グローバリズムが世界を滅ぼす

グローバリズムが世界を滅ぼす

世界経済でいま何が起きているのか? 「雇用や産業を保護するのは間違いで、規制撤廃こそ唯一の成長戦略であり、経済のグローバル化は歴史の必然だ」と言われるが、現実はまったく逆。グローバリズムこそが経済危機、格差拡大、社会崩壊を招くという世界経済の真実に迫る。

【目次】
第1部 グローバリズムが世界を滅ぼす E・トッド H-J・チャン 藤井聡 柴山桂太 中野剛志
第2部 グローバル資本主義を超えて
トータリズム(全体主義)としてのグローバリズム 藤井聡
新自由主義の失敗と資本主義の未来 H-J・チャン
歴史は繰り返す?――第二次グローバル化の未来 柴山桂太
国家の多様性とグローバリゼーションの危機――社会人類学的視点から E・トッド
新自由主義と保守主義 中野剛志
第3部 自由貿易とエリートの劣化 E・トッド 中野剛志 堀茂樹

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    ビジネス・経済 / 経済
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春新書
  • タイトル
    :
    グローバリズムが世界を滅ぼす
  • タイトルID
    :
    375722
  • ページ数
    :
    256ページ
  • 電子版発売日
    :
    2016年05月20日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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グローバリズムが世界を滅ぼす のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    警告の書、世界経済という視点からグローバリズムという経済活動を検証する

    グローバリズムがもたらしたものは、経済の自立を失い、国家主権さえ失ってしまう状況である。
    EUは、グローバル資本主義のもとに完全な自由貿易、経済的国境の撤廃がもっとも進んでいる地域。
    圏内で関税をなくし、通貨を統合した。しかし、その結果なにが起きたか。各国は通貨の切り下げなど金融緩和や財政出動もできず、独自の産業政策も不可能になりました。
    EUでの勝者は、ドイツだ。ユーロ安でドイツの輸出産業は大いに潤った。経済危機に瀕した国々を低賃金で下請けのように使いユーロ圏がドイツにとって開かれた市場であることをフル活用している。

    IMFによって改革された国、韓国も、グローバル化で破壊された国である。
    雇用の不安定化がもたれされた。雇用も自由化されて、労働市場の柔軟性を高めたことが、正規職から非正規職への置き換えが進んでいった。失業率は7.5%、就職準備をしている人をふくめると若年層の失業率は、20%である。
    つまり、IMF以降は、普通の会社、普通の働き方、普通の所得がなくなってしまったのです。

    グローバリズムは、短期的な数字を追う。そのために、設備投資、研修、リサーチといったことがおろそかになる。長期的に成長が必要なはずの生産性の向上や、所得向上のためのコミットメントも生まれない。
    その結果、技術開発は進まず、所得も増えず、成長が鈍化していく。目先のパイの奪い合いが行われるだけで、パイそのものを大きくするためのインセンティブはうまれない

    信号や、車線がない道はめちゃくちゃになって道路の効率性は著しく落ちる。同様に、単なるグローバズムが困難しかもたらさない。ある程度の規制がどうしても必要なのである

    人間の欲望を放置するのが、グローバル資本主義、欲望そのものを基準にしようとする、無法地帯になるのも当たり前なのです

    日本には日本的なものが残る。でもグローバル資本主義は、それが残らなくなるまでにグローバルしていく

    世界には、2つの未知の巨大リスクを抱える地域がある。それは、中国と、ドイツだ。

    日本は、人類学上の理由から、アングロサクソン・モデルとはきわめて異なった資本主義の調整されたモデルを示している。

    グローバリズムは、国境を前提としないもの、一方で、インターナショナリズムは、真逆の概念です。

    デフレをまねく、グローバル資本主義
     ①経済の不安定化
     ②実体経済への大きな影響―グローバル企業の巨大化
     ③格差の固定化
     ④危機そのものがグローバル化 ―リーマンショック
     ⑤お金第一主義、お金で換算できないものは見捨てられていく

    ネオリベラリズムは成長すらもたらさない
     失業の増大、格差の拡大、富が拡大するからがまんせよ ⇒ でも、実体は、そうなっていない

    二国間、多国間の自由貿易協定は、規制緩和をより強く要求内容になっている ⇒ これまで以上にスピードを増して、自国の産業育成が途上国にとってますます困難になっている

    第1次グローバル化 1870年代 ⇒ 大恐慌 ⇒ 第1次世界大戦で終了
    第2次グローバル化 現代 ⇒ 歴史に学べ

     共通事項
     ①多国籍企業の存在
     ②経済的な相互依存が平和を導くという学説の存在
     ③自由主義経済学が大いなる影響力をもった
     ④先進国と途上国との対立の先鋭化
     ⑤周期的な金融危機
     ⑥帝国主義

