文藝春秋作品一覧

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  • シャイニング(上)
    3.9
    鬼才スタンリー・キューブリック監督による映画化作品でも有名な、世界最高の「恐怖の物語」 雪に閉ざされたホテルに棲む悪霊が、管理人一家を襲う。天才キングが圧倒的筆力で描き出す恐怖! これこそ幽霊屋敷もの、そして20世紀ホラー小説の金字塔
  • 葉桜の季節に君を想うということ
    3.9
    ミステリー文学賞&年末ランキング4冠! 本格ミステリーの新時代を告げた記念碑的傑作! かつては探偵事務所で働き、いまは「何でもやってやろう屋」を自称して気ままな生活を送る「俺」成瀬将虎。 ある日、高校の後輩のキヨシの頼みで、彼が密かに惚れている久高愛子の祖父の不審死と、高額で布団や健康食品を売りつける蓬莱倶楽部の調査を引き受ける。 そして同日、駅のホームで飛び込み自殺しようとした女・麻宮さくらを助けたことで、運命の歯車が回り始める――。 蓬莱倶楽部の悪徳商法を調査する将虎の軽妙なハードボイルド探偵の活躍を楽しむあなたに、ラストで襲い掛かる大どんでん返し!? 日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞ダブル受賞&「このミステリーがすごい!」「本格ミステリベスト10」で第1位! 中居正広さんほか、たくさんの著名人も激賞! 二度読み必至の究極の徹夜本です。
  • お笑い 男の星座 芸能私闘編
    3.9
    この一冊を偉大なる梶原一騎に捧げる 小川直也の暴走ぶりからガッツ石松の鉄拳まで。格闘技の裏の裏まで知っている人気お笑いコンビによる抱腹絶倒の“活字漫才”! 【目次】 序章 猪木イズム 第1章 バッタ屋稼業 第2章 芸能界最強決定戦 和田アキ子vs.YOSHIKI 第3章 ラスト・マッチ 前田日明 第4章 たけしと洋七 第5章 ロールス・ロイス戦争 第6章 爆笑問題問題 第7章 知ってるつもり!? ジャイアント馬場 第8章 さそり座の男 第9章 岸部のアルバム 第10章 泣いたターザン 第11章 ホモじゃない! 水野晴郎 第12章 幻の右 ガッツ石松 第13章 四角いジャングル 第14章 四百戦無敗の男 第15章 たけしイズム 解説 坪内祐三
  • 応えろ生きてる星
    3.9
    奪われて、失って。そして見つけたもの 結婚直前の会社員・廉次の前に現れた女は、突然のキスと、謎の言葉を残して消える。 直後に、婚約者に目の前で別の男と駆け落ちをされた廉次は謎の女と再会。 婚約者の行方をある手段で探し出そうとする。 奪われて、失った、その先にあるものは――。 『知らない映画のサントラを聴く』『砕け散るところを見せてあげる』『あしたはひとりにしてくれ』の竹宮ゆゆこによる最新刊。 過去と向き合い、抱え続けた痛みからの再生を描く書き下ろし長編小説。
  • 佐藤優の集中講義 民族問題
    3.9
    今も世界のあちこちで民族問題の炎が噴出し続けている! テロの国際的拡散、移民・難民の増大、労働者間の国際競争、スコットランド。カタルーニャなど地域による独立論争、トランプ後のアメリカで台頭する白人至上主義、中東からの入国規制――。“民族オンチ”の日本人だからこそ知っておくべき、民族問題の現実と基礎理論をまとめた一冊。民族問題を理解するための推薦図書も提示。
  • 逆襲される文明 日本人へIV
    3.9
    騒然とした日々の出来事から、普遍の教訓を抜き出す珠玉のエッセイ集。 「イスラム国」が引き起こした戦争とテロが世界を震撼させる一方で、EUは揺らぎつづけ、ついにイギリスが離脱。その間も難民の流入は止まることがない。アメリカではトランプ大統領が誕生し、その発言が物議をかもす。そして日本はいまだ不況から抜け出せず……まるでローマ帝国の滅亡を思わせる激動の時代に、私たちは生きている。 古代ギリシア、ローマ帝国、ルネサンス時代の歴史との対話を、およそ半世紀にわたってつづけてきた著者は、移りゆく日々の情勢を扱いながら、そこから歴史の教訓を抜き出す。 「宗教は、人間が自信を失った時代に肥大化する」 「民主政が危機に陥るのは、独裁者が台頭してきたからではない。民主主義そのものに内包されていた欠陥が、表面に出てきたときなのである」 「歴史を経ることで人間は進歩するとは思っていない」 世界情勢だけではなく、祖国日本への愛にあふれた提言や、先達として後輩女性への率直なアドバイスもつづられる。 月刊「文藝春秋」で好評連載中の「日本人へ」をまとめた第4弾!
  • 『火山で読み解く古事記の謎』トラベルガイド【文春e-Books】
    無料あり
    3.9
    神話の舞台を歩くための無料ガイド! 「九州、出雲、熊野の火山活動によって形成された風土が古事記神話の背景にあるのではないか」 こんなアイデアから文春新書『火山で読み解く古事記の謎』は始まります。 著者は火山の現場を歩きながら古事記神話の謎ときに挑みました。このガイドでは、その取材の過程で撮りためたカラー写真をふんだんに用いて、火山活動が生み出した雄大な光景や、奇妙な風景などご紹介します。 それにくわえて実際に著者と同じ場所への旅行を企画している方に向けて、役に立つ情報をお届けします。鹿児島の離島・硫黄島や霧島・高千穂、出雲地方、隠岐諸島、熊野までのアクセス、現地の交通や宿泊事情、さらには事前の情報収集に役立つウェブサイトをご案内。 文春新書『火山で読み解く古事記の謎』を読んだ方はもちろん、まだ読んでない方も神話の謎に引き込まれます。 このコンテンツをスマホにおさめて、神話の舞台を実際に歩いてみませんか。

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  • 復活祭
    3.9
    1巻968円 (税込)
    〈失われた10年後、あの男たちが帰ってきた! そのとき裏切られた女は……〉 80年代後半、土地と株の高騰に沸いた東京。 バブルの絶頂期の都会を舞台に、若き「持たざるもの」の青春の暴走と破滅を描いた名作『生誕祭』。 ボリュームを感じさせない疾走感と、入り乱れる男女の愛憎、最後まで敵味方のわからないコンゲームは、北方謙三氏からは「バブルという、現実に社会や人を狂わせた時代を、象徴的に描ききっている。時代の狂気を背景にすることによって、ノワールとも呼ぶべき新しいジャンルを主張」と評された。 そして10年後、再び主人公の彰洋と彼の敬愛する美千隆が動き出した。 バブルが崩壊して10年、彼らが運命を狂わした女たち――麻美と早紀がすべてを失ってから10年の歳月を経て、どん底だった日本の経済は一部の産業の復活の兆しがみえている。 インターネットという実態のないものに金が集まる、いわゆる“ITバブル”時代が到来したのだ。 「失われた10年」の雌伏後も彼らの夢は変わらない。 マンハッタンにでかいビルを建ててやる――そのために選んだのが、IT産業だ。 関連企業を立ち上げて目指すのは株式公開、その株の価値を上げて売買を行うだけで、実態を伴わない億単位の金が動く。 バブル時代と同じように、彰洋と美千隆は新会社メディアビジョンを興すと休息もないままに動き回り、上昇は成功していくかに見える。 しかし二人がかつて裏切り、現在はしがないクラブの雇われママの麻美はそれを許すはずがない。 自分のパトロンであり詐欺師の桜田、そして彰洋の恋人だった早紀にも誘いをかけ、ふたりの儲けを掠め取る計画を開始する。 IT時代の寵児たちをも連想させる重要人物と、複雑な心情をお互いに抱く男女たち。 いずれ土地バブルと同じようにはじける運命の時代の中で、勝ち抜くのはいったい誰か? 馳星周王道の裏切りと哀しみが躍動する、一級のエンタテイメント作品。
  • 東芝 大裏面史
    3.9
