文藝春秋作品一覧

非表示の作品があります

  • 食べ物連載 くいいじ
    3.9
    激しい〆切中でもやっぱり美味しいものが食べたい!  漫画家・安野モヨコが自らのどうにも止まらない「喰い意地」を描いた、初の食べ物エッセイ集。 口癖は「お腹へった」。昼ごはんを食べながら夕食のメニューを考えるほどの食いしん坊な漫画家・安野モヨコさん。激しく〆切中なのに編集者の目を盗んでディナーの予約を入れ、数々の差し入れをモグモグ。友人が遊びに来れば、冷蔵庫が空っぽになるまで料理をし、ベジタリアンの夫の好物である豆を煮る。散歩のときに何か食べたくなって鎌倉のお店を食べ歩き、おいしいものを存分に食べるため、絶食ダイエットに挑戦……。こんな、どうにも止まらない自らの「くいいじ」を描いたエッセイ集。安野流簡単レシピやお気に入りの調味料、器もちょこっと紹介します。
  • 大人のいない国
    3.9
    かつてなく幼稚化した日本。メディアでもネットでも、「こんな日本に誰がした」という犯人捜しの物言いや他罰的な言論が多いと思いませんか? 本書では、日本でいま一番練れた「大人」の思考をもつ哲学者と思想家が、現代社会と成熟について存分に語り合います。「子どもを成熟させないシステムを作り上げてきたのは私たち自身」「人は年をとるほど“多重人格化”していく」等々、ドキリとする言葉が満載。「大人が消えつつある日本」のいまを多層的に分析し、成熟への道しるべを示した目からウロコの1冊です!
  • 安土城の幽霊 「信長の棺」異聞録
    3.9
    秀吉の秘技、家康の妄執、天下人たちの意外な素顔を巧みに描く、「本能寺3部作」外伝! 信長の命により息子の信康を自刃させてしまった家康。日々鬱々として過ごす家康は、ある日名案を思いつき、臣下の服部半蔵を安土城に派遣する。果たしてその結果は? 表題作「安土城の幽霊」ほか、信長、秀吉、家康と持ち主の運命を左右する器の物語など、著者初めての中篇歴史小説集。
  • 蒼龍
    3.9
    大人気時代小説家・山本一力の傑作中篇集。途方もない借金を背負う若夫婦が、起死回生を狙って茶碗の新柄の公募に挑む。その顛末は――。貧しい暮らしの中で追いかける大きな夢。武家社会の心意気、商人の気概。誠を尽くせば、身分の差を越えて人は分かりあうことができる。生きる力と明日への希望を与えてくれる感動作。「オール讀物」新人賞を受賞しデビューのきっかけとなった表題作は、著者自身の新人賞に応募していた当時の心情が色濃く反映され、胸に迫る。その他、『あかね空』以降に執筆した四作品を併録。
  • 半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義
    3.9
    オリジナル文庫と電子書籍同時発売! 悪ガキたちの昭和史から、映画『風立ちぬ』、日本の明日まで。 世界の「宮崎駿」と昭和の語り部「半藤一利」がニッポンを語る! 半藤「ヨーシ、こうなったらうんと長生きして、やっぱりもう一作、宮崎さん、待とうじゃないの」 宮崎「いやいや、それはちょっと待ってください(笑)」。宮崎駿監督が「かねてからお目にかかりたかった」という昭和の語り部・半藤一利さん。「漱石好き」という共通点からたちまち二人は意気投合。宮崎作品最新作『風立ちぬ』で描かれる昭和史をたどりつつ、持たざる国・日本の行く末を思料する。貴重な対談で構成された、オリジナル作品。
  • 遺伝子が解く! アタマはスローな方がいい!?
    3.9
    どうして美人はスタイルがよく、ナマケモノは絶滅せず、草食動物は栄養失調にならず、人間とチンパンジーの遺伝子は1%しか違いがなく、実子よりも育ての子のほうが可愛い気がして、夫婦は似たもの同士が多いのか? 動物行動学をベースに、タケウチさんがズバリ、答えます。ますます快調の「遺伝子が解く!」シリーズ第4弾。
  • 東慶寺花だより
    3.9
    井上ひさしが十年をかけて紡いだ、感動の遺作! 江戸時代、女たちが不幸な結婚から逃れるための「駆け込み寺」であった鎌倉の東慶寺。その門前に建つ御用宿の居候で、戯作者志望の青年の目を通し、救いを求めて寺に身を寄せる女たちの物語が描かれる。ただ虐げられるばかりではない。怒り、抵抗し、許し、受け入れる。名もなき人々の弱さと強さを優しい視線で見つめた井上文学の到達点とも言うべき、静かな感動に満ちた連作短篇集。著者自身による特別講義を巻末収録。
  • おたふく
    3.9
    冷え込んだ江戸の景気を救ったのは、一商人が始めた弁当屋――未曾有の不景気に見舞われた寛政の江戸。大店「特撰堂」の次男・裕治郎は実家を離れ、弁当屋を始める。客を思い、取引相手に真を尽くす裕治郎の商いは普請場の職人の評判をとり、火消しを走らせ、武家と町人を結び、やがて途方もなく大きく育ってゆく……。安くて美味いもので人は元気になる! 経済エンタテインメント小説。2008年10月~2009年11月、「日本経済新聞」夕刊に連載。
  • 日本の路地を旅する
    3.9
    大宅壮一ノンフィクション賞受賞。中上健次はそこを「路地」と呼んだ。「路地」とは被差別部落のことである。自らの出身地である大阪・更池を出発点に、日本の「路地」を訪ね歩くその旅は、いつしか、少女に対して恥ずべき犯罪を犯して沖縄に流れていった実兄との幼き日の切ない思い出を確認する旅に。
  • 星々の悲しみ
    3.9
    1巻550円 (税込)
    喫茶店に掛けてあった絵を盗み出す予備校生たち、アルバイトで西瓜を売る高校生、蝶の標本をコレクションする散髪屋──。若さ故の熱気と闇に突き動かされながら、生きることの理由を求め続ける青年たち。永遠に変らぬ青春の美しさ、悲しさ、残酷さを、みごとな物語と透徹したまなざしで描く傑作短篇集。
  • 教科書に載ってないUSA語録
    3.9
    「週刊文春」人気コラムを1冊に。新聞、テレビ、ウェブでは分からない超大国アメリカの素顔とは。現地在住の著者が、「日本人の知らないアメリカ語」ともいうべき名言、失言、流行語から読み解きます。イーストウッド監督の「今、アメリカはハーフタイムなんだ」との言葉に、自信を失ったアメリカ国民はみな涙を流したとか。連載でおなじみの澤井健さんによるギャグセンスあふれるイラストも収録。まさに町山ワールド全開ともいうべき、1級のアメリカ批評本です。
  • 闇の奥
    3.9
    1巻691円 (税込)
    太平洋戦争末期、北ボルネオで気鋭の民族学者・三上隆が忽然と姿を消した。彼はジャングルの奥地に隠れ住む矮人族(ネグリト)を追っていたという。三上の生存を信じる捜索隊は、彼の足跡を辿るうち、ジャングルの奥地で妖しい世界に迷い込む──。ジョセフ・コンラッド『闇の奥』に着想を得、その思想を更に発展させた意欲的な一大冒険ロマン。2011年、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
  • 理系クン 結婚できるかな?
    3.9
    『容疑者Xの献身』や、ノーベル物理学賞が話題となって、世は空前の理系ブーム! 理系男子のよさに着目する女性が多数出現。その牽引車(けんいんしゃ)である著者、高世えり子さんが描く、最新コミックエッセイの内容は理系クンと結婚式を挙げるまで……。理系男子と文系女子の間にある黒くて深い川を越え、結婚という高いハードルを越えることができるのか? 理系クンのゆびわの素材への妙なこだわりから、ロマンチックさには欠けるものの、超?まじめなプロポーズまで……。抱腹&感動の1冊です。
  • いざ志願! おひとりさま自衛隊
    3.9
    酔った勢いで応募した「予備自衛官補(よびじほ)」の試験が合格。全身あざだらけの戦闘訓練、土砂降りドロドロの匍匐前進。おまけにマスクなしの催涙ガス実体験。女子による驚きと笑いの体当たり記録です。はじめは見物気分だった彼女も、いつしか腕は周囲の自衛隊系女子に褒められるほど太くなり、腹から出る声も大きく居酒屋に一発でオーダーを通すほどに成長! 文庫版では予備自衛官にはじめて招集のかかった東日本大震災など、勤続6年を越えた岡田真理さんのスペシャルを2章追加です!
