西川美和のレビュー一覧

  • 永い言い訳

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    9年前に本木雅弘主演の映画を観たがワガママな小説家が自己嫌悪に陥りながら足掻いている印象しか残っておらず期待して遠くの映画館まで観に行ったのでガッカリしてしまったのを覚えている。原作を読み西川美和さんはすごいと感じました。物事を表現するのにあまり形容詞を重ねると薄っぺらくなってしまうのですが西川美和さんは矢継ぎ早に言葉を紡ぐのに表現に深みが増していき引き込まれてしまう。今年読んだ本で間違いなく一番の作品です。西川美和さんの他の作品も読みたいと思います。

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    2025年11月15日
  • 永い言い訳

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    2024/6/18
    西川美和監督「永い言い訳」が観たいと前から思ってたけど中々機会がなく先に本を読んだ。何か、すごい、好きな話だった。人間がよく描けているなぁって。良かった。脳内キャストは誰もヒットしなかったので恐る恐るググってみたけど…う〜ん、、どうだろう、でも観るの楽しみ。

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    2025年09月10日
  • スクリーンが待っている

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    映画「永い言い訳」を観た後で読んだ、「映画にまつわるXについて2」がとても面白かったのです。
    なので今作が出たと知って早く読みたかったのだけど、
    これは絶対に「すばらしき世界」を観てからがいい!と思い、映画を観てから読んだ。先に裏話を読んでしまうと、映画を観ながらそれに気を取られてしまうと思ったので。
    映画作りへの熱い気持ちや、丁寧な言葉選びから
    西川さんはとても人が好きなのだろうなあと想像できました。
    今作にまで本木雅弘さんが登場したのが面白すぎました。

    西川さんのエッセイはこれからもぜひ映画とセットで読みたい!

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    2025年04月27日
  • 永い言い訳

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    この幸夫の今風というかなんか人間的には欠陥があるとか言われそうでも能力があって能力があるからこそ欠陥を指摘されるような人がでも顔もいいわけで妬みもあったりして、そういった諸々が実に今っぽいというか。皆がそれらしく常識人として振る舞っている姿もそれなりに異常っぽくもあり、普通なようでもあり。でもやっぱ言いたいことを心に留めたり酷いこと言ったり。そんなグチャグチャが幸夫のおかしさに隠されてユーモアになってまぁ語り口も楽しい。
    なんか救われるような救われないようなラストもたまらん。
    というわけで不思議な面白さだったわけですよ。

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    2025年04月06日
  • 夜更けのおつまみ

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    31人の人気作家さんたちがそれぞれの夜更けのおつまみ語るというなんとも豪華でお腹が空きまくるエッセイアンソロジー。
    私はお酒は飲めないけど酒の肴と呼ばれるものが何より大好き。
    それぞれの作家さんの私だけのおつまみが沢山詰まっていて最高だったー✨
    共感できるおつまみもあれば初めて知るおつまみやお酒もあって面白い。
    この本を片手に晩酌するのも最高のおつまみになりそう

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    2025年02月24日
  • 永い言い訳

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    2025年3冊目。
    後半にかけてどんどん面白くなっていく。最後はなぜか涙が出てきた。近い人を失ったことがある人には刺さるのかもしれない。

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    2025年02月06日
  • ハコウマに乗って

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    雑誌連載をまとめたもので、同じ文字数のコラムが続き、とても読みやすい。肩の力を抜いて読めるが、ウィットに富んだ歯切れいい文章の中に、筆者の聡明で透明な眼差しを感じる。バランスよく地頭のいい方なのがよくわかり、お人柄も素敵だなぁと思った。特に印象的だったタイトル。男子校の膝上の友とのまぶしい青春を描いた「あおばのみち」、籠の鳥のようなゆきちゃんの解答すり替え工作を疑う「ゆきのしわざ」、認知症の伯母の大人っぽさについて書いた「ついのふうけい」、差別表現に緩かった過去への思慕を断ち切る「ぼくらのキャンバス」、敵ながらあっぱれのホークスのホスピタリティに感じ入った「みるはたのし」、おじいちゃんがムカデ

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    2024年11月09日
  • 永い言い訳

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    愛の冷めた夫婦と、幸せに見える子供2人の4人家族。両方で妻(母)を失って、夫である幸夫と陽一がそれぞれ妻のいない人生を歩んでいく話。

    ラブストーリーとも、家族の物語とも、成長の物語とも違う気がする。

    妻を失った直後の感情、だんだんと生活の変化に慣れること、自分や他人を責めること、向き合うことから避けること、子供に自分の存在意義を求めること、自暴自棄に生きる意味が見出せないこと、さまざまな感情が渦巻いて、簡単に前に進めるものでもない。前がどこかもわからない。

    永い言い訳、と言うタイトルは、そんな中で人は永久的に自分自身を納得させようと言い訳し続けると言うことか。
    でも死と向き合うこと、妻と

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    2024年08月21日
  • ハコウマに乗って

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    ネタバレ

    まだ5年たってないのに。震災の後も思ったけど、忘れて元に戻ったことに気づくのには随筆が一番かもしれない。

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    2024年07月01日
  • 映画にまつわるXについて

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    映画とはなにか。
    正解などないであろうこの問いにおいて、1人の映画に携わる監督の頭の中を覗くことが出来るという意味でとても有意義であったと感じた。