    東芝の幹部も回し読みしていたという噂の、会員制情報誌による調査報道! 19万人もの社員を抱える名門企業がなぜ経営危機に陥ってしまったのか。アメリカの原発会社ウェスチングハウスを法外な値段で買収したこと、3.11後の原子力発電事業の低迷、トップの権力争い、粉飾決算の発覚・・・・・・。危機の背後には経済産業省主導による原子力政策があった。 【目次】 ◎第一章 経産省にババを引かされた◎ -米原発会社ウェスチングハウス買収。高値づかみの戦犯は経済産業省の中に。 ◎第二章 原発ビジネスへの傾注 2008~2011年◎ -ウェスチングハウス買収から東日本大震災前までの記事を再録し、問題点を浮かび上がらせる。 ◎第三章 上層部の暗闘 2012~2015年◎ -3・11以降、原子力ビジネスは存亡の危機に。半導体事業にも陰りが見える中、会長と社長の確執が表面化する。 ◎第四章 粉飾決算の発覚 2015~2016年◎ -内部告発により不正会計が明らかに。西田、佐々木、田中の歴代3社長の辞任を発表した。 ◎第五章 再建か解体か、泥沼の混迷へ 2016~2017年◎ -莫大な債務超過に陥った東芝は混迷を続ける。Xデーがやって来ることはあるのだろうか。 ◎第六章 原子力ルネッサンスの幻影◎ -90年代、国内で電力自由化を推し進めるべく「聖域」に踏み込んだ男が経産省にいた。 ◎第七章 「フクシマ」のTSUNAMI◎ -未曽有の大災害が東芝にもたらしたものとは。 ◎第八章 トランプのデッドライン◎ -連邦破産法申請でも安閑とはしていられない。日米原子力協定更新という一大事が迫る。
  • 隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働
    3.9
    ◎ピケティに次ぐ欧州の新しい知性の誕生◎ オランダの29歳の新星ブレグマンが、「デ・コレスポンデント」という 広告を一切とらない先鋭的なウェブメディアで描いた 新しい時代への処方箋は、大きな共感を呼び、全世界に広がりつつある。 最大の問題は、人間がAIとロボットとの競争に負けつつあること。 その結果「中流」は崩壊し、貧富の差は有史上、もっとも広がる。 それに対する処方箋は、人々にただでお金を配ること、週の労働時間を15時間にすること、 そして国境線を開放することである。 それこそが、機械への『隷属なき道』となる。 【目次】 第1章 過去最大の繁栄の中、最大の不幸に苦しむのはなぜか? 第2章 福祉はいらない、直接お金を与えればいい 第3章 貧困は個人のIQを13ポイントも低下させる 第4章 ニクソンの大いなる撤退 第5章 GDPの大いなる詐術 第6章 ケインズが予測した週15時間労働の時代 第7章 優秀な人間が、銀行家ではなく研究者を選べば 第8章 AIとの競争には勝てない 第9章 国境を開くことで富は増大する 第10章 真実を見抜く一人の声が、集団の幻想を覚ます 終章 「負け犬の社会主義者」が忘れていること 解説 欧州の新しい知性の登場 日本語版編集部
  • 荒野
    3.9
    山野内荒野、14歳。 まだ、恋はしてない。 ……たぶん。 鎌倉で小説家の父と暮らす少女・荒野。「好き」ってどういうことか、まだよくわからない。でも、中学入学の日、電車内で見知らぬ少年に窮地を救われたことをきっかけに、彼女に少しずつ変化が起き始める。少女から、大人へ――荒野の4年間を瑞々しく描き出した、たまらなくいとおしい恋愛“以前”小説。全1冊の合本・新装版。 カバーイラスト:岸田メル
  • マリコ、カンレキ!
    3.9
    ついに還暦を迎えた林さん。 美と食への貪欲さは相変わらず、有名人をたくさん呼んで派手な還暦パーティーを開くことに……。 朝ドラ「ごちそうさん」の時代考証がヘン、性根の悪い芸能人を暴露。佐村河内守、小保方晴子、ASKA、タイガー・ウッズなど、2014年に世間を騒がせた人たちや、セクハラ都議オヤジ問題、エラそうな新聞社社員の態度などバッサバッサと毒舌で斬っていく。ちょっと前の出来事を思い出し懐かしくなる爆笑エッセイ第28弾です。 中でも、百田尚樹氏への手紙は読みごたえあり。雑誌ジャーナリズム、つまり週刊文春への批判も連載ページで堂々と書く姿勢はあっぱれです。 また中園ミホさんとの対談「『花子とアン』誕生秘話」が番外編として収録されています。
  • ホリデー・イン
    3.9
    1巻509円 (税込)
    「初めまして、お父さん」。 元ヤンでホストの沖田大和の生活が、しっかり者の小学生・進の登場で一変! 思いもよらず突然現れた息子と暮らすことになった大和は、宅配便会社「ハニー・ビー・エクスプレス」のドライバーに転身するが、荷物の世界も親子の世界も謎とトラブルの連続。 宅配便会社の仲間や、ホストクラブ経営者のおかま・ジャスミン、ナンバーワンホストの雪夜らも巻き込んでの、大騒動を描いた『ワーキング・ホリデー』が刊行されたのは2007年。その後の大和と進の物語を書いた『ウィンター・ホリデー』が2012年、同年には『ワーキング・ホリデー』が映画化され、文庫も含め「ホリデー」は人気シリーズへと成長。 本書には親子の物語ではなく、彼らを取り巻く人々の物語、いわば「ホリデー」シリーズの外伝ともいえる6つの短編が収録。 1 「ジャスミンの部屋」 …… ジャスミンが拾った謎の中年男の正体は? 2 「大東の彼女」 …… お気楽フリーターの大東の家族には実は重い過去があった 3 「雪夜の朝」 …… 完璧すぎるホストの雪夜にだってムカつく相手はいるんだ! 4 「ナナの好きなくちびる」 …… お嬢さまナナがクラブ・ジャスミンにはまった理由 5 「前へ、進」 …… まだ見ぬ父を探し当てた小学生の進の目の前には―― 6 「ジャスミンの残像」 …… ヤンキーだった大和とジャスミンの出逢いの瞬間 ハートウォーミングな6つの物語。 解説・藤田香織
  • 若冲
    3.9
    若冲の奇妙にして華麗な絵とその人生。 大ベストセラー文庫化! 緻密な構図や大胆な題材、新たな手法で京画壇を席巻した天才は、 彼を憎み自らも絵師となった亡き妻の弟に悩まされながら描き続ける。 京は錦高倉市場の青物問屋枡源の主・源左衛門――伊藤若冲は、 妻を亡くしてからひたすら絵に打ち込み、やがて独自の境地を極めた。 若冲を姉の仇と憎み、贋作を描き続ける義弟・弁蔵との確執や、 池大雅、与謝蕪村、円山応挙、谷文晁らとの交流、 また当時の政治的背景から若冲の画業の秘密に迫る入魂の時代長篇。 解説・上田秀人
  • AI経営で会社は甦る
    3.9
    AI革命で「産業構造」「稼ぐ仕組み」が激変する。 企業再生の第一人者による「AI時代の経営論」。 【目次より】 はじめに AI時代の経営とは 技術的にスゴいことと儲ることは違う L(ローカル)の風とS(シリアス)の風をつかめ WhatよりもWhen,How,Whoの勝負 第1章 これがAI革命の真相だ デジタル革命が「バーチャルの世界」から「リアルの世界」へ 「稼ぐ」構造が根こそぎ変わる 産業革命の核心はAIの進化と「S(シリアス)の世界」 大自動化革命ではタブーの少ない日本に勝機あり オープンイノベーションとブラックボックス化 日本の自動車メーカーは生き残れるか 第2章 なぜ日本企業が有利なのか ハードとソフトの融合が焦点に ハイブリッド経営システムを構築せよ モノづくり日本にチャンスあり ローカル型産業、中小企業にはもっと巨大なチャンス到来 ターゲティング型の産業政策はもはや通用しない 第3章 日本企業がとるべき戦略 天才技術者を雇うには 一国二制度で異質なものと共存する プロ経営者の改革がうまくいかない理由 リアルキャピタルからヒューマンキャピタルへ 産学連携で人を育てる 第4章 AI時代のリーダー像・働き方 分断される「Gの世界」と「Lの世界」 真のグローバル人材を目指すには AI時代に残る仕事、なくなる仕事 おわりに 千載一遇のチャンスをつかめ
  • 「ドラマ鬼平犯科帳」ができるまで
    3.9
    鬼平犯科帳は永遠に!! 昨年、遂に幕を閉じたTV「鬼平犯科帳」シリーズ。 その長い歴史を振り返り、製作スタッフの貴重な証言を聞き取るファン必読の書。 28年間に渡り放送された「鬼平犯科帳」。 その人気の秘密を番組スタッフのプロデューサーから殺陣師や録音技師、美術監督などに直接インタビュー。 今の世で正統的時代劇を放送する上での、苦労話、ここだけの話、内緒の話がテンコ盛り。 さらに「オール讀物」に掲載された「鬼平」関連の記事も収録。 目次 序章 鬼平、京都へ行く 第一章 スタッフインタビュー 第二章 ドラマ『鬼平』の魅力を検証する 終章 鬼平、京都を去る
  • ゆれる
    3.9
    「ディア・ドクター」「夢売るふたり」「永い言い訳」など、 濃密な人間関係を題材に作品を生み出し続けてきた映画監督・西川美和氏の小説処女作 田舎を嫌って都会に出た奔放な弟・猛と、田舎に残り実家を継いだ実直な兄。 対照的な二人の関係が、幼馴染みの女性の死をきっかけに、大きく揺らぎはじめる……。 2006年に公開され数々の映画賞を受賞した同名映画を監督自らが初めて小説化。 文学の世界でも第20回三島由紀夫賞の候補になるなど、大きな評価を受けた。解説・梯久美子