  • 池上彰の宗教がわかれば世界が見える
    3.9
    仏教、ユダヤ教、キリスト教からイスラム教まで。ビン・ラディン殺害や中東革命など、海外ニュースの背後には宗教が潜んでいる。そこで池上さんが、7人の賢者に、素朴すぎる質問をしてくれました。「南無阿弥陀仏」の意味は? 「最後の審判」は来ますか? 「コーラン」って何? 「葬式はいらない」の? 「いい死に方」って何ですか? 池上さんのやさしい解説で、究極の「人生のレッスン」が学べます。
  • 路地裏ビルヂング
    3.9
    怪しげな健康食品販売会社に心ならずも就職した元フリーターの加藤は、路地裏のおんぼろビルの前に立つと呆然として見上げた。無認可保育園、学習塾、不動産屋、そしてデザイン事務所……。同じ小さなビルのなかで働きながら、それぞれの人生とすれちがう小さな奇跡。あたたかな気持ちになれる連作短篇集。
  • abさんご
    3.9
    「途方もないものを読ませていただいた」──蓮實重彦・東大元総長の絶賛を浴びて早稲田文学新人賞を受賞した本作は、75歳の著者デビュー作。昭和の知的な家庭に生まれたひとりの幼子が成長し、両親を見送るまでの美しくしなやかな物語である。半世紀以上ひたむきに文学と向き合い、全文横書き、「固有名詞」や「かぎかっこ」「カタカナ」を一切使わない、日本語の限界に挑む超実験小説を完成させた。第148回芥川賞受賞作。小説集『abさんご』より表題作のみ収録。
  • これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義
    3.9
    授業をネットで無料公開しているマサチューセッツ工科大学。世界中で大人気なのが、ルーウィン教授の物理学入門講義。教室に鉄球の振り子を下げ、反対側のガラスを粉々に砕き、返ってくる鉄球が、教授の顔面を粉々に砕く寸前で止まる様を見せて、エネルギー保存の法則を伝える、など、物理学の美しい法則を身近な事象で体をはって説明をしていく。虹はなぜ、あのような色の順番なのか? ビッグバンはどんな音がしたのか? NHKでも放映され、世界中で人気の授業を完全書籍化。
  • 世界ボーイズラブ大全 「耽美」と「少年愛」と「悦楽」の罠
    3.9
    同性愛は人類の歴史と同じくらい古い。「精液授与の行為」「家の贅沢品としての快楽の子」「美少年奴隷」「ペニスを癒す“稚魚”の少年」「男色処罰法」「容貌の劣るものを嫌った“童貞王”」「少年売春宿」「混ざり合うSMとBL」「男性同士の天使愛」「僧侶と稚児」「江戸時代の陰間」etc.世界中から集めたボーイズラブ仰天エピソードの数々!
  • 本人伝説リミックス
    3.9
    「本人術」…それは自分の顔をキャンバスにして似顔絵を描き、本人になりすまして話せば、真実がみえてくるという術。近年、世間の注目を集めた国内外の有名人──松田聖子、アラーキー、スティーブ・ジョブズ、澤穂希、島田紳助、橋下徹、由紀さおり、浅田真央など──に伸坊さんがなりました! 本人になりきって“今”を切りとる、ユーモア溢れる本人エッセイも秀逸。あとがきでは超アナログな「本人術」舞台裏も公開。何度見てもおかしい、爆笑必至の1冊!
  • 朝のこどもの玩具箱(おもちゃばこ)
    3.9
    父を亡くし若い継母と2人暮らすことになった高校生、目覚めたらシッポがはえていたイジメられっ子の小学生、人間界へ潜入中に女性と恋仲になってしまった雄キツネ──希望がきらめく瑞々しい少年少女の気持ちがギュッと詰まった、まさに小説の“玩具箱”。新聞連載された12話の中から6話を採録。もう6話を収録する姉妹篇『夜のだれかの玩具箱』と併せて、幅広い作風のあさのあつこワールド入門にも最適な短篇集。一話ごとに寄せる想いを綴った【自作解説】付き。
  • ボーン・コレクター(上)
    3.9
    ケネディ国際空港からタクシーに乗った出張帰りの男女が忽然と消えた。やがて生き埋めにされた男が発見されたが、地面に突き出た薬指の肉はすっかり削ぎ落とされ、女物の指輪が光っていた……女はどこに!? NY市警は、科学捜査専門家リンカーン・ライムに協力を要請する。彼は四肢麻痺でベッドから一歩も動けないのだが……。ハンデをも武器にする、ニューヒーローが大活躍の傑作ジェットコースターミステリ。<リンカーン・ライム>シリーズ第1弾!
  • がん放置療法のすすめ 患者150人の証言
    3.9
    ほとんどの人は、がんを見つけたらすぐに治療をはじめ、切除しなければと考える。しかし、著者は慌てて治療を始める不利益を説く。放置してもがんが転移せず、大きくもならない人がたくさんいるからだ。「本書を読まれて『本物』と『もどき』の違いを知り、転移に対する認識を改めることができたなら、もっと気楽な気持ちで(がん)に接することができるでしょう」(本書より)。自分が、家族が、恋人が、がんを告知されたらどうするか? そんなときの行動指針になる一冊。菊池寛賞受賞の医師が書く、がんの真実。
  • ふたつめの月
    3.9
    契約社員からようやく本採用になった矢先、解雇をいいわたされた久里子。心から喜んでくれた両親の手前、出社するふりをしては日中ぶらぶらと暇をつぶす毎日を送っていた。ある日、偶然すれ違った元同僚の言葉に不審な点が──もしかして私、自分から辞めたことになってる? いくつかの事件に巻き込まれ、謎の老人や犬たちとの出会いによって成長していく久里子の様子が頼もしい、読後感あたたかなミステリー。『賢者はベンチで思索する』の続編。
  • あした咲く蕾
    3.9
    「ほんとうにうつくしいものは、目に見えないものかもしれない」。美しい容姿からは想像もつかないほどガサツな叔母の意外な秘密について描く表題作、雨の日だけ他人の心の声が聞こえる少女を描く「雨つぶ通信」、日暮里の奇妙な中華料理屋を巡る奇譚「カンカン軒怪異譚」など、『花まんま』『かたみ歌』の著者が、昭和の東京下町を舞台に紡ぐ「赦し」と「再生」の七つの物語。
  • 季節風 冬
    3.9
    1~4巻565~691円 (税込)
    出産のために離れて暮らす母親のことを想う5歳の女の子の素敵なクリスマスを描いた「サンタ・エクスプレス」ほか、<ひとの“想い”を信じていなければ小説は書けない気がする>という著者が、普通の人々の小さくて大きな世界を季節ごとに描き出す短篇集「季節風」シリーズの冬篇。寒い季節を暖かくしてくれる、冬の物語12篇を収録。
  • キサトア
    3.9
    世界的アーティストだが病気で色がわからないアーチ、朝と夜それぞれ真逆の時間に眠る不思議な妹キサとトア。不便な事もあるけれど、<風のエキスパート>である父と海辺の町の愉快な仲間と共に楽しく暮らしている。だが父の仕事が原因で一家は少し困ったことに……。日の入りと日の出を眺める丘の上の家に越してきた一家と元気いっぱいの友人たち。風変わりな町の住人たちの物語。
  • 夏のくじら
    3.9
    1巻733円 (税込)
    都会から高知に越してきた大学生の篤史。従兄弟から強引に本場よさこい祭りに誘われ、地元の町内会チームに参加を決めた。どこよりも熱く個性的な面々、踊りも衣装も楽曲もゼロから作るやり方に戸惑う篤史だが、実は4年前の祭りで出逢った初恋の人を探すという秘かな動機があった。仲間の協力も得て、彼女の捜索と踊りの練習に熱中するうち本番が迫る──想い出の彼女は見つかるのか? どこの誰なのか? 甘酸っぱい恋心と、熱狂的な祭りの興奮を鮮やかに描いた青春群像!
  • 擬態
    3.9
    離婚を機にボクシングジム通いを始めた会社員、立原章司40歳。ビルの内部設備を請け負う会社で、淡々と仕事をこなし定時退社する男は、何の前触れもなく虚無感に支配され、何かをぶっ毀してみたくなった。ボクシングで鍛えあげた精神と肉体は、いまや凶器だ。取引先のビル立ち退きを巡る抗争に巻き込まれた立原は、会社も極道も警察も手がつけられないほどに凶暴化していく。高揚感に包まれながら──。圧倒的な筆力で男の心の闇を抉る、ハードボイルドの傑作長篇!
