前川ほまれのレビュー一覧
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物語は子を殺した誰かが、裁判所で裁かれている所から始まる。一転、高2の三人の生活が描かれて行く。織月小羽は母が統合失調症。父は離婚して側にいない。航平は祖母が双極性障害。母は幼い頃亡くなっている。凛子の母はアルコール依存症で幼い弟がいる。父は家族に暴力を振るうような人で、耐えていた母は離婚した後、依存症になった。最初に三人の日常が丁寧に綴られていき、抱えている鬱憤や諦念のようなものが十分に共感させられる。そこに、近くの中華料理店になにやら訳ありそうな青葉という女性が来て、同じ高校で親しくしている三人とそれぞれ関わり始める。そんな日常を襲う東日本大震災。
後半は震災を経て日常が一変し、離ればなれ -
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統合失調症の母をもつ小羽、母がアルコール依存症で幼い弟の面倒もみる凛子、躁うつ病の祖母を介護する航平の3人の高校生。似た境遇ゆえ夫々の置かれた状況をお互いに理解し合える友達である所謂ヤングケアラーであるこの3人に、東京から来た十程歳上の青葉さんは寄り添い、サポート、アドバイスをする中で、理解し合える様になってきた矢先に東日本大震災の津波に襲われてしまうという、なんとも切ない第一部。
第二部は、その12年後に彼らが再会し、青葉さんの実相に辿り着くという流れ。
家族の面倒をみる高校生達の本音であろう部分が変に感傷的ではなく淡々と描かれていると感じる。ラスト間際の、青葉さんが小羽の母親をおんぶして津 -
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特殊清掃。
自殺のほか、孤独死などで汚れた部屋や現場を片付けることを専門とする仕事だ。
東北から上京したものの、将来への展望も持てないままフリーターとして生活していた青年が、特殊清掃の仕事を通して成長していくさまを描いたヒューマンドラマ。
第7回ポプラ社小説新人賞受賞作。
◇
喪服姿の浅井航は疲れていた。故郷で孤独死した祖母の葬儀に参列し、東京に帰ってきたばかりだ。遅くに東京駅に着いた航は祖母を偲んで献杯すべく、以前から気になっていた小料理屋に入った。
カウンター奥にいた喪服姿の先客に声をかけられ一緒に飲むことになった航だが、その先客こそ、特殊清掃専門会社デ -
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この作家さん、看護師なんや…
なので、医療の事詳しいんかな?
医療刑務所って、複雑やな…
何で、罪を犯した人を国民の税金使ってまで、治療せなあかんねん…とか…
この主人公の精神科医 工藤さんもそんな感じ…
でも、自分の罪と本当に向かい合うには、病に侵されたままではあかんのかもね。
更に、精神科なんで…
でも、主人公も、旧友の罪人も、同僚の先生方も他の人も何か訳ありな人ばかり…
なんぼなんでも、こんなに辛い過去とかある人ばかりで構成したら、逆にそれだけで病みそうな気が…(−_−;)
周りが闇過ぎて…
自身の不幸とか、言えん…
そんな事で悩んでんの!って怒られそう。
刑務所には、そんな人ばかり集 -
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なぜ工藤はこんなに頑ななんだと、偏見に満ち溢れているのだと、思いながら読み進めた。医療刑務所という場所の異様さ、受刑者たちの事情、罪と向き合うということ、彼らを診る医者や看護師たちの思い。取材を重ねて描かれたであろう本作はリアルで、重かった。
p.202 「私、思うんです。誰かと向き合う時って、愛情優しさだけじゃダメだって。ときには、嫌悪やもどかしさも必要です。この波と同じように、ときには近づいて、ときには離れて。その繰り返しの中で、相手を知っていくんです」
p.322 「工藤先生が、滝沢さんに厳しい言葉を伝えている時、先生の瞳が少しだけ潤んでいるんですよ。誰かを本気で叱る時って、意外 -
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医療刑務所で治療に当たる医師が、「受刑者に(国民の税金を使って)医療を提供することは正しいのか?」という悩みを抱きつつ、刑務所での勤務を始めるところから物語は始まります。
半年という限られた期間だから、という理由で勤務を引き受けた工藤医師でしたが、通常の病院と同じように治療をしたり緩和ケアをしたりする同僚に不信感を抱いたり、精神疾患からくる症状も相まって被害者への悔恨の情を抱かない受刑者に嫌悪感を抱いたりと、精神的に負担を感じながらの勤務が続く中、幼なじみが収監されてきます。
幼なじみとの再会を通して、悩みはさらに深まり、工藤医師自身の過去の「キズ」も明かされることになります。
幼なじみに会 -
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スカイツリーを見上げる下町の片隅にある商店街の物語、第4弾。
戦後の焼跡に24軒集まって始まった商店街ということだったけれど、今では80軒近くの店があるという。
毎回、冒頭に地図が載っているけれど、その本に載っている短編のタイトルのお店だけなので、これは・・・あの物語のお店の場所なのだが・・・と迷ってしまう。
今回の桜さんのように、お店を出て歩きながら紹介してくれると、ふむふむ、川平金物店は、水沢文具店の向かって左隣なのだな?とわかって嬉しい。
今までに登場した、全部のお店が載った大きな地図が見たいなあ〜
老朽化した二階建てで、一階がお店で二階が住居という作りが多い。
看板も古い言葉で、若い