  • おれたちに偏差値はない 堂南高校ゲッキョク部
    3.9
    大人気シリーズ『侠飯』の著者が描く、愛すべき青春 高校入学を控えた草食系男子の悠太は、アクシデントに見舞われ1979年にタイムスリップ。父の剛志郎として高校に入学するハメに。しかしそこはヤンキーどもが跋扈する、超底辺校だった――! コワくて愉快な仲間との出会い。ヤンキー女子の恋。70年代テイスト満載、あの時代を知る人も知らない人も爆笑感涙の青春小説。
  • この国のかたち(一)
    3.9
    日本は世界の他の国々とくらべて特殊な国であるとはおもわないが、多少、言葉を多くして説明の要る国だとおもっている――長年の間、日本の歴史からテーマを掘り起こし、香り高く稔り豊かな作品群を書き続けてきた著者が、この国の成り立ちについて研ぎ澄まされた知性と深く緻密な考察をもとに、明快な論理で解きあかす白眉の日本人論。
  • 松田さんの181日
    3.9
    1巻1,426円 (税込)
    人生の天才はいない。なぜか心に灯がともる、デビュー短篇集 余命わずかな役者の松田さんと遊び歩く脚本家の私。驚きの過去を知った時――オール讀物新人賞受賞作ほか、泣かされて暖まる五篇。
  • ちいさな城下町
    3.9
    実は驚くべき歴史通だった! 水丸さんの旅エッセイ 城址に立つと「兵どもが夢のあと」とでもいうのか、ふしぎなロマンに包まれる。なまじっか復元された天守閣などない方がいい――十万石以下の一番それらしい雰囲気を残す城下町を、地図を手に歩き、歴史に思いを馳せ、名物に舌鼓をうつ。城と歴史をこよなく愛した水丸さんの、味わい深い紀行エッセイ。 歴史的事件や人物の逸話、四コマ漫画も読んで楽しい。 解説・松平定信 【目次】 村上市(新潟県) 行田市(埼玉県) 朝倉市(福岡県) 飯田市(長野県) 土浦市(茨城県) 壬生町(栃木県) 米子市(鳥取県) 安中市(群馬県) 岸和田市(大阪府) 中津市(大分県) 掛川市(静岡県) 天童市(山形県) 新宮市(和歌山県) 西尾市(愛知県) 大洲市(愛媛県) 亀山市(三重県) 木更津市(千葉県) 高梁市(岡山県) 沼田市(群馬県) 三春町・二本松市(福島県)
  • 婚礼、葬礼、その他
    3.9
    大学時代の友人結婚式に出席中、上司の親の通夜手伝いに呼び出されたОLヨシノ。 二次会幹事とスピーチを相方に押し付け、喪服に着替えて急きょタクシーで葬儀場へ。 既に大多数の社員が集まり、打ち合わせを重ねるなか、ヨシノを猛烈な空腹感が襲う。 「マジマ部長の親父とやら、間が悪すぎる…もう一日ぐらいなんとかならなかったのか」 ヨシノのてんやわんやな一日はまだまだ続く。芥川賞候補作。 09年に「ポトスライムの舟」で芥川賞、11年に「ワーカーズ・ダイジェスト」で織田作之助賞を受賞し、 いまもっとも乗っている女性作家の傑作中篇。「冷たい十字路」を併録。 解説・陣野俊史
  • 湯を沸かすほどの熱い愛
    3.9
    宮沢りえ、杉咲花ら出演の感動映画。監督自ら書下ろし 銭湯「幸の湯」の女将さん・双葉に余命宣告が。幸野家には双葉が亡くなる前に絶対にかたをつけておかなくてはならない秘密があった。
  • 傷だらけのカミーユ
    3.9
    週刊文春ミステリーベスト10 2016 海外部門1位! カミーユ警部の恋人が強盗に襲われ、瀕死の重傷を負った。一命をとりとめた彼女を執拗に狙う犯人。もう二度と愛する者を失いたくない。カミーユは彼女との関係を隠し、残忍な強盗の正体を追う。『悲しみのイレーヌ』『その女アレックス』の三部作完結編。イギリス推理作家協会賞受賞、痛みと悲しみの傑作ミステリ。解説・池上冬樹
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論
    3.9
    大ベストセラー『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』に続く第2弾! 現代最高の知識人、トッドの最新見解を集めた“切れ味抜群”の時事論集。 テロ、移民、難民、人種差別、経済危機、格差拡大、ポピュリズムなど テーマは多岐にわたるが、いずれも「グローバリズムの限界」という問題に つながっている。英国EU離脱、トランプ旋風も、サッチャー、レーガン以来の 英米発祥のネオリベラリズムの歴史から、初めてその意味が見えてくる。 本書は「最良のトッド入門」でもある。知的遍歴を存分に語る第3章「トッドの歴史の方法」は、他の著作では決して読めない話が満載。 「トッドの予言」はいかにして可能なのか? その謎に迫る 日本オリジナル版。 「一部を例外として本書に収録されたインタビューと講演はすべて日本で おこなわれました。その意味で、これは私が本当の意味で初めて日本で 作った本なのです」(「日本の読者へ」より) 【目次】 日本の読者へ――新たな歴史的転換をどう見るか? 1 なぜ英国はEU離脱を選んだのか? 2 「グローバリゼーション・ファティーグ」と英国の「目覚め」 3 トッドの歴史の方法――「予言」はいかにして可能なのか? 4 人口学から見た2030年の世界――安定化する米・露と不安定化する欧・中 5 中国の未来を「予言」する――幻想の大国を恐れるな 6 パリ同時多発テロについて――世界の敵はイスラム恐怖症だ 7 宗教的危機とヨーロッパの近代史――自己解説『シャルリとは誰か?』
  • 静かな炎天
    3.9
    有能だが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ第4弾。 苦境にあっても決してへこたれず、ユーモアを忘れない、史上最もタフな探偵の最新作。 〈甘いミステリ・フェア〉〈サマーホリデー・ミステリ・フェア〉〈風邪ミステリ・フェア〉〈学者ミステリ・フェア〉〈クリスマス・ミッドナイトパーティー〉など、各回を彩るユニークなミステリの薀蓄も楽しめます。 好評の「富山店長のミステリ紹介ふたたび」も収録。 解説は大矢博子氏。 【目次】 「青い影~7月~」……バスとダンプカーの衝突事故を目撃した晶は、事故で死んだ女性の母から娘のバッグがなくなっているという相談を受ける。晶は現場から立ち去った女の存在を思い出す 「静かな炎天~8月~」……かつて息子をひき逃げで重傷を負わせた男の素行調査。疎遠になっている従妹の消息。晶に持ち込まれる依頼が順調に解決する真夏の日。晶はある疑問を抱く 「熱海ブライトン・ロック~9月~」……35年前、熱海で行方不明になった作家・設楽創。その失踪の謎を特集したいという編集者から依頼を受けた晶は失踪直前の日記に頻繁に登場する5人の名前を渡される。 「副島さんは言っている~10月~」……元同僚の村木から突然電話がかかってきた。星野という女性について調べろという。星野は殺されており、容疑者と目される男が村木の入院する病院にたてこもっていた。 「血の凶作~11月~」……ハードボイルド作家・角田港大の戸籍抄本を使っていた男がアパートの火事で死んだ。いったいこの男は何者なのか? 「聖夜プラス1~12月~」……クリスマスイブのオークション・イベントの目玉になる『深夜プラス1』初版サイン本を入手するため、翻弄される晶の過酷な一日を描く。
  • 歌川国芳猫づくし
    3.9
    天才絵師と猫。江戸の怪事件を解く! 今なお人気の歌川国芳が風刺画、春画、滑稽画を引っ提げて江戸の怪事件に出くわす! 猫を愛した天才が活躍。『耳袋秘帖』の著者が描く、ユーモア溢れる短編集。 美人画、春画、幽霊画、ご政道批判の風刺画まで。 黒船来航の時代に八面六臂の活躍を見せた天才絵師・歌川国芳。 個性派揃いの弟子たちと、八匹の猫に囲まれながら遭遇するのは、金魚偏愛者や贋国芳、葛飾北斎の娘や歌川広重も登場する怪事件ばかり。 謎と老いらくの恋が絡み合う――人気時代作家待望の短編集。 解説・金子信久
  • とっぴんぱらりの風太郎(上)
    3.9
    忍者×マキメワールドの大大長篇! 伊賀の国をクビになった忍びの者、風太郎。 謎の「ひょうたん」に誘われ運命は流転し始める! 奇才マキメの超絶戦国絵巻、開幕! 天下は豊臣から徳川へ。 度重なる不運の末、あえなく伊賀を追い出され、京でぼんくらな日々を送る「ニート忍者」の風太郎。 その運命は一個の「ひょうたん」との出会いを経て、大きくうねり始める。 時代の波に呑み込まれる風太郎の行く先に漂う、ふたたびの戦乱の気配。 めくるめく奇想の忍び絵巻は、大坂の陣へと突入する!