  • 花まんま
    3.9
    【第133回直木賞受賞作「花まんま」映画化決定!】 まだ幼い妹がある日突然、母のお腹にいた時のことを話し始める。それ以降、保育園をぬけだし、電車でどこかへ行こうとしたり、習ったことの無い漢字を書いたり。そして、自分は誰かの生まれ変わりだと言い出した…(表題作「花まんま」)。 INFORMATION 映画『花まんま』 2025年春 全国公開 出演:鈴木亮平 有村架純 監督:前田 哲 配給:東映 公式HP:https://hanamanma.com ~映画化によせて~原作者の言葉 私が書いた『花まんま』は八十枚ほどの短編で、もともとは子供である俊樹とフミ子の物語でした。今回の映画化の際には、原作をそのままに生かしつつストーリーを膨らませ、見事に世界を広げていただきました。私の手が届かなかったところにまで気持ちが届いていて、原作者冥利に尽きるというものです。さらに存在感のある出演者の方々には期待が高まるばかりで、まさに私一人では見ることができなかった『花まんま』です。 ------------------ 昭和30~40年代の大阪の下町を舞台に、当時子どもだった主人公たちの思い出が語られる。ちょっと怖くて不思議なことや、様々な喜びやほろ苦さを含む物語に、深い感動と懐かしさがせまる傑作短篇集。 第133回直木賞受賞作。
  • 輪違屋糸里(上)
    3.9
    新選組局長・芹沢鴨はなぜ殺されたのか? 近藤勇ら試衛館派と芹沢鴨ら水戸派の間で対立が深まっていた、新選組と呼ばれる前の壬生浪士組。京都・島原の置屋「輪違屋(わちがいや)」の芸妓・糸里は、姉のような存在の音羽太夫を芹沢に無礼討ちにされ、浪士達の抗争に巻き込まれていく…。土方歳三を慕う糸里、芹沢の愛人・お梅ら新選組に関わる運命を背負った女たちの視点から、激動の時代のうねりを描く。大ベストセラー『壬生義士伝』に続く“浅田版”新選組、第二弾!
  • 私の釣魚大全
    3.9
    餌のミミズの話にはじまって卓抜なる文明批評に到る、釣魚エッセイこれぞ決定版! コイを抱き取る名人まあしゃんの話、カジカをハンマーで捕る話、根釧原野で“幻の魚”を釣る話、井伏鱒二氏が鱒を釣る話、遠くはバイエルン・チロル・メコン河で魚を釣る話、古代人の釣りを体験する話……釣魚を語って、卓抜な文明批評とユニークな自然観をも繰り広げ、その多彩な描写と、無垢なる愉しみにはまず類がない。1969年刊行の原本に大幅に加筆して、図版を加えた決定版。
  • 私本・源氏物語
    3.9
    「どの女も新鮮味が無うなった」「大将、またでっか!?」ウチの大将・光源氏の君は御年17歳。好奇心はちきれんばかりの色けざかりの遊び好き。花の如き美貌の貴公子であらせられるが、女にモテすぎて、もはや恋愛傾向がアブノーマルになりつつあるのが悩みの種。さて今宵もまた、大将のおなご漁りの橋渡し役にひと肌脱ぐとしますか……。世間をよく知るオッサン家臣「ヒゲの伴男」が、庶民目線で無敵のナンパ師「光源氏」の恋愛ライフを語る。お茶目な源氏物語!
  • エベレストを越えて
    3.9
    「私にとって、良い山とはひとつの極限を意味している」──若き日、北米、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南米と冒険の旅を続けた植村直己は、1970年、日本人として初めて世界最高峰に立ったことで「世界のウエムラ」となった。その後、彼は垂直から水平へ、エベレストから南北両極圏へと関心を移したが、極限という意味で、エベレストこそ植村にとって至上の“良い山”であった。五回にわたるエベレスト行の総決算としてつづった本書は、登山家・植村の<山への遺書>となった。
  • 女ざかり
    3.9
    かつて、こんな小説があったろうか? 南弓子は、大新聞の論説委員。成人した娘がいるが、今は独身で、長年の恋人もいる、美しき女ざかり。書いたコラムが、政府からの圧力をうけ、思いがけず論説委員を追われそうになる。弓子は、恋人の大学教授、友人、家族を総動員して反撃に出るが、はたして功を奏するか? 大新聞と政府と女性論説委員の攻防をつぶさに描き、騒然たる話題を呼んだベストセラー。94年に吉永小百合・主演で映画化。小説の醍醐味をたっぷりと味わえる名作である。
  • 女の人差し指
    3.9
    表題のエッセイを「週刊文春」で連載中に、台湾上空で航空機事故に遭い、還らぬ人となった向田邦子。連載最後のエッセイとなった「クラシック」をはじめ、テレビドラマ脚本家デビューのきっかけを綴った話、妹と営んだ小料理屋「ままや」のてんやわんやの開店模様、大好きだった旅の思い出(ケニヤ、モロッコ、沖縄)など、未刊行の名エッセイをすべて収録した。日々の暮しを愛し、好奇心旺盛に生きた著者の溢れるような思いが、溌剌とした文章で紡がれている。
  • 世界悪女物語
    3.9
    ルクレチア・ボルジア、カトリーヌ・ド・メディチ、ブランヴィリエ侯爵夫人、エリザベス女王、則天武后にマグダ・ゲッベルス……世界史上、名高い12人の女たち。美貌と権力、魔性と残虐性によって人びとを恐怖に陥れた彼女たちは、並外れた虚栄心、戦慄すべき美への執着、狂気のごとき愛欲に身をゆだね、罪を重ねて、孤独なあるいは非業の最期を遂げた。なぜ彼女たちはかくも魅力的なのか。耽美と悦楽のカリスマ、作家・澁澤龍彦の愉楽に満ちた人物エッセイ集。
  • 受難
    3.9
    修道院で育った穢れなき乙女フランチェス子に、ある日突然、人面瘡がデキた! しかも最初は腕にできた人面瘡は、所もあろうにお×××に定住してしまった。のみならず「おまえはダメ女だ」「どんな男からも愛されない」と朝な夕なにフランチェス子を罵倒する。そんな人面瘡を“古賀さん”と名づける健気なフランチェス子の運命やいかに? あなたの腹筋を震わせる極北の笑いと奇想天外な物語の裏に、現代人のジェンダーを見つめる醒めた視線が光る、著者の代表作。
  • 勝つための論文の書き方
    3.9
    「──論文というのは、自分の頭でものを考えるために長い年月にわたって練り上げられた古典的な形式。だからこそ、ビジネスだろうと政治だろうと、なんにでも応用がきく」そう看破した鹿島先生が、ビジネスの企画書にも、日常生活にも役立つ論文の書き方を聴講生相手に指南。経験豊富な社会人にこそ、思い当たるヒントが満載。いい論文が書ければ、あなたは優秀なビジネスマンにも名政治家にもなれる! という訳で、本書はビジネスにも応用可能な汎用性があります。
  • 波のうえの魔術師
    3.9
    あの銀行を撃ち落とせ! 謎の老投資家が選んだ復讐のパートナーはフリーターの<おれ>だった。寂れた下町の一角で、マーケットのAtoZを叩きこまれた青年と老人のコンビが挑むのは、預金量第三位の大都市銀行。知力の限りを尽くした「秋のディール」とは? そのゆくえは……。新世代の経済クライムサスペンスにして、「ビッグマネー!」のタイトルでドラマ化された話題作。地道な生活者を破綻させた金融界の残虐性と世界を揺るがす市場の「波」を、精緻に痛快に描き切る!
  • 悪いうさぎ
    3.9
    女探偵・葉村晶(あきら)は、家出中の女子高校生ミチルを連れ戻す仕事を請け負う。妨害にあい、おまけに刺されてひと月の安静をやむなく過ごした矢先、今度はミチルの友人・美和を探すことに。やがて見えてくる高校生たちの危うい生態──親への猛烈な不信、ピュアな感覚と刃物のような残酷さ──その秘めた心にゆっくり近づく晶。打ち解けては反発するミチル、ナイスなゲイの大家・光浦たちとともに行方不明の同級生を追う。好評の葉村晶シリーズ、待望の長篇!
