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ベルリンの壁の崩壊後、双子の一人が何十年ぶりかに、子どもの頃の思い出の小さな町に戻ってきた。彼は少年時代を思い返しながら、町をさまよい、ずっと以前に別れたままの兄弟をさがし求める。双子の兄弟がついに再会を果たしたとき、明かされる真実と嘘とは? 『悪童日記』にはじまる奇跡の三部作の完結篇。
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Posted by ブクログ
読みながら「スクラップ・アンド・ビルド」という言葉が頭に浮かんできた。
『悪童日記』『ふたりの証拠』に続く三部作の完結編ということになっているが、普通の小説の三部作とは全く違う。何が違うのかは実際に読んで確かめて欲しいし、そもそも感想を綴るのが非常に難しい作品ではあるのだが、あえて書くとすれば、本作のタイトルにもなっている「嘘」とは何か?という点が物語全体を通した鍵であるということと、大ヒットした作品の続編でこの仕掛けをやったのは凄い、という点に尽きるかな。
まさにこれこそ「スクラップ・アンド・ビルド」。
それにしても『悪童日記』は大抵の書店に置いてあるのに、『ふたりの証拠』『第三の嘘』が全然見つからないというのは一体どういうことなのか。一作だけ選ぶのであればそりゃ『悪童日記』になるのだろうけど、個人的にはシリーズとして読まれるべき作品だと思う。早川書房、頑張れ!
Posted by ブクログ
今、語っているのはいったい誰なのか?
虚構と現実が入り乱れ、文字列に振り回されるような読書体験が面白かった。
いってしまえばフィクションは本来すべて“嘘”だが、私たちは物語の内側に入り込み、登場人物と一緒に一喜一憂したりする。
ところがこの三部作には、没入したはずの自分自身をも俯瞰し、これは信じていいのか?と立ち止まらせる。 そんな、視点が二層にズレるような奇妙な感覚があった。
1作目では、双子が「ぼくら」という1つの器官のように振る舞い、感情を排除した淡々とした文体で悲劇を記録する。 その無表情さがかえって不気味な、インパクトのある作品だと感じた。
しかし三作を読み終えるころには、個々の出来事や心の傷にフォーカスしていた視点が、だんだんぼやけていった。 誰がどんな目にあったか、何が真実で何が虚構なのかは、どうでもよくなってくる。
戦後の国家や民族、家族、一人の人間の心に至るまで、何もかもが分断された悲しみが混ざり合っているように思えた。
人生の分岐点で、どの道を選んでも行き着く先は行き止まりのような鬱々とした内容ながら、意外と読後に重さは残らない。
読んでいるうちに、双子の“練習”と同じように、私の心にも耐性がついていたのかもしれない。
Posted by ブクログ
「悪童日記」の続編。
「ふたりの証拠」のラストにはかなりの衝撃を受けたけど、この「第三の嘘」では更に物語が二転三転する。クラウスとリュカの物語がパラレルワールドのように展開していき、まるで入れ子細工みたいな物語だった。
この三冊目を読んで、リュカと血の繋がらないマティアスが不気味なほどリュカに似ていた理由がわかった。クラウスはリュカでもあってマティアスでもあったんだな。
「悪童日記」も嘘「ふたりの証拠」も嘘、そしてこの三作目のタイトルが「第三の嘘」なんとも意味深。作中、リュカは手記の不要な部分は削除し書き換えている、というようなことが書かれていたので、今私が読んできた一連の物語は、クラウス、もしくはリュカが後から手を加えたものなのかもしれない。どこからがクラウスで、どこからがリュカが書いたものなのか、どちらがクラウスでどちらがリュカなのか、何が本当で何が嘘なのか、わからなくなってくる。まるで迷宮のような本。
リュカもクラウスもどっちも不幸だ。こうあってほしかった、と願って描いた物語が「悪童日記」だったのかな。崩壊した悲しい家族の物語だった。
一作目を読んだときはただただ不気味な子供の物語としか思わなかったけど、まさかこんな展開が待っていようとは。いやー面白かった。
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ビジネス・実用
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