西川美和のレビュー一覧
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西川美和は、公開されたならば無条件に万難を排して観に行く監督の1人です。「ゆれる」を観た時のショックはちょっと言葉では言い表せられない。その西川美和が冒頭、朝青龍というヒールならぬヒーローの話を書いた後に、するすると30年ほど昔の『恐怖の24時間』というテレビドラマの話を書いています。
連続殺人犯...続きを読むPosted by ブクログ -
今回も面白かった。
主に『永い言い訳』を執筆、撮影している期間にまつわるエッセイ。監督ご自身の煩悶や撮影現場のドタバタも楽しみつつ何よりそんなメール、晒していいんですか?!という感じの本だった(読んでのお楽しみ)裏側の覗き見はいつも楽しい。
西川美和氏、小説はたぶん全作読んでてとても好きな作家な...続きを読むPosted by ブクログ -
ブレイディみかこさんのイカのお話めっちゃわかる…透明じゃないとイカの刺身じゃない。
下戸なのですがおつまみは好きなので楽しく読みました。
簡単なレシピもちょいちょい書かれているのもいいです。森まゆみさんのと水生大海さんの…やってみよう。
なとりの一度は食べていただきたいシリーズはほんと美味しいです。...続きを読むPosted by ブクログ -
知ってる作家、知らない作家が目に浮かぶようなおつまみレシピを紹介。
ほぼ5ページにその時の情景と共に出されるおつまみは、ささっと作られたもの、買ってきたものと様々。呑める人も呑めない人も共通してるのは「おつまみが好き」。
たまらず途中からビールを開けました。
さて、おつまみ何にしよう?Posted by ブクログ -
その日とは太平洋戦争終戦の日だった。昭和20年に通信兵として軍務についた「ぼく」と同期の益岡と、一般国民より少しだけ早く日本の敗戦を知り、0525東京発の東海道本線に乗って故郷へ帰る。夜行列車が兵役の回想の舞台として良く合っている。「何一つ、自分でしようと思ったことじゃない。だからといって何一つ、抗...続きを読むPosted by ブクログ
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1974年広島県生まれの著者の伯父の体験記を基にした小説~昭和二十年春に召集され東京清瀬の陸軍特種情報部の通信兵として過ごし,アメリカの短波放送でポツダム宣言の内容を聞き,上官の命令で資料を焼き,階級章を剥がして焼き,軍人手帳も燃やして,故郷に帰るために,東海道線始発列車を東京駅で待ち,切符無しで大...続きを読むPosted by ブクログ
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産業としての映画、芸術としての映画、その間で揺れ動きながら制作に臨む監督の生き様がすごくかっこいい。普段から、ノイズ(いい意味で)をたくさん吸収して、咀嚼して、映画に詰め込んでいる人なんだなあと思った。
いろいろなノイズが溢れてて、そこから人間の深い深いところを読み取れるのが映画の面白いとこだし、そ...続きを読むPosted by ブクログ -
悲壮感のない戦争小説。とてもよかったです。
青年の無垢な視点から語られる様子は、阿川弘之の「雲の墓標」を彷彿とさせました。
淡々としているがゆえにリアリティを感じさせられます。Posted by ブクログ -
たった数秒のワンシーンのために注ぐ膨大な時間と努力をこの人は「自分には才能がない、天才でないから」と言う。それこそが才能なのに。ゆれる、も夢売るふたり、も。観返したくなった。この人のこだわりの詰まった苦しみの時間を想いながら。
『一度、何らかの深いところに潜ったのだな、』なんていう、人の胸の奥底に...続きを読むPosted by ブクログ -
「夢売るふたり」を撮り終えた後に纏められたエッセイ集。
ゆれるは小説を読んで、まだ映画は観れてないけど、香川照之、オダギリジョーに真木よう子の3人の役者について、この本で描かれていて、より一層観たくなった。
夢売るふたりのオーディション、免許取得の裏話は面白かった。
映画はスクリーンに映し出された向...続きを読むPosted by ブクログ -
終戦の日(になった日)、東京駅から故郷の広島へと帰る少年兵のロードムービー。
「あの戦争」を語るには穏やかすぎるくらいの文章で、そこには怒号も慟哭もない。
主人公は「終戦」という未来を知るには早すぎて、すでに焦土と化した故郷に辿り着くには遅すぎた。あるのは、そうした宙ぶらりんの虚無感と喪失感。「中...続きを読むPosted by ブクログ