前川ほまれのレビュー一覧
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特殊清掃専門の会社で働くことになった主人公
特殊清掃といえば孤独死などの痕跡を現状復帰する業者さん。
身内があと数日発見が遅れていたら特殊清掃をお願いすることになる状況だったので、自身の気持ちの整理の意味合いも込めて読んだ。
死への向き合い方に考える場面も多く、主人公への共感はあまりなかったが全体的に暖かく優しい話だった。
描写は死の状況を必要以上に描くことなく淡々としている。
それでもどういう状態のお部屋なのかが手に取るように伝わる。
その人が生きていた痕跡は掃除するとなくなる、でも確かに生活していた場所がここにある
遺品のことを「誰かのたったひとつの生活のかけら」という表現はよかった。 -
Posted by ブクログ
物語の前半、ヤングケアラーたちの置かれた環境の描写は、あまりにも詳細で、そして容赦がない。
家庭の中に「母親」という機能が存在しない絶望。
精神的な病に罹っていたり、依存症だったり、あるいは亡くなっていたり。10代の彼らが、親の「親」にならざるを得ない逆転現象と、終わりの見えない介護の泥沼。
それは決して美談などではなく、自由を奪われ、社会から切り離されていく「生存をかけた孤独な戦い」だった。
暗闇の中、3人に「大丈夫よ」と温かい手を差し伸べてくれた青葉さん。
けれど、彼女自身もまた、抱えきれない痛みを抱えていた。自分を削ってでも誰かを守ろうとする彼女の祈りが、どれほど3人の救いになり、そし -
Posted by ブクログ
この本で初めて知ったSOGI(ソジ)という言葉。
性的指向と性自認を指す言葉なのだそう。
今はLGBTQも認知され始めて、あからさまな差別も減ってきている気がするけど、まだまだ悪意のない差別や偏見は多く、当事者が精神疾患になることも多い。
この病院の支援医海野先生は、腫れ物に触るようになったりしがちなところ、セクシャルマイノリティであるとか精神疾患であるとかを取っ払って、人として接している。さらりと自然な対応が素晴らしいなと思った。
私自身、カミングアウトされたり…ということは今のところないのだけど、「在る」がままを受け止められる人でありたいなぁ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ精神科病棟のシーンの端々を少し感じさせてもらいながら、セクシャリティに関連したストレスを抱える人を対象とする診療のあり方を考えることができた。
また、セクシャリティだけでなく、この本では多くの社会的養護や親権、身近な人の死といった話題を取り扱っている。自身のセクシャリティを問うということは、深々と自分とはなにかとルーツをたどる作業になる。
アセクシャルでありながら暴力的に妊娠し出産した子を手放した女性にまつわる章がある。女性はその後、自分を責め、生きる資格がないと自傷行為をしている。海野先生は、「生まれた命を第一に考えた末に、手放せた勇気を褒めて良いんだよ」と腕に刻まれた言葉の傷痕に語り掛け -
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ヤングケアラー、東日本大震災、様々な重いテーマを内包した小説。作者は宮城県出身の看護師であるということで伝わってくる切迫感やリアリティが強い。
ヤングケアラーについては最近ちょっと話題になったし、物語を読んでいても感じたけど、これほど辛いことがあろうかという気持ち。
自分の現在、未来を犠牲にして家族の面倒を見ないといけない。逃げたくとも家族への情と責任があるから逃げることを自分自身が許せない。そうして疲れて追い詰められて‥。家族といえど、子供に背負わせるには大き過ぎる犠牲です。「いつかちゃんと、手を離しなさいね」という言葉の重みを感じました。
この本を読むことで考え方が変わった部分が確かに -
Posted by ブクログ
ネタバレ特殊清掃を通して成長していく主人公の物語
主人公はおバカで上面の優しさを本質と捉えてフラフラと生きている青年。わたしのとても苦手なタイプの人間
彼が、3ヶ月の子供を亡くした清掃会社の笹川さんと仕事を通して、死とは何か、死後何が残るのか、を学び成長してゆく。そして3ヶ月の娘を失った笹川さんの心と向き合っていく。
私は実際に主人公のような人がいたらとても苦手だ。自分の物差しで心に踏み入ってくる、そして自分の正義を振りかざしてこうあるべきというものを押し付けてくるような感覚
そこが終始売れ入れ難かった。成長はしているけれど、現実はそんな言葉を受け入れることなんてできないのではないか。
私は笹川さん