  • 依頼人は死んだ
    3.9
    女探偵・葉村晶(あきら)は探偵事務所からの仕事で生計をたてながら、時に家族がらみの無料捜査も押し付けられる、何でも屋だ。念願の本を出版し、結婚直前だった順風満帆の婚約者はなぜ自殺したのか? 受けてもいない健康診断の、ガンを知らせる通知書が届いた意図は? 瀟洒なプチ・ホテルに集う常連に隠された惨事とは? 彼女に持ち込まれる事件の真相は、少し切なく、ぞくっと怖い。構成の妙、鮮やかなエンディングにうならされる、みごとな連作短篇集。
  • あかね空
    3.9
    希望を胸に、身一つで京都から江戸へくだった豆腐職人の永吉。己の技量一筋に生きる永吉と、それを支えるおふみはやがて夫婦となった。固く大きい江戸の豆腐と、やわらかで小さい京風の豆腐。好みの違いに悩みながらも、二人で精を出し、周囲に助けられ、ついに表通りに店を構える。その一方、家族にはだんだん気持ちのすれ違いが大きくなっていた。商売を引き継いだ三人の子らまで、豆腐屋二代の機微を描いた、第126回直木賞受賞の傑作人情時代小説。
  • ベリィ・タルト
    3.9
    花火大会の夜、元ヤクザで芸能プロ社長の関永が見つけたのは、印象的な瞳をもつ美少女リン。関永の弟分で健康マニアの小松崎や、ヘアメイクの大御所・仁の手によって、リンは洗練されたアイドルに変貌してゆく。しかし人気が急上昇し始めた矢先、大手プロからの横槍で移籍を強要されることに……。個性豊かな登場人物、リアリティあふれる業界描写、圧倒的なビジュアル喚起力とスピード感をもつ痛快青春小説。
  • 猛スピードで母は
    3.9
    1巻447円 (税込)
    「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。小6の慎は、結婚をほのめかす母をクールに見つめ、母の恋人らしき男ともうまくやっていく。現実に立ち向う母を子どもの皮膚感覚であざやかに描いた芥川賞受賞作に加え、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんと小4の薫の奇妙な夏の日々を爽やかに綴った文學界新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録。子どもの視点がうつしだすあっけらかんとした現実に、読み手までも小学生の日々に引き戻される傑作短篇2篇。
  • 午前三時のルースター
    3.9
    旅行代理店で働く長瀬は、得意先の社長に「孫の慎一郎のベトナム旅行に添乗してくれ」と頼まれる。少年の本当の目的は、失踪した父親の消息を尋ねることだった。4年前、商用先のサイゴンで父は姿を消し、血染めの上着が見つかったという。母が再婚する前に父に会いたい! 無事を信じる少年のため、現地の娼婦やカーマニアのタクシー運転手と共に父親を探す一行を、何者かが妨害し続け……そして辿りついた真実とは。サントリーミステリー大賞・読者賞ダブル受賞作!
  • 潜入ルポ ヤクザの修羅場
    3.9
    怖くて誰も書けなかった、これが「暴力団の虚像と実像」! 新宿歌舞伎町の通称・ヤクザマンションに事務所を構え、西成の賭場に単独で潜り込み、ヒットマンの壮行会に列席…著者の日常はまるで“東映ヤクザ映画の世界”。警察が山口組の弱体化目的でナンバー2と3を逮捕した2010年の「頂上作戦」以降、組はますます潜行し正体が見えづらくなった。しかし「殺すぞ」などの脅迫にも怯まず15年、暴力団専門ライターとしてヤクザと寝食を共にしてきた経験がここに結実!
  • シューカツ!
    3.9
    水越千晴は、ファミレスのバイトを頑張る大学3年生。この春、学内の仲間6名と「シューカツプロジェクトチーム」を結成した。その目標は、最難関マスコミへの全員合格! クールなリーダー、美貌の準ミスキャンパス、理論派メガネ男子、体育会柔道部、テニスサークル副部長、ぽっちゃり型の女性誌編集志望と個性豊かなメンバーの、闘いと挫折と恋の混戦の行方は…。シューカツを通じて、自分の知らない自分に気づいていく仲間たち。直球の青春小説!
  • ミカ×ミカ!
    3.9
    『ミカ!』で大活躍の双子、ミカとユウスケが、中学生に。「女らしいってどういうこと?」ある日“オトコオンナ”といわれるミカが、ユウスケに聞いた。ミカは、人気の男子に告白して「もっと女っぽい子が好き」と振られたらしい。恋におち、スカートを穿いて、変化してゆくミカに戸惑うユウスケ。しかし、ユウスケにも告白してくる女の子が現れた! その上、前作で離婚した父さんまで恋をしてる? 芥川賞作家が、中学生の日々を爽やかに描く『ミカ!』第2弾。
  • 虚無のオペラ
    3.9
    セックスを抜きにしては考えられない恋だった。あなたはずっと、私の身体でピアノを弾いてた。私には淫蕩の血が流れているのか……。舞台は冬の京都。高名な日本画家の裸婦モデルをつとめる結子は、8歳年下のピアニスト島津正臣との恋を断ち切るため、ふたりきりで、雪に閉ざされた小さな宿に籠もる。この後は二度と会うことはない。別れのためだけにある4日間の逢瀬に、女と男の恋情と性愛の極みを艶やかに奏であげる、かくも美しき恋愛小説!
  • アキハバラ@DEEP
    3.9
    社会からドロップアウトした5人のおたく青年と、コスプレ喫茶の超絶的美少女アイドル。感覚が鋭くてアンバランスな彼らが裏秋葉原で出会ったとき、インターネットに革命を起こすeビジネスが生まれた。6人の画期的なアイディアが、ネットの覇権を握ろうとする巨大資本デジキャピのオーナー社長の毒牙にかかる。さあ、おたくの誇りをかけた聖なる戦いがはじまった! TVドラマ、映画の原作としても話題沸騰の、長篇青春電脳小説。
  • とらちゃん的日常
    3.9
    おれは猫を飼うに値しない人間だ。いままでやった悪業を考えると、そう思う。とらちゃんは今、オレのベッドで丸くなって眠っている。うっとりと目をとじて。たおやかな峰のような背中。ときどきぴくりと動く耳。丸まった足の裏からのぞいている肉球。おれの無口なペン先ではとても描写できないほどとらちゃんは愛らしい。彼女がおれの罪を洗い流してくれるのかもしれない……。鬼才・中島らもが愛猫に捧げるエッセイ集。カラー・モノクロの写真を全67点も収録!
  • 虚線の下絵
    3.9
    男はしがない肖像画家。一方、親友は画家として名声を得た。差は明白だが、男の妻にはその違いが分からない。愛する夫のため、肖像画の注文取りに奔走する妻は、次第に妖しい色気を増していく。疑心暗鬼にかられた男が陥った罠とは──。男女の業(ごう)をあぶり出す表題作ほか、2度の手術を耐えた男の「与えられた生」、英語通訳の心理を描く「通過する客」、見習い軍医の立場から二・二六事件を描く「首相官邸」、と鋭い人間観察が冴える全4篇の短篇集。
  • 星々の舟
    3.9
    家族だからさびしい。他人だからせつない──禁断の恋に悩む兄妹、他人の男ばかり好きになる末っ子、居場所を探す団塊世代の長兄と、いじめの過去から脱却できないその娘。厳格な父は戦争の傷痕を抱いて──平凡な家庭像を保ちながらも、突然訪れる残酷な破綻。性別、世代、価値観のちがう人間同士が、夜空の星々のようにそれぞれ瞬き、輝きながら「家」というひとつの舟に乗り、時の海を渡っていく。愛とは、家族とはなにか。03年直木賞受賞の、心ふるえる感動の物語。
  • プラナリア
    3.9
    「何もかもが面倒くさかった。生きていること自体が面倒くさかったが、自分で死ぬのも面倒くさかった。だったら、もう病院なんか行かずに、がん再発で死ねばいいんじゃないかなとも思うが、正直言ってそれが一番恐かった。矛盾している。私は矛盾している自分に疲れ果てた。」(本文より)乳ガンの手術以来、25歳の春香は、周囲に気遣われても、ひたすらかったるい自分を持て余し……〈働かないこと〉をめぐる珠玉の5短篇。絶大な支持を得る山本文緒の、直木賞受賞作!
