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日韓両国で大きな反響を呼び、ロングセラーとなった『韓国併合への道』から12年。日本国籍を得た著者が、新たな立場で、併合後の社会・経済・文化の発展と戦後韓国の反日政策の欺瞞について論じた1冊。「日本の統治は『悪』だったのか?」「反日政策と従軍慰安婦」「教科書に載る『土地収奪』の嘘」「国民に知らされない日本の経済援助」など、豊富なデータを元にまとめた日韓論争にトドメを刺す「完全版」。
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Posted by ブクログ
■1890年(明治23年)総理大臣山県有朋は、第1回帝国議会施政方針演説の中で次のように述べた。「国家独立自衛の道に二途あり。第一に主権線を守護すること。第二には利益線を保護することである。其の主権線とは国の疆域を謂い、利益線とはその主権線の安危に、密着関係にある区域と申したのである。日本にとっての...続きを読む利益線とはもちろん朝鮮半島を意味している。清国は朝鮮への干渉強化と対日軍備拡充を同時並行的に推し進め、ロシアは1891年にシベリア鉄道建設に着手して、東アジアへの本格的な進出の地歩を固めようとしている。事態がこのまま推移すれば遠からず日本の勢力が朝鮮半島から駆逐される日がやってくることは明らかだった。
日本と韓国の歴史を日朝修好条約(1876)から韓国併合(1910)までに焦点を当てて書かれている。特にこの時代の韓国側の状況が分かるようも書かれている。 今に至る日韓の関係を紐解き理解するには、李朝の歴史と明治からの日韓の関係を知ることがなければ不可能。しかし、学校の授業においてこれらに触れることは...続きを読む無い。 韓国に於いてもほぼ無いらしい。 現在の韓国も北朝鮮も李朝からの儒教思想が根強く生きている。これを知らずしてはいつまでも上ずった理解でおわるのだろう。
韓国の現代史を史実に基づいた、極めて冷静な視点で紐解く。韓国が、こうありたいと願う希望的観測で綴った歴史ではなく、ロビー活動のためのでっち上げでもない。この手の著書は、日本側の反省もこめた先の大戦の総括書としてしばしば見られるが、韓国併合までの歴史を、それ以前の韓国における内部事情から綴られているも...続きを読むのは、中々珍しい。大院君と閔妃の政争、両班のために機能しない経済。清に冊封され、全く独立国として機能していない、悲劇の韓国。日本の植民地化は、正しかったか?成り行き上、最適な判断をすれば、あるいは歴史とは、パズルのようで、そこに当てはまるしかない状態のようにも見える。そして、歴史のこの1ピースを嵌める木枠を作ったのは、イギリスであり、アメリカである。韓国併合とは、西洋史の1ピースなのだ。 日本列島に匕首を突き付けた如く位置する朝鮮半島は、防衛上、重要な地理的条件を有するかのように、よく言われる。しかし、不凍港を欲しがるロシア以外の国には、大した魅力もないのではないか。結局、ユーラシア横断を企んだ満州鉄道利権というパズルの序盤の1ピースに過ぎないのではないか。
朝鮮併合の歴史がよくわかり、どうして国民なのか 日本ってやっぱ考えている、いい国だと改めて思わされました。
日本に留学後帰化した筆者が、韓国、日本それぞれで得た知見をもとに総括した日韓併合の経緯・背景と、さらに今に至る韓国の反日示威の底流にあるものの本質。 まとめれば、ロシアを始めとする欧米列強の植民地化の圧力に強い危機感を抱き日中韓で対抗しようとした日本に対し、相変わらずの事大主義で宗主国をころころと...続きを読む変えながら旧体制の中で足の引っ張り合いを続けていた朝鮮が、清国すら列強に侵食される時流を見誤り墓穴を掘った自業自得の結末ということになるが、1965年の日韓経済協力協定により併合時の両国間の賠償関係は完全に清算されたにも関わらず、何十年も経過した後であれこれいちゃもんをつけてきたり、民主化後も政権交代の度に対立勢力を粛清するのは、正に彼の国の国柄を表しているとしか言いようがない。(その旧宗主国なる中国、近親憎悪の兄弟国である北朝鮮もだが)
