前川ほまれのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
色々な依存症の民間回復施設、セゾン・サンカンシオン。
アルコール、万引き、ギャンブル、覚せい剤、様々な依存症の人とその家族が描かれていて、読んでいてずっと苦しい。
依存症は病で意志やモラルでどうにかなるものではない。
アルコール依存症の人が再飲酒するのは病の症状であって、風邪をひいた時に咳や鼻水を出すなと言われても出来ないことと同じなのだそう。
「人を依存症にするのは、快楽じゃないよ。心身の痛みや、それぞれが感じている生きづらさが原因で依存症になっていくの」という言葉に、何も言えなくなる。
本人の辛さ、そして周りにいる家族の辛さ、それが痛いほどに伝わってくるので、読んでいるのが辛くて、最後まで読んで、もう二度と手に取りたくないと思ってしまった。
そこまで感じさせるので、きっと問題を訴える力のある作品なのだと思います。
なんとか自分の感想を絞り出すとすると…
依存症の人が、自分の人生を取り戻していけるように、寂しくない場所があるといいなと思う。そして、それが家族である必要はないと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレスカイツリーを見上げる下町のかたすみに、
ひっそりと息づく商店街がありました。
それがー『明日町こんぺいとう商店街』
こんべいとうの角は、24個って知っていましたか?
戦後の焼跡に、24軒のお店が集まって歩きだしたこの小胆がは、
だから明日町こんぺいとう商店街。いつまでも味が変わらない。
ひとつとして同じ形がないこのお菓子には。
「商店街の永年の繁盛、お客様の健康長寿」を祈り、
「個性のある商店街づくり、店づくり、そして人づくり」という
願いが込められています。
さあ、今日も店がひらきます。
明日町商店街シリーズもこの本で第4弾です。
それぞれのお店の話を、違う作家さんが書かれているアンソロジー。
初めましての作家さんもあり、この本をきっかけにその作家さんの本を読むことも度々でした。
第4弾はこの7つの物語。
『サクマ手芸店』 寺地はるな
『ツルマキ履物店』 蛭田亜紗子
『川平金物店』 綾瀬まる
『~中古楽器・中古レコードの買取販売~ しゑなん堂』 芦原すなお
『インドカレー マーマレード』 前川ほまれ
『カフェスルス ~コアラちゃんの巻~』 大島真寿美
『おもちゃ屋「うさぎや」』 山本幸久
大島真寿美さんの『カフェスルス』は第2、第3巻にも登場しています。
”明日町こんぺいとう商店街”の中でもすきな作品の一つ。
初めましての作家さんは
蛭田亜紗子さん、芦原すなおさん、前川ほまれさん。
第4巻の中では、綾瀬まるさんの『川平金物店』と前川ほまれさんの『インドカレー マーマレード』が一番好みです。
ただ、1巻、2巻の方が面白かったかな… -
Posted by ブクログ
医局人事で仕方なく半年の期限を切って医療刑務所に登庁することになった精神科医・工藤守。そこには、税金で医療を施される受刑者たちの姿があった。
自らの過去のトラウマから、受刑者たちに複雑な思いを抱く彼は診療する受刑者に必ず聞くことば「今、被害者に対して何を思いますか」。
彼らの答えに絶望する工藤は、塀のそとでも貧困で満足な医療が受けられない人たちがいるなかで、受刑者に税金で医療を施すことへの疑問を隠さない。
彼らをあくまで「受刑者」として扱おうとする工藤と、「患者」として扱おうとする同僚医師たちとの違い。
そんななか、少年時代を共に過ごした男が移送され、20年ぶりに鉄格子越しの再開を果たす。最初は彼を避けていた工藤だが、いつしか彼を気に掛けるようになり、彼とのやり取りを通じて自らのトラウマと正面から向き合うこことになる。
刑務官・西川、同僚精神科医・神崎、内科医・愛内、それぞれの事情を抱えたものたちとの関わり、そして受刑者たちとのやり取りのなかで工藤が最後に至った境地とは・・・
受刑者への医療についての感情は、正直私も工藤と同じだった。矯正医官の不足、ただで医療を受けたいために罪を犯して塀のなかに入ってくる受刑者、犯した罪への反省もなくのうのうと医療を施される受刑者・・・矯正医療の抱えるさまざまな問題が浮き彫りにされるなか、それでも揺るがない理念。「矯正」の観点から施される医療の目的。
自分自身と深く向き合い、被害者の痛みに思いを馳せる時間が、病で塗りつぶされないようにするために、受刑者は健康でなければならないということ。
最後はちょっとウルっと来て、色んな意味で考えさせられる作品でした。