川村元気の作品一覧
「川村元気」の「映画ストーリー ドラえもん のび太の新恐竜」「世界から猫が消えたなら」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「川村元気」の「映画ストーリー ドラえもん のび太の新恐竜」「世界から猫が消えたなら」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
上智大学文学部新聞学科卒。2012年初の小説『世界から猫が消えたなら』を執筆。2013年本屋大賞にもノミネートされた。また『ティニー ふうせんいぬのものがたり』、『ムーム』などの絵本も手がける。
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Posted by ブクログ
去年、映画『8番出口』を見て、想像以上のおもしろさだったので、映画を見た帰り道に本を買った。そしてやっと読み終えた。
結論。この本を読んで大正解だった!
映画では、元になっているゲームのイメージを壊さないためなのか、それともセリフではなく目に見える“異変”に注目してほしかったからなのか、とにかくセリフ量が少ない。内容の理解が追いつかない人も多かったと思う。
この本では、映画でのシーンがより鮮明に浮かび上がる語彙力と言葉で書かれているので、とてもイメージしやすかった。
内容は映画と同じ。
本の始めには【ご案内】が書かれている。
・映画を先に楽しみたければ、すぐに引き返すこと
・小説を先に楽しみたければ、引き返さないこと
・小説で明かされる秘密を、決して他人には言わないこと
・8番出口から外に出ること
これを見たとき、映画と同じようなゾクゾクを感じた。
そして、これまた結論から話すと、この本を読んだ私自身、主人公と同じく“8番出口”から出られなかったということ。
主人公は最後に8番出口から出られていない。
(正確にいうと、出るところで終わった。)
8番出口から出るということは、過去に起こった出来事と向き合い前に進むこと。そして、過去の出来事を自分の中で整理して乗り越えられるようになり、未来を思い描くこと。
私はこの本を読みながら、自分自身の人生の迷宮とも向き合ってみた。
過去に起こったつらい出来事。
「あの時こうしたらよかったかな?」と後悔すること。
未来を思い描けない自分に悶々とすること。
主人公は最初の方は、とにかく「出たい!」「彼女に会わなきゃ!」という気持ちだった。
でも後半になるにつれて、「8番出口から出ることが幸せなのか」「出たらどうするのか」をよく考えていた。
“8番出口から出る”ということは、人生で起こる(起こった)目を背けたくなるような現実と向き合うということ。
向き合うことが幸せなのか。
それとも、向き合わずにいられる“ここ”が幸せなのか。
その気持ちが、私は凄くよくわかった。
1番印象に残ったのは津波のシーン。
“印象に残った”というより、映画ではなぜ津波のシーンが出てきたのかがよくわからなかったから、本を読んで納得した。
故郷で津波が起こっていて、それを彼女とテレビで見ていた主人公。彼女のことが好きだった友達が津波で行方不明になっていたこと。
そのことがずっと引っかかっていたからこそ、“異変”として現れたのだとわかった。
少年が8番出口から出る前に、おじさんと出会っていたことも大きい。
おじさんは8番出口から出られず、“異変”になってしまった。
人生は選択の連続なので、常に選択を求められている。
主人公も最後、地下へ続く階段を降りるかどうかで悩んでいた。
というか、この物語そのものが、「これは異変と見なすのか」「引き返すのか」「進むのか」という選択の連続だった。
この本を読みながら、人は常に選択の連続ではあるけれど、ちゃんと自分で考えて選択したことに関しては、結果的にうまくいってもいかなくても、その選択をしたこと自体に意味があるのではないかと考えた。
選択したことが間違いなら引き返せば良い。
選択したことに自信があるのなら進めば良い。
「8番出口」には、人生の選択や、過去と向き合い前へ進むことの大切さが詰め込まれていた。
いつか私含む皆様が“8番出口”から出られますように...