無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
「人を依存症にするのは、快楽じゃないよ。
心身の痛みや、それぞれが感じている生きづらさが原因で依存症になっていくの」
アルコール依存症の母親をもつ柳岡千明は、退院後の母親が入所する施設「セゾン・サンカンシオン」へ見学に行く。そこは、様々な依存症に苦しむ女性たちが共同生活を行いながら、回復に向けて歩んでいくための場所だった。迷惑を掛けられてきた母親に嫌悪感を抱く千明だが、施設で同じくアルコール依存症を患っているパピコとの出会いから、母親との関係を見つめなおしていく――。
☆最高!最高!最高!☆読み終えた後、興奮してなかなか寝つけなかった。目を瞑るとシーンが瞼の裏に浮かんできて、自分のココロがグラグラ揺さぶられて、心をチクチク刺してくる。"全心"がストーリーで満たされて、酔ったような感覚が気持ち良い。以前に『シークレットペイン』を読んだ印象では、積極的にこの作家さんは追いかけないでおこう……と思っていたのだけど、その考えを改めることにした。これからこの作者をずっと追いかけていきたい、そう思った一冊。アルコールやニコチンを欲したことのある方なら共感できると思います。おすすめ!
Posted by ブクログ
アルコール、ギャンブル、薬物、万引き‥‥様々な依存症を抱える女性たちが共同で暮らしながら社会復帰を目指す場所「セゾン・サンカンシオン」。
そこで暮らす女たちがここに行き着くまでの経緯、依存を断ち切れず苦しむ今、そしてこれからへの小さな希望、彼女らが失ったものと彼女らを支え、または突き放す家族らの姿を描く5つの連作短編。
そして、章の合間に挟まれる一見関係なさそうなごく普通の家族の日常。ほんのちょっとした経緯で依存症に陥り家族が崩壊していく姿を見る時、依存症が決して特別なものではなく私たちの日常と地続きのところにある病なのだと認識させられる。
「だらしないから」「弱いから」「自己責任」と切り捨てる世間。依存症は並行して精神的な病も患うことが多く、意志の力だけで断ち切れるものではないというが、繰り返す依存、嘘、裏切りを目の当たりにした家族の苦悩も理解できる。
それでも、「依存症の根源にあるのは、寂しさなんじゃないかな」という言葉が胸に響く。快楽のためではなく、それなしでは生き延びることができなかった。人間って脆い。だけど、そうやってでも生きようとしてきたなら、きっと立ち直って生き直してて欲しい。
ラストの、主人公の空っぽの身体を満たしてくれたのが、お酒ではなく他人の温もりだったというくだりは泣けた。
厳しい現実を描きながら、ほんの少しの光を用意したそれぞれの短編は読後も爽やか。読んでよかった作品でした。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