前川ほまれのレビュー一覧

  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング

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    思わぬ拾い物。と言ったら失礼かもしれないが、読み進むにつれて心温まり、主人公の航を応援しその成長に感動する自分がいた。

    ひょんなことから特殊清掃専門の会社で働くことになった航だが、最初はその凄惨な現場にたじろぐ。その現場はまさにスプラッター。しかし経験を積むうちに、他人の死を通して自分に近しい人に本当に向き合い、人と関わる事ができる様になる。まさに成長小説。

    この特殊な状況を作品に取り込む事を思いついた時点で、作者は宝の山を引き当てたかもしれない。

    まだまだ、この先どう展開するのかと分からなかったり、過去が気になる人物もいるので、是非続編を期待したい。

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    2024年04月21日
  • 藍色時刻の君たちは

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    まず第一部が苦しい。
    作品紹介に「3人は周囲の介護についての無理解に苦しめられ」とあるが、そういわれてしまえば、私自身も苦しめる側の無理解な人間だと思うし、読みながら自分の無力さと、小羽たちの重い日常と色々考えて、どんどん辛くなった。

    そして第二部は震災後の苦しみ。
    こちらもやはり、同じ経験をした者にしか心を開くことが難しいように思える…
    そもそも私が理解したいとか、寄り添いたいとか思うのは傲慢なのかもしれないなんて思ってしまったり…。

    本当に難しい。

    でも苦しみが少しでも癒えて欲しいと願う。
    この物語の中で、小羽たちは青葉さんとの出会いで救われ、青葉さん自身も、この三人との出会いに救わ

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    2024年03月23日
  • 藍色時刻の君たちは

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    ヤングケアラーという問題と被災者のメンタルヘルスの問題。大きな2つの問題について描かれた小説だ。両方ともあまりに大きな問題なので、両方詰め込むのはお腹いっぱいになりそうだが、ちゃんと整理されていて読みやすかった。

    統合失調症の母を持つ小羽、双極性障害の祖母を持つ航平、アルコール依存症の母と幼い弟をもつ凛子。これでもかというほど苦難の連続でいっぱいいっぱいになりながら、現実から逃げることも許されずに頑張るしかなかった彼らに、手を差し伸べる青葉。
    震災があって3人ともヤングケアラーではなくなった。ヤングケアラーではなくなったが震災は彼らに大きなしこりを残していった。

    震災前の彼らの生活は、読ん

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    2024年03月21日
  • セゾン・サンカンシオン

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    母と子とか姉と妹の関係とか、読んでいて心がチクチクした。
    愛情を感じたい、愛したいのに依存症に阻まれてゆがんでしまう、そんな関係がとてももどかしかった。
    悲しい結末もあるけれど、それでも本人や周りの人が前を向いて歩いて行けたらいいのにと思った。

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    2024年02月24日
  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング

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    特殊清掃という仕事があることは、なんとなく知っていた。最初のうちは主人公と同様、その惨状に吐き気をもよおし、読むのがしんどかった。

    もしかしたら自分もこんな業者さんにお世話になることもあるのかしら、できたら死んでからまで迷惑かけたくないなと考えたり。

    彼らの仕事は死の跡を消すこと。まるで何もなかったかのように綺麗に磨き上げる。
    遺品整理しかり個人の痕跡を消すことは悲しく辛いことのように思えたけれど、死をテーマにして、どのように生きるかを考えさせられた。

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    2024年02月20日
  • 藍色時刻の君たちは

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    作者の前川さんは、現役の看護師だけあって、医療関係の記述は疎かにせず、事細かく書き込まれてますが、読者にも呑み込みやすいように、表現を噛み砕く工夫があっても良かったと思います

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    2024年02月17日
  • 藍色時刻の君たちは

