作品一覧 2014/10/06更新 悪童日記 試し読み フォロー 第三の嘘 試し読み フォロー ふたりの証拠 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> アゴタ・クリストフの作品をすべて見る
ユーザーレビュー ふたりの証拠 アゴタ・クリストフ / 堀茂樹 「悪童日記」の続編だけども、表現の仕方がガラッと変わる。「悪童日記」は子供の世界「ふたりの証拠」は青年から大人への世界。登場人物に名前の無い、肩書や属性や特徴だけだった世界に、名前とともに個性が与えられて、それぞれのしがらみで、分かたれた双子の片割れであるリュカを浮き上がらせる。もう片方のクラウスの...続きを読む人生が対比で語られるのかと思いきや、終盤まで出てこないばかりか、イマジナリーフレンドだったのではないかという疑念が湧いて、そう言えば「悪童日記」での靴屋のおじさんの受け答えは不自然だったかもしれないなと思い至る。 著者は、物事が人間の成長や変化に与える影響を、すごくよくわかっている人だと思う。 原理原則を自ら決めて誰にも従わないで成長したリュカと、受け止めて戦う事で成長しているマティアス。リュカとマティアスの、子どもとしての性格の違いが興味深く、マティアスの自我がリュカをどう変えていくのかが楽しみだったのに… ヤスミーヌを殺したのはリュカなのか?リュカがなんとかして手に入れた愛がこぼれ落ちていく場面はこの上なく悲しい。 実在を確認できたのはおばあちゃんだけ?? 大きなノートは6ヶ月で書き上げた?? これでさらに続編があることに驚くとともに楽しみでならない。 くわばらあきらさんの朗読、素晴らしいです。 Posted by ブクログ 第三の嘘 アゴタ・クリストフ / 堀茂樹 凄まじい三部作だった。 『悪童日記』『ふたりの証拠』そして本作『第三の嘘』と、それぞれの作品に異なる衝撃があり、そして二作目を読めば一作目の、三作目まで読むとシリーズ全ての、見方や印象がガラリと変わってしまう。 「真実」がどうであるのか考察することにさほど意味はないだろう。重層的かつ撹乱するような複...続きを読む数の物語を貫く、強烈な孤独感と、無理矢理引き裂かれ揺らぐアイデンティティ。亡命者である著者が故国と移住国に抱く感情の、言葉にし難い生々しい領域の、わずかな一端に触れた思い。 Posted by ブクログ 悪童日記 アゴタ・クリストフ / 堀茂樹 2人の少年による作文の形式をとった日記です。 本文中にも書かれている通り、徹底して客観的な視点、事実が羅列されています。だからこそ感じる無機質感の中に、強制されない感情を抱かせてくれます。 ただただ戦争を代表とした外的要因に振り回されるだけと思いきや、その中で強く健気に生き延びる「ぼくら」の姿。甘...続きを読むえがちな自分の心に強く刺さるものがありました。 Posted by ブクログ 第三の嘘 アゴタ・クリストフ / 堀茂樹 ・感想 悪童日記シリーズの3作目 2作目でも驚いたけど今作の展開にも驚愕。 結局彼らはどれなんだろう?全部嘘で作り物なのかな。 個人的には悪童日記のあの不気味さと閉塞感が好きだったから悪童日記のみで終わらせてもよかったかも。 Posted by ブクログ 悪童日記 アゴタ・クリストフ / 堀茂樹 「主観を一切まじえずに書かれた本がある」と勧めてもらったのがこの本だ。 僕らは悲しい気持ちになった。とは言わず 僕らは涙を流した。と客観的事実のみで構成される。 不思議な本だった。 双子の主観から捉えた世界なのに、主観的な表現がひとつもない。 双子の目に映る世界の追体験ができるが、感情は全て委ねら...続きを読むれる。 漠然と、何か他のものにも応用が効くんじゃないかと感じた。 日本語版タイトルは『悪童日記』だが、原書は『大きなノートブック』とでもいうのが近いらしい。 日本語版のタイトルの掴みは素晴らしいものであるが、読み終わると原書タイトルが、当然ではあるのだが、最も本書を言い表していると感じられる。 Posted by ブクログ アゴタ・クリストフのレビューをもっと見る