西川美和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2020年現在の、この小説の、刊行されているバージョンを調べましたところ。
2006年 ポプラ社単行本刊行
2008年 ポプラ文庫刊行
2012年 文春文庫刊行
という感じでして、2020年現在、3バージョンが、流通している感じ?みたいですね。
凄い不思議なのが、2008年にポプラ文庫から文庫本が刊行されていて、何故に、2012年に、出版元を変えて、文春文庫からも、文庫版が刊行されているの?ってのが、凄い不思議。なんで?
ポプラ文庫版が、絶版になっている?訳でもないようなのですが、、、凄く不思議だ。何故、ポプラ文庫で文庫化されている作品が、更に、文春文庫で文庫化?ホンマ不思議。どんな理 -
Posted by ブクログ
ネタバレ阪神ファンをやめたのはもう3年ぐらい前だろうか。というか、一つの球団やチームにしぼって、そこを応援するというのが性に合わなくなった。
俺みたいな鈍足ランナー、ヘタレボルダー、ビビリハイカーであっても、自分で体を動かせば分かる。いわゆるアスリートと呼ばれている人たちが、いかに凄いか。どれだけの天分を持って生まれ、その天分を存分に発揮するために、どれだけのトレーニングをこなし、その孤高ともいえる位置を保つためにどれだけのエネルギーを使っているか。ストイックであるのは日常で、結果を出すのが当然。
そんな過酷な日々を生き抜いていくために、彼らにしか見えないものを掴むために、想像を絶する日々を積み重 -
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「ぼく」は飛行機乗りになりたかった。でも、飛行機乗りになる
には体が小さかった。中学を卒業し、家業の農業を手伝っていた
「ぼく」に召集令状が来た。
陸軍情報部の通信兵としての訓練が、東京・清瀬市で始まった。
飛行機乗りにはなれなかったけれど、通信兵として戦争に係わる
ことになった。
通信兵としての訓練を始めて3か月後のある日。暗号表や通信
機器を燃やせとの命令を受ける。そして、襟章や軍人手帳も。
隊の解散だった。各自、幾ばくかの現金を与えられ、故郷へ
戻るよう言われた。
そして、その日、東京駅5時25分発の汽車に乗り、「ぼく」は
隊で一緒だった益岡と共に西を目指した。
戦時中、著者の -
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「みんなこれまで後生大事に抱えてきた色んなもの、燃やしてんねや」
「自分の心が一番ひかれるものには、何となく罪のにおいがする。何か自分が守ってきたものを壊してしまいそうな、低いとどろきを感じる」
「あんな陰気な森の中に、陛下が暮らしているのかと思うと、気の毒なように思えた」
「ーーぼくの赤ちゃん。
中尉は写真を見下ろしながら甘い声でそう言って、自分でくすりと笑った」
「『でも可愛いんだ』
中尉は、子供を寝かすような口調でそう言った」
夢は覚めて初めて夢になる。覚めない悪夢は、現実だ
遅れて帰ってきた来たお前になど、何もわからないし、何もわかってもらいたくない、と、街から完全に背を向けられている -
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『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』
をDVD で見た。監督が 西川美和だった。
濃密な人間関係をえぐり出す西川美和が、書いたエッセイ。
どんな感じの文を書くか と思って読み始めたら、
朝青龍の ヒールについて、なんで ヒールにされるの?
ヒールがヒールと思っていないけど、ヒールにされてしまう。
そのことについて、愛着を持って、濃密に綴る。
なるほど、この感性は、どこかで、ねじ曲げられて、
屈折して、自分の体内に、なにものかを押さえ込んでいる と思わせた。
その得体の知れないものに、いらだったり、ひりひりしたり、
独特の こころの中の揺らぎが、「ヒール」や「女子重量挙げ -
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終戦直前に通信兵になり特殊情報部に配属された主人公。その任務ゆえ一早く終戦を知った部隊は、終戦前日に解散し、隊員は各自故郷を目指す。
著者の伯父の体験をもとに書かれた小説です。
物語としての面白さと言うより、記録文学的な興味があります。終戦という激動にもかかわらず、更には故郷・広島が原爆によって壊滅状態であることを知りつつも、何処かサラリと受け流してしまう、或いは実感の乏しいままそれを受け入れてしまう主人公達。終戦の物語といえば、どうしてもパラダイムシフトを受けた人間像が描かれる事が多いのですが、現実レベルではこの主人公の様に淡々と受け入れた人も意外に多かったのかもしれません。
とても大きな字 -
Posted by ブクログ
冷め切った夫婦生活のなかで、突然訪れた妻の死。
主人公が妻と死別後に初めて他者を通じて向き合う家族愛。その心情の変化が繊細に描かれていて面白い。
人間はどうしてこうも失ってからでないと気付けない、生き物なんだろう。
どれだけ月日を重ねて、当たり前の存在になったとしても対話し続けることが夫婦関係を良好に保つ秘訣なんだ。だけど、長い夫婦生活の中で、価値観をすり合わせ続ける行為は果てしないし、対立を避けて相手と向き合わないほうがその時だけだったら楽なのも分かる。
死者とは対話ができない。過去を、自分を、正当化するために、残された主人公は一方的な言い訳をし続けるしかないのだなと思った。
すぐに忘れ -
Posted by ブクログ
映画『ゆれる』の監督、西川美和による小説。 こちらも映画化され、脚本・監督も手がけている。 多才。
この本は賛否が分かれる内容らしく、 ほとんど期待せずに読んだけれど、 すごく面白かった。
主人公は、冷め切った関係の妻が突然事故死したとき、 自分が何を感じるのかを見つめる男。
しかし彼は、 妻を失った悲しみに沈むというより、 自分のことばかり考えている、かなりのダメ男。
彼を取り巻く人たち(妻を含め)の心情や、 それぞれの思いが静かに描かれていく。
主人公・衣笠サチオの物語は、悔恨の物語でもなく、再生の物語でもない。
ただ、自己憐憫と自己愛が、延々と語られていく。 (なんせクソ夫なので。