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    物語は子を殺した誰かが、裁判所で裁かれている所から始まる。一転、高2の三人の生活が描かれて行く。織月小羽は母が統合失調症。父は離婚して側にいない。航平は祖母が双極性障害。母は幼い頃亡くなっている。凛子の母はアルコール依存症で幼い弟がいる。父は家族に暴力を振るうような人で、耐えていた母は離婚した後、依存症になった。最初に三人の日常が丁寧に綴られていき、抱えている鬱憤や諦念のようなものが十分に共感させられる。そこに、近くの中華料理店になにやら訳ありそうな青葉という女性が来て、同じ高校で親しくしている三人とそれぞれ関わり始める。そんな日常を襲う東日本大震災。
    後半は震災を経て日常が一変し、離ればなれ

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    2024年02月12日
  • シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎

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    夜去医療刑務所は、病院の機能に重きを置いた矯正施設。
    半年後、新設予定の刑務所に合併される。
    そこへ登庁することになった精神科医の工藤。
    罪を犯した者へ医療を提供することに抵抗を覚える。
    しかし、受刑者の中に幼馴染がいることがわかり
    彼と関わることで工藤の思いも変わっていく。

    少しずつ、気持ちが解けていく過程が丁寧に描かれる。
    重くなりがちなテーマだが
    海岸線、向日葵など、描かれている自然を頭の中に思い浮かべ
    ほっとひと息つくことができる。

    工藤と幼馴染の対話劇が心に静かな広がりをみせる。
    今作も読み応えありだった。

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    2024年02月07日
  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング

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    特殊清掃…亡くなった跡を消す仕事。
    人が亡くなったら腐ってくるということはんかっていたが、腐敗液になるということや、死後に残された部屋がどうなるもんなのかはあまり想像したこともなかった。
    知らない世界を覗いたような感覚と、その仕事をしている人たちの話もよかった。

    個人的には楓ちゃんとの恋花とか、友人A武田の就活のその後とかをスピンオフで読んでみたいと思った。

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    2023年12月16日
  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング

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    特殊清掃専門っていう仕事知らなかった
    でも ないと困る職種だなぁと
    自分がもし急に倒れたりして…
    仕事が休みで…
    連休だったら?夏だったら?
    その時猫たちは?
    とか死について色々考えさせられた

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    2023年12月15日
  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング

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     特殊清掃。
     自殺のほか、孤独死などで汚れた部屋や現場を片付けることを専門とする仕事だ。

     東北から上京したものの、将来への展望も持てないままフリーターとして生活していた青年が、特殊清掃の仕事を通して成長していくさまを描いたヒューマンドラマ。
     第7回ポプラ社小説新人賞受賞作。
              ◇
     喪服姿の浅井航は疲れていた。故郷で孤独死した祖母の葬儀に参列し、東京に帰ってきたばかりだ。遅くに東京駅に着いた航は祖母を偲んで献杯すべく、以前から気になっていた小料理屋に入った。

     カウンター奥にいた喪服姿の先客に声をかけられ一緒に飲むことになった航だが、その先客こそ、特殊清掃専門会社デ

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    2023年08月19日
  • シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎

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    この作家さん、看護師なんや…
    なので、医療の事詳しいんかな?
    医療刑務所って、複雑やな…
    何で、罪を犯した人を国民の税金使ってまで、治療せなあかんねん…とか…
    この主人公の精神科医 工藤さんもそんな感じ…
    でも、自分の罪と本当に向かい合うには、病に侵されたままではあかんのかもね。
    更に、精神科なんで…

    でも、主人公も、旧友の罪人も、同僚の先生方も他の人も何か訳ありな人ばかり…
    なんぼなんでも、こんなに辛い過去とかある人ばかりで構成したら、逆にそれだけで病みそうな気が…(−_−;)
    周りが闇過ぎて…
    自身の不幸とか、言えん…
    そんな事で悩んでんの!って怒られそう。
    刑務所には、そんな人ばかり集

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    2023年08月17日
  • セゾン・サンカンシオン

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    アルコールやギャンブル、窃盗などの依存症に苦しむ女性達とその民間療養施設、セゾン サンカンシオンの物語。

    初めて知る依存症の現実ばかりだった。「再飲酒は風邪の時の鼻水のようなもの」「完治はしない」「回復を続ける」という表現に、この「病気」の難しさと当人の苦しみを感じだ。

