あした咲く蕾

あした咲く蕾

小説・文芸
660円 (税込)

3pt

「ほんとうにうつくしいものは、目に見えないものかもしれない」。美しい容姿からは想像もつかないほどガサツな叔母の意外な秘密について描く表題作、雨の日だけ他人の心の声が聞こえる少女を描く「雨つぶ通信」、日暮里の奇妙な中華料理屋を巡る奇譚「カンカン軒怪異譚」など、『花まんま』『かたみ歌』の著者が、昭和の東京下町を舞台に紡ぐ「赦し」と「再生」の七つの物語。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    あした咲く蕾
  • タイトルID
    :
    187798
  • ページ数
    :
    291ページ
  • 電子版発売日
    :
    2012年10月12日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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あした咲く蕾 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「こういうの、こういうのが小説だよなぁ」

    本を閉じ、思わずそんな言葉が口をついて出た。

    私はこういう小説が、たまらなく大好きだ。

    「そうそう、小説って本来、こんなものだったよな」と、思い出させてもらった。


    昨今、時代を反映した、社会的メッセージ性の込められた小説がウケるけれども、もうそんなのはいいんだよ。

    『なんだか少し頭がよくなったような気がする小説』、そんなのはもうよくて。

    普段の仕事の中で、殺伐とした労働の中で、現実というものをしっかり体感している。私たちはすでに十分すぎるほど「現実」と対峙している。

    時代を切り取った作品を読めば、そりゃ当然「現実」を知ることができる。でも私が小説に求めるのは、「現実」ではなく、「現実逃避」なのだ。作者の紡ぐ豊かな空想の世界に連れて行ってほしい。夢を見させてほしい――ただ、それだけなのだ。


    ノスタルジー、ほんのり漂うホラーの気配、純真な子供の目線、集合住宅の空気感、クオリティの高い短編が紡ぐ、心温まるストーリー……。朱川作品を構成する要素のすべてが、この一冊に凝縮されている。

    ポケットに忍ばせておきたくなるような短編集、私にとってご褒美のような一冊だった。

    0
    2026年05月31日

    Posted by ブクログ

    昭和ファンタジーホラー。そんな勝手なジャンル分けをしております。どれも昭和ノスタルジア満載で、不思議な幽霊譚ばかりです。怖い話はありません。ほんのり悲しくて明るくて、心のひだにちゅぴちゅぴと温かい液体を垂らして貰っているような心地よさがあります。好きだな〜この作家さん。

    0
    2016年01月26日

    Posted by ブクログ

    「花まんま」が面白かったので、朱川湊人をもう一冊読んでみた。これも短編集で、前半は花まんまと同じように少年少女の不思議な物語が二篇続く。この人は子どもたちの話しか書かないのかな?と思いながら読んでいたけど、その後の作品からは大人も登場してくる。

    どの話もなんともノスタルジックで、幼さゆえの悲しさや歯痒さがうまく描かれていて、もの悲しさの中にファンタジーの要素が組み込まれている。そのバランスがとても上手くて、不思議と引き込まれる力があり、読後にも余韻が残る物語ばかりだった。これが朱川湊人の魅力なんだと思う。

    それにしても、幼い頃に両親のどちらかが家を去ったのかな?と考えずにはいられない設定が多くて、読者にそんな推察までさせてしまうんだから、作家というのは業が深いよね。

    作中で何度か「人生の黄金期」という言葉が出てくるんだけど、これはあくまで主人公たちのセリフなのか、それとも朱川湊人自身にもそう思える時期があるのか、そんなことも考えながら読んでいた。俺自身は、あの頃が黄金期だったとはあまり思わない。でも、そういう感覚を持っている人だから、こんな物語が編めるのかもしれないなと思った。面白かった。

