西川美和のレビュー一覧

  • その日東京駅五時二十五分発
    「みんなこれまで後生大事に抱えてきた色んなもの、燃やしてんねや」
    「自分の心が一番ひかれるものには、何となく罪のにおいがする。何か自分が守ってきたものを壊してしまいそうな、低いとどろきを感じる」
    「あんな陰気な森の中に、陛下が暮らしているのかと思うと、気の毒なように思えた」
    「ーーぼくの赤ちゃん。
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  • ゆれる
    大学生の時に観て、邦画の面白さを教えてくれた作品。小説が原作ではなく、映画を小説化したものです。
    田舎に残った兄と自由奔放な弟。その兄が吊り橋から女性を突き落としてしまう。目撃者は弟とだけ。
    果たして本当に兄が突き落としたのか、それとも事故か。
    まさしくタイトルの通り、弟を始め登場人物の感情が揺れて...続きを読む
  • 映画にまつわるXについて
    『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』
    をDVD で見た。監督が 西川美和だった。

    濃密な人間関係をえぐり出す西川美和が、書いたエッセイ。
    どんな感じの文を書くか と思って読み始めたら、
    朝青龍の ヒールについて、なんで ヒールにされるの?
    ヒールがヒールと思っていないけど、ヒ...続きを読む
  • 映画にまつわるXについて
    西川美和さんのエッセイを読んだ。論理的でスピード感があり、力強い文章。映画制作の過酷な現場や監督の苦悩が垣間見れる貴重な一冊だと思う。「ゆれる」を見返したくなった。
  • ゆれる
    やはり西川美和はただ者ではなかった。
    あの邦画史上に輝く名作『ゆれる』の小説版である。小説では映画では描かれなかった背景事情や心理が精緻に描写され、他方映画では小説よりも読者に考えさせる余地を多く残し、お互いに補完して一つの世界を作りながら、それぞれ一つの作品として屹立している。
    多くは語るまい。が...続きを読む
  • 文藝春秋 2015年 6月号

    イイネ

    10年前から毎月購読していますが、本の整理が大変ですので3年前から電子ブックに変更。もう少し、普通の書籍に比べて安くなるとありがたいですが...
  • その日東京駅五時二十五分発
    終戦直前に通信兵になり特殊情報部に配属された主人公。その任務ゆえ一早く終戦を知った部隊は、終戦前日に解散し、隊員は各自故郷を目指す。
    著者の伯父の体験をもとに書かれた小説です。
    物語としての面白さと言うより、記録文学的な興味があります。終戦という激動にもかかわらず、更には故郷・広島が原爆によって壊滅...続きを読む
  • その日東京駅五時二十五分発
    叔父の体験談をもとに書かれたということで、リアルな描写が入っていた。陸軍の特殊情報部というのはとても貴重な体験であまり聞いたことがなかった。無駄な部分をそぎ落として余計な脚色をせず、変に感動させようとしない全く欲のない文体に好感が持てた。
  • 文藝春秋2月号

    文芸春秋3月号

    年間購読にしているのですがどうしたら読めますか
  • ゆれる
    家族内の不和は、それまで上手くいってた均衡がひょんなことで崩れることで起きるということを実感した。この話の場合は、誰からも認められるいい人であった稔の変化。話が進むに連れ、登場人物達の独白が問題の核心に触れ始め、見ているこちらまで揺さぶられるものがある。
  • ハコウマに乗って
    現代日本社会はコンプライアンス遵守へ向かうべく様々な試行、改善が課題となって動き出している。バックラッシュが少なからずありながらも、弱者やマイノリティへの救済は人道的に優先される時勢にある。"昔は…" と自身の愚行を肯定しがちなのは、戸惑いや理解不足からくるもので、そこを謙虚に受け止めて自省し変えて...続きを読む
  • スクリーンが待っている
    コロナ禍で見逃してしまった「素晴らしき世界」読み終わったら、配信で探して観ようと思っていたら、あとがきでまさかのネタバレ。映画、観てない人はご注意ください。
  • 永い言い訳
    あらすじをみてハートフルな感じになるのかと思ったらそういうわけでもなかった。子供たちとふれあって元気を取り戻していく、でもいい話だと思ってしまうけどそれだけの話じゃなかったのがおもしろかった
  • 永い言い訳
    面白かった。
    最初は人間味のない、ドロドロした話かなと思いましたが、徐々に融解していきました。
    多人数の視点で書かれており、個々の心情がよく理解できたので、良かったです。
  • 映画にまつわるXについて
    映画「ゆれる」が印象深かったので、監督さんの頭の中を覗いてみたいと思い、かるい気持ちで手に取った。
    ら、めちゃめちゃ面白かった。

    ゆれる、のプロダクションノーツを読めたのも良かったが、冒頭の朝青龍の話から勢いがあった。

    特に感心した部分。

    「私はひどく頭を悩ませた。「困った顔」をしている人の心...続きを読む
  • ゆれる
    あなたは、兄弟姉妹の間に『わだかまり』はないでしょうか?

    兄弟姉妹がいた方が良いのか?いない方が良いのか?それはなかなかに難しい問題です。一人っ子な方には兄弟姉妹がいる本当の感覚はわからないでしょうし、その逆だって同じです。両親の愛情を一手に受けられることを幸せと感じるか重荷と感じるか、それは年...続きを読む
  • 永い言い訳
    あなたは、愛する人を不慮の事故で突然亡くした人のその後に、どんな人生を思い浮かべるでしょうか?

    この世には思いがけず命を落とす不慮の事故が後を絶ちません。ツアーバスによる痛ましい事故など記憶に残る事故も思い浮かびます。そして、事故で不幸にも亡くなった人の多くに家族がいたはずです。そんな家族の視点か...続きを読む
  • 映画にまつわるXについて
    文章は読み易い。読者を楽しませる精神も旺盛だ。そんな人が自分の作る映画について書く。中でも映画「ゆれる」の制作話は面白かった。映画もぜひ観たいな。
  • 永い言い訳
    “時間には限りがあるということ、人は後悔する生き物だということを、頭の芯から理解しているはずなのに、最も身近な人に誠意を欠いてしまうのは、どういうわけなのだろう”
  • 永い言い訳
    三連休は光の如し……。

    ってな事で、西川美和の『永い言い訳』

    やっぱり西川美和さんはええっ!

    同郷の広島じゃけぇと言う訳でもなく、ホント内容が心揺さぶると言うか、鷲掴みされる思いになるなぁ。

    津村啓こと衣笠幸夫(きぬがささちお)…………。

    内容書こうと思ったけど止めた(笑)

    読んで貰いた...続きを読む