Posted by ブクログ
2013年03月24日
アメリカ在住の町山智浩さんが書いたコラム本。アメリカで流行っている新語や流行語をタイトルにコラムを書いている。
町山さんのコラムは面白いと思うものから考えさせられるものもあり、ご自身もアメリカではマイノリティなのでアメリカの現状を皮肉る事が出来る立場で痛快に書いている。
今回、一番面白かった...続きを読むコラムはサラ・ペイリン関連のもの。日本ではまだ共和党保守派で副大統領候補としての印象しかないが、このコラムを読むと、すでにネタ扱いされているようなバカ元政治家であるようだ。
一番考えさせられたコラムがRicher sexというタイトル。アメリカでは女性差別が根強く残っているというのは町山さんの著書で何度も紹介されている。
しかし、教育機会が均等であり、雇用側にも性差別がないよう徹底されている事から学位とスキルさえあれば、日本ではまだまだ考えられない主夫業というものがアメリカでは少なくないと言うこと。
その結果、男性が働き女性が家を守るという日本の従来の道徳観ではまだ社会的にも受け入れられないような現象がアメリカには確かにあると。
町山さんも渡米後すぐはその状態だった。しかし、自分自身のアイデンティティはこれでいいのかと夫婦ケンカになるほど切迫した思いがあったようで、そこから今の映画評論家の職につくきっかけになったようだ。
今の自分自身も似たような状態であり、まさに感銘を受けた。非常に質の高い本であった。