    0
    2025年12月23日

    Posted by ブクログ

    どんなに幸せの絶頂にいても、先のことはわからないものだ。
    一瞬で奪われてしまう人の命とは、なんて儚いものなんだろう。
    それでも、幸せな記憶はずっと心に残っていく。
    会ったことがない父親に、公園で会ったとうれしそうに話す娘。
    自分もその場所にいたはずなのに、何も覚えていないことが切なくて哀しくて涙ぐむ母親。
    この世の常識でははかれないことだってある。
    こんな奇跡ならあってもいいじゃないか、と信じたくなってくる。
    幸せに過ごした時間は戻らないけれど、大切に思える人がいた…その思いはきっと消えることはない。
    ちょっと不思議な、だけどとてもあたたかで切ない物語。
    おだやかな物語は、いつだって心を優しい気持ちで満たしてくれる。

    0
    2017年03月19日

    Posted by ブクログ

    心が温かくなるような、ちょっと切ない不思議な話を集めた短編集。ファンタジーではあるけど、このくらいの不思議なら起こるかもしれないと思えるので、仰々しくなく素直に受け取りやすいのかも。雨つぶ通信、カンカン軒怪異譚、花散ったあとが面白かった。でも他の話も面白かった。

    0
    2017年02月10日

    Posted by ブクログ

    全編ハズレ無しの短編集。読後感はとても良く優しい気持ちにさせてくれる。同じ時代背景では無く大阪万博の頃やバブル期等バラバラではあるが特に違和感は無い。『わくらば日記』の様なちょっと不思議な能力を持った人や不幸な生い立ちを持った子、グレて道を外しかけた子、魂持ったフライパンを煽る中華屋のおばちゃん等出てくるキャラもそれぞれ立っていて面白い。別れがテーマなのだが無償の愛情を分けてくれる人と出会う事により再生への1歩を踏み出せる。どれもラストはホロリとくる秀逸な作品ばかり。これはオススメだ。

    0
    2016年04月20日

    Posted by ブクログ

    「ツカサもチィちゃんも、よう覚えときや。この世にはな、死ぬほどのことは何もあらへん。辛いのも苦しいのも、時間がたったら忘れられるもんやで。だから何があっても、自分で命を捨てるようなことをしたらアカンのや。」

    「弘美ちゃん・・・正しいと思ったことをする時は、変にためらっちゃダメだよ。人の命に関わるような時は、なおさらね」

    きっと世の中には、自ら進んでのら犬になった犬はいない。ほんのわずかでも、愛されていること-自分が誰かに必要とされていることが実感できれば、踏み外しかけた道を戻ることもできるのではないかと思う。

    0
    2016年02月24日

    Posted by ブクログ

    朱川さん、大好き。でもどれもノスタルジーあふれる内容で、ちょっと寂しくなった。表題作、「あした咲く蕾」、おばさん、本当手加減下手だったんだなぁ。猫又になっちゃったじゃないの・・・。

    0
    2015年01月16日

    Posted by ブクログ

    「カンカン軒怪異譚」という話が、一番心に響いた。

    ハラ減ると、ロクなこと考えない。

    おばちゃんの考え方に、確かにその通りだなと思った。

    どんなにやりたいことや、諦めたくないことがあっても、お腹が空いたままだと、なんだかどうでもよくなってしまうというような、経験をしたことがある人は、結構いるんじゃないだろうか・・・。

    でも、お腹がいっぱいになってみると、もう少し頑張ろう。生きてて良かったと思うのだから、不思議なものだ。

    肉や魚だけじゃなく、野菜、山菜、貝・・・。
    どんな食べ物にも命があって、その命をもらうことで、生かされている。

    どんな悩みも抱えている時は、深刻に考えてしまうものだけど、いつか、笑い話に、いい経験になったと思える時が来るはず。

    悩みに覆い尽くされそうになってしまった時は、食事をしよう。そこから、全てはやり直せる。そう考えさせられた小説でした。

    0
    2014年07月13日

    Posted by ブクログ

    阿刀田高の後継者候補かなと思う。
    オチがあって、ブラックかホラーの短編が好きですけど、
    本書は暖かい話が多かったです。
    「雨つぶ通信」「虹とのら犬」が特に良くて涙が出そうでした。
    この作者の本をもっと読もうと思う。

    0
    2014年03月31日

あした咲く蕾 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    あした咲く蕾
  • タイトルID
    :
    187798
  • ページ数
    :
    291ページ
  • 電子版発売日
    :
    2012年10月12日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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