  • 山桜記
    3.9
    全七作からなる歴史小説短編集。 豊臣秀吉による朝鮮征伐の前半・文禄の頃、一通の文箱が博多の津に打ち上げられ、秀吉の許に届けられた。中の手紙は半島に渡った夫を思う妻のものであった。興味を持った秀吉はその女を名護屋に呼び寄せたが……(「汐の恋文」)。 関ヶ原の戦いの前に大坂方の人質になるのを拒み、火を放って果てた細川ガラシャ。その嫁である千代はガラシャと死を共にせず生き残った。細川忠興の嫡男・忠隆は、父の命に背き千代を離縁せずにいたため、遂には廃嫡されてしまう。しかしその後も忠敬は千代と共に暮らし続ける(「花の陰」)。 戦国時代や江戸時代の女性・夫婦の旧来の像に著者独自の新鮮な解釈を投げかける、珠玉の短編集。
  • あくじゃれ 瓢六捕物帖
    3.9
    牢屋敷に捕らわれの身の、世之介ばりの色男・瓢六と、無骨な同心・篠崎弥左衛門との凸凹コンビが、難事件を次々に解決する痛快譚。 シリーズ第一作。 絶世の色男、粋で頭も切れる目利きの瓢六が、つまらぬことで小伝馬町の牢屋敷に放り込まれた。ところが丁度同じ頃起きた難事件解決に瓢六の知恵を借りるため、与力・菅野一之助は日限を切っての解き放ちを決める。不承不承お目付役を務める堅物の定廻り同心・篠崎弥左衛門との二人組による痛快捕物帖。
  • 虚擬街頭漂流記
    3.9
    第一回島田荘司推理小説賞受賞作 2020年、台湾政府は大地震の被害で寂れた台北きっての繁華街・西門町をネット上に仮想都市として再建する計画を進めていた。仮想都市=ヴァーチャストリートの制作に携わるエンジニア・顔 露華はシステムのバグを点検するため、上司の大山とともにヴァーチャストリートへ進入し、謎の男の撲殺死体を発見する。 仮想空間でその人間に起った出来事は、特殊なスーツを装着することで現実の人体にも反映される。つまり、現実世界でもその男は殺されたのだ。だが、殺人が起った時間帯にヴァーチャストリートに存在したのは露華と大山のみ。しかも二人には完璧なアリバイが? SF的設定の中に構築された高度なトリックと、結末に思わず涙する感動のストーリー。アジアから逆輸入された21世紀本格ミステリーの傑作登場。
  • フルーツパーラーにはない果物
    3.9
    かわいい形をしていて誰にでも好かれるけれど、すぐに飽きられるイチゴのような女の子。でも、こんな自分になりたかったわけじゃないのに――。今の自分がどこか好きになれない、メーカー勤務の四人の女性たち。二十代後半の彼女たちが出会った、人生を変えるかもしれない恋愛と友情を描く連作短篇集。 解説・倉本さおり
  • 少年少女飛行倶楽部
    3.9
    中学一年生の海月は幼なじみの樹絵里に誘われて、「飛行クラブ」に入部する。メンバーは二年生の変人部長・神ことカミサマ、不登校で高所平気症のるなるな、運動神経はないけど気は優しい球児。果たして彼らは空に舞い上がれるか!? 友情、家族愛、恋、冒険――全てがつまった傑作青春小説。解説・金原端人
  • 蜷川実花になるまで
    3.9
    写真家としてのみならず、「さくらん」「ヘルタースケルター」といった映画の監督、AKB48「ヘビーローテーション」のMV監督など、多方面で活躍している著者が、プロの写真家になって10周年という区切りに人生を振り返った。 子どものころ、美大生のころ、初仕事、「木村伊兵衛写真賞」を受賞したころ、仕事が急増したころ、出産後・・・人生の節目において、クリエイターとして、女性として、何を考え、どんな行動を起こしたのか。そして、父である演出家・蜷川幸雄氏のことも語った。 人生を豊かにするヒントがつまった一冊。 ※この本は『ラッキースターの探し方』(2006年、DAI-X出版刊)を改題、加筆したものです。
  • 読書脳 ぼくの深読み300冊の記録
    3.9
    人間の知の世界全体がいまほど劇的に変わりつつある時代はない。そんな時代に「知の巨人」が選んだ読むべき本とは。 第1部 巻頭対談 石田英敬東大教授×立花隆 「読書の未来」 ・・・単行本刊行時、東京大学附属図書館副館長を務めていた石田教授と、電子書籍と紙の本との違い、東大新図書館構想、ヴァーチャル書棚、ソーシャル・リーディングなど、本のデジタル化によって大変貌を遂げつつある「知」の最前線までを語り尽くす。 第2部 週刊文春連載「私の読書日記」(2006.12.7号~2013.7.14号)6年分 ・・・選ぶいちばんの基準は広義の「面白い」ということ。広い関心領域の中から読む価値のある本を紹介。
  • 新選組 粛清の組織論
    3.9
    殺した敵は26人、殺した「味方」は40人!  近藤勇、土方歳三、沖田総司らが、京都で剣を振るい、最期は武士らしく散っていった――そうした新選組のストーリーは「勝者」による一面的なものにすぎない。 新選組約520人の隊士のうち、40人が内部粛清や・暗殺で命を落としたとされる。そのなかには創設者の芹沢鴨や、新見錦、副長の山南敬助、参謀の伊東甲子太郎、隊長・藤堂平助といった幹部クラスも含まれる。 主導権争い、路線対立、裏切り・・・粛清された“敗者”の視点から、組織が抱える暗部をえぐり出す、全く新しい新選組論!
