あらすじ
長く外科医を務めた父が倒れた。家族の駆け付けた病院には兄の姿だけがなかった(ディア・ドクター)。医療をテーマに紡ぐ、ほのかな毒とユーモア――。著者の魅力が凝縮された傑作5篇。映画『ディア・ドクター』のアナザー・ストーリーにして直木賞候補作。書き下ろしのあとがきを加えた新装決定版。解説・笑福亭鶴瓶
※この電子書籍は2009年4月にポプラ社より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
映画「ディア・ドクター」のために僻地医療を取材した西川監督が、映画として描かれた氷山の水面下の部分を小説にして集めた短編集。
ディア・ドクターのアナザーストーリーとも言える物語は、どれも日常にまとわりつく退屈、倦怠、虚無などが描かれている。
どの話をとっても登場人物それぞれの人生に対する倦んだ思いが文学的な言葉で淡々と描かれていて、これが映像を撮ることを生業としている人の書く文章なのかと思うほど、作家然としている。
この作品は直木賞候補になったらしいが、エンタメ作品というよりは純文学に近い匂いがする。だから、つまらないと感じる人もいるだろうけど、歳を重ねた今だからこそ、登場人物たちの感情が理解できるし、身に沁みる。
「満月の代弁者」の孫娘が特に好きで、彼女が去り行く医師の“嘘”で救われて欲しいと心から願った。
Posted by ブクログ
短編5作
日常を上手に切り取って表現を文章に落とし込める才能
人々の心の襞、奥底にある思い、言葉にしなくても行間からにじみ出てくる
映画は観てないのでよくわからないところもあるけど(関係ない?)しみじみ度メーターが振り切れる