西川美和の作品一覧
「西川美和」の「映画にまつわるXについて」「きのうの神さま」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「西川美和」の「映画にまつわるXについて」「きのうの神さま」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
物語全体を覆うのは、決して明るいとは言えない、けれどどこか洗練された静かな空気感。悲劇をいたずらに煽るのではなく、淡々と、しかし鋭く人間の空虚さを描き出すその筆致は、不思議と「スマート」で、大人のおしゃれな小説という印象を受けた。
この物語の主人公・衣笠幸夫と、事故で妻を亡くしたもう一人の男・陽一。二人はどちらも「未完成な大人」だと感じた。
特に幸夫の姿には、ある種の痛々しさと普遍的な弱さを見る。彼は幼い頃から斜に構え、他者との距離感を測りすぎて、本来経験すべきはずの泥臭い人間関係を避けてきたのではないか。その足りない部分を、ずっと妻のナツコに補ってもらっていた。夫婦というよりは、自分の欠落を埋めるためのパーツとして彼女を必要としていたようにさえ見える。
彼らは長い間、お互いに変化も成長もせず、ただその「未完成な関係」を維持し続けていた。
しかし、ナツコが死に、孤独になった幸夫は、陽一とその子供たちとの交流を通じて、初めて「他人と深く関わること」を学んでいく。それは、ただ誰かに依存することではない。自分のために時間を使うのではなく、相手のために自分の手と心を動かすこと。
幸夫という天秤は、ナツコという重しを失ったことで、かえって自らの足で立ち、バランスを取る術を学び始めたのだと思う。ようやく「人をおもいやる」という成熟のステップを踏み出した彼を見て、これは単なる喪失の物語ではなく、長い時間をかけた再生の物語なのだと気づかされた。
「人は、いつからでもやり直せる。ただし、それは他者と正しく向き合うことからしか始まらない」
この作品は、斜に構えて生きることが「スマート」だと思っていたかつての自分、あるいは現在進行形で誰かに何かを補ってもらっている未完成な大人たちに、静かな問いかけを投げかけてくる。
読み終えて、心がふっと軽くなるような、あるいは自分の日々の歩みを振り返りたくなるような、そんな豊かな読書体験だった。
Posted by ブクログ
妻を突然なくした人が、立ち直っていく様。なんか映画化されてたなぁ、予告編見たなぁと思った。主演はもっくんだったらしい。だけど映画監督も作者だった。驚いた。この本は直木賞の候補作品にもされたらしい。意味がわからない。多才な人??
衣笠幸生は作家で、ペンネームは津村啓。妻の夏子が旅行に行っているときに、愛人の千尋をうちにあげていた。そのに山梨県警から電話があり、妻の乗ったツアーバスが事故に遭ったことを知る。妻は美容師だった。
中学の同級生と出かけていた。妻の親友も死んでしまった。夫の陽一と子供達を残して。幸生は陽一の子供達の面倒をみることにする。だがたった2日でもう帰りたくなる。