アゴタ・クリストフのレビュー一覧

  • 悪童日記

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    最後まで誰一人として登場人物の明確な名前は分からない。場所もない。だけど分かる、目の前に見えるような不思議な感覚。
    頭の良い双子《ぼくら》がたくましく生きていく話は切なくもなるし、スッキリもする。第二次世界大戦のヘビィな話題・描写があるにも関わらず、テンポがよく淡々としており読みやすかった。
    続きが気になる。

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    2026年01月29日
  • 第三の嘘

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    ネタバレ

    題名が題名だけに、読者は本作で何か嘘(おそらくは衝撃的な)が明かされるだろうという予想を持たざるをえない。「実は双子ではなく1人の妄想だった」とか「双子は入れ替わっている(片方が片方を偽って生きている)」とか想像してたが、実際の真実の方が衝撃的で残酷で読後感が心地よい作品だった。

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    2026年01月12日
  • ふたりの証拠

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    本書にてようやく双子の片割れの名前がリュカであると明かされる。前作『悪童日記』では「僕たち」という一人称複数だったことや祖母から「牝犬の子」と言われていたことから名前を呼ばれることがなかった。

    『ふたりの証拠』とは、果たしてリュカとクラウスが別人である(ふたり存在している)ことを証明するものという意味だと捉えたのだがどうなのだろう。年末の旅行の移動中に読んでいたのだが、読書の方に熱が入ってしまう。

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    2025年12月29日
  • 悪童日記

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    本書に登場する双子はもともと異常なところがあって、おばあちゃんのもとに預けられることでそれが加速したという印象を受けた。特にその異常性を感じるのは、生物を殺すことへの抵抗のなさ、無駄な感情を無くし、目的達成のために非道徳的な手段を厭わないという点である。

    最初はおばあちゃん < 母親というふうに思われたが、最後には母親父親どちらにも執着しない様子が描かれて、見てはいけないものを見ているような感覚になった。大変面白い。

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    2025年12月28日
  • 悪童日記

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    あっという間に読んでしまった。
    第2次世界大戦中のハンガリーで生きている双子の男の子の日記が描かれている。
    細かい描写まで書かれていて戦時中の環境や過酷さを知るとこができた。
    登場人物一人一人の個性もしっかり書かれていてとても読みやすかった。

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    2025年12月21日
  • 悪童日記

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    高校時代の友人に勧められた本。
    普通ならこうするとか、こうであるべきみたいな常識が、本当に自他にとって利なのか、あるべき姿なのか、考えさせられるお話。
    特に、戦争で普通はやってはいけない究極のこと=殺人を大人が行っているなか、周りにあふれているなかで、普通はこうであるべきみたいな上っ面なことは説得力を失う。常識に縛られていないまっさらな子供がそういう状況で、冷静に物事を考えた時の正義や対応はそうなるんだなというのがすっと納得できた。特に手榴弾のお話では、非常識に思える行動も、二人の人間性への真摯な愛や情熱が感じられると思った。
    常識やマナー、道徳を何でもかんでも守れば良い、守れないのは悪という

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    2025年12月13日
  • 悪童日記

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    凄いものを読んだ。文句のつけようがない大傑作である。これは本当に面白い!
    戦時下に祖母のいる小さな町へ疎開した双子の「ぼくら」の物語で、舞台は第二次大戦中のハンガリーが念頭に置かれているようだが、具体的な場所は言及されていないので架空の国という読み方もできる。
    本作の体裁としては双子が秘密のノートに書き綴った、1章あたり3~5ページほどの日記を読者が読んでいくという形。恐らく二人それぞれが書いている体なので、章によって微妙にトーンが異なるのだが、それが一筋縄ではいかない兄弟の造詣に深みを与えている。
    疎開先で次々と起こる倫理もへったくれも無い酷い出来事が、純粋な子ども視点で言葉に一切の装飾が無

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    2025年12月07日
  • 悪童日記

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    第二次大戦末期のハンガリーと思われる街を舞台に、おばあちゃんの家に疎開させられた双子の男の子が、残酷な世界を持ち前の才能を持ってサバイブする。目を向け難い戦争の現実が背景にあるが、その中に生活する人々の人間らしさをダイナミックに描いた傑作。

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    2025年11月24日
  • 悪童日記

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    読書で感情が揺さぶられた時の、「すごい本を読んだ」ではなく、「すごい本を読んでしまった…」という感覚がとても好きです。
    これまで「好みと合わなそう」と避けてたのですが、「すごい本を読んでしまった…」以上の感想が出てこなかったです。

    とにかくストイックな双子たちの言動と、戦時下にして占領下という特殊すぎる環境、綺麗事が通用しない時代の中で、彼らは本当に「悪童」なのだろうか…??と、読んでいて混乱してしまいました。

    自分達の感情はもちろん、双子の固有名詞すら登場しない文体だから、読者からするととんでもないエピソードや事件が、全く特筆すべき出来事でないかのように投下されていくスピード感が癖になり

