作品一覧

  • 在る。 SOGI支援医のカルテ【電子版特典付き】
    3.9
    1巻2,035円 (税込)
    「あなたの性にまつわる在り方は、あなたが決めて良いの。どんな選択をしたって、間違いなんてないしね」 富士見ウエスト病院には、性の在り方に関する不調をケアする「SOGI支援外来」がある。同外来を担当する、第七病棟医長の精神科医・海野彩乃先生は、マイペースな人だけど患者には優しい・意外と面倒見も良いという評判で、各地から患者が集まっていて……。 『藍色時刻の君たちは』で山田風太郎賞を受賞した現役看護師作家がおくる、希望が広がる医療連作短編集。 第一章「二人のエックス」 春、富士見ウエスト病院に勤める休職明けの看護師・倉木透子が配属になった第七病棟は、ストレスケアの治療を中心におこなう「病棟に見えない病棟」。病棟医長の海野彩乃先生とは、休職前にあるやりとりをしていた。復帰した倉木が紹介された患者は、十代のXジェンダーで……。 第二章「溶ける光」 夏、精神保健福祉士の岡田樹里は、アルコール依存症患者の退院支援をしている。担当する尾形佳奈のベッドの近くには、【公正証書 謄本】と書かれた封筒があった。 第三章「反転文字の向こうで」 秋、服飾学生の山口佑樹は、急性一過性精神病性障害で入院している。病室に持ち込んだ【自分史】には、「性別不合の診断を頂けたら、ホルモン療法を開始したいです」という文言があった。 第四章「種の行方」 冬、医師の滝本政成は、新しい病院への転職を予定している。海野先生が新担当となった患者の実姉の情報は、自身の境遇のことを思い起こさせるものだった。 エピローグ「春に」 当直明けの海野は、強迫性障害を患っている担当患者の千田光一から、亡くなった大学の同級生の話を聞く。 *電子書籍版特典として、「反転文字の向こうで」の番外編ショートストーリー「窓辺の声、輝く壁」を収録
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】
    3.5
    1~4巻715~781円 (税込)
    巻末に特典イラスト付き! この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入口――。ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、短編を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな物語へといざないます。
  • 藍色時刻の君たちは
    4.4
    1巻1,899円 (税込)
    2010年10月。宮城県の港町に暮らす高校2年生の小羽(こはね)は、統合失調症を患う母を抱え、介護と家事に忙殺されていた。彼女の鬱屈した感情は、同級生である、双極性障害の祖母を介護する航平と、アルコール依存症の母と幼い弟の面倒を見る凜子にしか理解されない。3人は周囲の介護についての無理解に苦しめられ、誰にも助けを求められない孤立した日常を送っていた。しかし、町にある親族の家に身を寄せていた青葉という女性が、小羽たちの孤独に理解を示す。優しく寄り添い続ける青葉との交流で、3人が前向きな日常を過ごせるようになっていった矢先、2011年3月の震災によって全てが一変してしまう。2022年7月。看護師になった小羽は、震災時の後悔と癒えない傷に苦しんでいた。そんなある時、彼女は旧友たちと再会し、それを機に過去や、青葉が抱えていた秘密と向き合うことになる……。宮城県出身の現役看護師による、魂が震える傑作!
  • セゾン・サンカンシオン
    4.0
    1巻979円 (税込)
    アルコール依存症の母親をもつ柳岡千明は、退院後の母親が入所する施設「セゾン・サンカンシオン」へ見学に行く。そこは、さまざまな過去を抱えた女性たちが共同生活を行いながら、回復に向けて歩んでいくための場所だった。迷惑をかけ続けられた母親に嫌悪感を抱く千明だが、入居者のひとり・パピコとの出会いから、母親との関係を見つめなおしていく――。人間の孤独と再生にやさしく寄り添う感動作!
  • シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎
    3.8
    1巻880円 (税込)
    はからずも医療刑務所へ期間限定の配属となった精神科医の工藤。矯正医官となった彼が見たのは、罪を犯しながらも民間と同等の医療行為を受けている受刑者たちの姿だった。自身の過去から受刑者に複雑な感情を抱く工藤。さらに彼の気持ちをかき乱したのは、医師を志望するきっかけを作った男との鉄格子越しの邂逅だった……。いま最注目の新鋭が放つ、心揺さぶる傑作社会派エンターテインメント。
  • セゾン・サンカンシオン
    4.2
    1巻2,090円 (税込)
    アルコール依存症の母親をもつ柳岡千明は、退院後の母親が入所する施設「セゾン・サンカンシオン」へ見学に行く。そこは、さまざまな依存症に苦しむ女性たちが共同生活を行いながら、回復に向けて歩んでいくための場所だった。迷惑を掛けられてきた母親に嫌悪感を抱く千明だが、施設で同じくアルコール依存症を患っているパピコとの出会いから、母親との関係を見つめなおしていく――。人間の孤独と再生にやさしく寄り添う感動作!
  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング
    3.8
    1巻770円 (税込)
    気ままなフリーター生活を送る浅井航は、ひょんなことから飲み屋で知り合った笹川啓介の会社「デッドモーニング」で働くことになる。そこは、孤立死や自殺など、わけありの死に方をした人たちの部屋を片付ける、特殊清掃専門の会社だった。死の痕跡がありありと残された現場に衝撃を受け、失敗つづきの浅井だが、飄々としている笹川も何かを抱えているようで――。 生きることの意味を真摯なまなざしで描き出す感動作!
  • 夜更けのおつまみ
    3.7
    1巻682円 (税込)
    31名の人気クリエイターが語る、とっておきの“夜更けのおつまみ”。 読んだら一杯やりたくなること間違いなし!おいしい記憶がたっぷり詰まった珠玉のエッセイ・アンソロジー。巻末にはキリンビールとコラボし、noteで開催したコンテスト大賞受賞作も掲載!
  • シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎
    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    はからずも医療刑務所へ期間限定の配属となった医師の工藤。矯正医官となった彼が見たのは、罪を犯しながらも民間と同等の医療行為を受けている受刑者たちの姿。さらに彼の気持ちをかき乱したのは、医師を志望するきっかけを作った男との鉄格子を挟んだ邂逅だった――