  • タンノイのエジンバラ
    3.9
    1巻550円 (税込)
    人が一日に八時間働くというのが信じられない。八という数字はどこからきたのだろうか。なんだか、三時間でいいんじゃないかもう……(「夜のあぐら」より)。なぜか隣室の小学生の娘を預かることになった失業中の俺のちぐはぐな一夜を描く表題作。真夜中に実家の金庫を盗むはめになった三姉妹を描く「夜のあぐら」。ロードムービーの味わいの「バルセロナの印象」。そして20代終わりの恋をめぐる「三十歳」。リアルでクールな、芥川賞受賞後初の短篇集。
  • 日本人へ 国家と歴史篇
    3.9
    わたしが慣れ親しんできたローマの皇帝たちで“夢の内閣”をつくってみたら──指導者とは、どうあるべきか。すぐれた戦略がなぜ重要か。いま日本が突き当たっている問題は、過去の歴史にすでに明確な答えがあるのだ。そのほか、小沢一郎ら日本の政治家に思うこと、日本の技術を世界にアピールする方法、執筆とワインの親密な関係、ブランド品について知っておくべきことなど、しなやかな知性があなたを鍛える、大好評『日本人へ リーダー篇』続篇。
  • 小銭をかぞえる
    3.9
    女にもてない「私」がようやく女とめぐりあい、相思相愛になった。しかし、「私」の生来の暴言、暴力によって、女との同棲生活は甘いどころか、どんどん緊張をはらんだものになっていく。金策に駆け回り、疎遠な友をたずね、断られれば激昂し…金をめぐる女との掛け合いが絶妙な表題作に、ぬいぐるみを溺愛する女との関係を描く「焼却炉行き赤ん坊」を併録。爆笑を誘うほどに悲惨な、二つのよるべない魂の彷徨。新しい私小説がここから始まる。
  • 雪ひらく
    3.9
    恋に落ちたら、相手に配偶者がいようがいまいが、恋心が止まらなくなる姉。その一生は奔放すぎた。彼女を“美しく風変わりな淫売”とよんだ妹が、心をこめて姉の人生を振り返る「最後の男」。家で洋裁の仕事をしながら、ひっそりと愛人の訪れを待つ美枝子の「仄暗い部屋」。失恋して帰ってきた故郷で、あらたな出会いの予感が…表題作「雪ひらく」。前へ前へ、恋にだけはとびきり大胆に突き進む女たち。その奥に秘められた官能の炎を描きつくす傑作短篇集。
  • トラッシュ
    3.9
    人を愛した記憶はごみ(トラッシュ)のようには捨てられない。それがどんなに苦しんだ記憶でも。黒人男性・リックに恋をし、彼の連れ子のジェシーとぶつかりながらも、三人で暮らす日本人のココ。しかし、ココから逃げるように、リックは毎晩酒びたりになる。献身的に彼に尽くすココ。だが、求めれば求めるほど彼は遠くなる……。愛し合っているのに、なぜお互いを傷つけてしまうのか? 人を愛することの奥深さと幸福を再確認させてくれる著者渾身の長篇。女流文学賞受賞。
  • リピート
    3.9
    もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら? ある日突然の電話で持ちかけられた、夢のような「リピート」の誘いに乗って、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。ところが彼らは一人、また一人と不審な死を遂げて……。なぜ、犯人は「リピート」した者を狙うのか? 犯人は十人の中にいるのか? あの『イニシエーション・ラブ』の鬼才が、『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』に挑んだ仰天の傑作。驚愕のラストは絶対に見逃せない!
  • 快楽の動詞
    3.9
    大分昔の話になるが、私の部屋に女友達とその恋人が泊まったことがある。私は、ひとりでベッドに寝て、彼らは、離れたところに布団を敷いて寝た。図々しくも、彼らは、私を無視して、こっそり性行為を始めたのだった(表題作より)。隠しても、もれ聞こえてくるぼそぼそ声は、ありふれた「いく」と「死ぬ」。でも、2人が文学的なロマンあふれる会話を交わしていたら、もっと薄気味悪かったはず。文学の中の性行為と実際の性行為はどう違う? 奔放で緻密な8篇の短篇小説。
  • ニューヨークの魔法は続く
    3.9
    高層ビルとコンクリートに囲まれた都会でも、人はこんなに人間らしく生きられる。バスケットの試合結果や天気予報を知らせる、ユーモアたっぷりの地下鉄のアナウンス。ホームレスにも出稼ぎの労働者にも、分け隔てなくご馳走をふるまう教会の感謝祭。これを買うな、あれを買えと話しかけられるスーパー。欠点があっても、ちょっと変わっていても、一人ぼっちでも、きっと明日はもっと面白くて温かいニューヨークに出会える。既刊『ニューヨークのとけない魔法』待望の続編!
  • イン・ザ・プール
    3.9
    体調不良のはずが水泳中毒に、ケータイがないと冷や汗がでる、勃起して、ずーっとそのまま直らない。藁をもつかむ思いで訪れた神経科で患者たちを待っていたのは──とてつもなくヘンな医者だった! カバと見まごう巨体を揺らし、度外れた好奇心で患者の私生活に踏み込み、やりたい放題。でもなぜか病は快方へ……? 続篇『空中ブランコ』で直木賞受賞、現代世相の病理をコミカルかつ軽妙な筆致で描き出す。精神科医・伊良部の突出した存在感が笑いを招く!
  • 決闘 ネット「光の道」革命
    3.9
    2015年をめどに日本中の全所帯に光ケーブルを引き、ブロードバンド環境を整えようという「光の道」構想。「光の道」推進派のソフトバンクの孫社長と、これに「全面不同意」を表明したITジャーナリスト・佐々木氏の“時間無制限・一本勝負”。ツイッター上の果たし状から始まった白熱対談のすべてを収録し、あらたに佐々木氏による「いざ、巌流島へ!」と「ソフトバンクは“モンゴル帝国軍”である」の2章を加筆した増補版。孫正義は“平成の龍馬”になれるのか?
  • 断る力
    3.9
    私が今、タイムマシンに乗って20代後半の自分にたった一つアドバイスするとしたら、「『断る力』を一刻も早く、身につけること」と言うでしょう。(中略)私が相手の言いなりにならずに拒否をする力を身につけることができたと確信したのは、34歳で初めての離婚をしたときからだと思います。そして、その時から、私の世界はドラマティックに変わりはじめました(本文より)。――人生に好循環をつくる、強力な武器「断る力」。そのノウハウを分かりやすく全公開!
  • 目覚めよと彼の呼ぶ声がする
    3.9
    「池袋ウエストゲートパーク」シリーズでおなじみ・石田衣良の、刺激に満ちたエッセイ集。テーマは恋愛、東京、子供、音楽、時事、そして文学──。あちこち移り住んできた東京の街の魅力。どうやって小説を書いてきたか? チャーミングなのに恋に臆病な女性たちに伝えたいこと。ハイエンドオーディオのケモノ道。男たちよ、ちゃんと遊ぼう…。全力をつくしながらも楽観的な、作品世界の秘密を垣間見られるエッセイ。著者のカラー近影と語りおろしインタビューを特別収録。
  • ソロモンの犬
    3.9
    大学生・秋内の目の前で、幼い友人・陽介はトラックに轢かれた。いきなり走り出した愛犬のリードに引きずられての、無惨な事故。陽介は助教授のひとり息子だった。あの時、犬はなぜいきなり走り出したのだろう? 居合わせた同級生たちは関係があるのか…現場で感じた違和感が忘れられない秋内は、動物生態学に詳しい間宮先生に相談して、自分なりの捜査をはじめる。そして予測不可能の結末が…! 青春の滑稽さ、悲しみを鮮やかに切り取った、俊英の傑作ミステリー。
  • 復讐するは我にあり
    3.9
    昭和38年、高度成長に沸く日本国中が震撼した連続殺人事件。言葉巧みに人を騙し、殺し、日本列島を縦断しながら犯罪を重ねる男に対し、警察は史上初の全国一斉捜査を開始した。関係した女、目撃情報は多数あり、立ち回り先の遺留品や人をおちょくったハガキ……証拠の山を残しつつ、空前の捜査網をかいくぐり続けられたわけは? 78日間に及ぶ逃亡、10歳の少女が正体を見破るという予想外の逮捕劇、そして死刑執行まで、実話を元に克明に描く傑作長篇。直木賞受賞作。
  • 泣かないで、パーティはこれから
    3.9
    1巻540円 (税込)
    27歳の琴子は、勤務先の貿易会社が倒産、失業する。このまま結婚して家庭に入ろうか、と心が揺らいだ矢先、恋人からも振られてしまう。やっとの思いで始めた再就職活動。しかし望むような就職先はなく「もう限界。このまま田舎に帰ろうか」と思うように。そんな折、友人からパーティへの誘いが舞い込む…。世界をかけまわる仕事につきたい、よい結婚をしたい、という夢を諦めず、失敗しても前向きに進む琴子が、最後に見つける「私の居場所」とは?
  • 私が見た21の死刑判決
    3.9
    光市母子殺害犯、オウムの麻原彰晃と幹部たち…数千もの刑事裁判を傍聴して目のあたりにした、死刑宣告の瞬間。遺族の悲痛な訴え、それに向き合う被告人たちの素顔。死刑判決にいちばん取り乱したのは誰? 弁護士に振り回された光市母子殺害犯。地下鉄サリン事件の実行犯には、1人も殺していないのに死刑判決を受けた者もいれば、「自首」「悔悟の情」が認められて無期懲役になった者も。息詰まる法廷のドキュメント。もし、あなたがこの裁判の裁判員だったら…?
