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Posted by ブクログ
震災後の世界を舞台にした、心を打つ短編集。
母との別れを記した「トン汁」、カレンダーを巡る話しの「記念日」では、不覚にも目頭が熱くなった。
他の作品も、今を精一杯生きている人たちの想いが伝わり、胸が熱くなる作品たちばかりだった。
大枠のストーリーとしてはありきたりかもしれないが、「おまじない」「夏祭り」「五百羅漢」などのアイテムにより、物語にリアリティ、重みが出ている。
あの時、私は被災地の端っこの方に住んでいて、自身も被災したが、幸いにして身の回りに犠牲者はいなかった。
だから、被災者の方の気持ちも、被災地でない場所から被災地を見つめていた方たちの気持ちも、全部ではないけれど少しずつ分かる気がする。
被災者と、被災者でない人と、様々な立場の人がいて、様々な関わり方がある。
人によってできることもできないこともあるし、よかれと思ってしたことが結果的にそうならないこともあるし、その逆もある。
みんな、一生懸命に考えて、前へ進もうとしている。
未来は決して希望に満ち溢れたものではないが、まんざら捨てたものでもない。
また、次の春はやってくる。
Posted by ブクログ
東日本大震災で傷ついた人たち、それを慮る人たちを主人公とする7編。この中で「おまじない」は「NHK国際放送が選んだ日本の名作」に紹介されていた本を読んでいたことが分かり、2年ぶりの喜びの再会!だった。40年前に津波被害の街に小学校4年で住んでいた女性がボランティアで訪問し、子どもたちのブランコでおまじないをする姿に過去の自分とケイコちゃんを思い出すシーン。心締め付けられる感動を覚える。その他、(トン汁)幼い日に母を亡くした3人兄姉弟と父親のトン汁作りをめぐる思い出も忘れられない。(しおり)は津波で行方不明になり、高校に入学できずじまいになった同級の学友の思い出。(カレンダー)は被災者のためにカレンダーを送った後の被災者からのお返しプレゼントの事後談。「また次の春へ」は両親が行方不明のまま、葬式を出さずに月日を経ていく人の虚しい心のうち。など震災による心の傷痕を悼む短編集だった。
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小説・文芸
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