  • 脳内汚染からの脱出
    3.9
    どうすれば、わが子をゲーム、ネット中毒から救えるのか。 ゲームやインターネットの中毒性を指摘した『脳内汚染』で一大センセーションを巻き起こした著者が、いじめやADHDとの関連性を示す研究成果を追加で盛り込み、問題の本質をより理解しやすく提示。 また、依存を予防しながら、ゲームやネットなどの情報機器と上手に付き合う方法や、依存に陥った子どもの克服事例、家族がとるべき対処法など、実践的な対策法にも重きを置いている。 情報化社会に生きる現代人の必読書。
  • 買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて
    3.9
    沖縄で買ったやちむん、大人のときめきパジャマ、ギャルっぽくない下着、ちょっと高価な傘…… 欲しいものがいっぱい! 女子垂涎のお買い物本 週刊文春の人気連載「お伊勢丹より愛をこめて」が書き下ろしを追加して一冊に! 山内さんが選ぶ「長く愛せるもの」が満載です。
  • 江戸の備忘録
    3.9
    なぜ信長は殺されたのか? 教育パパ家康が子どもたちに学ばせたものは? 江戸時代の教育事情は?  『武士の家計簿』『無私の日本人』など、著書が続々と映画化されている気鋭の歴史家が、広く、深く、日本史を見わたせるような歴史のトピックを厳選。かろやかな語り口を楽しむうちに、いつのまにか日本の歴史のたどり方が身につくエッセイ集。
  • 世界最強の女帝 メルケルの謎
    3.9
    東ドイツ出身の地味な物理学者は、 いかにしてドイツ初の女性宰相という地位を得たのか。 東ドイツの秘密警察との関係は? 外遊先で、また閣議中に流した涙のわけ。 恩人コール首相を追い落とした権力闘争、 オバマ、プーチン、サルコジとの駆け引き…… ヨーロッパの頂点に位置する「ドイツ帝国」最高権力者の 知られざる実像に、熟練ジャーナリストが挑む。
  • 体は全部知っている
    3.9
    「アロエが、切らないで、って言ってるの。」 ひとり暮らしだった祖母は死の直前、そう言った。植物の生命と交感しあう優しさの持ち主だった祖母から「私」が受け継いだ力を描く「みどりのゆび」など。日常に慣れることで忘れていた、ささやかだけれど、とても大切な感情――。心と体、風景までもがひとつになって癒される13篇を収録。
  • 俳優・亀岡拓次
    3.9
    映画原作! 脇役俳優の酒と仕事と恋 川端賞作家・戌井昭人が描く短篇連作。脇役俳優、亀岡拓次は、行く先々の現場で奇跡を呼ぶ! 安田顕主演で2016年1月映画公開。
  • フェルドマン博士の 日本経済最新講義
    3.9
    誰でもわかる日本経済の問題点を徹底的に分析! テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」の人気コメンテーターで、モルガン・スタンレーMUFG証券の日本担当チーフエコノミストが、日本経済復活のポイントをやさしく解説。人口問題、社会保障問題、エネルギー問題、労働問題を取り上げ、その具体的な解決策を提案します。 第1章 世界経済と日本 第2章 アベノミクスの評価と今後 第3章 エネルギー政策を考える 第4章 働きやすい労働市場にするために 第5章 少子高齢化の煉獄 第6章 地方再生と教育改革の進め方
  • 意味がなければスイングはない
    3.9
    音楽は書物と同じくらい人生にとって重要なものという村上春樹が、シューベルトからスタン・ゲッツ、ブルース・スプリングスティーン、Jポップのスガシカオまで、すべての音楽シーンから選りすぐった十一人の名曲を、磨き抜かれた文章とあふれるばかりの愛情を持って語りつくした、初の本格的音楽エッセイ。
  • 色の秘密 色彩学入門
    3.9
    色彩学のバイブル的著書、文春文庫で再登場 人はピンクで若返り白い部屋が美人を作る。赤は血圧を上げ不眠症には青が効く。商品学の草分け的存在の著者が解明した快適色彩生活。
  • 大世界史 現代を生きぬく最強の教科書
    3.9
    『新・戦争論――僕らのインテリジェンスの磨き方』に続く、最強コンビによる第2弾! いま世界は激動の時代を迎え、これまでの秩序が揺れ動いています。こうした混迷の時代こそ歴史を学ばなければいけません。現在の世界の動きをとらえ、各地で起きている事態を読み解くためには、その背景を知ることが必要なのです。高校時代、世界史が苦手だったという著者の一人、池上彰さんは、「歴史」を知るとは、生きていくために「自分」を知ることだと、いま感じているといいます。 もう一人の筆者、佐藤優さんは、歴史を学ぶことは、主婦やビジネスパーソンにも意味がある、といいます。歴史を学ぶことで、自分では実際に経験できないことを代理経験することは、組織の理不尽さに直面したときにものをいうというのです。歴史を学ばない人は、どんな成功者やエリートであっても意外に脆いものだとか。 中東、トルコ、中国、沖縄、ロシア、アメリカ、ドイツ……大きな節目にある「世界の今」を、「大世界史」でとらえなおし、そこからビリギャルの世界史的意義や日本の教育問題までの議論を収録した一冊。現代を生き抜くためには必要な知識をもたらす最強の教科書です。「最強の世界史勉強法」も巻末についています。
  • 春画入門
    3.9
    春画の「ウタマロ」はなぜ巨大なのか? なぜ、着衣のままなのか? 春画は何に使われていたのか? いくらで売られていたのか?  どんな絵師たちが依頼されていたのか? どのような技巧が凝らされているのか? 90点あまりのカラー図版をつかって、春画の基本の「き」から、やさしく面白く解説。 図版は日本屈指の春画コレクションから、葛飾北斎、喜多川歌麿、鳥居清長、菱川師宣、鈴木春信、渓斎英泉、歌川国貞などの逸品を収録。春画を手がけた一流絵師たちの背景や、代表作についての解説に加え、絵師、彫師、摺師の春画だからこそ可能だった技巧を解説する。 初めて春画、浮世絵を見る人でもなるほどと膝を打つ、目からウロコの「夜の浮世絵教室」開講!
  • 蜂蜜秘密
    3.9
    永遠の少年と花守る少女が秘密の扉を開く 〈奇跡の蜂蜜〉を作るポロウ村に転校してきたレオ。蜂蜜の秘密に関わる旧家の娘サリーは、それから次々と不思議な出来事に出会う。
  • ステーキを下町で
    3.9
    日本縦断、胃袋のおもむくままに食探訪 帯広の豚丼、三陸のうに弁当、下町の特大ステーキに沖縄そばまで一気食い! 絶品食べ歩きエッセイ、デザートに美食漫画もどうぞ。
  • 2020年マンション大崩壊
    3.9
    あなたのマンションは大丈夫か。 2020年の東京オリンピックを前にマンション価格は上昇中。ところが、その裏では空室急増、老朽化、スラム化など多くの問題が生まれつつある。マンション600万戸時代を迎えたいま、人気のタワーマンションをふくめてマンションの資産価値を考え、問題解決の処方箋をプロの目から提案する。
  • プロ野球「衝撃の昭和史」
    3.9
    かつて日本のプロ野球では、かくも熱い人間ドラマが繰り広げられていた――。広島対近鉄の日本シリーズにおける「江夏の21球」をめぐっては、広島のサードだった三村や、近鉄の三塁ベースコーチだった仰木などからの証言を紐解きながら、従来と異なる視点で、真実に迫る。ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグらと対戦した沢村栄治については、意外な夫婦関係を浮き彫りにする。さらには上田監督の抗議が1時間以上におよんだ阪急とヤクルトの日本シリーズ、昭和34年の初の天覧試合の後日談など、これまで語られることのなかった12本の球界秘話が明かされる。月刊「文藝春秋」で反響を呼んだ特別連載待望の新書化。
  • 骨風
    3.9
    1巻1,425円 (税込)
    そのコトバは、どこまでも自由に舞っていた 鉄と戯れ、ゲージツする日々。殴られ続けた父親の死。蜂に刺され鹿が迷いこむ山の生活。生と死を見つめる眼差しが優しい私的短編集。
  • この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義 日本篇
    3.9
    敗戦から高度成長に至ったわけ、学校では教えない「日教組」、アベノミクスとバブルの教訓まで。池上彰教授のわかりやすい戦後史講義を実況中継! 歴史の授業ではなおざりにされがちな「日本の戦後史」ですが、社会に出るとこれほど「使える」分野はありません。そこで、池上彰教授の東工大講義シリーズ第2弾は、『この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」』。平成生まれの学生たちに、日本が敗戦から不死鳥のように甦った道筋から、現在の問題を解くヒントを教えます。「アベノミクスはバブルから学べるか?」「政権交代の不思議な歴史」「学校では絶対に教えない『日教組』」など、ビジネスパーソンにも参考になることばかり。
  • 頂点への道
    3.9
    「夢は世界チャンピオンになること」 小学校の卒業文集に、そう記した。 ●わずか5年前、怪我に苦しみ、世界ランク898位から再スタートした。 世界各地を週ごとに転戦し、日程によっては深夜2時まで試合を続けることもある。 ジョコビッチ、フェデラー、ナダル、マリー、世界の4強と相まみえる精神的重圧と高揚。 2014年、運命のコーチ、マイケル・チャンを迎えて「動かず攻める」攻撃テニスが開花。頂点をめざす! ●本人が2010年からつづってきた生の言葉で、試合の内幕、負傷の苦悩、戦いへの決意が語られる。 ジュニア時代より彼を追ってきたテニス記者、秋山英宏がテニスの基礎知識を解説、大きな試合をレビューすることで、知られざる苦闘がさらに立体的に見えてくる。 現役の世界トップアスリートが自らの言葉でここまで記した書籍は稀。 国民的ヒーローの初めての自著、テニスファンならずとも必携です。
  • ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力
    3.9
    2013年の新語・流行語大賞にノミネートされた「ヘイトスピーチ」なる現象は、年を追うごとに拡大している。 当初は、東京・新大久保界隈における在日韓国・朝鮮人に対しての罵詈雑言ばかりが注目を集めていたが、いまや対するヘイトスピーチは全国規模に拡散。また、Jリーグのサッカー会場に貼られた「JAPANESE ONLY」という横断幕が、民族・国籍の差別を助長するとして問題視されもした。さらに、ヘイトの矛先は、中国やイスラムにも向けられている……。 はたして、被害者を生み出すばかりの「排外主義」、この拡大を食い止める術は、あるのだろうか? ネットの中で醸成された右翼的言動、いわゆる「ネトウヨ」が、街頭デモにまで進出してきたのは何故なのか? その代表格とされる「在特会」とは一体、どんな組織なのか? デモに参加するのはどんな人たちなのか? こうした幾つもの疑問に答えるのが、本書。在特会問題を取材しつづけ、2012年には『ネットと愛国』で講談社ノンフィクション賞を受賞した実力派ジャーナリストによる、「ヘイトスピーチ」問題の決定版!
