前川ほまれのレビュー一覧

  • 在る。 SOGI支援医のカルテ【電子版特典付き】

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    精神科の専門病院である富士見ウエスト病院には、性の在り方に関する不調をケアする「SOGI支援外来」がある。そこの担当医・海野彩乃先生をメインに第七病棟での出来事を綴った連作短編集。

    SOGIとは、性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字を取った略称。この言葉を初めて知った。

    見た目を全く気にせず、ほんわかした雰囲気で、常に患者の心に寄り添う海野先生。性的指向を指摘され、心に傷を負った人たちには、海野先生の何気ない一言が心に響くんだろうな。

    前川さんが現役看護師だけあって、富士見ウエスト病院で働く看護師さん、精神保健福祉士さん、院内

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    2025年11月20日
  • 藍色時刻の君たちは

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    すさまじい作品だった。まず読みやすい。そしてヤングケアラー、精神疾患、東日本大震災などさまざまな要素があり、読めない人も少なくないだろう。しかし愛ある作品だった

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    2025年10月11日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    シリーズ第四弾!

    今回はその店がちゃんと背景にあるお話になっていてホッとしました。

    失望して過去を、もちながらも未来を楽しみに生きるようになる話しが多く、読んでいる私もワクワクできました。

    最後の山本幸久さんのお話しでは商店街の登場人物達が総出になってまとめられている。
    下町ならではの温かい雰囲気がとても良かった。
    このメンバーの一員になりたい…などと思うのです。

    とりあえず、シリーズもこれで終了かな?
    と、思うとちょっと寂しいです。

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    2025年07月17日
  • セゾン・サンカンシオン

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    依存症患者とその身辺の人々の物語。精神疾患の抱える問題と本人の辛さが描写されている。正直読むのが辛かったけど、読んで良かったと思う。

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    2025年05月06日
  • 藍色時刻の君たちは

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    読書備忘録907号。
    ★★★★★。

    ラスト。涙が溢れました。

    テーマは東日本大震災とヤングケアラー。
    軽々しく感動すべきテーマでも無いし、分かった風な評論をすべきでもない。
    だけど、物語として心をえぐった。

    物語の構造を備忘録として(ネタバレになっちゃうかなぁ・・・★ご注意★)

    2010年。
    宮城県の海岸沿いの架空の街、磯網地区。

    主人公、女子高校生の織月小羽。
    母は統合失調症で離婚。
    プーちゃんが電波で攻撃してくると言う。
    祖父もいるが脳梗塞で倒れる。
    母の面倒はすべて自分がみている。

    主人公の友人、松永航平。
    母親は既に亡く、父は漁港で働き、祖母は精神疾患を患っている。
    祖母の

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    2025年03月31日
  • 藍色時刻の君たちは

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     上下二段組350ページの中に、ヤングケアラー3人の、震災に直面するまでの日常と震災後の成長と再会を描く、量も質も重厚・濃密な小説でした。
     第一部は、それぞれケアを要する家族がいる3人の高校生と、東京から移り住み彼らに寄り添い支えようとする女性が被災するまで。第二部が、震災から11年後、東京で再会した3人のこれまでの軌跡と今後が描かれます。

     多くの今日的な社会課題を盛り込み、現代社会を淡々と炙り出し、人が人を支えることの難しさと尊さを描き出す内容でした。災害も含め、困窮している人に寄り添うという点で、周りの私たちの立ち位置として新たな視点を与えてくれる気がしました。

     改めて痛感させら

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    2025年03月24日
  • 夜更けのおつまみ

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    31人の人気作家さんたちがそれぞれの夜更けのおつまみ語るというなんとも豪華でお腹が空きまくるエッセイアンソロジー。
    私はお酒は飲めないけど酒の肴と呼ばれるものが何より大好き。
    それぞれの作家さんの私だけのおつまみが沢山詰まっていて最高だったー✨
    共感できるおつまみもあれば初めて知るおつまみやお酒もあって面白い。
    この本を片手に晩酌するのも最高のおつまみになりそう

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    2025年02月24日
  • 藍色時刻の君たちは

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    ヤングケアラーと東日本大震災と、その後のそれぞれの人生が描かれた物語。
    特に、ヤングケアラーに関する描写は、当事者(ケアをする側)の意識と感覚を想像させられました。
    「手を離す」という選択肢があまりにもピンとこない世の中であるが、その選択肢を必要世代に示すとともに、手を離すということに対する周囲の偏見を緩和させていき、根本的な認識から少しずつ変化させていくことが、今後の社会に求められるのかなぁと感じた。
    このような本を沢山の人が読むことで、たとえ当事者にはならなくとも、身近な方や偏見がある方に「そうじゃないんだよ」と言えるような世の中になっていけばいいと感じました。

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    2025年02月05日
  • 藍色時刻の君たちは

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    ヤングケアラーの問題が表面化されてきて、まだまだ日は浅い

    介護が当たり前に存在すると、疑問には思えなくなる
    それは、日常だから

    もっと手を差し伸べて
    もっと利用しやすい制度を
    そして、もっと周知を

    誰でも自分の人生を生きていいはずなのに囚われてしまうのはなぜだろう

    綺麗な言葉だけで片づけない

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    2025年02月02日
  • 藍色時刻の君たちは