    そうなるには、皆大きすぎる悲しみや辛い体験を抱えている。だからこそ人の温もりが回復のための大きな力になるのだろう。物語の最後に希望の光が見えて救われる。

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    2023年08月07日
  • セゾン・サンカンシオン

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    前川ほまれさんの新刊 児童書を読みたいと思い、初作家さんはどんな本を書いているのか知りたくて手に取った本。
    アルコールや薬物、ギャンブルなど依存症の人達とその家族、療養所のセゾン・サンカンシオンと指導員の塩塚さんの話。
    依存症は周りの理解が難しいこと、本人の辛さ、詳しく書かれて、暗く深い内容に何度も挫折しそうになりながら、でも読まない選択ができない本でした。

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    2023年07月23日
  • シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎

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    なぜ工藤はこんなに頑ななんだと、偏見に満ち溢れているのだと、思いながら読み進めた。医療刑務所という場所の異様さ、受刑者たちの事情、罪と向き合うということ、彼らを診る医者や看護師たちの思い。取材を重ねて描かれたであろう本作はリアルで、重かった。

    p.202 「私、思うんです。誰かと向き合う時って、愛情優しさだけじゃダメだって。ときには、嫌悪やもどかしさも必要です。この波と同じように、ときには近づいて、ときには離れて。その繰り返しの中で、相手を知っていくんです」

    p.322 「工藤先生が、滝沢さんに厳しい言葉を伝えている時、先生の瞳が少しだけ潤んでいるんですよ。誰かを本気で叱る時って、意外

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    2023年02月07日
  • セゾン・サンカンシオン

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    様々な依存症の女性達が暮らす民間施設セゾン・サンカンシオン
    依存症になってしまった女性達と家族の物語。
    第5章のタイトル 三寒四温を目にしてようやくセゾン・サンカンシオンと結びついた。

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    2023年01月04日
  • シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎

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    1.羽根と体温/ 2.動物たちの咆哮 / 3.下を向いて / 4.檸檬の夜 / 5.塀の中の子ども / エピローグ

    医療刑務所では無料で医療を受けられることは知らなかったです。
    とても重いテーマだったけれどこの作品を読めて本当に良かった。
    また、参考文献の量が多かったので著者の努力を感じました。

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    2022年10月01日
  • シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎

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    医療刑務所で治療に当たる医師が、「受刑者に(国民の税金を使って)医療を提供することは正しいのか?」という悩みを抱きつつ、刑務所での勤務を始めるところから物語は始まります。
    半年という限られた期間だから、という理由で勤務を引き受けた工藤医師でしたが、通常の病院と同じように治療をしたり緩和ケアをしたりする同僚に不信感を抱いたり、精神疾患からくる症状も相まって被害者への悔恨の情を抱かない受刑者に嫌悪感を抱いたりと、精神的に負担を感じながらの勤務が続く中、幼なじみが収監されてきます。
    幼なじみとの再会を通して、悩みはさらに深まり、工藤医師自身の過去の「キズ」も明かされることになります。

    幼なじみに会

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    2022年05月19日
  • セゾン・サンカンシオン

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    岡本歌織さんの装丁から。なんらかの依存性を抱えた人たちが暮らすセゾンサンカンシオン。三寒四温の言葉どおり、依存性との戦いは一歩ずつ。ぐっとくる小説だった。

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    2022年03月08日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    スカイツリーを見上げる下町の片隅にある商店街の物語、第4弾。
    戦後の焼跡に24軒集まって始まった商店街ということだったけれど、今では80軒近くの店があるという。
    毎回、冒頭に地図が載っているけれど、その本に載っている短編のタイトルのお店だけなので、これは・・・あの物語のお店の場所なのだが・・・と迷ってしまう。
    今回の桜さんのように、お店を出て歩きながら紹介してくれると、ふむふむ、川平金物店は、水沢文具店の向かって左隣なのだな?とわかって嬉しい。
    今までに登場した、全部のお店が載った大きな地図が見たいなあ〜

    老朽化した二階建てで、一階がお店で二階が住居という作りが多い。
    看板も古い言葉で、若い

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    2022年03月02日