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昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族三人の幸せを噛みしめる日々。しかしその団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまう──。アキラへの愛あまって、時に暴走し時に途方に暮れるヤスさん。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通して、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。魂ふるえる、父と息子の物語。
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「とんび」
2022年4月8日公開 出演:阿部寛、北村匠海、杏
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Posted by ブクログ
古き良き時代の、父と子の不器用で妙にリアルな親子物語。 行きつけの居酒屋、顔馴染みの女将、世代を超えた地元の友人たちに見守られながら、親子共々成長していく姿に、自分の父親像を照らし合わせながら読み進めました。 ブレながらも、漢としての芯はしっかりとあるヤスさんと、そんな父の不器用ながらも息子思いな心...続きを読むを、子どもながらに理解しながら優しく育つアキラの姿はしばしば目頭が熱くなりました。 自分の子育ての軸として、この作品は大変重く鋭く心に刺さりました
広島県備後の話しだったので、方言が読みやすかった。自分の父親と似ているヤスさん…父親のことを思い出しながら物語の中に没入した。 涙が溢れて読む手が止まらないくらい…この家族の人生に寄り添った感覚になってしまった。
昭和の男の生き様・父親や職業人としての矜持を感じ、心打たれた。時代や舞台となる地域が、自分の両親と重なる部分が多く感情移入してしまう。 会話は方言が中心で注釈はないので、西の言葉に馴染みのない人はニュアンスを汲み取るのが難しいかも?
ずっと読みたかった本で、読むのを楽しみにしていました。通勤時間に読もうと手に取りましたが、序盤から涙を堪えるのに必死で、とても集中して読める状態ではなく、休日に心置きなく号泣しながら読みました。ヤスさんの不器用な愛情や優しさに、もどかしくも心温かくなりました。こんなに本で泣いたのは初めてかもしれない...続きを読む。
過去に重松清の本を2作品くらい読んだけど、どちらも暗く重く、私には全く合わなかった。 だけどこのとんびはドラマをチラッと見たことがあって、面白そうだなーと思った記憶があったので、まあ読んでみるかくらいの軽い気持ちで読み始めた。 もう、本当に良かった。 なんなのさ、過去に出会った重松清作品との相性の...続きを読む悪さで他の作品も避けてたのが馬鹿らしいじゃないか。 もっと早く読めば良かった! と思う反面、今のタイミングで読めたのは私には良かったのかもしれない。 舞台は広島。とは言え岡山寄りなのかな?私も広島だけど少し言葉が違う。 でもやっぱりこの方言がすごく良かった。馴染みがあるし親しみがわく。 そして主人公ヤスさんの人柄。 不器用で照れ屋、だけど愛情深く真っ直ぐで時に暴走してしまう愛すべき親父。 そのヤスさんの周りの人も素敵な人ばかり。 不器用なヤスさんをフォローして手助けしてくれる心強い人たち。 ヤスさんとその息子の物語だけど、この周りの人たちがいなければ成り立たない。 物語は割とサクサクと年月を経て行くけど、全く軽くなくてどの章も胸を打たれる。 笑って泣いて、心があったまる物語。 また何度も読み返したいな。
何度も泣きそうになった。 家族のカタチは色々あるけどどれも温かい。 ヤスさんみたいにカッコいい親になりたい。
幼くてして母を失ってしまった息子と父の物語 母は息子のために命を落としたが、それを息子に気づかせまいと嘘をつく父の優しさや地域住民の母代わりとなって育てていく様子が、現代の社会にはあまり見られない集団で子供を育てると言う原点を見た。
不器用で捻くれてすぐにヘソを曲げて素直になれないやすさん。自分の家族や親に素直になれない気持ち、照れ臭さ、いろんなことでうまくできなかった自分を思い出して、そうだよねって胸がぎゅっとなった。 いつか私が親になったとしても、きっと全然うまくできないだろうけど、この物語をもう一回読んで精一杯幸せを願って...続きを読む、寂しい思いをさせないようにしたいな。 子供が大人になって家を出る、当たり前のことって思ってたし、自分も目の前のことが大切でついつい親との時間を後回しにしてしまうけど、親への感謝を絶対に忘れたらいけないし、言葉にしたいと思った。
読破。舞台は昭和37年。 不器用な父親:ヤスと息子:アキラの物語。 3回は泣けます。息子がいる人には絶対読ませたい小説でした。
とても面白かった。こんなに泣いて、こんなに笑った話はあまり覚えがない。 不器用な父親ヤスさんと息子のアキラ、そしてヤスさんをめぐる色んな親子の話。ヤスさんとヤスさんの周りの友達はもちろん、私自身もアキラを一緒に育てている気分になれた。みんな、幸せになってほしい。
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