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    2024年06月25日
  • 永い言い訳

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    同じ事故で妻を亡くした男と母を亡くした子供たち__まるで家族のように過ごす日々が彼らを前に進めていく。ハートフルかと思いきやそんなことはない...綺麗に描きすぎない人間味溢れる話でとても良かった。読み終えてタイトルの"永い"っていいなとしみじみ思いました。

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    2024年06月10日
  • スクリーンが待っている

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    映画「すぎらしき世界」の映画監督さんです!映画愛が溢れてます。作るの大変なんですね!
    役所広司さんは凄いです。

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    2024年05月20日
  • ゆれる

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    原作を読んで映像化されたものを観ると物足りなさと自分の中で描いていた俳優と違うこともありなかなか満足できる作品に出逢えていないという話を同級生としていたらこの本と映画を薦められた。原作、脚本、監督を作者一人が作り込むと一体感が生まれるのが納得てきました。shukawabestありがとう。

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    2024年03月24日
  • 永い言い訳

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    事故をきっかけに仲良くなった子供を通じて、愛について学んでいく物語。
    人は人を通じて学んでいく。
    主人公の変化していく気持ちが悲しくて愛おしい。

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    2024年03月21日
  • 永い言い訳

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    ネタバレ

    自分にしては珍しく、本のタイトルをよく思い出す小説だった。そしてそれは、この物語全てを締めくくる言葉だ、と考えることが容易だったからだろう。
    この話は幸夫の永い言い訳そのものだ。だから、結局これら全てが言い訳になる、という結末が見えていた。つまり、読みながらこの感情はいつか言い切ることができるようになる、とわかることができた。
    この物語で私の心は何に揺さぶられたのだろう。言い訳であった行動や心情に共感しなかったと思う。ただ、悲しい出来事が起こるたびに可哀想にと同情してた。そういえば、もし自分の相手が死んだとしたら、も考えなかったな。それもまた彼の心情に共感しなかったからだろう。
    ただ、この物語

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    2024年03月15日
  • 永い言い訳

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    ネタバレ

    何の気無しに手に取った一冊にしてはとてもパンチ力のある一冊だった。

    小説の魅力の一つに文章から、この先自分では体験しないであろう人生を追体験できるというのがあるように私は思うが、この本は登場人物の心境が事細かに描かれておりリアリティに舌を巻いた。
    衣笠幸夫のように非常になれたり、大宮陽一のように家族の悲しみにやるせ無くなり少し荒れたり、大宮真平のように自分の境遇に対する不平不満に押しつぶされそうになったり…。

    読者自身は妻、家族をバス事故で亡くした訳でもないけどその心情がヒシヒシ伝わってくるような、鬼気迫る一作でした。

    本当にながいながい言い訳でした。

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    2024年03月04日
  • 映画にまつわるXについて

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    有名な映画監督の西川美和さんの著作。先日観た『ゆれる』についてのことも書かれており興味深く読んだ。オダギリジョーさんのこと、香川照之さんのこと、松たか子さんとフォークリフトの免許を取った時のことなどなど、俳優さんや女優さんとの関わりや助監督時代の動物を使うことの難しさ、音を作り出す仕事をしている人の話など、映画に関わることが詰まった一冊。読み終わると同時にもう一度西川監督の作品が観たくなった。きっと同じ作品を観ても違う視点で楽しめる気がする。

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    2023年04月16日
  • 夜更けのおつまみ

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    少しずつそれぞれの作家さんのお話がいただける、まさに「おつまみ」な本。
    読み進めていると、缶ビールが2本、空の状態で目の前にありました。

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    2022年07月24日
  • 映画にまつわるXについて2

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    ネタバレ

    前作も素晴らしかったですが、こちらもやはり、紛れもなく素晴らしいですね。前作が、映画で言うと「ゆれる」「ディア・ドクター」「夢売るふたり」の時期のエッセイだとしたら、こっちは「永い言い訳」の時期のエッセイ。

    「あの映画を撮っていた時、西川さんはこんなことを考えていたのか!」という思いが感じられますし、映画に関しての裏話的な話も沢山聞けますし、ましてや西川さんご自身の「映画とは、なんなんだろうなあ?」という様々な気持ちを垣間見ることができる。うーむ。まさに、映画人としての西川美和に興味があるかたなら、抜群に楽しめると思います。で、ワタクシは、映画人・西川美和に途轍もなく興味がある。ということは

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    2021年06月29日
  • 映画にまつわるXについて

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    ネタバレ

    ベラボーに面白いです。こりゃ凄い。こりゃお見事です。

    西川美和、という人は、自分の思っていること、考えていることを、自分以外の他人に伝えることが、めちゃくちゃ上手いなあ、ってね、思いました。

    映画監督としては、自分の思いを、映像情報として他者に伝えることが、ベラボーに上手い。

    小説家、エッセイストとしては、文字情報として他者に伝えることが、ベラボーに上手い。

    ということなのかな?と思うのですが、うーむ。なにしろ「わたしはこう思っています」ということを、これほどに見事に他者に伝えることができるものなのかね?と、驚嘆。つまるところ、西川美和さんは、コミュニケーション能力が途轍もなく高い人な

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    2021年06月21日