前川ほまれのレビュー一覧

  • 藍色時刻の君たちは

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    一気に読ませられた。かなりボリュームあるけど、読んでしまう。

    ヤングケアラー、震災遺児、に反応してしまう場合は気をつけて読んだ方がいいと思うくらい、かなり人物の気持ちが四方八方から飛び込んでくる感じ。

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    2024年07月09日
  • セゾン・サンカンシオン

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    「セゾン・サンカンシオン」は
    依存症患者が集まり回復を目指す施設。

    アルコール、ギャンブル、窃盗症、薬物依存。
    P244
    〈依存症は病気です。誰にでも発症する可能性があります〉
    苦痛を抱え生きて行く。
    周りの者たちが寄り添うだけでは解決しない。
    しっかりとした治療が必要だ。

    淡々とストーリーは進んでいく。
    それだからこそ依存症から抜け出すことが
    どれほど困難なことなのかわかる。

    巻末の参考文献のリストの多さに驚く。
    前川さんから届けられたこの一冊を手に
    知ること、そこから始めるのが第一歩なのかもしれない。

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    2024年05月07日
  • 藍色時刻の君たちは

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     社会問題として認識されながら、潜伏して表面化しにくいヤングケアラー。かつて、ヤングケアラーとして苦しんだある女性と、いま(設定は2011年の震災前後)ヤングケアラーとして苦労している高校生男女3人の交流を描いた物語。
     頑張りすぎて、助けを求められない高校生たちに、声をあげて良いんだよ、と優しく寄り添ってきた女性は津波にさらわれてしまう。
     そして、10年が経ち女性と同じ歳に達した彼等が気付きはじめた女性の思い。
     山田風太郎賞って、もっとエンタメ色強い賞だと思っていたけれど、こんな重いテーマでも受賞するんだね。
     泣きはしないけど、感動的な話ではある。こういうのを有名なインフルエンサーは紹

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    2024年04月30日
  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング

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    思わぬ拾い物。と言ったら失礼かもしれないが、読み進むにつれて心温まり、主人公の航を応援しその成長に感動する自分がいた。

    ひょんなことから特殊清掃専門の会社で働くことになった航だが、最初はその凄惨な現場にたじろぐ。その現場はまさにスプラッター。しかし経験を積むうちに、他人の死を通して自分に近しい人に本当に向き合い、人と関わる事ができる様になる。まさに成長小説。

    この特殊な状況を作品に取り込む事を思いついた時点で、作者は宝の山を引き当てたかもしれない。

    まだまだ、この先どう展開するのかと分からなかったり、過去が気になる人物もいるので、是非続編を期待したい。

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    2024年04月21日
  • 藍色時刻の君たちは

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    まず第一部が苦しい。
    作品紹介に「3人は周囲の介護についての無理解に苦しめられ」とあるが、そういわれてしまえば、私自身も苦しめる側の無理解な人間だと思うし、読みながら自分の無力さと、小羽たちの重い日常と色々考えて、どんどん辛くなった。

    そして第二部は震災後の苦しみ。
    こちらもやはり、同じ経験をした者にしか心を開くことが難しいように思える…
    そもそも私が理解したいとか、寄り添いたいとか思うのは傲慢なのかもしれないなんて思ってしまったり…。

    本当に難しい。

    でも苦しみが少しでも癒えて欲しいと願う。
    この物語の中で、小羽たちは青葉さんとの出会いで救われ、青葉さん自身も、この三人との出会いに救わ

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    2024年03月23日
  • 藍色時刻の君たちは

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    ヤングケアラーという問題と被災者のメンタルヘルスの問題。大きな2つの問題について描かれた小説だ。両方ともあまりに大きな問題なので、両方詰め込むのはお腹いっぱいになりそうだが、ちゃんと整理されていて読みやすかった。

    統合失調症の母を持つ小羽、双極性障害の祖母を持つ航平、アルコール依存症の母と幼い弟をもつ凛子。これでもかというほど苦難の連続でいっぱいいっぱいになりながら、現実から逃げることも許されずに頑張るしかなかった彼らに、手を差し伸べる青葉。
    震災があって3人ともヤングケアラーではなくなった。ヤングケアラーではなくなったが震災は彼らに大きなしこりを残していった。