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    ネタバレ

    2024/09/02予約 11
    宮城県に住む高校2年の3人のヤングケアラーの日常から東日本大震災を経て東京で再開するまで。統合失調症の母を介護する小羽。双極性障害の祖母を介護する航平。アルコール依存症の母の介護と弟の面倒をみる凛子。
    家族という名のもとに 存在する「福祉における含み資産」。とんでもない言葉が突き刺さる。「家族は支援者にはなれない」これも、その通り過ぎて、赤の他人に言われないと気づけないことかもしれない。
    著者は男性だったんですね、勝手に女性だと思い込んでた。
    ヤングケアラーにも、他にも福祉の谷間に落ちてしまう人にも、必要な支援が届くようになってほしい。
    つらい話も多いけど目をそ

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    2024年11月15日
  • 藍色時刻の君たちは

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    前川ほまれさんの本はいつもグサグサくる。当事者でないからこそ感じておきたいし忘れずにいないといけない。

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    2024年10月22日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    久しぶりの明日町こんぺいとう商店街(^^)♪って…こんな大人っぽい話だったっけ?(・・;)ドキドキ
    ほろ苦、ぽわぽわアンソロジーだった気がしたんだけれど…でも、読み心地は良かった(*´∀`*)

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    2024年10月09日
  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング

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    大変仕事があるなぁと思いました。(大変じゃない仕事はないけど)
    いろんな事情で亡くなった方の最後のお掃除 心を込めて丁寧に扱ってくれると嬉しいですよね


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    2024年10月07日
  • 藍色時刻の君たちは

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    ヤングケアラー×震災×自身の生きにくさで激重な作品。統失の母を持つ小羽、アル中母と幼い弟を持つ凛子、ボケた祖母を持つ航平。全員片親。そこに降りかかる震災、その後も続く人生…
    冒頭、殺人事件の公判から始まり、誰が殺しちゃうんだ…?と考えながら読んだ。
    パニック障害、癌、セクシャルマイノリティにも触れられていて、ページ数のボリュームと相まって読み応え抜群だった。

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    2024年06月14日
  • 藍色時刻の君たちは

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    家族と家事のケアに縛り付けられて、閉塞した毎日と選択が狭めらめた未来を抱える3人の高校生と、手を差し伸べる青葉さんとの交流。そこに東日本大震災の津波がその日常をも飲み込んでしまう。どの描写もリアルで胸が詰まります。そして震災から11年後の3人は・・・
    羽ばたくことができないヤングケアラー、青葉さんの小羽たちへの想い。ずっしりした読み応えで、読む前にはなかったものが心に残されました。

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    2024年05月12日
  • 藍色時刻の君たちは

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    小さめフォントと1ページに上下段構成で、なかなかの文字数です。
    が、最後には泣いてしまってページを捲れません。あとがきにまで泣いてしまいました。

    第一部は、ヤングケアラーからの東日本大震災とかなり重たく苦しい内容です。
    家族なんだから、家族の面倒をみるのは当たり前。そんな環境で高校2年生の小羽、航平、凛子の3人は学校から帰ってきた後の時間を介護と家事に費やします。
    藍色時刻。なるほど。
    そして、被災。

    第二部は被災から11年後。看護師になった小羽。震災後、連絡をとっていなかった航平、凛子との再会から当時に向き合うまで。

    3人にとっての、青葉の存在の大きさ。
    あとがきの最後には、心からの同

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    2024年04月13日
  • セゾン・サンカンシオン

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    依存症も様々。なった理由も様々。スリップする背景、生き方依存症に関わるものとしてとても参考になった。

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    2024年03月30日
  • 藍色時刻の君たちは

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    ヤングケアラーの同級生3人に寄り添う青葉さんという女性。震災で青葉さんは亡くなるが、彼女を忘れられない3人は成人後再会し、青葉さんの過去を知る人と知り合える。青葉さんが錦糸町の店と繋がる場面が少々強引な話の運び方とは思ったが、精神疾患を看護する家族の辛さは、身に染みる

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    2024年03月04日
  • 藍色時刻の君たちは

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    友人の紹介で拝読。ヤングケアラー,震災という重く暗いテーマに一筋の光が差し込む感覚がありました。印象的だったのは「手を離すことは、誰かに託すとか、他人に委ねるって言い換えることができるかもしれない」という言葉。どうか似た状況におかれている方々に寄り添える一冊となることを願います。

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    2024年02月18日
  • 藍色時刻の君たちは

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    震災を境目にしてものの見え方が変わる感じ。
    大切な人がもういないという喪失感と、
    生き残ってしまった罪悪感。
    今普通に過ごせていることへの後ろめたさ。

    今また震災があったこのタイミングで読むには身に迫り過ぎてしんどかった…けど今読んでおいてよかった。

    他人に甘えることを教えてくれて、いつか手を離して自分の人生を歩めと言ってくれる人。
    自分を愛してくれる人。
    親じゃなくてもいい。そういう存在に出会えることは宝物のようなことだ、と思ったら涙がとまらなくなった。

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    2024年01月13日