ユーザーレビュー

  • 在る。 SOGI支援医のカルテ【電子版特典付き】

    Posted by ブクログ

    精神科の専門病院である富士見ウエスト病院には、性の在り方に関する不調をケアする「SOGI支援外来」がある。そこの担当医・海野彩乃先生をメインに第七病棟での出来事を綴った連作短編集。

    SOGIとは、性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字を取った略称。この言葉を初めて知った。

    見た目を全く気にせず、ほんわかした雰囲気で、常に患者の心に寄り添う海野先生。性的指向を指摘され、心に傷を負った人たちには、海野先生の何気ない一言が心に響くんだろうな。

    前川さんが現役看護師だけあって、富士見ウエスト病院で働く看護師さん、精神保健福祉士さん、院内

    0
    2025年11月20日
  • 藍色時刻の君たちは

    Posted by ブクログ

    すさまじい作品だった。まず読みやすい。そしてヤングケアラー、精神疾患、東日本大震災などさまざまな要素があり、読めない人も少なくないだろう。しかし愛ある作品だった

    0
    2025年10月11日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

    Posted by ブクログ

    シリーズ第四弾!

    今回はその店がちゃんと背景にあるお話になっていてホッとしました。

    失望して過去を、もちながらも未来を楽しみに生きるようになる話しが多く、読んでいる私もワクワクできました。

    最後の山本幸久さんのお話しでは商店街の登場人物達が総出になってまとめられている。
    下町ならではの温かい雰囲気がとても良かった。
    このメンバーの一員になりたい…などと思うのです。

    とりあえず、シリーズもこれで終了かな?
    と、思うとちょっと寂しいです。

    0
    2025年07月17日
  • セゾン・サンカンシオン

    Posted by ブクログ

    依存症患者とその身辺の人々の物語。精神疾患の抱える問題と本人の辛さが描写されている。正直読むのが辛かったけど、読んで良かったと思う。

    0
    2025年05月06日
  • 藍色時刻の君たちは

    Posted by ブクログ

    読書備忘録907号。
    ★★★★★。

    ラスト。涙が溢れました。

    テーマは東日本大震災とヤングケアラー。
    軽々しく感動すべきテーマでも無いし、分かった風な評論をすべきでもない。
    だけど、物語として心をえぐった。

    物語の構造を備忘録として(ネタバレになっちゃうかなぁ・・・★ご注意★)

    2010年。
    宮城県の海岸沿いの架空の街、磯網地区。

    主人公、女子高校生の織月小羽。
    母は統合失調症で離婚。
    プーちゃんが電波で攻撃してくると言う。
    祖父もいるが脳梗塞で倒れる。
    母の面倒はすべて自分がみている。

    主人公の友人、松永航平。
    母親は既に亡く、父は漁港で働き、祖母は精神疾患を患っている。
    祖母の

    0
    2025年03月31日

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