自分があまりにも現代史を学んでこなかったのだと感じました。学校の先生も近代史について話すのを嫌がっている感じでしたしね。 同化政策とか知っていたはずなのに、日々のニュースとか風潮の中で、日本は韓国や台湾などにいわゆる西洋的な植民地支配をしていたと思い込んでいた。韓国人のおじいさんから聞いた「同化政...続きを読む策」では略奪地にはならないはずだったのに……。 初等教育の推進、韓国人が400年以上捨てていたハングル文字活用の推進、ダムや橋の建設、米の生産高の倍増、人口の倍増、技術援助、万歳など韓国が併合されたがゆえに使うことができるようになった言葉……今なお韓国は恩恵に預かりつづけているのに、それを知りもせず、日本は韓国から富も人も文化も略奪したのだと喚き散らす韓国に嫌気がさしますね。 植民地化された台湾や日本の統治下にあったパラオで反日感情が薄いのは日本の統治下によって発展した事実があったことも知らせているからだと聞きます。韓国の教育の歪さを感じます。そして台湾を含めたほかのアジアの国々の教育に感謝いたします。
実に面白い。決して僕が嫌韓だからということではない。 呉善花さんの論法が明快だからである。帰化した呉善花さんは、日本と朝鮮との歴史を分け隔てなく事実を基に紐解いてわかりやすく解説しているのである。その結果が韓国の併合へと繋がる様が論理的である。おそらく事実誤認はないものと思われるのです。 明治維新以...続きを読む降、朝鮮半島の李朝も近代化と富国強兵を推し進めなければ、隣国日本も窮地に立たされてします恐れがあり、その過程の中から華夷秩序の従属下から李朝を独立させる必要があった・・・というのが征韓論へと続く 李朝からすれば「皇」は中国皇帝のみに許される称号であり、「勅」は中国皇帝の詔勅を意味した。朝鮮王は中国皇帝の臣下であるが日本王の臣下ではない。と、このような傲慢かつ無礼な!というのが今も活かされているから、いまだに朝鮮人の傲慢さが日本人を卑下し、在日においては卑屈なのであろう。
1800年代の李氏朝鮮から1911年の韓国併合にいたるまでの、韓国側の事情を韓国人研究者が紹介した本。新しい発見が多く買った。韓国側の当時の政府認識として、1895年までは李氏朝鮮として中国の華夷秩序の中の「王国」であり、独立国家として認識していたのは1895年から1911年までの「大韓帝国」時代で...続きを読むあること。李氏朝鮮では内部の権力争い(平安時代のような)に終始し、日本の明治維新や、中国の洋務運動や李鴻章の北洋艦隊のような運動が起こらなかったこと。外交関係を清と日本に限っていたため、欧米事情に非常に疎かったこと。改革派に対して、儒教的守旧派は日清戦争までは清を、その後はロシアを頼り、その都度、日本が強引にクーデターをけしかけ権益確保を図ったこと。日露戦争後、韓国でも一進会という大アジア主義的な勢力が人気があったこと。一方、日本による韓国統治については肯定的すぎる観もあり、小熊英二が指摘しているように、日本は韓国人を「平等」視しなかったこと、一貫した政策がないまま韓国統治を実施したことなどの課題面は書かれていない。また、明治期の日本政府が内外事情に苛まれながら、誠意ある対応をしていなかった(する余裕がなかったのかも)ことは残念に思った。韓国人視点で、韓国文化や考え方から、「なぜ李氏朝鮮・大韓帝国はそうだったのか」がわかりやすく説明されている。
本書は「日本に併合されるような事態を招いた韓国側の要因を、その国家体質・民族体質を踏まえながら・・・究明していこうというもの」だという。 「日韓併合」の一般向けの書籍は驚くほど少ない。 歴史上、「日本と朝鮮」との間で何があったのかを特定のイデオロギー抜きに知ろうとすると、読む本がほとんどないこ...続きを読むとに気づく。 これは「歴史認識」以前の問題ではないだろうか。 本書は、「日韓併合に至る道」を韓国側からみた内容とはいえ、当然それに対応する日本側の動きが見えてくるが、当時日本の支配層で「大論争」があった形跡は見られない。みな、大陸への進出を当然と考えていたのだろうか。 一つの時代が過ぎてしまうと、それをとりまく風景も見えなくなってしまうとはいえ、当時の「日本」と「朝鮮」「ロシア」「清国」をめぐる国際関係は、何度読んでも理解しにくい。 すくなくとも「司馬遼太郎」がかつて小説でイメージした「ロシアの南下とそれに対する防衛」はありえないと思えた。 本書は、歴史を直視した良書であるとおもうが、「日韓併合」については、やはり日本側から見た詳細な歴史を知りたいと痛感した。
