)では、祖父の遺骨をお墓に納めた後、海に入り、海の彼方(ニライカナイ)に皆で声をかける。
旧暦の12月8日には、家族の健康や無病息災を願い、ムーチー(鬼餅)を作る。
沖縄に残る風習は親から子へと受け継がれていく。
「綺麗な海や水を、私たちは残せるのか?」
島の湧水や、子どもが飲んだり遊ぶ水も汚染されていた。
「基地のない平和な沖縄」には遠く「沖縄に基地は残され、飛行機が飛んでいる間、娘は怯えて泣き叫ぶ」
性暴力の被害にあわないよう、性教育を4歳で始める母親の気持ちを思うといたたまれなかった。
今、米軍の新しい基地のため、辺野古の青い海に土砂が投入されている。赤く濁った海で魚や珊瑚はゆっくり死んでいくだろう!
「もし、富士五湖に土砂が入れられると言えば、湘南の海にならどうだろうか?」と著者は問うている。
実際に現地に足を運ぶことができないもどかしさを感じるものの、沖縄に住む人々の痛みや怒りを知ることは私にもできると思う。
Posted by ブクログ
ご飯が好きな沖縄で暮らす母と娘の話かな〜くらいに読み始めたら全然違った。心にガツンと来る内容だった。
沖縄と聞けば、旅行、青い海、リゾート、バカンスといったイメージばかり。SNSでもそういう明るい沖縄の姿しか見かけない。でもこの本を読んで、中学の修学旅行で初めて訪れた沖縄のことを思い出した。初めての沖縄の記憶は、戦争、白百合学徒隊、防空壕、、、そんな重い思い出ばかり。大人になってリゾートとして沖縄に行くいくようになってからは、その部分をすっかりと置き去りにしていた。
どうしても身近にない出来事は、日常の中でリアルには感じにくい。でも、この本をきっかけに、あの暗い防空壕の中で感じたことを思い出した。あの記憶は一生忘れてはいけない。これからはSNSでキラキラ沖縄を見る度に、修学旅行での経験と、この本のことを思い出したい。
いつか、子供にも読んでもらいたい一冊。
Posted by ブクログ
真藤順丈さんの『宝島』と並行しながら読んでいたのですが、両作品から、己の無知さや無関心さをひしひしと痛感させられました。
無意識に基地を押し付けている。これを差別と言わずに何と言うんだ?
そう訴えかけられているようで、どちらも読んでいて終始苦しかった。
本島に生まれ、基地のない場所で暮らす自分こそ、沖縄のことに関心を持ち、彼らの抱える問題や歴史について知ろうと能動的にならなくてはいけないと感じました。住まう人々の苦しみを全てわかることが出来なくても、それでも海の向こうにある遠い出来事と思わず、これは自分たちにも繋がっている問題なのだと、そうやって無関心や無知という加害性を自覚することが、その土地への差別から抜け出す一歩だと思う。
まだまだ知識のない状態ですが、これから知って感情移入して、考え続けていきたいです…。
Posted by ブクログ
上間さんが書いたものは、本当に俺の感情を強く揺さぶる
以前に読んだ本もそうだった
最後の「海をあげる」もとてもよかった
内容からいうと、よかったなんて感想が出てくるはずないのだけれど
そうです、わたし(たち)は海をもらわなければいけないんです
Posted by ブクログ
思いのほか、すっと読めました。
今まで何度も手に取りながら読めなかったのは何故だったんだろう。
あたたかくて、悲しくて、痛くて、愛おしい、あらゆる感情がぎゅっと詰まった一冊でした。
沖縄の現実に胸が苦しくなり、娘さんの存在にふわりと緩みました。
沖縄が背負わされているものを、沖縄以外の地に住む私たちももっと知らなくては、と思いました。
Posted by ブクログ
沖縄の怒りに癒され、自分の生活圏を見返すことなく言葉を発すること自体が、日本と沖縄な関係を表していると私は彼に言うべきだった。
上間陽子さんのこの文章、私も忘れません。
静かな部屋で、読みました。何度も。
Posted by ブクログ
何を言えばいいかわからない。読むべき。読ませたい。読んでほしい。娘をかわいいと思うすべての人が。小さな女の子のかわいさを愛するひとが。沖縄で暮らすということが、女であるということが、女が娘を育てるということが、差別の中に暮らし、育てるとはどういうことなのかを。想像させてくれたし、想像させられてしまったから辛くて辛くて、動揺させられて、差別する側にしかいない自分が(行動しないのは現状を仕方ないとして容認することでしかないのではないか?)しんどくて、でももちろん行動なんかしたくなくて、他人事にしておきたいのに、それはやっぱりゆるされないと思う。
描かれているのはきちんと生きている明るい日常であって、筆致は優しい。本当に読みやすいし、普通に良いお話だし、でも読む前と読んだ後で変わって(変えられて)しまう。それは良いことだけど。