     相違事項
     ①国際通貨制度
     ②福祉制度の違い
     ③国際機関の存在

     ヨーロッパに期待する最善の策とは、ユーロの崩壊。アメリカの不確実性、そして、ヨーロッパの死。

    世界は大劣化している

    ⇒新自由主義にそまりきった、現代のエリートは国民の苦しみには無関心になっている
    ⇒ノブレス・オブリージュの放棄、それはグローバルなレベルで統治能力の危機が起きている

    グローバリゼーションの危機は民主主義の危機である
    経済の危機のみならず、民主主義の危機をも引き起こしている
    格差が広がり、すでに許容範囲を超えている
    エリートの責任はますます大きく、圧倒的なものになってきている

    日本の例として

    グローバリゼーションの対極は、ネーション
    言語、歴史、伝統、領土を共有し、日本のどこにうまれようが「俺たちは日本人だ」と了解し合える
    価値観を共有する集団として、ネーションはちょうど都合がよい
    つまり、国民意識のほうが、民主主義よりも先にあるのです

    自由貿易によって相手国との市場の激しい奪い合いが起きることもある
    さらにいうと、自由貿易と、安全保障とは関係がない。
    今我々日本人は、その実例をみているのです。

    目次
    もくじ
    第1部 グローバリズムが世界を滅ぼす
    第2部 グローバル資本主義を超えて
     トータリズム(全体主義)としてのグローバリズム
     新自由主義の失敗と資本主義の未来
     歴史は繰り返す?――第二次グローバル化の未来
     国家の多様性とグローバリゼーションの危機――社会人類学的視点から
     新自由主義と保守主義
    第3部 自由貿易とエリートの劣化
    おわりに

    ISBN:9784166609741
    出版社:文藝春秋
    判型:新書
    ページ数:256ページ
    定価:830円(本体)
    発売日:2014年06月20日第1刷
    発売日:2014年07月10日第2刷

    0
    2023年11月14日

    Posted by ブクログ

    経済音痴の私にとって衝撃的。確かに今の世界は何かがおかしいとはぼんやりと感じていた。本書は、現代の格差の拡大や危機の恒常化の原因がグローバリズムにあり、それが社会を破壊していることを、5人の筆者が座談を通じてわかりやすく説いている。新自由主義(ネオリベラリズム)が制約のない自由として席捲し、隣国同士の経済戦争につながっていることは、EUに見られる。われわれは真の民主主義を守るために、各国がネーションごとにまとまり、独自に規制を定め、グローバリズムから脱却することが必要。しかし世界のエリートの大半はグローバリズムを正しい方向に導く道だと信じているとのこと。…ところで情報のグローバル化は避けられない。経済の脱グローバル化はいかにして達成できるのだろうか?

    0
    2016年07月09日

    Posted by ブクログ

    新自由主義とかいうものが何なのかもよく分かっていない状況で読んだ。

    経済に対する規制を外して、より開かれた状態にすること。そしてそれは、グローバリズムによって国外にも扉を開き、世界を組み込んだ市場経済を作り出す。労働力は自由に移動するし、企業はより広くマーケットを拡大できる!

    やたら持ち上げられる新自由主義に対する切り込み。めちゃくちゃ要約すると、輸出にばかり目がいって、短期的な利益ばかり出そうとするから、内需を生む賃金の上昇が起きない(コストとしか見なされないから、労働力に投資しない)。大金持ちは簡単に株式で富を増やすが、その会社がどうなろうが責任は持たない。格差は大きくなるし、賃金上がらなくて需要も生まれない。そんな中で過剰な供給は続けられる。キツい。マジ無理。

    教育格差の話は面白かった。高等教育を受ける人が増えて、初等教育だけが満遍なく浸透していた時に生まれていた平等的な価値観が崩壊。教育による格差が当たり前のものという認識になり、それが賃金格差に対する不平等に対して「当然だろ」と思う仕組みになった。もはや人々は格差を当然のものとして認識し始めている。


    あと、右派が新自由主義に対して肯定的なのが奇妙という話も勉強になった。まさかの昔は、右派(保守)は新自由主義否定。なぜなら共同体や育んできた国内文化・繋がりを尊ぶ保守にとっては、それを破壊するグローバリズムは本来真逆の考えだったから。それが全体主義・共産主義の台頭により近づき始めた。そして何より、エリートの劣化が、責任逃れな新自由主義を肯定したのだ(市場原理が要因だからしらねぇよ!という言い訳をする)。

    正直半分も理解できてないと思うが、新自由主義についての知見を少しだけでも得られて良かった

    0
    2020年05月07日

    Posted by ブクログ

    グローバリズムにより貧富の差は広がり格差社会がひずみをもたらす。保護主義を推奨する。
    必ず毎年利益を出し、年々GDPが上がっていくこと前提の経済の考え方に息苦しさを感じる点で、納得できるところが多い。

