前川ほまれのレビュー一覧
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富士見ウエスト病院の名物医師である海野先生は、性の在り方にまつわる不調をケアする「SOGI支援外来」を担当している。
さまざまな悩みを抱える患者にかける言葉には、先生というような威圧感もなく、心を柔らかにしてくれるような対応をする。
ストレスが多い日常で不安定になる心を解きほぐすのは精神科医であるのだが、なかでも海野先生は、不安や悩みを軽減させる力を持っている。
一見、ふわっとした掴みどころのない感じだが、話すと胸の内が凪ぐ、そして何を悩んでたんだろうと思わせてくれる不思議な人である。
「反転文字の向こうで」が特に印象に残った。
急性一過性精神病性障害の弟と脳出血の兄のその後…。
兄 -
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ネタバレ臨床のスピカではじめて前川さんの作品を拝読したのですが、今作も医療者と患者の感情や、病状について丁寧に描かれていて、きめ細やかな作品だなと思いました。
セクシャルマイノリティに関して、少しずつ知られている、と私は思っていました。
けれどまだまだ自分の知らない感情を持つ人々がいて、ハッと思い知らされたのも事実です。
海野先生のような方がいるのは、性のあり方に悩む人にとって救いだなと感じました。
人と違うということを、気にしない人もいるけど、大半は気になるだろう。そんな人と違うことに悩む人を決して否定はせず、おおらかに包み込むような優しさを持つ先生。
海野先生みたいな方が、悩む人のそばにいてくれた -
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ヤングケアラーの話はすごく考えさせられて、もし自分がその立場だったら?もしくはヤングケアラーと今出会ったら何ができるのだろう?と考えた。青葉さんのように手を離しなさいねと言ってあげられるのだろうか。
何事もそうだけれど経験した人にしかわからない痛みがあって、その痛みに簡単に寄り添えるわけがないけど寄り添いたい、でも本当にその痛みを理解するのは難しいのだろうな、だから経験者同士の輪というのも大切なんだろう。
また震災についての話も同様でこれも経験した人とそうでない人では理解の仕方が全く違うだろうし、その痛みを乗り越える、抱える、忘れる、向き合う、人それぞれなんだと思った。自分がその立場にいたら向 -
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特殊清掃。
死んでしまった方の家の掃除をするお仕事。
職業について知ってはいたのですが、想像以上に酷い状態の家も対応されるのだなと。
警察関連で亡くなった方の清掃の部があって遺体を運んだ後に多少の清掃を行なっているのかなと勝手に思ってました...
特に最後のお家の話は描写は控えつつも、かなりグロテスクな状態だったのではないかと読み取ることができました。
こういった職で働いてくださる方々に本当に頭が上がらないです。
物語の中で私が一番好きな人物は望月さん。
暗い会社内でも明るく、気を利かせながらも気を利かせている感じを決して出さないムードメーカー的な存在。
中盤、あまりにも悲しすぎて泣きなが -
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苦しい
ヤングケアラーの話
ずーっと、親の様子を伺いながら、学校行っている間も、帰ってきてからも、ずーとこれやってあれやって、親の相手して、あれやって、これやってと家事の段取りを考える。
その忙しさは、まるで赤ちゃんを育てながら仕事しながら家事をする親と一緒だ。
稼いでいない分更に辛く、
赤ちゃんではなく、親や祖母であるということも更に辛い。
統合失調症、双極性障害、アルコール依存症…
静かにずっとしんどい。でも続きが気になるし、どうにかいい結末であってくれと祈りながら読む感じ。
そしてさらにそこに震災も組み合わさってくる。
2010年10月 11月 2011年2月 3月と、
202 -
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社会問題として認識されながら、潜伏して表面化しにくいヤングケアラー。かつて、ヤングケアラーとして苦しんだある女性と、いま(設定は2011年の震災前後)ヤングケアラーとして苦労している高校生男女3人の交流を描いた物語。
頑張りすぎて、助けを求められない高校生たちに、声をあげて良いんだよ、と優しく寄り添ってきた女性は津波にさらわれてしまう。
そして、10年が経ち女性と同じ歳に達した彼等が気付きはじめた女性の思い。
山田風太郎賞って、もっとエンタメ色強い賞だと思っていたけれど、こんな重いテーマでも受賞するんだね。
泣きはしないけど、感動的な話ではある。こういうのを有名なインフルエンサーは紹