  • 月下上海
    3.9
    第二十回松本清張賞受賞。スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子。謀略渦巻く戦時下の上海で、多江子が愛する運命の男たち。 昭和17年10月、八島財閥令嬢にして当代の人気画家・八島多江子は、戦時統制化の日本を離れ、上海にやってきた。そこで、招聘元である中日文化協会に潜入していた憲兵大尉・槙庸平から、民族資本家・夏方震に接近し、重慶に逃れた蒋介石政権と通じている証拠を探すように強要される。 「協力を断れば、8年前の事件の真相をマスコミに公表する」 8年前、多江子が夫・瑠偉とその愛人によって殺されかける有名な事件が起きた。愛人は取り調べ中に自殺し、瑠偉は証拠不十分で釈放されたものの、親元の伯爵家から除籍され、満州へ追われた。そして奇跡的に一命を取り留めた多江子は、スキャンダルを武器に人気画家へのし上がった。だが、その真相は、愛人と外地へ駆け落ちしようとした瑠偉を許せなかった多江子が、他殺に見せかけて自殺を図ったのだった。槙は何故か、その秘密を嗅ぎつけていた――。
  • ぼくは勉強ができない
    3.9
    不朽の青春小説が今再び! 勉強はできないが女にはモテる――高校生・時田秀美に女は皆ときめき、男は皆あこがれた。著者書き下ろしメッセージも収録。
  • 南くんの恋人
    完結
    3.9
    全1巻407円 (税込)
    高校生の南くんの恋人・ちなみが、ある日突然小さくなってしまった! 南くんは自分の部屋でちよみと一緒に住みはじめるのだが……。南くんとちよみが繰り広げる、少し甘く、ちょっぴり切ないラブ・ストーリー。3度ドラマ化された、漫画史上燦然と輝き続ける青春恋愛ドラマ。
  • 月は誰のもの 髪結い伊三次捕物余話
    3.9
    超人気シリーズが、書き下ろし長編小説に! 髪結いの伊三次と芸者のお文。仲のよい夫婦をめぐる騒動を、江戸の夜空にかかる月が見守っている。大河ロマン的な人情時代小説です。
  • 信長の血脈
    3.9
    『信長の棺』著者、渾身の文庫オリジナル 信長の守役・平手政秀自害の真の原因は? 秀頼は淀殿の不倫で生まれた子か? 島原の乱の黒幕は? スリリングな歴史ミステリー。
  • シリウスの道(上)
    3.9
    脅迫状には25年前の秘密が書かれていた! 広告代理店に勤める辰村には、25年前から隠し続ける、友との秘密があった。それが今……。広告業界を舞台に展開する長篇ミステリー
  • 虚栄の肖像
    3.9
    1巻600円 (税込)
    『深淵のガランス』に続く、佐月恭壱シリーズ最後の作品 花師と絵画修復師の2つの顔を持つ佐月。絵画修復のため立ち寄った寺で昔の恋人に再会して……。著者急逝によるシリーズ最終作
  • 深淵のガランス
    3.9
    1巻621円 (税込)
    花師と絵画修復師、2つの顔を持つ男 画壇の大家の孫娘の依頼で佐月は、いわくつきの傑作を修復することに。パリの街並の下に隠されていたのは!? 表題作ほか2篇
  • タクシー王子、東京を往く。 日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」
    3.9
    桜にNのマークで知られるハイヤー・タクシー会社日本交通の三代目に就任した川鍋一朗氏だったが、MBAも取得した若社長を待っていたのは多額の負債を抱えた社の現実だった。改革を訴えリストラも断行した川鍋氏が次に考えたのだが、自らがタクシー運転手として勤務してみること。しかし、方向音痴を自認し、接客も不慣れな新人ドライバーに世間の風は甘くなく……。涙あり、笑いありの社長兼新人ドライバーの奮闘記。
  • 功名が辻(一)
    3.9
    天下にむかってはなばなしく起ち上った織田信長の家中に、ぼろぼろ伊右衛門とよばれる、うだつの上らない武士がいた。その彼に、賢くて美しい嫁がくるという……伊右衛門は妻千代の励ましを受けて、功名をめざして駈けてゆく。戦国時代、夫婦が手をとりあってついには土佐一国の大名の地位をえた山内一豊の痛快物語。全四冊。
  • 義経(上)
    3.9
    みなもとのよしつね――その名はつねに悲劇的な響きで語られる。源氏の棟梁の子に生まれながら、鞍馬山に預けられ、その後、関東奥羽を転々とした暗い少年時代……幾多の輝かしい武功をたて、突如英雄の座に駆け昇りはしたものの兄の頼朝に逐われて非業の最期を迎えてしまう。数奇なその生涯を生々と描き出した傑作長篇小説。
  • 草笛の音次郎
    3.9
    この男、化けるかもしれねえ――。 三度笠、縞の合羽に柳の葛籠(つづらこ)、懐には百両の大金。今戸の貸元、恵比須の芳三郎の名代として成田、佐原へ旅する音次郎。待ち受ける試練と、器量ある大人たちが、世の中に疎い未熟者を磨き上げる。仁義もろくにきれなかった若者が旅を重ねて一人前の男へと成長してゆく姿をさわやかに描いた、股旅ものの新境地!
  • ツチヤ教授の哲学ゼミ もしもソクラテスに口説かれたら
    3.9
    もし「わたしはあなたの顔も性格も嫌いですが、あなた自身を愛しています」と言われたら、あなたはどう思う? ツチヤ教授が問いかけたとたん、女子大生たちの容赦ない突っ込みが火を吹いた! 日常によくある一言から、哲学の問題へと至る実践的な哲学ゼミナール。『ツチヤ教授の哲学講義』でプラトンやデカルトなど大哲学者たちを次々となぎ倒したツチヤ教授、今度はソクラテスの口説き文句を俎上に乗せ、哲学を読者の身近なものにします。
  • 簡単に断れない。
    3.9
    ツチヤが来りてホラを吹く。「お茶の水女子大の方から来ました」「妻と助手を養わなくてはならないんです」「読んでも読まなくても必ず笑えるから」などと言いながら本書を売り歩いている哲学教授がいます。屁理屈をこねまわして簡単には断れませんので、ボランティアだと思って(?)、ぜひ2~3冊まとめてお買い求めください。週刊文春長寿連載「棚から哲学」シリーズ第5弾。
  • 男の肖像
    3.9
    人間の顔は、時代を象徴する。幸運と器量に恵まれて、世界を揺るがせた歴史上の大人物たち――ペリクレス、アレクサンダー大王、カエサル、北条時宗、織田信長、西郷隆盛、ナポレオン、フランツ・ヨゼフ一世、毛沢東、チャーチルなど14人を辛辣に優雅に描き、真のリーダーシップとは何かを問う。
  • 十一番目の志士(上)
    3.9
    天堂晋助。長州藩の下層の出ではあったが、剣の天稟は尋常ではなかった。ふとしたことから彼を知った藩の過激派の首魁、高杉晋作は、晋助を恐るべき刺客に仕立てあげる。京に、大坂に、江戸に忽然と現れ、影のように消え去る殺人者のあとには、常におびただしい血が残された。剣の光芒が錯綜する幕末の狂宴!
  • 翔ぶが如く(一)
    3.9
    司馬遼太郎畢生の大長編! 西郷隆盛と大久保利通。ともに薩摩藩の下級藩士の家に生まれ、幼い時分から机を並べ、水魚の交わりを結んだ二人は、長じて明治維新の立役者となった。しかし維新とともに出発した新政府は内外に深刻な問題を抱え、絶えず分裂の危機を孕んでいた。明治六年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発。西郷は自ら主唱した“征韓論”をめぐって大久保と鋭く対立する。それはやがて国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく――。西郷と大久保、この二人の傑人を中心軸に、幕末維新から西南戦争までの激動を不世出の作家が全十巻で縦横に活写する。
  • おにのさうし
    3.9
    これが「陰陽師」の原点だ! 人は何ものかを愛しすぎると鬼になる……魑魅魍魎が跋扈する平安の都を舞台に鬼と女人を描く陰陽師の原点ともいうべき奇譚集。
  • リクルートという奇跡
    3.9
    2014年10月、東証一部に新規上場し、時価総額2兆円の企業となったリクルート。1980年代以降の情報誌文化を創出し、時代の先端を走り続けてきた同社は、なぜユニークな人材を次々と輩出できたのか。リクルート事件やダイエーによる買収など、幾多の危機をどう乗り越えたのか。同社幹部としてそのすべてを見届けた著者が明かす“奇跡の企業”の秘密。サラリーマンの教科書ともいうべき名著が電子書籍で復活!
