もし「わたしはあなたの顔も性格も嫌いですが、あなた自身を愛しています」と言われたら、あなたはどう思う? ツチヤ教授が問いかけたとたん、女子大生たちの容赦ない突っ込みが火を吹いた! 日常によくある一言から、哲学の問題へと至る実践的な哲学ゼミナール。『ツチヤ教授の哲学講義』でプラトンやデカルトなど大哲学者たちを次々となぎ倒したツチヤ教授、今度はソクラテスの口説き文句を俎上に乗せ、哲学を読者の身近なものにします。
Posted by ブクログ 2020年10月07日
「わたしはあなたの顔も性格も嫌いですが、あなた自身を愛しています」と言われたら、どう思うだろうか。
ソクラテスはこんな論を展開した。
「人間が道具を使う時を考えればわかるように、使われる物と使う主体は別々のものである」
「人間は身体を使う。だから、人間と身体は別々のものである」
「身体を使うのは魂...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年11月20日
人を愛するとはどういう事か。その人の何処を愛するのか、と言い換える事も出来る。それは、愛する人を本能で愛する事を越え、愛してない人をも人間として愛せる法則を考える事になる。あなたの愛の審級が試されているのだ。答えは具体的に出て来るものではない。愛する部分を指摘してしまうと、客観的には愛する人の一部分...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年03月11日
「私はお前の顔も性格も嫌いだが、私はお前を愛しているのだ。」かつて、ソクラテスはこう言ったらしい。こう言われて、納得できるだろうか。
この教授、これまでの本はアホなことばっかり書いていた(特に「貧相ですが、何か?」かな。ぼくは好きだけど)。今回は、結構マジメに哲学しています。哲学者って毎日こんなこと...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年11月09日
久々の一般向け。
哲学のゼミの実録的なもので、凄く読みやすかった。
哲学の入門書的にも読めそうですが、
非常に唸ったり、非常にイラっときたり(笑)、
「正解」という「形」のないものについて論じるから、
最後の数ページの部分を読んで、
「これに1冊分(二日分の講義)をかけたのか!」て
方には不向きと思...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年08月03日
こういう哲学的な問いを考えるのは面白いね.
「あなた自身を愛している」というソクラテスの問いのどこに問題があるか考えてみると,「あなた自身」が他人から観測し得ないことではなかろうか.
「あなたの容姿」も「あなたの性格」もすべて取り払った「あなた自身」とはいったいなんなのか.他人が観測し得ないものを...続きを読む