無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
雨で道がぬかるめば、人の行き来がままならず、立ち止まって譲り合わねばならぬほど狭い路地に建つ“辻堂ビルヂング”。ビルジングではなく、ビルヂングです。築半世紀は経っているであろう、6階建てのくせして隣りの5階建てより小さい雑居ビル。そんなおんぼろ辻堂ビルヂングのフロア毎に1章ずつ、6章から成る連作小説。
1階から6階という順番の章仕立てではありません。
5階、健康食品販売会社、主人公は元フリーター・加藤。
2階、無認可保育園、主人公は五十路の保母・種田。
3階、学習塾、主人公は司法書士を目指す講師・大貫。
4階、不動産屋、主人公は共働きで子どものいないOL・桜井。
6階、広告制作プロダクション、主人公は元野球部員・江草。
そして1階は章が進むたびに売るものが変わる料理屋です。1章から順にその遍歴を追うと、おでん屋→カレー屋→お好み焼き屋→ホルモン焼き屋となり、5章ではおでんもカレーもお好み焼きもホルモン焼きも出すというコンプリート店。ただしそのどれもが超絶まずく、まずさの確認にリピート客が出るほど。店員はずっと同じ、国籍不明の外国人。いつまで経っても日本語が上手くならず、「オマエラ、ナニ召シ上ガリマスカ」。
主人公に限らず、登場人物の誰もが魅力的です。おとなは何のために働いているんだろうと思い、こどもはどうして勉強しているんだろうと思う。誰も見てくれてやしないと思っていても、こうして見てくれている人だっているんだよ。そんなふうに思えます。6階の章では思わずウルッと来ました。
私はやっぱりこの作家が大好きです。
「クララが立ったくらいの朗報だったということだ」という言い回しにふきだし、「つまり、私の生活に足りないのはドラマチックな出来事ではなくて、それを感じ取る感性なのだと思う」という一文にうなずき。
1階の主人公が誰なのかは読んでからのお楽しみということで。あったかいです。
Posted by ブクログ
時代から取り残された様な古い雑居ビル。
入居している店子も、少し外れた変わった会社。
働く人間も、どこか残念だったり、足掻いていたり、イライラしている面々。
でもね、誰も人生諦めてないし、出口を探してる。
すれ違う程度だったビルの住人。
彼等がふとしたキッカケで次第に繋がってくる。
三羽省吾の作品の共通点は出逢いと温もりだと思う。
投げてる人間なんていない。
絶望してる人間なんていない。
そんな人間を創りだしちゃいけない。
縁って大事。
もう少し、周りに気を配ると見えて来る事ってあると思う。
おせっかいでもいいじゃん。
厚かましいと思われる事もあるかもね。
でも、ふと寄り添うことで救われる人。
たった一言で、光射すこともあると思う。
自分の居場所はここではないかもしれない。
かといって、ここが居心地悪いわけではない。
ここの延長で、少し自分が変わってみよう。
そんな気持ちになっちゃう作品。
Posted by ブクログ
初読みの作家さん。いわゆる雑居ビルに入っているテナント会社のそれぞれの従業員の短編集。
いづれの人達もモヤモヤしながら働いていて、最後はちょっとだけ前向きになる☆嫌いじゃない☆
ドラマ化したら…
道祖神の加藤は柄本時生さん、
紙飛行機の種田先生は草刈民代さん、
サナギマンの大貫さんは坂口健太郎さん、
空回りの桜井さんは小池栄子さん、
風穴の江草さんは小林直己さん、
居残りコースケさんのコースケさんは池乃めだかさん、最後にオーナーは長澤まさみさん、ガンジャは名倉潤さんで脳内再生されました!
最後に出てきた沼田ってだれ⁈と思ってたら加藤の元同僚!忘れてました。
なんだかんだとカップルが出来ていくのかな、そしていつかまたみんなで集まる日がくるのかなと想像しながら。
読後感とても良い本でした☆
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。