錆びる心

錆びる心

小説・文芸
590円 (税込)

2pt

「家出するなら夫の誕生日にしようと心にきめていた……」
人間のダークサイドを炙り出した作品集。

十年間堪え忍んだ夫との生活を捨てて家政婦となった主婦。囚われた思いから抜け出して初めて見えた風景とは。(錆びる心)
劇作家にファンレターを送り続ける生物学教師の“恋”を描いく。(虫卵の配列)
荒廃した庭に以上に魅かれる男の内面に秘められたもの。(月下の楽園)

魂の渇きと孤独を鋭く抉り出した六つの物語。

解説・中条省平

※この電子書籍は1997年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    錆びる心
  • タイトルID
    :
    678071
  • ページ数
    :
    256ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年11月15日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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錆びる心 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「OUT」以来の久しぶりの桐野夏生さん。

    短編6篇の登場人物がそれぞれ心の内で悩んだり怒ったり決意したり、その決意が鈍ったり…その辺にいる人間らしくて、各々の話にどっぷりハマりこんで読めた。
    特にジェイソンが気に入った。ジェイソンに変貌した自分を知るにつれ落ち込む主人公。ラスト、妻さえいてくれたらと開き直ったのに、やっぱりジェイソンは妻に対してもジェイソンだった。けど、お酒の失敗でなくても時に誰かのジェイソンに誰でもなり得てしまうんではないだろうか?私だけが知らないだけで…。

    0
    2021年11月29日

    Posted by ブクログ

    これを読んで好きな小説家が増えた。『柔らかな頬』のときも感銘を受けたが今回もそうだった。日常の中でふっと訪れる狂気。それは何も特別ではなく、他者の眼差しで冷ややかに見つめる自分自身も同じ狂気に染まっていた、といった安住のなさがある。こと「安住のなさ」にはいくつか在り方があるのだが桐野夏生の場合のこれは好きだ。別の在り方としては真実で四方八方を追い詰めるやり方だがそもそも真実とは?といった果てのない疑問を残すのだが、『錆びる心』の場合は「何を信じるのか」から出発するので問題の回答権を自身が掌握することができる。答えることのできる問題。そのようなものに挑戦できるのがこの著者の書く小説の真骨頂なのだと感じた。

    0
    2021年08月29日

    Posted by ブクログ

    人間の狂気を垣間見るのは、どうしてこんなにドキドキするのか。自分の中にもその欠片があるという感覚が、手触りをリアルにするのかもしれない。

    人の醜い側面を鋭く抉りとった短編集。どれも好奇心を刺激される。「虫卵の配列」が好きだった。表題作もよかった。巧い。

    0
    2026年05月24日

    Posted by ブクログ

    虫卵の配列
    羊歯の庭
    ジェイソン
    月下の楽園
    ネオン
    錆びる心

    「現状を変えたい」とか「こんな生活はイヤだ」とか思って
    現状を変えるべく何かことを起こしたら、必ず誰かに影響を及ぼす。
    自分の思うように、思った通りに、事態は推移していかない。そういう中で
    立ち現れる、その人それぞれの姿、本性、実力?

    イチオシは「虫卵の配列」。静かな狂気と思い込みの脆さ。
    表題作「錆びる心」も良かったです。

    0
    2024年10月24日

    Posted by ブクログ

     6つのお話、ミステリーというのだろうけど、怪しげな世界観があり、ファンタジー(大人向け?)という感じもする。
    表題となっている『錆びる心』。自分が去ることで、相手に「自分を植え付けたかった」というところ。共感しすぎて、息が詰まりそうだった。

    0
    2023年02月18日

    Posted by ブクログ

    桐野作品に出てくる登場人物は、安易な感情移入を許さない癖の強さを感じます。6つの短編も語り手の常識や行動の方向は私と異なっていて、予測できない分、おもしろかったです。

