あらすじ
気ままなフリーター生活を送る浅井航は、ひょんなことから飲み屋で知り合った笹川啓介の会社「デッドモーニング」で働くことになる。そこは、孤立死や自殺など、わけありの死に方をした人たちの部屋を片付ける、特殊清掃専門の会社だった。死の痕跡がありありと残された現場に衝撃を受け、失敗つづきの浅井だが、飄々としている笹川も何かを抱えているようで――。 生きることの意味を真摯なまなざしで描き出す感動作!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
大変仕事があるなぁと思いました。(大変じゃない仕事はないけど)
いろんな事情で亡くなった方の最後のお掃除 心を込めて丁寧に扱ってくれると嬉しいですよね
Posted by ブクログ
俺が飛び込んだのは、
わけありの死に方をした人達の部屋を片付ける会社だった――
選考委員の満場一致で選ばれた、
第7回ポプラ社小説新人賞受賞作!
良い内容だった・・・悲しい死報われない死・・・それを取り巻く人たちが少しずついい人で救われた。バイト君は少々生意気だけど(笑)
Posted by ブクログ
死んだら終わり…か…
そういう考え方を否定するつもりもないし、ある意味そうかもしれん。
でもなぁ…それも寂しい気もする。
確かに死んでしまったら、それまでかもしれんけど、今まで、何とか生きた!って誰かには分かって欲しいと思ってしまう。
まぁ、自分が死んでしまったら、分かるも何もないかもしれんけど。
特殊清掃ってのは知ってたけど、凄い現場!
死に方も色々やけど、特殊清掃に依頼されるんやから、病院とかやなく、家とかで、看取られる事なく、亡くなった方の跡を消す。
孤独死とか、自殺とかやけど、何か、居た堪れんな。
こんな壮絶な死と向かい合ってこなす仕事ってハード。多分、私にはできんかもしれん。興味本位で出来る仕事ではないわ。別に心霊現象とかなくても。
こういう仕事に、偶然、出会って、それで成長する浅井くん。本人の今までの生き方は、クラゲを目指してたのに…
私は、クラゲ的なのに憧れてしまうけど。
仕事を通じて、成長して行く話は良くあるけど、職業が…異色!
色んな現場で、色んな死を目の当たりにして、それぞれの生き様を見て…何を思うんやろ?
私なら、多分、頭空っぽになる(^◇^;)
笹川さんも何とか乗り越えられたし、ハッピーエンド!
私もいずれお迎えが来る…
どんな形になるんやろ…
清掃をお願いする事になっても、そのお代ぐらいは残しておきたい…
興味本位で出来る仕事ではないと言いながら、興味本位で読んだ本作!
重いけど、一気読みでした〜(^_^)v
Posted by ブクログ
mourning=喪中、哀悼。morning=朝。どちらもカタカナ表記だとモーニング。会社名が『デッドモーニング』なのは、この2つの言葉をかけているのかな、と思いつつ、読み進めた。作中では『朝』の方だけ出てくるけれど、『朝』を迎えることの尊さ、きらめき…読んでて、生きることの、生きるためのエネルギーを浴びたような気がする。
Posted by ブクログ
特殊清掃。
死んでしまった方の家の掃除をするお仕事。
職業について知ってはいたのですが、想像以上に酷い状態の家も対応されるのだなと。
警察関連で亡くなった方の清掃の部があって遺体を運んだ後に多少の清掃を行なっているのかなと勝手に思ってました...
