ママがやった

ママがやった

754円 (税込)

3pt

或る家族の半世紀を描いた、愛をめぐる8つの物語。

小料理屋の女主人・百々子(79歳)と、若いころから女が切れない奇妙な魅力をもった夫・拓人(72歳)。半世紀連れ添った男を、ある日水で濡らしたタオルを顔にかぶせ、その上に枕をおき全体重で押さえ、殺した。
急きょ集まった三人の子供たちに向かって「あんたたち、お昼食べていくんでしょう」と、百々子は米をとぎはじめる。
「ママはいいわよ。べつに、刑務所に入ったって」警察に連絡するしないでもめている三人に、のんびりした口調で話す。
死体処理の相談をする姉たちは弟・創太にブルーシートを買ってくるよう命じるが、創太の足は父親との思い出の店・小鳥屋へ向いていた――

表題作ほか、「五、六回」「ミック・ジャガーごっこ」「コネティカットの分譲霊園」「恥」「はやくうちに帰りたい」「自転車」「縦覧謝絶」の全八篇。

解説:池上冬樹

...続きを読む

ママがやった のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年01月20日

    肝心の結末が書かれていない危うさやバカバカしいやり取りがフィクション味を感じさせるのに、コメディととるには生々しくてドロドロしすぎている面もあるところが気に入った

    0

    Posted by ブクログ 2020年11月25日

    物語はつまりは、人間を描くことで、そのためには、その人間を理解してそして、描写することが必要で、それらをあまりにも見事に、しかもさりげなく、迷いなく、バッサリと、その潔さにドキドキしながら読みました。この作者の著者は、好き嫌いが分かれるかも。私はもう、ものすごく好き。

    0

    Posted by ブクログ 2024年01月30日

    父親が母親に殺される。

    そこからスタートする家族の話。
    なんだかな、ブラックジョークのやりとりのような家族たちの生活がとっても魅了されます。笑

    え?そっち?

    え?なにそれ。

    え?そんなんあり?

    みたいなやりとりを、案外みんな淡々と受け入れて過ごしていく。
    特に、謎にモテるお父さんの浮気。笑...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年03月24日

    このボリュームですし、「ママ」と呼ばれるにふさわしそうな若い母親が何かやらかす軽めのイヤミスかと思って読み始めました。予想は冒頭で裏切られます。

    傘寿を迎えようかという居酒屋の女将が、7歳下のモテモテ亭主を殺す。母親から電話を受けた娘や息子が大集合。各々の人生が語られる章仕立てで、池上冬樹の解説ど...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年11月03日

    一見何も思ってないようにふつうに生活している人たちも、彼らなりの考えとか思いを持って生活してるんだよなあ

    0

    Posted by ブクログ 2021年05月19日

    ママがやった…なにを?
    誰のママ?
    あらすじも知らずに読み出した。
    小さな初老の女が営む居酒屋。
    女癖の悪い7才年下の夫を、殺ってしまったママの息子の目から、ママから、殺された夫から、過去の出来事が短編風に書かれていく。
    夫の女癖など、もう見限っていたママは、どこで切れてしまったのか?
    女心って、こ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年04月18日

    79歳の母親が、浮気が絶えない72歳の父親を殺した。母親と3人の子供たちは、さてどうしようと家族会議。

    70過ぎても愛人がいる父親がすげえと思ってしまう。
    その時父親は「推理小説家ごっこ」をしていたのではないか。

    0

    Posted by ブクログ 2019年02月13日

    まず最初に謝らなくてはいけない。実は全然期待してなかったのです、ごめんなさい。これは傑作です。ほんの200ページ弱の中に描かれている全てに唖然とした。サブタイトル「MAMA KILLED HIM」がなぜ「PAPA」でないのか。読むにあたってこれ、重要だと思う。
    結婚・家族・友達・恋人など、全てにおい...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2019年02月04日

    さらっと読めてしまうのだけど、予想以上におもしろかった。動機って、その人だけのものだよなあ。ママにとっての引き金はそれか…! と唸らされた。

    0

    Posted by ブクログ 2021年06月27日

    さほど現実離れしていない設定で誰もが道をふみはずす可能性を秘めている。狂気の家族。先が気になって割と問題なく読み進めることが出来ました。

    0

ママがやった の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

井上荒野 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す