堀茂樹の作品一覧
「堀茂樹」の「悪童日記」「嫉妬/事件」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「堀茂樹」の「悪童日記」「嫉妬/事件」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
高校時代の友人に勧められた本。
普通ならこうするとか、こうであるべきみたいな常識が、本当に自他にとって利なのか、あるべき姿なのか、考えさせられるお話。
特に、戦争で普通はやってはいけない究極のこと=殺人を大人が行っているなか、周りにあふれているなかで、普通はこうであるべきみたいな上っ面なことは説得力を失う。常識に縛られていないまっさらな子供がそういう状況で、冷静に物事を考えた時の正義や対応はそうなるんだなというのがすっと納得できた。特に手榴弾のお話では、非常識に思える行動も、二人の人間性への真摯な愛や情熱が感じられると思った。
常識やマナー、道徳を何でもかんでも守れば良い、守れないのは悪という
Posted by ブクログ
凄いものを読んだ。文句のつけようがない大傑作である。これは本当に面白い!
戦時下に祖母のいる小さな町へ疎開した双子の「ぼくら」の物語で、舞台は第二次大戦中のハンガリーが念頭に置かれているようだが、具体的な場所は言及されていないので架空の国という読み方もできる。
本作の体裁としては双子が秘密のノートに書き綴った、1章あたり3~5ページほどの日記を読者が読んでいくという形。恐らく二人それぞれが書いている体なので、章によって微妙にトーンが異なるのだが、それが一筋縄ではいかない兄弟の造詣に深みを与えている。
疎開先で次々と起こる倫理もへったくれも無い酷い出来事が、純粋な子ども視点で言葉に一切の装飾が無
Posted by ブクログ
読書で感情が揺さぶられた時の、「すごい本を読んだ」ではなく、「すごい本を読んでしまった…」という感覚がとても好きです。
これまで「好みと合わなそう」と避けてたのですが、「すごい本を読んでしまった…」以上の感想が出てこなかったです。
とにかくストイックな双子たちの言動と、戦時下にして占領下という特殊すぎる環境、綺麗事が通用しない時代の中で、彼らは本当に「悪童」なのだろうか…??と、読んでいて混乱してしまいました。
自分達の感情はもちろん、双子の固有名詞すら登場しない文体だから、読者からするととんでもないエピソードや事件が、全く特筆すべき出来事でないかのように投下されていくスピード感が癖になり