特に最後のお家の話は描写は控えつつも、かなりグロテスクな状態だったのではないかと読み取ることができました。
こういった職で働いてくださる方々に本当に頭が上がらないです。
物語の中で私が一番好きな人物は望月さん。
暗い会社内でも明るく、気を利かせながらも気を利かせている感じを決して出さないムードメーカー的な存在。
中盤、あまりにも悲しすぎて泣きながら読んでしまいました。まるでドラマを観ているような情景文に引き込まれました。ラストとても良かったです。
Posted by ブクログ
死というものについて深く考えるきっかけになった作品。読む前は死を全ての終わりとして一括りに考えていたが、そうではないと気づくことができた。全体的に重い話だが読んで良かったと思える。
Posted by ブクログ
思わぬ拾い物。と言ったら失礼かもしれないが、読み進むにつれて心温まり、主人公の航を応援しその成長に感動する自分がいた。
ひょんなことから特殊清掃専門の会社で働くことになった航だが、最初はその凄惨な現場にたじろぐ。その現場はまさにスプラッター。しかし経験を積むうちに、他人の死を通して自分に近しい人に本当に向き合い、人と関わる事ができる様になる。まさに成長小説。
この特殊な状況を作品に取り込む事を思いついた時点で、作者は宝の山を引き当てたかもしれない。
まだまだ、この先どう展開するのかと分からなかったり、過去が気になる人物もいるので、是非続編を期待したい。
Posted by ブクログ
特殊清掃という仕事があることは、なんとなく知っていた。最初のうちは主人公と同様、その惨状に吐き気をもよおし、読むのがしんどかった。
もしかしたら自分もこんな業者さんにお世話になることもあるのかしら、できたら死んでからまで迷惑かけたくないなと考えたり。
彼らの仕事は死の跡を消すこと。まるで何もなかったかのように綺麗に磨き上げる。
遺品整理しかり個人の痕跡を消すことは悲しく辛いことのように思えたけれど、死をテーマにして、どのように生きるかを考えさせられた。
Posted by ブクログ
特殊清掃…亡くなった跡を消す仕事。
人が亡くなったら腐ってくるということはんかっていたが、腐敗液になるということや、死後に残された部屋がどうなるもんなのかはあまり想像したこともなかった。
知らない世界を覗いたような感覚と、その仕事をしている人たちの話もよかった。
個人的には楓ちゃんとの恋花とか、友人A武田の就活のその後とかをスピンオフで読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
特殊清掃専門っていう仕事知らなかった
でも ないと困る職種だなぁと
自分がもし急に倒れたりして…
仕事が休みで…
連休だったら?夏だったら?
その時猫たちは?
とか死について色々考えさせられた
Posted by ブクログ
特殊清掃。
自殺のほか、孤独死などで汚れた部屋や現場を片付けることを専門とする仕事だ。
東北から上京したものの、将来への展望も持てないままフリーターとして生活していた青年が、特殊清掃の仕事を通して成長していくさまを描いたヒューマンドラマ。
第7回ポプラ社小説新人賞受賞作。
◇
喪服姿の浅井航は疲れていた。故郷で孤独死した祖母の葬儀に参列し、東京に帰ってきたばかりだ。遅くに東京駅に着いた航は祖母を偲んで献杯すべく、以前から気になっていた小料理屋に入った。
カウンター奥にいた喪服姿の先客に声をかけられ一緒に飲むことになった航だが、その先客こそ、特殊清掃専門会社デッドモーニング社長の笹川啓介だった。
5章とエピローグからなる。
* * * * *
特殊清掃や遺品整理と書かれた広告や看板を時々目にするので、そういう仕事があるというのは知っていました。
でも、これまでは地味な仕事だぐらいにしか認識していませんでした。たとえ自殺や孤独死があったとしても、警察や鑑識がある程度片付けるものだと思っていたからです。
だから、この仕事がここまで悲惨を極めると知って驚きました。
死体はないにしても、その痕跡ははっきり残っているはずです。何より腐臭がキツい。それが外に漏れないように戸も窓も閉め切っての作業。真夏であってもです。
残骸の感触もきっと怖気を振るうものでしょう。死体が溶け粘液化したものが床に溜まっている。それを拭き取る。おまけに大発生したハエやウジの残りがまだ蠢いていたりする。
自分ならとても耐えられません。こんな現場でも平気なのは赤堀涼子ぐらいでしょう。航はよく踏みとどまれたものだと思います。
