出産のために離れて暮らす母親のことを想う5歳の女の子の素敵なクリスマスを描いた「サンタ・エクスプレス」ほか、<ひとの“想い”を信じていなければ小説は書けない気がする>という著者が、普通の人々の小さくて大きな世界を季節ごとに描き出す短篇集「季節風」シリーズの冬篇。寒い季節を暖かくしてくれる、冬の物語12篇を収録。
Posted by ブクログ 2023年02月12日
遂にシリーズ最終巻。春から始まり、もうそろそろ1年が経とうとしているなんて。物悲しくも心が温かくなるような話が多かった冬編。『あっつあつの、ほっくほく』『コーヒーもう一杯』『サンタ・エクスプレス』『その年の初雪』『じゅんちゃんの北斗七星』がお気に入り。クリスマスにお正月、節分、バレンタインなど元々...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月12日
何気なさが良い。普通が優しい。そして冬が好きだ。
どの話も何か解決するわけではないのに、いやに心が暖かくなって前に進む力をもらえる。
焼き芋も散歩道も鬼は外も日常の1ページだが、人にはそれだけで立ち上がる力になることがある。
重松清は私と同い年で同じ大学だが、こんな小説を書き続ける彼に賛辞を送りたい...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年04月27日
日本人と中国人の大きな違いというのは、日本人が地縁集団であるのに対して、中国人は血縁集団であり、ファミリーの結束は中国人のほうがより強いのだ、という理論を読んだことを想い出した。本書(今回は合本で春夏秋冬を通して読んだ)掲載の短編のテーマの殆どは家族、或いは故郷、もしくはその両方なのだが、地縁集団と...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年07月12日
生活のにおいがする、というか生活そのものを切り取った短編集である。ハレかケか、過去か現在か、諧謔かシリアスかの違いはあれど、そのすべてが生活そのものなのだ。
どれも良質な短編であり、あえて言えば「冬の散歩道」がややくどいだろうか。どの作品が好みかは人それぞれだろうが、個人的には毛色の違う「バレン...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年07月31日
”家族の作家”重松さんらしい作品です。最近は色々なことに手を出しているけれど、やっぱり重松さんの本領はここでしょう。
ホッとしたり、シンミリしたり。
俗と言われるかもしれないけれど、私はこの手の話が大好きです。
子を想う父親、うざく思いつつもどこか残る親への想い。友への想い。本当にさまざまな想いが詰...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月09日
季節風4作品読み終わりました。
冬はイベントが多いので、日常の中にある特別感や、イベントだからこそ生まれる感情の動きが散りばめられていました。
この中でのお気に入りは、「火の用心」です。違う環境に進んだ友達同士の距離感の難しさに共感しました。仲良くしていたいだけなのに、触れてはいけないところがあるの...続きを読む
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