西川美和のレビュー一覧

  • 映画にまつわるXについて

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    映画「ゆれる」が印象深かったので、監督さんの頭の中を覗いてみたいと思い、かるい気持ちで手に取った。
    ら、めちゃめちゃ面白かった。

    ゆれる、のプロダクションノーツを読めたのも良かったが、冒頭の朝青龍の話から勢いがあった。

    特に感心した部分。

    「私はひどく頭を悩ませた。「困った顔」をしている人の心情は、必ずしも困っているばかりとは限らないからだ。一人の主婦がある日突然、出入りの三河屋から愛を告白されたとしたらー」
    是非ご確認を。

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    2024年04月07日
  • ゆれる

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    あなたは、兄弟姉妹の間に『わだかまり』はないでしょうか?

    兄弟姉妹がいた方が良いのか?いない方が良いのか?それはなかなかに難しい問題です。一人っ子な方には兄弟姉妹がいる本当の感覚はわからないでしょうし、その逆だって同じです。両親の愛情を一手に受けられることを幸せと感じるか重荷と感じるか、それは年齢によっても異なってくるでしょうし、ひと言で言い表せるものでもないと思います。

    また、表面上は仲良く接しているように見えてもその本当のところは分かりません。兄弟姉妹という血の繋がりの強さが故に仲の良さがひとしおであれば、一方で一度できた『わだかまり』はなかなか消えないようにも思います。古の世から血

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    2024年02月28日
  • 映画にまつわるXについて

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    文章は読み易い。読者を楽しませる精神も旺盛だ。そんな人が自分の作る映画について書く。中でも映画「ゆれる」の制作話は面白かった。映画もぜひ観たいな。

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    2024年02月20日
  • 遠きにありて

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    今年のカープは……⚾
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    ってな事で、西川美和の『遠きにありて』

    西川美和さんのSports Graphic Number の連載作品。

    カープ愛とオリンピック、パラリンピックとスポーツ観戦愛が満ち溢れているw
    スポーツはやる事もええが、観る事、応援する事も大切なんじゃなぁ♪

    時折出てくる広島弁が堪らないw

    2019年14冊目

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    2024年01月22日
  • ゆれる

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    生まれ故郷を飛び出し写真家として成功をおさめる弟。実家のガソリンスタンドを父親に望まれるまま引き継いだ兄。自分の感情を表現する弟。鈍いふりを続けた兄。
    二人に関わる幼馴染の女性は、若い頃、弟と関係を持ち、現在は、兄に望まれている。二人の関係は、その女性の死の真相をめぐり逆転していく。家族の支配者が変わった時、そして不在となった時、ギリギリの家庭は、崩壊を迎えてしまう。
    兄弟の支配と嫉妬は、終わりを迎えても、次の関係を築く事ができなかった。
    ご自身の映画のノベライズとのことで、田舎を行く道、法事の親戚の集まり、ひなびた渓谷と、読み始めから、知っているような情景のイメージに入り込めました。兄弟の隠

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    2023年03月30日
  • きのうの神さま

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    短編5作
    日常を上手に切り取って表現を文章に落とし込める才能
    人々の心の襞、奥底にある思い、言葉にしなくても行間からにじみ出てくる
    映画は観てないのでよくわからないところもあるけど(関係ない?)しみじみ度メーターが振り切れる

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    2022年06月02日
  • 映画にまつわるXについて2

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    ネタバレ

    この本も、前作に続いて映画作りにまつわる色々なことと、プラスアルファ短編小説と全く別な形のエッセイ。時期的には「永い言い訳」を着想し、制作している時期が多いようだ。「永い言い訳」は本木雅弘さんが主演で、モッくんはNHKの「坂の上の雲」で秋山真之を演じてめちゃくちゃ好きになったのだけど、意外にめんどくさい性格で、この映画の主人公幸夫と本当に同じみたい。でも、このエッセイを読んで、西川監督のこだわりも思った以上に凄くて、なかなかご一緒するのは難しそうな感じがしました。それは仕事の面でも、仮にプライベートな知り合いであっても・・・そういうこだわりがあるから、着想が生まれて、こだわりのある作品が作れる

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    2021年12月26日
  • その日東京駅五時二十五分発

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    東京オリンピック最中の2021年8月に、大昔となってしまった戦争に想いを馳せる。劇的な出来事や哀しみだけではない、戦争の時代を形づくっている何か。いい本にまた出会えた。

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    2021年08月07日
  • 夜更けのおつまみ

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    まさに夜更けにお酒をちびちびと呑むように、ちびちびと気分が良い夜に読んでいたら結構時間がかかったけど好きな本でした。このシリーズ、他のも読んでみたい。生活感が満たされる。

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    2021年06月10日
  • 夜更けのおつまみ

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    原稿があがった後の枝豆とビール、秘密のレシピでつくる肴、大切な人との一皿…。31人の人気作家がおつまみにまつわる思い出を語ったエッセイ・アンソロジー。『asta*』掲載を文庫化。投稿コンテスト大賞受賞作も収録。

    いろいろ試したくなるおつまみ。

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    2021年04月03日
  • 映画にまつわるXについて

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    西川美和は、公開されたならば無条件に万難を排して観に行く監督の1人です。「ゆれる」を観た時のショックはちょっと言葉では言い表せられない。その西川美和が冒頭、朝青龍というヒールならぬヒーローの話を書いた後に、するすると30年ほど昔の『恐怖の24時間』というテレビドラマの話を書いています。