    震災前の彼らの生活は、読ん

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    2024年03月21日
  • セゾン・サンカンシオン

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    母と子とか姉と妹の関係とか、読んでいて心がチクチクした。
    愛情を感じたい、愛したいのに依存症に阻まれてゆがんでしまう、そんな関係がとてももどかしかった。
    悲しい結末もあるけれど、それでも本人や周りの人が前を向いて歩いて行けたらいいのにと思った。

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    2024年02月24日
  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング

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    特殊清掃という仕事があることは、なんとなく知っていた。最初のうちは主人公と同様、その惨状に吐き気をもよおし、読むのがしんどかった。

    もしかしたら自分もこんな業者さんにお世話になることもあるのかしら、できたら死んでからまで迷惑かけたくないなと考えたり。

    彼らの仕事は死の跡を消すこと。まるで何もなかったかのように綺麗に磨き上げる。
    遺品整理しかり個人の痕跡を消すことは悲しく辛いことのように思えたけれど、死をテーマにして、どのように生きるかを考えさせられた。

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    2024年02月20日
  • 藍色時刻の君たちは

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    作者の前川さんは、現役の看護師だけあって、医療関係の記述は疎かにせず、事細かく書き込まれてますが、読者にも呑み込みやすいように、表現を噛み砕く工夫があっても良かったと思います

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    2024年02月17日
  • 藍色時刻の君たちは

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    物語は子を殺した誰かが、裁判所で裁かれている所から始まる。一転、高2の三人の生活が描かれて行く。織月小羽は母が統合失調症。父は離婚して側にいない。航平は祖母が双極性障害。母は幼い頃亡くなっている。凛子の母はアルコール依存症で幼い弟がいる。父は家族に暴力を振るうような人で、耐えていた母は離婚した後、依存症になった。最初に三人の日常が丁寧に綴られていき、抱えている鬱憤や諦念のようなものが十分に共感させられる。そこに、近くの中華料理店になにやら訳ありそうな青葉という女性が来て、同じ高校で親しくしている三人とそれぞれ関わり始める。そんな日常を襲う東日本大震災。
    後半は震災を経て日常が一変し、離ればなれ

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    2024年02月12日
  • シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎

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    夜去医療刑務所は、病院の機能に重きを置いた矯正施設。
    半年後、新設予定の刑務所に合併される。
    そこへ登庁することになった精神科医の工藤。
    罪を犯した者へ医療を提供することに抵抗を覚える。
    しかし、受刑者の中に幼馴染がいることがわかり
    彼と関わることで工藤の思いも変わっていく。

    少しずつ、気持ちが解けていく過程が丁寧に描かれる。
    重くなりがちなテーマだが
    海岸線、向日葵など、描かれている自然を頭の中に思い浮かべ
    ほっとひと息つくことができる。

    工藤と幼馴染の対話劇が心に静かな広がりをみせる。
    今作も読み応えありだった。

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    2024年02月07日
  • 藍色時刻の君たちは

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    統合失調症の母をもつ小羽、母がアルコール依存症で幼い弟の面倒もみる凛子、躁うつ病の祖母を介護する航平の3人の高校生。似た境遇ゆえ夫々の置かれた状況をお互いに理解し合える友達である所謂ヤングケアラーであるこの3人に、東京から来た十程歳上の青葉さんは寄り添い、サポート、アドバイスをする中で、理解し合える様になってきた矢先に東日本大震災の津波に襲われてしまうという、なんとも切ない第一部。
    第二部は、その12年後に彼らが再会し、青葉さんの実相に辿り着くという流れ。
    家族の面倒をみる高校生達の本音であろう部分が変に感傷的ではなく淡々と描かれていると感じる。ラスト間際の、青葉さんが小羽の母親をおんぶして津

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    2024年01月18日
  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング

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    特殊清掃…亡くなった跡を消す仕事。
    人が亡くなったら腐ってくるということはんかっていたが、腐敗液になるということや、死後に残された部屋がどうなるもんなのかはあまり想像したこともなかった。
    知らない世界を覗いたような感覚と、その仕事をしている人たちの話もよかった。

    個人的には楓ちゃんとの恋花とか、友人A武田の就活のその後とかをスピンオフで読んでみたいと思った。

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    2023年12月16日
  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング