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ノンフィクション大賞の本を読みたくて読みました。
タイトル、表紙からどんな内容なんだろ?と想像を巡らせながら読みました。
内容は、沖縄出身の著者の日常生活を織り交ぜながら、辺野古埋立、戦争、若年出産について語られています。
本土の人から見る沖縄(きれいな海の沖縄)とは違う、沖縄の人から見た沖縄で全然違うと言うことがわかりました。
生まれ育った地、育った環境で価値観のが決まる。それは、人それぞれで同じ人は一人といない。
この違いがあることを知り、理解するとまた新しい自分になれると思いました。
Posted by ブクログ
本州に住んでいる私には沖縄で起こっていた問題について、これまで他人事だと思っていたことを痛感させられた。沖縄の人々にとってはニュースの中の出来事や政治の問題などではなく自分の生活に関わる問題であり、今も尚その問題は解決していない。作者はその問題を問題としてというよりかは自身の生活の一部として、エッセイという形にして世に出してくれている。沖縄の文化や作者自身の生活と共に、私たちに沖縄の現状を教えてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
日常生活の中で、自分だけではどうすることもできない大きな力によって、身動きが取れない環境を強いられていて、静かな怒りを抱えている人がいることを知れた。その中で、行動している人がいて、でもすぐに問題が解決するわけじゃない無力感というか苦しさもある。
こういったことが自分たちのすぐ近くで起こっていても、これまでしっかりと知ろうとしていなかった。行動できていない自分を知ることができた。
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目次
・美味しいごはん
・ふたりの花泥棒
・きれいな水
・ひとりで生きる
・波の音やら海の音
・優しいひと
・三月の子ども
・私の花
・何も響かない
・空を駆ける
・アリエルの王国
・海をあげる
本屋大賞のノンフィクション部門にノミネートされた本ということで手に取った本。
それ以外の情報はなかった。
ノンフィクション=ルポルタージュというわけではないとは思うが、始めの一編で最初の夫との離婚の話で、一体何を読まされているのかと混乱した。
夫が親友と浮気して、もう別れたけれど、今後どうしたらいい?という話。
これは、片方の当事者からしか情報を得ることができない状態で読まされるべきものではないと思うのだ。
そして、彼女の多用する「○○してあげる、あげた」という表現。
「困っていると呼びつけられたら、お金を貸してあげた」「親切にしてあげた人に裏切られた」
他意はないのかもしれない。
ただの文章上の癖なのかもしれない。
でも、どうしても上からものを言っているように見えてしまう。
「してあげる」と思っている人から一方的に善意を「してもらう」しかない人の心のうちを想像することはないのだろう。
「お金を貸した」「親切にした」でいいと思うのだけど。
その後、沖縄の海洋汚染や基地問題などにも触れているのだけれど、あくまでもこれはエッセイ。
エッセイはノンフィクションなのか問題。もやもや。
あと、文章の組み立てが稚拙というか、わかりにくい。
結局何を言っているの?と読み返すこと数回。
素人の文章だなあと思っていたら、大学の教授じゃないですか。うーむ。
Posted by ブクログ
母、フィールドワーカー、娘、孫、姉——さまざまな立場から考えられてきた作者の死生観が、美しい言葉で語られている。社会問題を扱いながらも、一人の女性としての率直な感情が綴られており、深い共感を覚えた。
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南沢奈央さんのラジオで紹介されていて興味を持った一冊。自分の家族や人の気持ちについて思いを馳せる。世の中の問題を自分ごととして捉えるにはどうしたら良いのか。大変な出来事や痛ましい事件を知るたびに目の前の家族ばかり優先させてしまうなともどかしい気持ちになった。
大人は沖縄の貧困に連なる様々な問題と向き合わなければならない。
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吐き気をもよおすほどの、沖縄の若い子達の苦悩、を聴く仕事をする上間さん、、
彼女を癒してきた海、に赤土が入る、辺野古埋め立て
ハンガーストライキも知らなかった私、です…
普天間基地で自衛隊も共同訓練を行い、実戦を経験している米軍から色々と学んでいるのは事実、がしかし…
娘の風花ちゃんが迷子になったのを機に、性教育を始め、、卒園式では親を鶯の止まり木を守るひと、に例える上間さんのエッセイ、哀しくも優しくて…読んで良かったです