    連続殺人犯が弁護士になりすまして教誨師の家を隠れ家とする話で、その逮捕劇の顛末です。西川美和解説に耳を傾けると、その殺人犯は、若い頃の役所広司が演じていて、グレて親不孝を働いていた長男を捕まえて説教をしたり、布団を羽交い締めにして咽び泣いたり、逮捕された後も家族に屈託なく笑って去ってゆくそうです。西川美和は、

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    2021年01月09日
  • 映画にまつわるXについて2

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    今回も面白かった。
    主に『永い言い訳』を執筆、撮影している期間にまつわるエッセイ。監督ご自身の煩悶や撮影現場のドタバタも楽しみつつ何よりそんなメール、晒していいんですか?!という感じの本だった(読んでのお楽しみ)裏側の覗き見はいつも楽しい。


    西川美和氏、小説はたぶん全作読んでてとても好きな作家なのだけど映画の方はなぜか『ゆれる』しか観てない、『永い言い訳』も小説は読んだけどそういえば映画観てない
    でも西川美和のすごさはわたしにとっては文章なんだよ、なんだよその圧倒的な描写力は どんな目で世界見てるんだ本当にまじで

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    2020年09月09日
  • 夜更けのおつまみ

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    ブレイディみかこさんのイカのお話めっちゃわかる…透明じゃないとイカの刺身じゃない。
    下戸なのですがおつまみは好きなので楽しく読みました。
    簡単なレシピもちょいちょい書かれているのもいいです。森まゆみさんのと水生大海さんの…やってみよう。
    なとりの一度は食べていただきたいシリーズはほんと美味しいです。
    茜やさんは行ってみたいなぁ。。
    お酒呑める方が楽しそうだとつくづく思いました。

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    2020年08月23日
  • 夜更けのおつまみ

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    知ってる作家、知らない作家が目に浮かぶようなおつまみレシピを紹介。
    ほぼ5ページにその時の情景と共に出されるおつまみは、ささっと作られたもの、買ってきたものと様々。呑める人も呑めない人も共通してるのは「おつまみが好き」。
    たまらず途中からビールを開けました。
    さて、おつまみ何にしよう?

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    2020年06月01日
  • ゆれる

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    6人の視点で語られる内容は饒舌で内容を理解するには集中が必要だった。人間の色々な思いが交錯して理解するのが難しい。2人の父親もまた兄弟で弟という立場。兄と弟の幼少時期からの複雑な関係性。そしてへ互いの本当の気持ちが裁判の法廷で明らかになっていく。

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    2019年12月15日
  • 遠きにありて

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    numberの連載エッセイらしい。
    ピンとくるものと、そうでないものと。
    締め切りが周期的にくる連載って大変だろうな、と思う。
    中には、締め切りと、大イベントに引きずられたようなものもあったりするが、それでもやはり心の中を覗き込むようにして丁寧に書かれたものがあって、流石と思う。

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    2019年02月12日
  • 遠きにありて

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    ネタバレ

    この監督の文ってやっぱ好きだわ。
    なんかきっぱりしていて的を得ていて、読んでいて気持ちがいい。
    しかも、こんなにスポーツに造詣が深いとは知らなかった。
    特に野球。出身地の広島カープの大ファンなんだね。
    何かひとつ夢中になれるスポーツの球団なりチームなり、選手なりがいるときっとそのスポーツのシーズンは胸が躍り、結果によっては一喜一憂し、明日への活力になったりするんだろうな。
    それは、人生の彩りかもしれないね。
    ちょっとうらやましくもあった。

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    2019年01月23日
  • ゆれる

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    ネタバレ

    映画を何回か観ているにも関わらず結末を思い出せないのだが確実に面白かった記憶があったので原作本を読む。

    →要検討な余韻を残すオチであった。そうそう確か映画もそうだったことを思い出す。個人的には兄は冤罪だったと思うが兄自身はもう虫も殺さぬような平凡で退屈な自分自身に嫌気がさしており、弟に対する愛憎も踏まえて犯罪者になりたかったんだろうと考察。

    女性が書く文章とは思えずとはいえ男性的でもないというか、監督文才もすごいな。

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    2018年02月09日
  • その日東京駅五時二十五分発

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    その日とは太平洋戦争終戦の日だった。昭和20年に通信兵として軍務についた「ぼく」と同期の益岡と、一般国民より少しだけ早く日本の敗戦を知り、0525東京発の東海道本線に乗って故郷へ帰る。夜行列車が兵役の回想の舞台として良く合っている。「何一つ、自分でしようと思ったことじゃない。だからといって何一つ、抗おうと思ったこともない。ぼくは何も考えていない。」主人公が放つこの台詞は、軍国主義の日本だけではなく、現代の日本人に蔓延する姿ではないかと思う。

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    2017年12月30日
  • ゆれる

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    人は内にどんなものを秘めているのか。
    それは誰にもわからない。もしかしたら自分自身でさえわかっていないのかもしれない。
    同じものを見ても人それぞれ捉え方は違ってくる。
    隣の芝生は青いとは言うけれど、どんなに近い存在でも同じなのだろう。
    いや、近い存在だからこそ羨む気持ちはもっともっと大きくなってしまうのかも。
    人とは多面体で出来ている。
    一方から見ただけでは理解することは出来ないし、ときには他者から見た自分に身動きがとれなくなってしまうこともある。
    傷つけられた心は、どうすれば癒されるのだろう。
    傷つけ返したとしても何も得るものはないような気がするのだけれど。
    心理描写が素晴らしかった。
    繊細

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    2017年03月17日