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    特殊清掃専門っていう仕事知らなかった
    でも ないと困る職種だなぁと
    自分がもし急に倒れたりして…
    仕事が休みで…
    連休だったら?夏だったら?
    その時猫たちは?
    とか死について色々考えさせられた

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    2023年12月15日
  • 跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング

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     特殊清掃。
     自殺のほか、孤独死などで汚れた部屋や現場を片付けることを専門とする仕事だ。

     東北から上京したものの、将来への展望も持てないままフリーターとして生活していた青年が、特殊清掃の仕事を通して成長していくさまを描いたヒューマンドラマ。
     第7回ポプラ社小説新人賞受賞作。
              ◇
     喪服姿の浅井航は疲れていた。故郷で孤独死した祖母の葬儀に参列し、東京に帰ってきたばかりだ。遅くに東京駅に着いた航は祖母を偲んで献杯すべく、以前から気になっていた小料理屋に入った。

     カウンター奥にいた喪服姿の先客に声をかけられ一緒に飲むことになった航だが、その先客こそ、特殊清掃専門会社デ

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    2023年08月19日
  • シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎

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    この作家さん、看護師なんや…
    なので、医療の事詳しいんかな?
    医療刑務所って、複雑やな…
    何で、罪を犯した人を国民の税金使ってまで、治療せなあかんねん…とか…
    この主人公の精神科医 工藤さんもそんな感じ…
    でも、自分の罪と本当に向かい合うには、病に侵されたままではあかんのかもね。
    更に、精神科なんで…

    でも、主人公も、旧友の罪人も、同僚の先生方も他の人も何か訳ありな人ばかり…
    なんぼなんでも、こんなに辛い過去とかある人ばかりで構成したら、逆にそれだけで病みそうな気が…(−_−;)
    周りが闇過ぎて…
    自身の不幸とか、言えん…
    そんな事で悩んでんの!って怒られそう。
    刑務所には、そんな人ばかり集

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    2023年08月17日
  • セゾン・サンカンシオン

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    アルコールやギャンブル、窃盗などの依存症に苦しむ女性達とその民間療養施設、セゾン サンカンシオンの物語。

    初めて知る依存症の現実ばかりだった。「再飲酒は風邪の時の鼻水のようなもの」「完治はしない」「回復を続ける」という表現に、この「病気」の難しさと当人の苦しみを感じだ。

    そうなるには、皆大きすぎる悲しみや辛い体験を抱えている。だからこそ人の温もりが回復のための大きな力になるのだろう。物語の最後に希望の光が見えて救われる。

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    2023年08月07日
  • セゾン・サンカンシオン

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    前川ほまれさんの新刊 児童書を読みたいと思い、初作家さんはどんな本を書いているのか知りたくて手に取った本。
    アルコールや薬物、ギャンブルなど依存症の人達とその家族、療養所のセゾン・サンカンシオンと指導員の塩塚さんの話。
    依存症は周りの理解が難しいこと、本人の辛さ、詳しく書かれて、暗く深い内容に何度も挫折しそうになりながら、でも読まない選択ができない本でした。

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    2023年07月23日
  • シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎

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    なぜ工藤はこんなに頑ななんだと、偏見に満ち溢れているのだと、思いながら読み進めた。医療刑務所という場所の異様さ、受刑者たちの事情、罪と向き合うということ、彼らを診る医者や看護師たちの思い。取材を重ねて描かれたであろう本作はリアルで、重かった。

    p.202 「私、思うんです。誰かと向き合う時って、愛情優しさだけじゃダメだって。ときには、嫌悪やもどかしさも必要です。この波と同じように、ときには近づいて、ときには離れて。その繰り返しの中で、相手を知っていくんです」

    p.322 「工藤先生が、滝沢さんに厳しい言葉を伝えている時、先生の瞳が少しだけ潤んでいるんですよ。誰かを本気で叱る時って、意外

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    2023年02月07日
  • セゾン・サンカンシオン

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    様々な依存症の女性達が暮らす民間施設セゾン・サンカンシオン
    依存症になってしまった女性達と家族の物語。
    第5章のタイトル 三寒四温を目にしてようやくセゾン・サンカンシオンと結びついた。

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    2023年01月04日