    0
    2021年10月10日

    Posted by ブクログ

    現実にありそうな世にも奇妙な物語。
    初めての桐野夏生の本だったが、するすると読ませる巧みな文章を書く作家だと思った。
    感情の描写も巧く、震えるほど共感した部分が所々あった。
    様々な人生を垣間見れておもしろかった。
    桐野夏生の長編にも挑戦してみたい。

    虫卵の配列 ★4
    羊歯の庭 ★4.5
    ジェイソン ★3.5
    月下の楽園 ★3.5
    ネオン ★3
    錆びる心 ★3.5

    0
    2020年10月07日

    Posted by ブクログ

    桐野夏生さんの短編小説集。
    はじめ把握していないまま読み始めたのだが、収録作は作者デビュー翌年の1994年から1997年で、大ブレイクする『OUT』(1998年)より前の、初期の作品群だ。
    これらは多彩で、どれも面白く読める豊かな短編小説である。なるほど、松本清張の作品のように、それぞれに心理的な劇の物語時間が推進されていて、それが確かな人間観察に基づいているからこそ、リアルな感触を持ち、読者の心を引きずり込んでいくのだろう。
    ただし、結末は
    「あれ? これで終わり?」
    と驚かせるような、少々肩すかしを食わせるようなものが多く、一般的な多くの読者をいくらか失望させるのではないだろうか。
    古典的な「完結感」を演出せずに、突然パタッと止まるかのような終結をしばしば導き出す現代音楽を私はよく聴いているので、「終わり方」に関しては何でもありと考えているから、「それもOKかな」ととらえる。しかしたいていの読者はやはり落胆するのではないか、という終わり方が幾つかあった。大衆向けのエンターテイメント小説としては、それはうまくないと思われる。
    本書はあくまで作家初期の作品集なので、後年の短編は円熟によって形式的にも「よくまとまった」作品になっていくのかもしれない。
    だがこれをマイナス要素としても、作者の人間理解の鋭さが端々に現れるこれらの小説の魅力は代えがたいものがある。
    特に巻末の表題作は、結婚生活にウンザリした主婦の心理を鋭くとらえ、家出からさすらい歩く新たな生の歩みが、場面転換に応じてラプソディックに綴られてゆくが、全く違う場所に到達したかのような最後のところで上手く冒頭の場面の状況と結びついていて、印象深い作品となっている。
    本書全体にわたる、多彩な心理世界を描出するこの手腕が、後年さらに円熟してどのような短編集を生んでゆくのか、興味をそそられた。

    0
    2020年09月29日

    Posted by ブクログ

    全6編の短編が収録された桐野夏生氏の短編小説。文庫の発刊は2000年なので、もう15年も前の作品なんですね。

    桐野夏生さんの作品は初めて。『OUT』や『東京島』からダークなイメージを持って読みましたが・・・、まんまでした(^-^;
    ボキャブラリーがないのでちょっと違う表現かもしれないですが、『世にも奇妙な物語』のようなテイストがあるんですよ。つくづく、人って怖いな、と。解説にもありましたが、人間の心の裏側が見事に描かれた面白い小説だと思います。

    また、この小説は、全体的に短編の良さが詰まっていて、読んでいてストレスを感じなかったですね。
    一つ一つの話がダラダラと間延びしないし、オチがあってスッと終わるところが良いんですよね。ミステリー要素からの結末が想像力を掻き立てられて、何とも言えない読後感を味わえます。

    次は、桐野夏生さんの長編作品も読んでみたいと思います。

    0
    2015年02月11日

    Posted by ブクログ

    最近のおどろおどろしい内容の長編に比べると、軽い内容で読みやすい。と云っても、悪意に満ちた人の心を描いている作品が多く、読後感は必ずしも良くない。ブラックユーモア風の短編が異色で面白いと思った。

    0
    2014年02月11日

錆びる心 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    錆びる心
  • タイトルID
    :
    678071
  • ページ数
    :
    256ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年11月15日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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