先の見えない行き当たりばったりな生活をしていた航。波に従って揺らめくクラゲのように適当に生きるのが理想だと嘯いていたけれど、内心ではそんな自分を不本意に感じていたのだと思います。いい加減に生きることは自分を粗末に扱っているのと同じだからです。電子手帳の読み上げ機能に背中を押してもらうしかない寂寥感。
我々は普段、生きているということを意識していません。だから「生」についても深く考えることはありません。
けれど、さまざまな「死」と向き合うことで「生」を自分なりにきちんと考えられるようになることに、航は気づいたのでしょう。
新生・浅井航を描く終盤。清掃会社社長の笹川の人生観を変えさせ、楓さんといい雰囲気になっていきそうな変わりようは出来すぎに思うけれど、「生」を見つめ、自身の生き方を模索し始めた航の姿にはエールを贈りたくなりました。
そして、航が電子手帳を必要としなくなったエピローグが実に印象的でした。
Posted by ブクログ
その人が死に至るまでの歴史、人が亡くなってデッドモーニングに依頼して跡を消していく現在。跡が消えた未来を丁寧に伝えてくださっていた1冊。特殊清掃という仕事は変な言い方だけど興味があって、今回読ませてもらった。生きていた人が死ぬこと、残された人たちのこれからの人生。様々な視点から描かれていて本当にいろんなことを考えさせてもらった。
Posted by ブクログ
死を見ることは生きるを見ること
誰1人同じ生き方が出来ないのと同じように
死に方だって違う。
跡を消す、なんか寂しいと思ったけど
精一杯人が生きた証と向き合うことだとも感じられた。
Posted by ブクログ
近頃は孤独死と言わず孤立死というのか。確かに孤立して死んでいても、孤独かどうかはわからない訳で。
話は極めてオーソドックス。笹川の立ち直りや社名変更、引っ越しまで分かりやす過ぎる展開だが、遺品整理をためらう浅井に「それじゃあ誰もサヨナラを言ってあげられないじゃないか」などたまに刺さる箇所も。
「悲しくないけど、ちょっとだけ寂しい」他人の死、わかる…
Posted by ブクログ
特殊清掃専門会社のお話。
わけありの死に方をした時に呼ばれるのは、救命士や消防士だということを聞いたことがあったのだけれど、その後のことはあまり考えたことがなかった。
医療従事者とはまた違う意味でメンタルが強くないと務まらないだろうなと思う。
望月さんの言葉が心に残った。
〝誰かが大切にしていることを、同じように大切にするって難しい〟
実体験でそう感じたことであったので、深いなと思う。
Posted by ブクログ
分かるなあ、笹川さんの気持ち
身軽になれば
大切なものがなければ
期待しなければ
生きていける
このフレーズ、共感しすぎて、グサッと来た
Posted by ブクログ
孤立死や自殺など、ワケアリの死に方をした人たちの部屋を片付ける、特殊清掃専門の会社「デッドモーニング」。
社長の笹川と、ひょんなことから出会い、働くことになったフリーターの浅井。
全体的には、若い雰囲気の仕事小説といった感じなのだが、特殊清掃という仕事がやはりすごいテーマだと思う。
人が溶ける、という表現はかなり強烈で…
でも、そうなんだなと改めて思い知らされた。
死の現場はそれぞれで、そこにはやはり、一人一人の生きてきた姿が映し出されている。
息子を持つ母としては、第二章の「悲しみの回路」が一番辛かった。
Posted by ブクログ
#booklog ひょんなことから特殊清掃会社でバイトする事になったフリーター青年のお話。
エピソードとしては特殊清掃系の本を読んだことがある人なら恐らく目にしたことがあるものが多目。
ポプラ文庫とあって読者年齢は10代半ば位に設定されているのかな?ちょっといかにもな言い回しに恥ずかしくなりました!!!!
Posted by ブクログ
週刊誌の記事でしか読んだことのない特殊清掃の現場が、人の内面まで踏み込む小説に。主人公の行動、失敗に「軽率だなぁ」と思うかもしれないが、きっと声にしないだけで誰しも心の中で同じことを思うだろう。私も思った。
さくっと読める、重くなりすぎずに触れられる作品。「死」については、他の作品も読んで改めて考えてみたい。
Posted by ブクログ
最終的にどう落とし込むのだろう、と思っていたが爽やかでいいエンディングでした。変に奇を衒う様な描写もなく、じんわりと心に染みる内容でした。再読は多分しないけど、いい本です。