前川ほまれのレビュー一覧
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富士見ウエスト病院の名物医師である海野先生は、性の在り方にまつわる不調をケアする「SOGI支援外来」を担当している。
さまざまな悩みを抱える患者にかける言葉には、先生というような威圧感もなく、心を柔らかにしてくれるような対応をする。
ストレスが多い日常で不安定になる心を解きほぐすのは精神科医であるのだが、なかでも海野先生は、不安や悩みを軽減させる力を持っている。
一見、ふわっとした掴みどころのない感じだが、話すと胸の内が凪ぐ、そして何を悩んでたんだろうと思わせてくれる不思議な人である。
「反転文字の向こうで」が特に印象に残った。
急性一過性精神病性障害の弟と脳出血の兄のその後…。
兄の自分史で知ったこと。
海野先生のさりげない『お姉さん』の一言や蘭さんという呼びかけやリップ。
自然だった…何もかも自然だから嬉しいのだと感じた。
兄が瞳の動きで伝えた気持ちに愛があった。
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ネタバレ臨床のスピカではじめて前川さんの作品を拝読したのですが、今作も医療者と患者の感情や、病状について丁寧に描かれていて、きめ細やかな作品だなと思いました。
セクシャルマイノリティに関して、少しずつ知られている、と私は思っていました。
けれどまだまだ自分の知らない感情を持つ人々がいて、ハッと思い知らされたのも事実です。
海野先生のような方がいるのは、性のあり方に悩む人にとって救いだなと感じました。
人と違うということを、気にしない人もいるけど、大半は気になるだろう。そんな人と違うことに悩む人を決して否定はせず、おおらかに包み込むような優しさを持つ先生。
海野先生みたいな方が、悩む人のそばにいてくれたらすごく安心できるだろうなと思いました。 -
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前川ほまれさんは現役の看護師さんなんだそうで、こちらは動物介在療法のお話です。
動物介在療法と聞くと、真っ先に「アニマルセラピー」が思い浮かびますよね。アニマルセラピーは日本語の造語で、老人ホームや病院などへ訪問し、動物との触れ合いを通して癒しを提供したり、生活の質の向上を目的とする『動物介在活動』(AAA/Animal Assisted Activity)と、医療従事者の主導により、患者の治療計画の中に動物を介在させ、治療目標達成のための補助療法である『動物介在療法』(AAT/Animal Assisted Therapy)の2種類に分類されるそうです。
この動物介在療法に従事する犬のことをDI犬(Dog Intervention)といい、犬の責任者のことをハンドラー(臨床経験を積んだ医療従事者が多い)と呼ぶそうです。
こちらのお話は、DI犬であるゴールデン・レトリバーのスピカとハンドラーである凪川遙によって動物介在療法を受ける側の、患者やその家族視点からのお話と、遙が看護師となりやがてハンドラーとなるまでの10年間のお話が並行しつつ、どちらのお話もエピローグへ向かって描かれていきます。
患者視点のお話は連作短編集のようで、また遙視点のお話は成長譚としても読むことができ、読み応えがありました。時代や視点が飛ぶのでちょっと混乱もしますが、両視点からのお話が読めておもしろいし、伏線もきっちり回収され、このお話の構成はとても好きです。
描かれる病は、小児がんだったり強迫性障害だったり産後鬱や若年性パーキンソン病などなど多岐にわたりますが、さすが現役の看護師さんなだけあって、医療の現状だったり主人公の心情だったりがとてもリアルでした。
すごく良かったので、ぜひ前川さんの他の作品も読んでみたいです。 -
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動物介在療法に携わるDI犬のスピカと、そのハンドラーの凪川遥が、横紋筋肉腫を患った5歳児、強迫性障害を抱える中学生、産後うつの患者や家族たちと向き合う。 それは、凪川自身の内面にも変化を起こし、やがて大きな決断をすることに。 動物介在療法を知るきっかけとなった同期との出会いとその後、育児放棄をした母とのこれから。
毎日ワンコに癒されているわたし
犬や猫、動物達に癒やしを求めている人は多いと思います。
作品に登場する患者さんの多くは精神的に病んだ人で治療への意欲がない状態です。
目を見て撫でて抱きしめて…
次に会う日(治療日)を楽しみにする。
病院のスタッフとなって働く犬がいるなんて知らない事ばかりで勉強になりました:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.
患者さん達の病気や家庭環境は辛い内容が多くて暗くなりがちな作品だけど、スピカの可愛さ、賢さ、前川さんの優しい文章で暖かくて素晴らしい作品になってます♪
ワンコ好きな方はぜひ\(//∇//)\