  • フラミンゴの家
    3.9
    町の下半身と揶揄される「さかえ通り商店街」で実家のスナックを手伝うバツイチ男・正人。元妻が入院したため、幼い頃に別れた反抗期の娘と暮らすことになり、同棲中の恋人も追い出したのだが、簡単に親子の距離は縮まらない――。家族の再生に悪戦苦闘するヘタレ男が涙と笑いを誘う、芥川賞作家の傑作長篇。
  • 石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門
    3.9
    HONZ代表・成毛眞氏から「エネルギー界の池上彰さん誕生!」と太鼓判を押された著者は、商社マンとしてエネルギー関連事業に40年以上携わり、訪れた国は60カ国を超えるという経歴の持ち主です。これまで誰も言わなかった石油埋蔵量のカラクリ、中国の資源戦略、日本のLNG価格が高い理由など、日々のニュースをより深く理解するための基礎知識が身につきます。駐在国でのエピソードも読みどころ。エネルギーがわかれば世界が見える。安全保障、世界経済、ナショナリズム、環境、新技術――この世のあらゆる問題に絡むエネルギーの基礎知識をこの一冊で!
  • スリーピング・ドール 上
    3.9
    リンカーン・ライムシリーズからスピンオフした美貌の“人間嘘発見器”。この女を欺くことは誰にもできない――。 他人をコントロールする天才、ダニエル・ペル。カルト集団を率いて一家を惨殺、終身刑を宣告されたその男が、大胆かつ緻密な計画で脱獄に成功した。ペルを追うのは“ウォッチメイカー”事件でリンカーン・ライムと行動を共にした、いかなる嘘をも見抜く尋問の天才キャサリン・ダンス捜査官。ペルとダンス、二人の天才が熱い火花を散らす頭脳戦の幕が開く! 2008年週刊文春ミステリーベスト10第3位、このミステリーがすごい!第5位。【キャサリン・ダンスシリーズ第1作】
  • 悪魔の涙
    3.9
    筆跡鑑定人が犯人を追い詰める! 世紀末の大晦日午前9時、ワシントンの地下鉄駅で乱射事件が発生。間もなく市長宛に2,000万ドルを要求する脅迫状が届く。正午までに“市の身代金”を払わなければ、午後4時、午後8時、そして午前0時に無差別殺人を繰り返すという。手がかりは手書きの脅迫状だけ――。FBIは筆跡鑑定の第一人者、パーカー・キンケイドに出動を要請した。息もつかせぬ展開とどんでん返しの連続に心ゆくまで陶酔できるJ・ディーヴァーの逸品! 2000年週刊文春ミステリーベスト10第5位。
  • 海狼伝
    3.9
    【第97回(1987年)直木賞受賞作】 ときは戦国。海と船への憧れを抱いて対馬で育った少年笛太郎は、航海中、瀬戸内海を根城とする村上水軍の海賊衆に捕まり、その手下となって、やがて“海の狼”へと成長していく。日本の海賊の生態をいきいきと描いた、夢とロマンが香る海洋冒険時代小説の最高傑作。「海を舞台にした小説は外国には多い。海洋冒険小説という一つのジャンルが確立しているほどである。四面環海の日本にそれがないというのは、ふしぎな現象だ。(略)日本の海洋小説の一里塚を築けたとすれば、私としては本当にうれしい」(「著者のことば」より)
  • 無名の人生
    3.9
    「成功」「出世」「自己実現」など、くだらない――。名著『逝きし世の面影』の著者、初めての語りおろし。戦前の最先端都市、大連で少年期を過ごし、その後の熊本への引揚げですべてを失い、戦後を身ひとつで生きぬいてきた著者が「自分で自分の一生の主人であろう」とした半生を元に語る幸福論。
  • 乳と卵
    3.9
    2008年の第138回芥川賞受賞作! 娘の緑子を連れて大阪から上京してきた姉でホステスの巻子。巻子は豊胸手術を受けることに取りつかれている。緑子は言葉を発することを拒否し、ノートに言葉を書き連ねる。夏の三日間に展開される哀切なドラマは、身体と言葉の狂おしい交錯としての表現を極める。日本文学の風景を一夜にして変えてしまった傑作。
  • 最後のディナー
    3.9
    ミステリー作家の石岡は女子大生の里美に誘われて英会話学校に通い始めた。ふたりはそこで知り合った孤独な老人・大田原と親交を深めるが、大田原はイヴの夜の晩餐会を最後に帰らぬ人となった。老人はなぜ、「神を見た!」と叫んだのか。御手洗が見抜いた真相とは? 「龍臥亭事件」の犬坊里美が再登場! 表題作など全3篇。
  • 秋好英明事件
    3.9
    昭和51年に福岡県で発生し、日本列島を震撼させた「一家四人惨殺事件」。満州で生まれ、極貧のなかに育ち、あらゆる辛酸を嘗め尽くしたあげく事件に至った一人の男の姿は、読むものの心を揺さぶらずにはおかない。ミステリー界の雄が渾身の力で対象に肉薄し、その謎と背景とを解き明かした、日本版『冷血』ともいうべき大著。
  • 陰の季節
    3.9
    『64』で話題沸騰! 横山秀夫「D県警シリーズ」はここから始まった! 警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下りポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた……。「まったく新しい警察小説の誕生」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第一弾! 表題作他、「地の声」「黒い線」「鞄」の短篇四篇を収録。
  • 零式戦闘機
    3.9
    設計主務、堀越二郎34歳。開発スタッフの平均年齢20代。国家の存亡を賭けた新鋭機は、若者たちの手によってつくられた――。 日中戦争後期から太平洋戦争を通じ、5年もの間日本海軍の主力戦闘機として戦い抜いた零式艦上戦闘機、通称零戦。今また映画『風立ちぬ』や百田尚樹さんの小説『永遠の0』などで注目を集めていますが、この高性能戦闘機が世に出るまでには、若い技術者たちの長く苦しい闘いがありました。彼らは、技術後進国という厳しい条件下で、いかにして外国機をしのぐ新鋭機をつくり出したのか? 『風立ちぬ』主人公のモデル、堀越二郎氏へののべ40時間にわたるインタビューをはじめ、当事者たちへの徹底取材に基づいて書き上げられ、1977年に刊行された長篇ノンフィクション。「零戦」を知るのにこれ以上の本はなく、当時を知る人のほぼすべてが鬼籍に入ってしまった今、これからも書かれることはないでしょう。
  • 聞く力 心をひらく35のヒント
    3.9
    「週刊文春」の名物対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」が、連載900回を超えた。20年間で取材した各界著名人は1000人近い。が、未だにインタビューに苦手意識があるというアガワ。なぜ相手の本音を引き出すことができるのか? 本書では、数々の失敗から会得した「『分かります』と安易に言わない」「『たとえば?』『具体的には?』は話を掘り下げるのに有効」「なぐさめの言葉は2秒後に」などの“秘訣”を、インタビュー時のエピソードとともに初披露する!
  • どちらとも言えません
    3.9
    大人気「ドクター伊良部」シリーズでおなじみの著者が、総合スポーツ雑誌「Number」で連載したエッセイ集。もちろん、そこには奥田テイストがはっきりと! 特定の選手やチームには一切取材せず、ファンとして、あるいは単に観戦者として“フリー”の立場で綴っているため、極めてニュートラルな書き方に。サッカー後進国の振る舞いを恥じ、プロ野球選手の名前をマジメに考え、大相撲の八百長にはやや寛容? スポーツから覗いてみるニッポン!
