古いひな人形が、記憶の中の春とともに、母の面影を思い起こさせる「めぐりびな」、子どもが生まれたばかりの共働きの若い夫婦が直面した葛藤と、その後の日々を鮮やかに描き出した「ツバメ記念日」など、美しい四季と移りゆくひとの心をテーマにした短篇集「季節風」シリーズの春篇。別れと出会いに胸震わせる、春の物語12篇を収録。
Posted by ブクログ 2022年06月08日
桜前線を追いかける旅に出ると会社の先輩に話したらおすすめされ旅行前に購入し読みました。
どの話もとても良かった。3月から梅雨のはじまりまでの春のお話。人によって好きなお話は変わると思います。短篇集のためとても読みやすくいので本が苦手な人におすすめ、自分にとっての春のかたちを探すきっかけに読んでみて...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月09日
春夏秋冬に合わせて出された短編集の「春」。
ひな人形やツバメ、柏餅にさくら‥と春らしいキーワードがそれぞれのストーリーの中核として生きていて、読み終わったあとは温かい気持ちになった。
1本目を飾る「めぐりびな」、ラストの「ツバメ記念日」は産まれたばかりの子どもがいる自分にはとても感情移入ができたし、...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年01月13日
重松清の「季節風」シリーズ・春バージョン。
季節を待って読んでよかった。
どのお話もしんどいけれど、一歩前に踏み出したくなる。
地方出身東京住まいの方は心攫われること間違いなしです。
「めぐりびな」より
—寒の戻りに三寒四温、季節が変わるのはちょっとずつで、そのちょっとずつのペース...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年11月04日
やはり“春”にふさわしく、哀しいよりは心温まるお話で構成されている。
いくつものお話が入っているので、ひとくくりにするのは適切ではないのかもしれないけれど・・・
ふるさと、郷愁、懐古・・・?
そんなイメージを抱く短編集。
忘れたいような、忘れたくないような過去とか。
面倒くさい、鬱陶しい、早く自...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年07月31日
いや、困った本です。
私の読書時間はほとんどは通勤電車の中なのですが、この本を読んでいて涙腺に猛烈な刺激を受けまして。。。。
来たのは真ん中頃の短編「せいくらべ」。
弟想いの主人公(小学5年生の女子)が健気なんだ。それを見守る隣家の若奥さんも暖かいし。
ベタだとか青臭いとかの批判もありそうですが、や...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月20日
2010年文庫発売。短編集です。何を読もうかなと思う時、読んでみるのは著者の作品。まず裏切られません。この作品も、そうでした。著者の登場人物たちは、市井の人ばかり自分と重ねる人が出てくるように思います。どの作品も泣きそうな気分になります。いつも思うのですが、どうして著者は子供の心で作品を書けるのかな...続きを読む
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