前川ほまれの作品一覧
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
☆4.5
久しぶりに小説で泣いたな。死が纏う孤独というか、寂しさを感じた。いつか訪れるそれを想像して悲しくなった。交通事故で亡くなった同級生を思い出して、胸が窄んだ。私はどんな風に死ぬのか。とにかく色々な思いがあって泣いてしまった。もしかしたらそこには、死に対する本能的な恐怖もあったかもしれない。
そんな思いを抱けるほどのリアリティのある描写だった。
主人公の浅井はなんというか、かたはらいたしなキャラクターだけれども。「オイオイそれはねーだろ!」という行動をわざと取らせているようにも思える。最終的にはそこが良いなあ、となるのであった。
追記
「寿司を食いたい。でも我慢。」ってとこでなんか泣いちゃって、そこから涙腺がユルユルだったせいでもある。切なさと、自分の未来であるような気がして。
Posted by ブクログ
タイトルの『在る。』
しっかりと句点で区切られたこの言葉に、著者の思いがこもっているように感じました。
前川ほまれさんの小説は3冊目です。
看護師としての視点から書かれた内容に、いつも自分の知らないことへの気づきをもらっています。
SOGIとは、すべての人の性のあり方を表す包括的概念だそうです。SOGI支援外来は、セクシャルマイノリティのからだとこころの健康をサポートしている場です。読者の私は、この言葉を初めて知りました。
この本では、自分の性を自覚したときにマイノリティな立場で、どれほど悩み、周りに苦しめられるのかが書かれていました。連作短編集のなかの登場人物達を、SOGI支援医の海野先生が、つかみどころなくふんわり、だけどしっかりと支えてくれることが伝わってきました。
Xジェンダーという言葉。
依存症は、れっきとした病気。
今は、性同一性障害とは呼ばない。
DSD(性分化疾患)という呼び名ができたこと。
精神医学が、セクシャルマイノリティに対する偏見を助長していた時代があったこと。
トランスジェンダーが、脱・精神病理化になったのは2022年。
本当に知らないことばかりでした。
まず知ることから理解する、そしてその立場を尊重できる人になりたいと思いました。
「溶ける光」の海野先生のカエルのフィギュアがついたペン、「反転文字の向こうで」のリップとどんぐりの腕輪、「種の行方」の椿の双葉はひとすじの光のように思えて、とても印象的でした。
〈目次〉
第一章 二人のエックス
第二章 溶ける光
第三章 反転文字の向こうで
第四章 種の行方
エピローグ 春に