Posted by ブクログ
2020年05月07日
新自由主義とかいうものが何なのかもよく分かっていない状況で読んだ。
経済に対する規制を外して、より開かれた状態にすること。そしてそれは、グローバリズムによって国外にも扉を開き、世界を組み込んだ市場経済を作り出す。労働力は自由に移動するし、企業はより広くマーケットを拡大できる!
やたら持ち上げられ...続きを読むる新自由主義に対する切り込み。めちゃくちゃ要約すると、輸出にばかり目がいって、短期的な利益ばかり出そうとするから、内需を生む賃金の上昇が起きない(コストとしか見なされないから、労働力に投資しない)。大金持ちは簡単に株式で富を増やすが、その会社がどうなろうが責任は持たない。格差は大きくなるし、賃金上がらなくて需要も生まれない。そんな中で過剰な供給は続けられる。キツい。マジ無理。
教育格差の話は面白かった。高等教育を受ける人が増えて、初等教育だけが満遍なく浸透していた時に生まれていた平等的な価値観が崩壊。教育による格差が当たり前のものという認識になり、それが賃金格差に対する不平等に対して「当然だろ」と思う仕組みになった。もはや人々は格差を当然のものとして認識し始めている。
あと、右派が新自由主義に対して肯定的なのが奇妙という話も勉強になった。まさかの昔は、右派(保守)は新自由主義否定。なぜなら共同体や育んできた国内文化・繋がりを尊ぶ保守にとっては、それを破壊するグローバリズムは本来真逆の考えだったから。それが全体主義・共産主義の台頭により近づき始めた。そして何より、エリートの劣化が、責任逃れな新自由主義を肯定したのだ(市場原理が要因だからしらねぇよ!という言い訳をする)。
正直半分も理解できてないと思うが、新自由主義についての知見を少しだけでも得られて良かった