サンカの民と被差別の世界 ――隠された日本 中国・関東

サンカの民と被差別の世界 ――隠された日本 中国・関東

ビジネス・実用
880円 (税込)

4pt

4.2

【著者のことば】私は、隠された歴史のひだを見なければ、“日本人のこころ”を考えたことにはならないと思っています。今回は「家船」漁民という海の漂泊民から「サンカ」という山の漂泊民へ、そして、日本人とは何かという問題まで踏みこむことになりました。それは、これまでに体験したことのなかった新しいことを知り、自分自身も興奮させられる旅でした。

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サンカの民と被差別の世界 ――隠された日本 中国・関東 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    著者が戦後の引揚者であったことはよく知られていいると思うが、朝鮮でどのようなことがあったのかはあまり語られていなかったと記憶している。本書ではその頃、そして引揚後の九州での生活が少し語られている。差別をされていたのだという。その心持ちをアルベール・カミュの「異邦人」の心境になぞられているのは深いなあと感じた。
    差別の原点は自らと異なるものを排除したい気持ちにほかならないけれど、その反意が寛容であるという主張には説得力がある。

    0
    2016年01月17日

    Posted by ブクログ

    副題は「隠された日本」。日本の歴史を語る上でまず表舞台には上がらない人々に焦点をあてるシリーズ。第1巻では海山に生きた漂泊の民と関東地域の被差別階層の人々を取り上げている。
    日本人単一民族論について冒頭でイリュージョンと評しているが、私も知識の上ではそれらがファンタジーであると知っている。だが、民族的もしくは民俗的少数派の人々というものについて実感として持ちものはほぼないし、多くの人にとってもそうだと思う。
    これは不思議なことであり、私の理解としては不当とか悲劇とかいう以前にもったいないことだと思う。こういう人間の力強さを感じる話は好き。

    0
    2014年05月12日

    Posted by ブクログ

    江戸時代にも戸籍に類するものがあったけれど、人別長にも載らなかった人達を探っての五木寛之さんの旅。
    学術書ではないので読みやすい。
    一芸に秀でる事は良い意味で語られるけれど、秀でなければ生きられなかった人達には生きる術でしかなかったんだろうと、感慨深い。

    0
    2024年10月11日

    Posted by ブクログ

    あまり表には出ることの無い日本の歴史を五木寛之が訪ね歩き、真実をとらえようと試みたノンフィクション。

    無性にロマンをかき立てられるサンカ…一説には、三角寛の創作とも言われるのだが、真実は…サンカなどの漂白民が、現代のフリーターに似ており、縛られることの不自由という著者の考えには納得出来る。また、漂白民と被差別の歴史が表裏一体の関係であったという著者の考察も非常に面白いと思った。

    第一部では、海と山の漂白民の歴史と差別が形成される歴史が描かれ、家船とサンカに触れる。第二部では、関東での差別の歴史が描かれる。

    0
    2014年04月13日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     人種差別という言葉、普通に生活していれば聞かない言葉だ。
     その言葉を聞くと、自分とは関係のない、むしろ宗教に似たいかがわしさを感じる。

     しかし、かつて戸籍に登録されない人たちが日本には存在していた。

     海の上、船で一生を終える「家船(えぶね)」
     山の中で移動しながら生きていた「山咼(さんか)」

     前半では戦後まで存在していた彼らの存在を炙り出す。

     後半では江戸時代の階級、士農工商のさらにその下にいた穢多・非人に焦点を当てる。

     関東一円の穢多を取りまとめていた穢多頭の称号「弾左衛門」とその下で非人を管理していた「車善七」筆頭四人の存在。

     本人は穢多の被差別民ながら旗本ほどの石高と穢多に対する裁判権を持つという二面性を持っていた。


     かつて日本に存在していた被差別民たちの存在が忘れ去られる前に書き記される。

     日本には明治維新前後、そして戦前前後の二回、文化の断絶が起きている。

     かつて何があったのか、失われた記憶記録を炙り出す作業は日本文化の流れを知るために必要なことだと思う。

     かつての被差別民の存在を示すことで、現在は差別が表面に浮かび上がることがない平和な世の中になったことを実感できる。
     ただし、それは北から南まで日本国民が均一化したことを意味する。

     人と違うことをすると社会から爪はじきにされるという構造は昔から変わらないのかもしれない。

    0
    2015年01月31日

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