  • 昭和史裁判
    3.9
    「軍部が悪い」だけでは済まされない。松岡洋右、広田弘毅、近衛文麿ら70年前のリーダーたちは、なにをどう判断し、どこで間違ったのか――昭和史研究のツートップ、半藤一利さんと加藤陽子(東大教授)さんが、あの戦争を呼び込んだリーダー達(番外として昭和天皇)を俎上に載せて、とことん語ります。あえて軍人を避けての徹底検証は本邦初の試み! 開戦責任を改めて問う、白熱の歴史討論。
  • 侮日論 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか
    3.9
    目下、最悪の事態に立ち至っている日韓関係。かの国の徹底した「反日」は、日本では「日帝による植民地支配」が根本にあると考えられていますが、呉善花さんは「そうではない」と説きます。古く14世紀から、朝鮮半島では「日本人は侮辱に価する民族」と考えられてきたのだと。その起源は、中華帝国周辺の諸民族を「文明の遅れた野蛮で侵略的な夷族」と蔑視する、古代以来の「中華主義」にあります。朝鮮半島は長らく中華帝国の属国としてあり、最後の王朝である李氏朝鮮は、自らこそ中華主義を正しく継承する唯一の国であると誇ってきました。韓国の「侮日観」はこの李氏朝鮮時代500年の間に根付いたものなのです。 2013年7月、親族の結婚式に出席するためソウル・仁川空港に到着したものの入国を拒否された著者も、かつては反日少女でしたが、転じて日本に帰化しました。自らの体験を踏まえた独自の視点で、政治、経済、歴史、文化等、多角的に「侮日」文化を掘り下げる本書は、著者による反日韓国論の「総集編」といえます。
  • 死からの生還
    3.9
    民よ、女王様は死の淵から蘇った! 週刊文春連載作品。単行本からの電子化作品です 死ぬまでに、めくるめくセックスをしたい! とジタバタしていた女王様を襲った突然の体調不良。まず食欲がなくなり、歩行困難となって病院に行ったら、まさかの入院、検査漬けの毎日に。原因がわからないまま、呼吸が止まり、心肺停止となって万事休す! しかし、神は女王様を見捨てはしなかった。全国のうさぎファンの祈りが天に通じ、死の淵から見事、生還し、週刊文春連載も再開の運びに。女王様、ドラマより劇的な復活の記。
  • あたらしい哲学入門 なぜ人間は八本足か?
    3.9
    ツチヤ先生の、お茶の水女子大学で学生の人気を集めた初心者向け講義をここに再現! 「火は消えるとどこへ行くのか」「毛が何本抜けたらハゲなのか」「なぜ空は青いのか」「人生は無意味か」など、さまざまな“哲学的問題”を思いもよらない方法で次々に解いてみせ、哲学の核心に直接導く新しいタイプの本格的哲学入門です。「一点のくもりもなく哲学について分かっていただけることを目指しました」(ツチヤ先生)
  • ハウスワイフ2.0
    3.9
    アメリカの高学歴女性の間でHousewife(主婦)回帰の動きがある――ニューヨーク・タイムズ紙、ニューヨーカー誌が絶賛。米メディアで論争を呼んだ話題の書! 「私たちは会社に使われない新しい生き方を求めている」――ハーバード、エールなど一流大学を出ていながらせっかく掴んだ投資銀行、広告代理店、官庁などの職を捨て、続々と主婦になるアメリカの若い女性が増えています。しかし彼女たちは、これまでの主婦とはまったく違います。自分で生き方を選択する「Housewife 2.0」なのです。 「会社を選択的に離脱する」「企業社会で燃え尽きた母親の世代を反面教師にする」「田舎生活を楽しみ、ジャムをつくり、編み物をする」「ストレスのある高報酬より、ほっとできる暮らしをする」「ウェブ、SNSを使いワークシェアする」「ブログで発信し、起業する」「家事を夫と分担し余裕をもった子育てをする」。つまり、報われないバリキャリ世代を反面教師とする彼女たちは、会社を離れ、持ち前の能力とやる気で家庭生活を手作りし、オーガニックを極め、屋上で野菜を育て、主婦ブロガーとなり、ママ起業するのです。本書の著者、マッチャーさん自身もハーバード大学を卒業しながら、不況に直面した世代。地元大学の事務職を辞め、現在はノースカロライナの田舎で夫とともに手作りライフを楽しんでいるハウスワイフ2.0の一人です。 家庭と仕事と人生、すべてを満たす “ハウスワイフ2.0”という新しい働き方・生き方に、今、熱い共感が集まっています。
  • その科学があなたを変える
    3.9
    突然ですが、鏡に向かって大きく笑顔を作り、20秒保って下さい。……なんだか、幸せな気持ちになってきたでしょう? 幸せ→笑顔ではなく、その逆。まず幸せか「のように」笑顔をつくれば、幸せになるのです。 ほんとかいな? と思うなかれ。実はこの「~のように行動する」ことで気持ちが変わる現象は、心理学の発祥以来、数々の実験で実証されてきたことなのです。幸福感、やる気、恋愛、説得力、若々しさ――あらゆる心のもちように効果満点。本書はこれを「アズイフ(のように)の法則」と命名し、豊富な実例で説明します。超実践的なこの法則で読者の人生を変える、科学的自己啓発の快著!
  • 危機の宰相
    3.9
    あのとき、経済は真っ赤に熱をはらんでいた――。1960年、安保闘争後の騒然とした世情の中で首相になった池田勇人は、次の時代のテーマを経済成長に求めた。「所得倍増」、それは大蔵省で長く“敗者”だった池田、田村敏雄、下村治という3人の男たちの夢と志の結晶でもあった。戦後最大のコピー「所得倍増」を巡り、政治と経済が激突するスリリングなドラマを、ノンフィクションの巨星が活写する!
  • 風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡
    3.9
    ジブリ作品の背景や狙い、歴史観まで、徹底的に語り尽くす! 「愛とか正義とか友情とか……本気でしゃべってくれないかなあって、みんな待ってるんだと思いますね」(本文より)。2013年9月に突然、長編アニメーション映画からの引退を発表した宮崎駿監督。その宮崎監督が『風の谷のナウシカ』から『千と千尋の神隠し』までの作品について、自らの言葉で歴史観や人生観にまで踏み込みながら真正面から語った一冊。完全保存版!
  • 恋しぐれ
    3.9
    京に暮らし、二世夜半亭として世間に認められている与謝蕪村。よき友人や弟子たちに囲まれ、悠々自適に過ごす晩年の彼に小さな変化が……。祇園の妓女に惚れてしまったのだ。蕪村の一途な想いに友人の円山応挙や上田秋成、弟子たちは驚き呆れるばかり。天明の京を舞台に繰り広げられる人間模様を淡やかに描いた、傑作連作短編集。著者の特徴である「人を想う気持ち」が通奏低音の如く流れ、読む人の気持ちを暖める。新たな蕪村像を描いた意欲作!
  • 東西ミステリーベスト100
    3.9
    あの傑作ガイド『東西ミステリーベスト100』が帰ってきた! 古典、新作取り混ぜてのオールタイムで、ミステリー傑作中の傑作とはいったい何か? ミステリーファンなら誰でも考えてみたいこの問を、日本推理作家協会、SRの会、各大学ミステリークラブ、各地の読書会、国内外のミステリー通などに大アンケート! 国内・海外全202冊を「あらすじ」と「うんちく」で紹介する。既読者には備忘の一冊。これからの方にはマストガイドに。文庫版おまけとして、100位以下の100タイトルリストも特別追加。四半世紀ぶりの大改訂版!
  • ロードサイド・クロス 上
    3.9
    現代米国ミステリの最高峰、ディーヴァーの「リンカーン・ライム」シリーズ。同シリーズの『ウォッチメイカー』で初登場したのが、嘘を見抜く達人キャサリン・ダンス捜査官。本作は「このミス」第5位に選ばれた『スリーピング・ドール』に続き、彼女が主人公を張ります。人を轢き殺したとして有名ブログで吊し上げられた少年をバッシングした者が、次々に命を狙われる。ダンスは失踪した少年をリアル世界とネットの両面から追うが……。
  • 潜入ルポ 中国の女 エイズ売春婦から大富豪まで
    3.9
    元産経新聞北京特派員が描き出した「中国女」のすべて! 著者は女性の身でありながら、あるときはモンゴル人に扮してまで売春宿やエイズ村に忍び込む。あるいは華やかなキャリアウーマンの舞台裏や、反体制派ゆえに当局から激しい人権侵害を受ける女性活動家の苦悩を直視する。あまりに多様な、現代中国女性たちの人生。なぜ、中国という「苦界」で生きる女たちは、こんなにも強いのか――。かの国を深く理解するために必読の一冊。
  • 疑惑
    3.9
    雨の港で海中へ転落した車。妻は助かり、夫は死んだ――。妻の名は鬼塚球磨子(おにづかくまこ)。彼女の生い立ち、前科、夫にかかっていた高額な生命保険について、稀代の悪女“鬼クマ”と断定しセンセーショナルに書き立てる記者と、孤軍奮闘する国選弁護人の闘い。球磨子は殺人犯なのか? その結末は? 桃井かおり、尾野真千子らが熱演した名作推理サスペンス。明治の藤田組贋札事件を描く「不運な名前」併録。

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