沖縄の貧困ゆえに、幼い頃から性被害、家庭内暴力、援助交際、妊娠・出産、、という問題が存在する、のは、沖縄に敗戦、米軍基地を押し付けてきた私達おとな、の責任でもあるのだなぁ、今までちゃんと向き合って来なかった、と反省しました…知ることが出来てよかったです…
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自分は沖縄のことを何も知らない。と思った。
少し恥ずかしくなった。
柔らかい文章で、私たちは沖縄の海を渡される。
あと、この本で本当に伝えたいだろう事とは、逸れた話だけれど。
葬儀の後、みんなが海に入っていくところで、
しんだら穏やかだなぁ、なんか、シンプルだなぁと思って、色々悩んでるのがつまらない気がした。
どうせ、みんなしんだらこうやって海の遠くにいく。なら、難しいことも失敗も、何も怖くないなぁと。好きなことやってみたらいいじゃん、楽しんだらいいじゃん、生きてるうちに。と思った。
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著者の方のパーソナルな思い出と、現在の子育ての営みと、沖縄の抱えるさまざまな問題を描いたエッセイ。静かな筆致で綴られる、重たい内容。ひとごとにしてはいけない。
Posted by ブクログ
著者の様々な人生体験と自身の調査で出会った方々との交流の中で著者の感じたこと等が綴られたノンフィクション書籍。
主として、著者の故郷である沖縄を中心として記されている。
恥ずかしながら、僕が今までどこか縁遠く他人事のように眺めてしまっていた「基地問題」と「女性問題」を、現実味と切実さを伴ってそっと見せられた気持ちになった。
文が、言葉が、まさしく「なま」の声を発していた。
そして、聞く人であり話す人である著者を癒し、支え、温めるのは、著者の娘さんだった。
おばあ様をはじめ近親者の方々とのお話しの中には、家族観を考えさせられるエピソードも多い。
沖縄という複雑なルーツと文化が引き摺る「タブー」は、本書を読んだ人に解決が託された。海をあげるように、僕に託された。
目の前に広がるのは、青く輝く海。
環境破壊・基地問題・女性問題は目の前にある。
人を信じたいと思う人、声を上げ続ける人、共に生きたいと願う人は、僕の、目の前に、いる。
Posted by ブクログ
大事にしたい しっかりと受け取らないといけないと思いました。そして、人からもらったものを粗末には扱えない、責任を持って向き合い続けないといけない、そう思いました。いただいたものを大事にしたいと思います。
ニライカナイの辺りで再読を思い出し、ハンガーストライキの所で確信しました。5年以内に読んでいても、当時も上記のように深く感情を揺さぶられていても、再読に途中まで気づかなかったことを悲しく思います。私の読書はなんなのでしょう。
Posted by ブクログ
基地問題を安全保障や政治の文脈ではなく、沖縄で暮らす人々の日常や感情のレベルから描いている点が印象的だった。騒音や水、生活への影響など、これまで自分があまり意識してこなかった側面に触れることができ、「合理性だけでは割り切れない問題」であることはよく理解できた。
一方で、読み進める中でいくつかモヤっとする部分もあった。特に、性風俗や若年女性の話については、当事者への踏み込み方が強く、支援というより介入に近い印象を受けた。また、メンタル面のケアについても専門家の領域との線引きが曖昧に感じられ、やや違和感が残った。個別エピソードの力は強いが、その分「切り取り」によるバイアスや一般化の難しさも感じた。
さらに、娘や保育園に関する記述では、著者自身の価値観を周囲に広げていくような描写があり、そこにも過剰介入に近い印象を受けた。問題意識の強さや正しさは理解できるが、それが他者への働きかけとして現れたときの距離感には慎重さが必要だと感じた。
総じて、本書は強い問題提起を持つ一方で、あくまで著者の視点によるエッセイであり、読み手側が距離を取りながら受け止めることが重要だと感じた。一つの視点として価値は高いが、他の立場や背景も含めて考えることで、より立体的に理解できるテーマだと思う。
Posted by ブクログ
実際に沖縄に住んでいる人の基地、米軍の性的暴行に対する思いが丁寧に、率直に書かれていた。
実際に住んでいると当事者だからこそ、声が上げられなくなってしまうんだなと思った。だから客観的に見ることのできる人が他人事ととして考えるのではなく、声を上げなければいけないんじゃないかな。
Posted by ブクログ
普天間基地の近くに住み、未成年の少女たちの支援・調査に携わっている著者のノンフィクションエッセイ。若年出産をした女性の聞き取り調査、沖縄の現状などが淡々と綴られていきます。知ることの大切さに気づかされる一冊です。