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オリンピック前夜の熱を孕んだ昭和38年、東京。連続爆弾魔を追う週刊誌記者・村野は、女子高生殺しの容疑者にされてしまい、やがてとある疑惑へと辿り着く――。
地下鉄爆破に遭遇した村野は連続爆弾魔・草加次郎事件を取材していた。村野は女子高生・タキとの出会いを通じ、殺人事件に巻き込まれていく。高度成長の歪みを抱えたまま変貌する東京を舞台に、炙り出されたおぞましい真実とは。孤独なトップ屋の魂の遍歴を描いた傑作ミステリー。
解説・武田砂鉄
※この電子書籍は1995年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を新装版として刊行したものを底本としています。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
なんてハードボイルド! なんて激しい・・・
村野ミロシリーズ3作目
本作は若き頃の村野善三が主人公
高度成長期真っただ中、翌年に東京オリンピックを控えた昭和38年の東京が舞台。
週刊誌の記者をしていた村野は、連続爆弾魔・草加次郎事件を調べるうち女子高生殺人事件に巻き込まれる。
いわゆるトップ屋として走り回るうちに、真相に近づくにつれ自身の身辺も危うく、緊迫していく。
当時のファッションや車に懐かしさを感じる隙もなく、殺人、危ない薬、ヤクザ、妖しいパーティーなど繰り出される展開に圧倒される。
そんな中でも村善の、女性に揺れ動く心情なども折り込まれ大変興味深い。
子ども時代のミロも登場して、楽しみは続くのだ。
本当にこれ、女性作家の作品なんよな? って何度思ったか、 あっこれって、なんとかハラスメント? だったら失礼しました。
Posted by ブクログ
1960年代の物語。
トップ屋 村野善三は、地下鉄の爆破事件に遭遇。
その犯人は 草加次郎かもしれなかった。
村野は、その犯人らしき人物とすれ違って、
バイタリスの匂いを感じた。
遠山をトップとして、村野、後藤など 勢いがあった。
この村野と言うオトコの造形がすばらしくいい。
実に 芯がある。戦争で 両親と妹を亡くした。
トップ屋としての矜持があり、
調査屋として力量を発揮していた。
草加次郎とは?迷宮入りになった 愉快犯。
その時代背景が 浮き彫りになっている。
様々なタイプのオトコたちが いる。
後藤の雰囲気は スマートで、おしゃれ。
こだわりをもっていた。
市川という刑事も堂に入った刑事だ。
敵に回すと怖い存在であることがよくわかるが
ちゃんと 村野を認めているのが すばらしい。
早重という存在が 不安定で、なんとも言えず
方向性が定まらないのが、この物語をおもしろくしている。
後藤を思いながらも、村野さえも射程に入れている。
タキという存在が、村野の立ち場を悪くするが、
それを受け止めながら 切り抜けていこうとする
村野の意地が なんとも 頼もしい。
がんばれ。村善。
Posted by ブクログ
戦後から10年ほどの間に、日本における主な週刊誌の創刊は新聞社が主体となってスタートしたが、その後に出版社が追従した歴史があるそうだ。
主人公の村野善三は、出版社が創刊した「週刊ダンロン」の「トップ屋」として、事件を追って自ら記事を書き起こしていた。
「トップ屋」とは、記者を擁していない出版社が、取材能力と記事を書き起こす能力のある者を雇い入れたフリーの人材のことだ。
常に週刊誌のトップを飾る記事をモノにする、記者として辣腕を誇る人たちだ。
「週刊ダンロン」の創刊時に雇われた能力ある遠山が、スタッフとして声を掛けたのが善三と後藤伸朗で、この3人を中心に「遠山軍団」を組織し、瞬く間に発行部数60万を超える週刊誌のトップの座に押し上げた。
63年9月に起きた地下鉄銀座線での爆破事件に、村野善三が偶然にも遭遇したことから物語は始まる。
この事件の前に、草加次郎と名乗る男から当時の人気歌手だった「島倉千代子」の講演会事務所に爆弾が送りつけられた。
その後に爆破事件は次々と起こり、デビュー以来人気のあった「吉永小百合」の元にも脅迫状が送られていた。
善三はこの事件を追うことになると同時に、偶然にも女子高校生の殺人犯として警察から容疑者扱いをされる。
そのために出版社から謹慎令が出され、「遠山軍団」のチーム取材も行えなくなってしまう。
がしかし、事件を追及する「トップ屋」根性から一人で草加次郎を追い、同時に女子高生殺人犯をも追うことになるのだが、悲劇が次々と起こる。
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