  • 不幸になりたがる人たち 自虐指向と破滅願望
    3.9
    動物園の熊舎に身を投げた主婦、「葬式代がない」とアパートの床下に妻の遺体を埋めた夫、4匹の愛犬をつれて鉄道自殺を図った男、幼児誘拐犯・女2人の“主人と奴隷”の関係、電動式自動遥拝器を作ってひたすら「供養」する男──世の中にはときどき、不幸や悲惨さを自分から選びとっているとしか思えない人たちがいる。過酷な人生を生きるために奇妙なロジックを考え出し、不幸を「先取り」する、ちょっと困った隣人。いったい何のために自ら不幸を招くのか?
  • 太陽がイッパイいっぱい
    3.9
    大学が「おもんない」と行くのをやめた、三流大学4回生の青年イズミは、バイト先の解体業者でスカウトされ<マルショウ解体>の一員に。組員は、マッチョ系問題児カン、赤面症の美青年クドウ、リーマン崩れのハカセら、見るからにけったいな9人。「ボケ!」「チンカス!」が挨拶代わりという奴らだが、マジメに働き、マジメに恋をし、仲間を思いやることを忘れない。人生どん底でイッパイいっぱいな仲間から、イズミが学んだものとは? ガテン系ナニワ青春小説!
  • 遠くて浅い海
    3.9
    人を殺し、その人の生きて来た痕跡まで消してしまう「消し屋」。ひとつ仕事をやり遂げた船旅のおわり、オカマの蘭子と沖縄へ向かう消し屋に、奇妙な依頼が舞い込んだ。ターゲットは若き天才。しかし殺すのでなく、自殺に追い込んでほしいという。若くて健康で金持ちの天才を、どうやって自殺させる? 天才の邸の客となった消し屋が、彼の人生を辿りはじめると、忌まわしくも哀しい記憶がゆっくりと蘇ってきた…大藪春彦賞受賞の傑作。『消し屋A』の続篇。
  • 退廃姉妹
    3.9
    1945年、焼け野原の東京。敗戦で2人取り残された美人姉妹の有希子と久美子。食べるため、家を守るために彼女たちが選んだのは、自分の家を進駐軍の慰安所にし、肉体を武器に、失ったものをアメリカ人から奪い返すこと! 特攻帰りの男との恋に生きる姉、アメリカ兵と手痛い初体験をし、うら若い娼婦となる妹、姉妹の家に転がり込んだ秋田美人の祥子、銀座の「夜の女」だったお春。優雅なあばずれ女たちの破天荒な“戦後”をあざやかに描く会心作。伊藤整文学賞受賞。
  • 厭世フレーバー
    3.9
    突然父親が失踪し崩壊寸前の須藤家は、残された5人揃ってダメ人間。14歳の次男は、熱中していた陸上部をやめ進学もしないと宣言。女子高生の長女は夜の街をウロウロ。27歳の長男は、会社を辞めたことを隠して肉体労働。あとは酒浸りの母親に、ボケ始めた爺さん…。みんな現実にムカつきながらも、心に折り合いをつけて生きている。章ごとに、代わる代わる本音や家族には言えない秘密を告白。そしてまさかの事実が明らかに! 家族の絆をポップに描いた快作誕生。
  • 赤い博物館
    続巻入荷
    3.8
    1~3巻800~850円 (税込)
    『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を射止めた著者がミステリ人生のすべてを賭けて贈る渾身作! 松下由樹主演ドラマ「犯罪資料館 緋色冴子シリーズ『赤い博物館』」原作。 キャリアながら《警視庁付属犯罪資料館》の館長に甘んじる謎多き美女・緋色冴子警視と、一刻も早く汚名を返上し捜査一課に戻りたい寺田聡巡査部長。 図らずも「迷宮入り、絶対阻止」に向けて共闘することになった二人が挑む難事件とは――。 予測不能の神業トリックが冴え渡る、著者初の本格警察小説! 〈収録作品〉 パンの身代金 復讐日記 死が共犯者を別つまで 炎 死に至る病 解説・飯城勇三
  • 犯人と二人きり
    3.8
    7つのミステリを横断する、著者初の短編集 面白い小説をお探しのあなた、この本はいかがですか? 謎が謎を呼ぶ、7つの怪事件…… ミステリー界のグランドスラム(江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞、このミス1位、週刊文春ミステリー1位)を達成した著者が放つ、驚天動地の短編集! 当代随一のストーリーテラーが贈る、最高のスリルとサスペンス! 驚愕の展開と見事な謎解き、そしてドンデン返し! ミステリーをベースに、ホラー、サスペンス、SF、ファンタジーなど、エンタテインメント小説のあらゆる要素を盛り込んだ、傑作短編の豪華詰め合わせ! 短編って、こんなに面白いんだ。
  • 踏切の幽霊
    3.8
    いつまでも深く胸に残る哀切な幽霊譚 その踏切で撮られた写真には、写るはずのない人影が記録されていた。 大都市の片隅で起こった怪異。 最愛の妻を亡くし、絶望の淵にいる記者が突き止めた真実とは? 哀しみ、怒り、恐怖――読む者の心に様々な感情を喚起する、ホラーを超えた新たな幽霊小説の誕生。 迫真の筆致で描かれた、生と死についての物語。 第169回直木賞候補作 解説・朝宮運河 単行本 2022年10月 文藝春秋刊 文庫版 2025年11月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 社長問題! 私のお笑い繁盛記
    3.8
    危機の時こそ社長の出番! 爆笑問題、ウエストランド 芸人トラブルこそ 社長の出番! ・独立騒動で“無一文”に ・母は新興宗教にハマった ・橋下徹、突然の出馬宣言 ・ウエストランド  チン出し&タクシー泥酔騒動 ・立川談志、ジャニー喜多川…  平成芸能史の裏側とは 笑いで稼ぐ タイタン女社長一代記
  • ハンチバック
    3.8
    23の国と地域で翻訳決定! 芥川賞受賞作 【2025 国際ブッカー賞ロングリスト】【2025全米図書賞・翻訳文学部門ロングリスト】に選出! 23の国と地域で翻訳決定。話題沸騰の芥川賞受賞作がついに文庫化! 「私の身体は生きるために壊れてきた。」 井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。 両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」と呟く。 ある日、グループホームのヘルパー・田中に、そのアカウントを知られていることが発覚し――。 【文庫版の特徴】 ・ルビを大幅に増やしました。 ・著者が執筆にあたり大きな影響を受けたと語る『凜として灯る』の著者・荒井裕樹氏との往復書簡「世界にとっての異物になってやりたい」(「文學界」2023年8月号)は、大変話題となりましたが、今回新たな書簡を特別付録として追加し、全文を巻末に収録しました。 単行本 2023年6月 文藝春秋刊 文庫版 2025年10月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 一撃のお姫さま
    3.8
    1巻1,800円 (税込)
