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なぜモーツァルトは就活で苦しんだ? ベートーヴェンが「市民」をつくった? ワーグナー「勝利の方程式」とは?
19世紀に質量ともにピークに達したクラシック音楽は、大都市の市民階級という新しい消費者に向けられた最新の文化商品でもあった。誰が注文し、いかにして作られ、どのように演奏され、どこで消費されたか。クラシック音楽を知れば世界史がわかる! といっても過言ではない。最高の音楽とともに、歴史の流れを明快に解き明かす画期的音楽史。
【目次】
序章 クラシックを知れば世界史がわかる
第一章 グレゴリオ聖歌と「神の秩序」
第二章 宗教改革が音楽を変えた
第三章 大都市と巨匠たち
第四章 ベートーヴェンの時代
第五章 ロマン派と新時代の市民
第六章 “怪物”ワーグナーとナショナリズム
第七章 二十世紀音楽と壊れた世界
おわりに
Posted by ブクログ 2022年10月03日
音楽はそもそも教会、王侯貴族、ブルジョア階級の権威を表す手段であったから、今日でもなんとなく権威があるように捉えられている。
古代以前の音楽は楽譜が残っていなため詳細不明。判明している起源は教皇が編纂したグレゴリオ聖歌であり、9世紀頃の成立。ネウマ譜に残されており今日の楽譜の起源。単旋律(モノフォニ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月15日
タイトルを見て面白そうだったので衝動買い。
でも、これは良かった。
読みやすい。
そして的を得た指摘。
およそ芸術と名の付くものに共通する点も多い事柄。
その作品は誰のために作られたのか。歴史の流れに於ける聴く側と作る側の関係の変遷を概観する事で新たな視点が加わった。
多くの場合、今までは作品...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年05月30日
至高の芸術のシンボルと考えられるクラシック音楽も実は世間の荒波にもまれてできあがったものであることをこの本は分かりやすく示してくれた。結果としてクラシック音楽に親しみを持てるようになったのがこの本を読んだ収穫といえる。
またこれはヨーロッパの中世から近代に至る思想史や思潮と言ったものを概観するの...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年07月15日
クラシック音楽は他の芸術とは違い、作り手よりも受容先の状況が重要となる演奏する人と聴衆がいなければ成り立たないので、死後評価される画家、文学者のような人はほとんどおらず、異端の音楽家というのもクラシックの世界ではほぼいない。
元々教会音楽から始まった受容は王侯貴族、大都市のブルジョアと受け継がれる。...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年06月04日
タイトルをそのまま鵜呑みにすると、本書の全体を勘違いする。ベートーヴェンは、クラシック音楽の聴き手に、一般市民が参加できる素地を作った意味で、エポックと言えるが、ベートーヴェン以前、以後を通して、クラシック音楽を方向付けしてきた音楽史が語られている。誰が支えてきたか聴き手の変遷から、その時代の社会環...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年05月13日
教会音楽?クラシック音楽?バッハ?ベートーヴェン?ワーグナー?なにが違うの???
…と、音楽的素養のない私にはそう感じられるのだが、この本を読んで、世の中や教会の権威、音楽の受け取り手の世界史の中での変容に応じて(またはあらがう形で)、音楽が歴史を紡いできたことを知ることが出来た。当時の世の中の受...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年02月16日
美術や文学と違い、受取手の存在が必要な音楽。それだからこそ音楽は時代・社会を反映するという観点から西洋音楽史を見ていく。
自分の音楽の追求と近代市民というニーズへの応えが一致したベートーヴェン。学校というシステムができることで難解で退屈であることが権威という商品価値を持つようになった。ドイツより先に...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月15日
第3章までは、普通の音楽史に書かれている普通の進行だが、第4章の「ベートーベンの時代」から面白くなってくる。
市民の時代において、市民と向き合うことで生まれてきたのがベートーベンの音楽である。
キーワードは、①わかりやすい(簡易・単主題) ②うるさい(刺激・エネルギー・力) ③新しがる(資本主義・...続きを読む
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