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Posted by ブクログ
映画「ディア・ドクター」のために僻地医療を取材した西川監督が、映画として描かれた氷山の水面下の部分を小説にして集めた短編集。
ディア・ドクターのアナザーストーリーとも言える物語は、どれも日常にまとわりつく退屈、倦怠、虚無などが描かれている。
どの話をとっても登場人物それぞれの人生に対する倦んだ思いが文学的な言葉で淡々と描かれていて、これが映像を撮ることを生業としている人の書く文章なのかと思うほど、作家然としている。
この作品は直木賞候補になったらしいが、エンタメ作品というよりは純文学に近い匂いがする。だから、つまらないと感じる人もいるだろうけど、歳を重ねた今だからこそ、登場人物たちの感情が理解できるし、身に沁みる。
「満月の代弁者」の孫娘が特に好きで、彼女が去り行く医師の“嘘”で救われて欲しいと心から願った。
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