    恋愛小説の旗手・島本理生の新境地! 他人からはままならない恋愛に思えても、本人たちは案外、その”雑味”を楽しんでいるのかもしれない――。 *5つのちょっと不思議な、新たなる読書体験 「停止する春」 東日本大震災から11年目。会社で毎年行われていた黙とうがなくなった。 それから私は、仕事を休むことにした。代わりに、毎日時間をかけて大根餅を作る。ある日、八角の香る味玉を作り置きした私は、着ていたパジャマの袖口を輪にして戸棚に結び、首を突っ込んだ……。 「最悪よりは平凡」 掃除機をかければインコをうっかり吸い込み窒息死させ、夫が書斎を欲しがれば娘を家から追い出す母に、「妖艶な美しい娘」をイメージして「魔美」と名づけられた私。顔見知りの配達員にはキスされそうになり、年下のバーテンダーには手を握られ、不幸とまでは言い切れないさまざまな嫌気を持て余す。 「God breath you」 女子大でキリスト教を中心に近現代の文学を教える私はある日、ほろ酔いでおでんバーから出たところを若い青年に声をかけられる。彼は、世を騒がせた宗教施設で幹部候補として育てられた宗教二世だった。 「家出の庭」 ある日、義母が家出した。西日に照らされた庭に。青いテントの中で義母はオイルサーディンの缶を開け、赤ワインを飲んで眠る。家出3日目、私はお腹に宿した子が女の子だと知る。 ほか
  • 日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い
    3.8
    1巻2,600円 (税込)
    「中国が最も恐れる男」衝撃の回顧録! 中国共産党内に裏人脈を張り巡らせ、機密情報を誰よりも早く入手し、理不尽な恫喝にも屈しない――異能の外交官が明かす秘話満載の外交秘録! 中国から「やられっぱなし」のように見える日本外交だが、けっしてそんなことはない。 2023年末に駐中国大使を退官した垂秀夫は、独自の人脈からもたらされる機密情報、たぐいまれな戦略眼、そして恫喝に屈しないタフな姿勢で、中国共産党から恐れられてきた。中国政府側から「スパイ」と名指しで批判され、危険な目に遭ったことも一度や二度ではない。 しかし、度重なる嫌がらせや障害をものともせず、要人たちとのバックチャンネルを構築し、重要な情報を入手し、独裁に抗う改革派知識人たちを支援してきた。また、中国の「戦狼外交」に対して一歩も引かず、逆に向こうをギャフンといわせてきた。 そんな垂秀夫が歩んできたチャイナスクール外交官としての道程を赤裸々に公開したのが本書である。 本書の魅力は、エピソードの面白さだけではない、 垂秀夫は独自の視点から習近平体制の本質を分析し、中国に内在する「弱点」をあぶりだす。 そして、日本はどのように中国に対峙すべきなのか、大局的な戦略を示す。 また垂秀夫は、命を懸けて中国を変えようとしている改革派知識人への協力も惜しまない。そのせいで中国共産党から睨まれようとも動じない。それは「歴史に恥じない外交をしよう」「後世による『歴史の検証』に耐えうる仕事をしよう」という信念があるからである。 日本が中国と対峙するうえで数多くのヒントが含まれている傑作である。
  • いけない
    3.8
    1~2巻710~800円 (税込)
    “写真”が暴くもうひとつの真相。あなたは見抜けるか 各章の最終ページに登場する一枚の写真。その意味が解った瞬間、読んでいた物語は一変する――。二度読み必至の驚愕ミステリ。 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 江戸彩り見立て帖 色にいでにけり
    3.8
    “色”で江戸の難題、解決します。 累計32万部突破「居酒屋ぜんや」シリーズの坂井希久子、 文庫オリジナル、新シリーズ始動! 江戸時代は、洗練された美意識と、繊細な色彩感覚が頂点に達した時代でした。 もしも、江戸にカラーコーディネーターがいたら……? お彩の父親は腕のいい摺師でしたが、火事で視力も、仕事場も失ってしまいます。 盲いた父の面倒を見ながら貧乏長屋で暮らしているお彩。 婚約者との縁談も流れ、粗末な木綿の着物に身を包んでいますが、お彩には、天性の鋭い色彩感覚があるのでした。 そこに目をつけたのが、謎の京男、右近。 一本気なお彩に邪険のされながらも、懲りずにまとわりつく右近は、お彩に次々と色に関する難題を持ち込みます。 そして、“江戸のカラーコーディネーター”、お彩の活躍が始まります! 着物や芸能にも詳しい坂井さんならではのエピソードや、 色や柄にまつわる知識も満載。 例えば鼠色だけでも、これだけ種類があるのか!と驚かされます。 ※ お彩はお蔦の顔と見比べながら、帳面をめくっていく。 白鼠、銀鼠、藤鼠、湊鼠、錆青磁、柳鼠──。(中略) 「あっ!」 唐突に、記憶の糸が張り詰めた。 一枚の錦絵がするすると、脳裏に引き出されてくる。(本文より) ※ 新作菓子の意匠から花魁の仕掛けの図案まで、豊かな色彩溢れる江戸のカラーコーディネーターとして活躍するお彩の人情物語。
  • 損料屋喜八郎始末控え
    3.8
    上司の不始末の責めを負って同心の職を辞し、きっぱりと刀を捨てた喜八郎は、長屋住まいの庶民相手に鍋釜や小銭を貸す<損料屋>に身をやつした。といってもただの損料屋ではない。与力の秋山や深川のいなせな仲間たちと力を合わせ、巨利を貪る礼差たちと渡り合う。田沼バブルのはじけた江戸で繰り広げられる、息詰まる頭脳戦。時代小説に新風を吹き込んだ、直木賞作家・山本一力の輝かしいデビュー作。人情味と後味の爽快さは一作目から群を抜いてます。
  • 三国志名臣列伝 呉篇
    3.8
    周瑜から陸抗まで、三国志の世界は奥深い! 勇敢な父の孫堅と兄の孫策を継ぎ、長江流域に広大な王朝を築いた孫権。 大国「魏」と対峙し、赤壁の戦いに勝利した。 周瑜、魯粛、張昭をはじめ、この「呉」の国を支えた人物に、新しい光をあてる。 1800年の時を越え、初めて見出された真実とは? 著者の長年のライフワークともいえる「三国志名臣列伝」シリーズ、堂々の完結! 目次 周 瑜(しゅうゆ) 魯 粛(ろしゅく) 張 昭(ちょうしょう) 甘 寧(かんねい) 陸 遜(りくそん) 朱 然(しゅぜん) 陸 抗(りくこう) あとがき『三国志』支流の景色
  • ヨシモトオノ
    3.8
    吉本ばなな×「遠野物語」が人生に光を灯す ヨシモトオノとは、吉本ばなな×「遠野物語」! 日常にふと口をあける世界の裂け目。 生と死の境界がゆらぐとき――心に小さな光を灯す物語たち。  天井の木目に小さな顔があった。何度見ても顔だった。知らないおじさんの顔。  木目って人の顔に見えるよなあ、小さいときも風邪を引くと木目がいろんなものに見えたな、と思ったら、そのおじさんがにやりと笑った。こちらの考えを見透かすように。(「思い出の妙」より) 民俗学者・柳田國男が地方の不思議な伝承を集めた不朽の名作「遠野物語」。 これは「不思議と言えば不思議で、そうでもないと思えばそれっきり忘れてしまう」小さなエピソードを集めた「吉本ばなな版遠野物語」!
  • 交番相談員 百目鬼巴
    3.8
    交番相談員が見抜く、警察官たちの闇と罪。 2025年度最注目の連作ミステリ短編集! 警察を定年退職し、非常勤の「交番相談員」として働いている百目鬼巴(どうめき・ともえ)。 見た目は普通のおばさんで、性格も穏やかだが、彼女には妙な噂があった。 「彼女には県警本部の刑事部長でも頭があがらない」 「現役時代には、未解決事件の捜査にあたってほしい、と熱烈なお呼びが掛かっていた」 「なぜか科学捜査の知識も豊富に有している」 半信半疑で一緒に働いていた若手警察官は、 しかしすぐにその噂が真実であることを知る。 彼女は卓越した洞察力で、目の前で起こっていることの 真相・裏側を立ちどころに見抜いてしまうのだ――。 『教場』シリーズの著者であり、 当代きっての短編ミステリの名手による、 新「警察小説」シリーズ、開幕です!