    が、グローバル化を止めてしまって、代わりに経済を発展することができるのか?というところに答えは見つからない。その思考自体が間違っているということなのだろうが。

    0
    2017年01月22日

    Posted by ブクログ

    エマニュエル・ドット氏と日韓の論客がグローバル資本主義のの行方を語ります。バブルとその崩壊を繰り返し、大企業によるの寡占化、短期利益を求めての目先のパイの奪い合い、株主はクリックひとつでやめられるが従業員はそうはいかない、国家という枠内でのガバナンスの欠如などの問題を洗い出し、それでもネオリベラリズムを支持するのはエリートが内向きな小さなグループに閉じこもって統治を放棄していると糾弾。
    一般人もそれで良しとしてしまうのは、子供の頃貧しかった高齢者が今を豊かだと感じていることに加えて、ハンナ・アーレントの「全体主義の起源」を挙げて論じている。
    2014年6月発売の本書ですが、ドット氏の「新自由主義と結びついたことで保守は死んだ。米国人は自由貿易や市場を信用してない。」との発言は本来の保守復権のトランプ大統領を予言しているようです。もっとも、トランプ氏の側近は氏の発言とは裏腹に生粋のリバタリアンばかりとの話もあるようですが。。。

    0
    2016年12月31日

    Posted by ブクログ

    トッドの部分を抜き読みするだけでも、現代国際社会の問題点の一端を知る事ができる。

    『有効な手立てを打ちたいなら、方向転換を成功させるには、まず次の事実を受け入れなければなりません。多くの人は受動的で、現状に対して協力的であり、とりわけ高年齢層はそうだということです』

     日本の現状を言い当てているのか…

    0
    2015年01月04日

    Posted by ブクログ

    グローバル化とよく叫ばれる中でグローバル化を分かりやすく批判的のとらえた一冊。
    読み進める前には国境が取り払われ、規制緩和が進む現代において、保護主義的な政策の重要性を説くのは一見ナンセンスに感じた。でも違った。決して保護主義政策をとって自国を鎖国状態にするということを主張しているのではなく、グローバル化の負の影響にも目を向ける必要性を訴えているように僕は感じた。なぜグローバル化が発生したのか?どうしてこれほど現代はグローバル化を謳うのか?グローバル化の正・負それぞれの影響は何か?こういった点を理解し、グローバル化の本質にせまる理解をしておくことが現代経済を見つめるためには必要だと感じた。
    では、そうすればこれらをひもとけるのか?まずは歴史(第一次世界大戦前までの第一次グローバル化→世界恐慌→現代の第二次グローバル化→世界不況)をたどることが重要であると気づかされた。
    内容に関しては、グローバル化が格差拡大、隣国同士のつぶしあい、エリートの劣化、統治能力の低下などデータなどを用いて負の面が分かりやすく指摘されている。

    0
    2014年11月29日

    Posted by ブクログ

    自由貿易で世界経済が復活するということに対して警告を発する。世界の経済成長率が、新自由主義が勃興する前後で約3%から1.5%へと落ちている事実など、必ずしも寄与していないという。日本では、小泉政権、そして安部政権でも、これを称賛する動きがあったのも事実。企業が儲かれば、法人税も沢山入り、国も潤うかもしれない。しかし、利益の代償として働く者の給料が減ってしまっては、企業栄えて、国滅ぶにならないだろうか。一部の富裕層のために、それはあるというのは、アメリカ、西欧を見て納得してしまう。自由主義という言葉から連想するのは、解放、個人かもしれないけど、成熟した個人ばかりの社会とは限らない。むしろ、大多数は弱者のはず。平等がすべてではないですが、せめて、脱落したものが再びレールに乗れる、そんな社会なら救いがあると思うのだけど。

    0
    2014年09月22日

    Posted by ブクログ

    京都大学で行われたシンポジウムの書籍化。
    グローバル化は、不可逆で必然的な流れなどではなく、抑制できる、すべきであること。
    ネオリベは、劣化したエリートが自己利益増大化に利用するために飛びついただけの空疎なイデオロギーであること。
    グローバリズムを抑制するには、保守に立ち返ることが議論されています。

    トッドの話を聞くと、フランスも同じなんだなとワロてしまいます。苦笑です。

    0
    2014年07月09日

    Posted by ブクログ

    表紙の写真で分かるように、エマニュエル・トッドが表看板の本だが、彼が語る場面は、他の著者よりそう多いわけではない。

    グローバリズムが経済的繁栄をもたらすという理論は、じつは根拠がなく、逆に世界に不公平と混乱をもたらす元凶であることを、座談会およびそれぞれの論文でわかりやすく説いた本。

    0
    2017年09月01日

グローバリズムが世界を滅ぼす の詳細情報

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    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    ビジネス・経済 / 経済
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春新書
  • タイトル
    :
    グローバリズムが世界を滅ぼす
  • タイトルID
    :
    375722
  • ページ数
    :
    256ページ
  • 電子版発売日
    :
    2016年05月20日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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