日韓関係のニュースが毎日のように流れる昨今、ひとつのニュースが流れた。 「韓国、呉善花さんの入国を拒否」 一部報道では、韓国を批判する著作や講演を行っているのがその理由だとか。 本書「韓国併合の道」は2000年に出版されたものに手を加えて2012年に再出版したもの。 李氏朝鮮時代から日韓併合、韓...続きを読む国が独立した今日までを描いている。 李氏朝鮮時代というと、半島に500年の長きにわたって平和をもたらした、栄光の時代と捉える向きもあるかもしれないが、本書によればそれは「幻想」にすぎないとバッサリ。 李氏朝鮮時代の支配体制で最も有名なのが両班体制。 統計によれば、1690年の人口比率における両班の数は7.4パーセント。ところが1858年には、48.6パーセントにまで増加したという。 人口の半分が支配階級の国家であり、不正が蔓延し、のこりの庶民階級から強奪まがいの搾取が日常的に行われていたようだ。 国家財政も社会の経済も破綻し、慢性的な農民一揆が頻発しており、国家は衰亡の極みであり崩壊寸前の体であったらしい。このへんは李氏朝鮮末期の写真をネットで見ることができるので、ビジュアルと合わせるとリアルに感じとれると思う。 そんな中、日朝問題が起こる。 明治維新後の日本が、改めて国交をむすぶにあたって朝鮮側は、日本の親書にある「天皇」の文字、それに洋服による使節を無礼として一切の交渉を拒否。 徳川時代の正装で出直すことを要求するといった強硬な態度であった。 朝鮮の態度に業を煮やした日本は、砲艦外交に訴える。 江華島事件である。 その後日本は朝鮮の開明派とともに、朝鮮を近代国家として改革していくが、朝鮮に対する日本の影響力増大を機具した清国が朝鮮に軍を駐留させる。 これに対して日本は清国の朝鮮における影響力強化を憂慮し、清との対決を決定していくこととなり、日清戦争へと進んでいく。 日清戦争に勝利した日本は、朝鮮の近代化を模索するが、このころ朝鮮国内における親露派が力をもち、ロシアへ急接近するという事態になる。 日本はロシアと「西・ローゼン協定」を取り交わし、韓国の独立を認め、直接の内政干渉を行わないことを取り決めたが、義和団事件を機にロシアは満州に兵を駐留し続け南下政策を既成事実化していく。 日露戦争後、ロシアの脅威を排除した日本は、朝鮮の保護化をロシア及び列強にとりつけることで、国際社会の承認を得る。 その後、日韓併合になるが、朝鮮の進歩派の中に進んで日韓併合を望んでいた団体があったという。 一進会という進歩派は、日韓と満州を含んだエリアにアジアの拠点をつくるという「大アジア主義」の理想へ向かおうとしていたという。 民族の尊厳の確保のためには、自力で民族国家建設が出来ない以上、より強い国である日本との合邦によって西洋列強に対抗しようというのがその思想であった。 現在の韓国では、この一進会の運動に関して「売国奴」のレッテルを貼っている。 日韓併合後の朝鮮半島における政策だが、朝鮮総督府が40%もの土地を奪ったというのはデタラメらしい。 1990年に行われた、朝鮮総督府時代の土地台帳の調査によれば、農民に対して正当な土地所有権を保証するために土地申告を指導したという。 また、朝鮮統治における日本の投資についても言及しており、1900年以降の投資額は80億ドルにものぼり、この投資は赤字つづきで日本の財政が豊かになることはなかった。 工業生産率は年平均5%、GDPも年平均4%と高い水準で推移。人口に関しては、1910年時点で1312万人だったのが1944年には2512万人にまで増えた。 学校制度も整えられ、識字率の調査では1910年に6%程度だったのが、1943年には22%に上昇している。 一般に言われる創氏改名も、強制した事実はなく、法律でも氏の設定と改名の自由をあたえている。 ちなみに、1965年の日韓国交回復から2002年までに日本から韓国に支払われた無償ODAは7000億円(外務省ODA白書)。 戦後もかなりの額の協力をしているようだ。 いろいろ拗れている日韓関係だが、韓国の方の書いた日韓の歴史を読むことで、お互いの歴史認識の違いをより明確に理解できるのではないでしょうか。 データ量、資料からの引用共に、非常に信頼のおける一冊だと思いました。
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