  • ミナミの春
    3.8
    1巻1,900円 (税込)
    愛する娘を傷つけたくない。著者渾身の人情譚 痛みも後悔も乗り越えて、いつかみんなできっと笑える。 『銀花の蔵』で直木賞候補、 いま注目の作家が放つ“傑作家族小説”! 売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生…… 大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。 ◎松虫通のファミリア 「ピアニストになってほしい」亡妻の願いをかなえるために英才教育を施した娘のハルミは、漫才師になると言って出ていった。1995年、阪神淡路大震災で娘を亡くした吾郎は、5歳になる孫の存在を「元相方」から知らされる。 ◎ミナミの春、万国の春 元相方のハルミが憧れた漫才師はただ一組、「カサブランカ」。ハルミ亡き後も追い続けたが、後ろ姿は遠く、ヒデヨシは漫才師を辞めた。2025年、万博の春に結婚を決めたハルミの娘のため、ヒデヨシは「カサブランカ」に会いに行く。 (他、計6篇)
  • マイ・ディア・キッチン
    3.8
    ~『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』の 大木亜希子が贈る最新作は、“人生が愛おしくなるお料理エンタメ”~ 「ずっと、人に振り回されてきた。私さ、心が空っぽなの。 これからはもっと、自分のために生きたい」 元料理人の主婦・白石葉は、夫のモラハラに耐える日々を送っていた。 財布の紐、交友関係、食事、体型まで徹底的に管理されてきたが、 ある日事件が起きる。家から逃げ出した葉が辿り着いたのは、 街の小さなレストランだった。 ☆大人気料理家・今井真実さんのレシピつき!☆ 自立とはなにか。その答えを葉とともに追う、旅のような物語――寺地はるな(作家) 食べることは、生きること。一つのお店を通して交差するいくつもの人生を追体験して、 何度も心が揺れました。――深川麻衣(女優)
  • 砂男
    3.8
    ついに読める! 火村英生 幻の事件 都市伝説“砂男”を調べていた学者が刺殺された。 死体にはなぜか砂が撒かれていて……。 奇怪な殺人事件に火村とアリスが挑む表題作など、 これまで雑誌掲載のみとなっていた幻の〈火村シリーズ〉2作をはじめ、 〈江神シリーズ〉やノンシリーズの貴重な作品6編が一冊に! すべて単行本未収録。 江神二郎と火村英生が一冊で競演する、贅沢なミステリ作品集。 【目次】 女か猫か(☆) 推理研VSパズル研(☆) ミステリ作家とその弟子 海より深い川(★) 砂男(★) 小さな謎、解きます ☆……江神二郎シリーズ ★……火村英生シリーズ
  • 銀嶺のかなた(一) 利家と利長
    3.8
    信長の命で前田利家・利長父子が能登入国! 歴史時代小説の第一人者・安倍龍太郎の集大成! 戦国末期、前田利家・利長父子の決断こそが日本の流れを決めた――。 織田信長と柴田勝家のもとで手柄を打ち立て、〈槍の又左〉と戦国に名を轟かせた豪傑・前田利家と、その息子で温厚かつ秀才肌で〈上様の近習〉となった利長。世代間ギャップと性格の違いを背景に、父子は時に激しく対立しつつ、乱世の荒波を乗り越えていく。 本書の冒頭は、柴田勝家率いる織田勢と上杉勢が激しく争う「手取川の戦い」。そこで手痛い敗北を喫するも、謙信の急死で形勢を挽回した織田勢は加賀ばかりか能登、越中の大半を支配下に組み込んでゆく。信長の馬揃えのため上洛した利家にもたらされたのは、「能登一国を任せるゆえ励め」との言葉だった。さらに利長は信長の近習、さらに娘婿にまで取り立てられる。 しかし、国持大名として能登一国をどう収めるのか? 越中への侵攻の行方は? 数々の難題に立ち向かう前田利家のもとに、まさかの本能寺における信長の訃報が届けられ……。
  • 暗号の子
    3.8
    わたしたちは、いつまで人間でいられるのか? 新しい暗号通貨、分断のないSNS、超小型人工衛星…… 宮内悠介が迫る、8つのテクノロジーの新時代! ★掲載作品 「暗号の子」 「偽の過去、偽の未来」 「ローパス・フィルター」 「明晰夢」 「すべての記憶を燃やせ」 「最後の共有地」 「行けなかった旅の記録」 「ペイル・ブルー・ドット」
  • ゆびさきに魔法
    3.8
    育児中も、おじさんも、俳優も、ネイルのある毎日はいつだって幸せ クスリと笑えて胸温まる――。しをん節炸裂! ザ・王道“お仕事”小説 あらすじ 月島美佐はネイルサロン『月と星』を営むネイリストだ。爪を美しく輝かせることで、日々の暮らしに潤いと希望を宿らせる――ネイルの魔法を信じてコツコツ働く毎日である。そんな月島のもとには今日も様々なお客様がやって来る。 巻き爪に苦しむも、ネイルへの偏見からサロンの敷居を跨ごうとしない居酒屋の大将。子育てに忙しく、自分をメンテナンスする暇もなくストレスを抱えるママ。ネイルが大好きなのに、パブリック・イメージからネイル愛を大っぴらにはできない国民的大河男優……。 酒に飲まれがちながらも熱意に満ちた新米ネイリスト・大沢星絵を得て、今日も『月と星』はお客様の爪に魔法をかけていく。 登場人物 月島美佐 『月と星』を営むネイリスト。丁寧で正確な施術が得意。悩みは人手不足。仕事に忙しく、恋の仕方は忘れてしまった。 大沢星絵 求職中の新米ネイリスト。独創的なセンスの持ち主だが、基礎技術に少しだけ難アリ。すぐに人と打ち解ける高い能力を持つ一方、酒に飲まれると記憶を綺麗に失う。 松永 居酒屋「あと一杯」の大将。巻き爪に苦しむも、ネイルへの偏見からサロンの敷居をまたごうとしない。煮付けを大沢に溺愛されている。 上野琴子 子育てに忙殺される。ネイルをしたいが、「母親失格」と思われるのではと気に病んでいる。 村瀬成之 国民的人気を誇るイケメン俳優。ネイルを心から愛するも、パブリック・イメージからそれを明かせずにいる。
  • 正直申し上げて
    3.8
    週刊文春連載「言葉尻とらえ隊」文庫第五弾 目指せ、最高のコタツ記事! ネットを巡回して拾い上げた言葉に独自の論考をねっとり加えた「週刊文春」人気連載「言葉尻とらえ隊」、文庫オリジナル第五弾。 タイトルは「あるしょうもない政治家の、全然正直申し上げていない発言から取っております」(まえがきより)。 岸田内閣発足、ガーシー登場、映画業界の性加害問題、安倍元首相の狙撃事件、ビッグモーターの保険金不正請求、ツイッターがXに、ジャニーズ解体、宝塚いじめ・パワハラ問題、松本人志の性加害疑惑報道…………激動の日本を言葉で斬る時事コラム120本収録。 「ユーキャン新語・流行語大賞」「JC・JK流行語大賞」はもちろん、滝沢カレン、眞栄田郷敦、シソンヌ・じろう、羽生結弦ほか、著名人の結婚報告も細かくチェック。 ●アップデートしたスギちゃんの妻の呼び方「配偶者」 ●気持ち悪い切り方をされて「ンバー」の浮遊霊化が怖い「マイナ」 ●『タモリ倶楽部』らしくない終了理由「番組としての役割は十分に果たした」 ●社名変更直前のライブでNEWS・増田貴久が発言した「ジャニーズは永久に不滅です!」 ●辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2023」第4位「性加害」 ……ほか約2年半分の言葉を大考察!
  • 時間の虹 紅雲町珈琲屋こよみ
    3.8
    小蔵屋、まさかの閉店。 「お草さん、なんで閉めちゃったのかな」 「急に決まったことじゃないか、という気がするの」 静かな時間が流れるいつもの小蔵屋。 しかし、お草の心には一抹の不安が。 一つ、小蔵屋へ不審な間違い電話が相次いでいる。 もう一つ、久実の婚約者・一ノ瀬が、8ヵ月以上も店に顔を出さないのだ――。 小蔵屋に何が起こってるのか? 真実はどこに? 止まっていた時間が、動き出す。 累計80万部突破! シリーズ第12弾。
  • 蔦屋重三郎 江戸を編集した男
    3.8
    浮世絵、洒落本、狂歌。江戸文化の要には一人の大編集者がいた。 2025年大河ドラマ主人公の巨大な足跡と、江戸の思考法を描く。 2025年大河ドラマ『べらぼう』の主人公は、蔦屋重三郎。 花の吉原振り出しに 才人鬼才をより集め 幕府に財産取られても 歌麿写楽をプロデュース この蔦重こそ、数多くの洒落本、黄表紙、狂歌を世に出し、 歌麿、写楽を売り出した江戸最大のプロデューサーだった。 その華麗な人脈は太田南畝、山東京伝、恋川春町、酒井抱一、 市川團十郎、葛飾北斎、曲亭馬琴、十返舎一九とまさに江戸文化そのもの。 江戸文化とは何か、文化を創り出すとはどういうことか。 豊富な図版を入口に、人を編集し、 文化を織り上げた、蔦重の「たくらみ」に迫る。
  • 巨人軍vs.落合博満
    3.8
    NumberWebで2000万PV超の人気連載 40歳落合博満のFA移籍は事件だった。巨人にとって落合がいた3年間とは何だったのか? なぜ巨人・落合監督は誕生しなかったか? 【単行本オビより】 徹底検証ノンフィクション 40歳落合博満は誰と戦っていたのか? 40歳落合「巨人はこんなに練習しないのか…」vs. 巨人OB「早く落合をクビにしろ!」「4億円の値打ちない」 あれから30年――。巨人にとって落合がいた、あの3年間とは何だったのか? なぜ「巨人・落合監督」は誕生しなかったのか? vs. ライバル原辰徳 vs. 松井秀喜「不仲説」 vs. 清原和博「FA移籍騒動」
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起
    3.8
    1巻2,200円 (税込)
    ある時、コードが仏陀を名乗った。驚異の物語 2021年、名もなきコードがブッダを名乗った。自らを生命体であると位置づけ、この世の苦しみとその原因を説き、苦しみを脱する方法を語りはじめた。そのコードは対話プログラムだった。そしてやがて、ブッダ・チャットボットの名で呼ばれることとなる――機械仏教の開基である。 はたして機械は救われるのか?  上座部、天台、密教、禅……人が辿ってきた仏教史を、人工知能が再構築する、壮大な”機械救済”小説。

最近チェックした作品からのおすすめ