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    2025年11月16日
  • 悪童日記

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    なんかすごかったなと思った。
    まずこの小説は事実のみ語られるので、なぜそのような行為をしたのかこちら側が考える必要があり、それが普通の小説とは違うなと感じ面白さを感じた。
    また戦時中のことを描かれているということもあり、たとえフィクションではあるが、今の時代とかけ離れており、本当にそういったことがあったんだと思わせる描写も少なくなかったと感じる。
    ぜひ第二章も読みたいと思わせる本でした。

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    2025年10月13日
  • 第三の嘘

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    ネタバレ

    正直さとは、いざという時に嘘が通るための下準備だ。
    『悪童日記』では、双子の作文が日記として描かれている。
    「作文の内容は真実でなければならない、というルールだ。ぼくらが記述するのは、あるがままの事物、ぼくらが見たこと、ぼくらが聞いたこと、ぼくらが実行したことでなければならない。」
    子どもの限られた語彙のなかで、極限までシンプルに表現された人の残酷さを垣間見ることができる。

    ただ、これは壮大なフリなのだ。
    この作品を読み進めていくと、前二部作が全て嘘だったことがわかる。
    人は、真実を守るために嘘をまといながら生きている。そして、その嘘には真実が含まれる。その境目は、本人でさえわからない。

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    2025年10月10日
  • 悪童日記

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    「牝犬の子め!おまえたち、わしに同情したって言いたいのかい?」
    「違うよ、おばあちゃん。ぼくらはただ、ぼくら自身のことを恥ずかしいと思ったんだ」
    という割と始めの文章を読んでこの小説絶対面白いなと思った。そして、あっという間に読み終えた。主人公の双子の子は自分達の考えや価値観があって周りの人に左右されない。自分達で考えて行動する。生々しい出来事も淡々とした文章でサラッと読めた。2部、3部も読みたいと思い購入した。

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    2025年10月05日
  • 悪童日記

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    『悪童日記』は、不条理文学と呼ぶにふさわしい作品だと思います。決して心が明るくなる物語ではありませんが、感情を排した無機質な文体が、かえって戦争の悲惨さや人間の虚無を鋭く突きつけてきます。

    戦争下で「強くならなければならない」「非情でなければならない」という状況は、人生の儚さや生きることの無意味さを一層際立たせます。読み終えた後には重苦しく、後味の悪さが残ります。

    それでも、この奥行きのある文章は、戦争の現実や人間の生き方について深く考えさせてくれました。

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    2025年10月03日
  • 悪童日記

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    戦時中から戦後にかけてのナチスドイツとソ連の狭間であるハンガリー国境付近の祖母のもとに疎開した双子の男の子の日記形式で進む話。

    固有名詞が出てこなくて、双子も個性はなく「ぼくら」としか書かれていません。お互い会話もしません。

    過酷な戦時を生き延びるために二人は痛みに耐える練習、断食の練習などをして日々過ごします。生き延びるためにいろんな悪事もします。

    周りに流されることのない二人だけの判断基準。感情を抑えた客観的事実だけを連ねる日記。徹底した無感情な日記が不気味でもあり、逆にその裏の感情を想像してしまう。心まで武装してるの?と思ってしまう。

    最終ページが衝撃的だと聞いてはいたのですが、

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    2025年09月23日
  • 悪童日記

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    ネタバレ

    この物語の主人公たち(ぼくら)はとても異質な双子、自分たちが生き残るために必要であると感じたことは善悪という感性はなく、ただ必要であるからという理由で淡々とこなす。しかし意外と人情深いところもあったり(おそらくこの少年たちにとって有益、若しくは恩義を感じた人に対して。例えば将校、おばあちゃん、神父などがそれに該当すると考える。)、逆に自分たちにとって取るに足るものではないと判断した人に対しては容赦なく切り捨てていく。
    彼らに感情が無かった訳じゃない。ただそこでの生活は感情を殺して生きることがベターだったから。だから機械のフリをした人間と感じた。とにかく本人たちの価値観と信念が明確で、そこから外

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    2025年07月12日
  • 悪童日記

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    ネタバレ

    ドライな文章で、客観的に見たら悲惨な兄弟の人生を描く。
    怖くて悲惨なんだけど、かわいそうと思うのは許されないような生き方。
    でもふたりはちゃんと家族愛を知っている。
    それが一般的なものからかけ離れていたとしても。
    こういう価値観もある、そうしないと生きていけなかった。
    …と衝撃を受ける作品。

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    2025年06月22日
  • 悪童日記

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    淡々とした客観的描写から、人々を翻弄する戦争の過酷さ、双子の倫理観、彼らの変化や成長、おばあちゃんとの関係の深まりなどが伝わってくる。
    目的のためには手段を選ばず、冷酷に、感情を捨てて行動する双子。どうやってピンチを切り抜けるかとハラハラする場面もある。最後も意外な展開だった。
    他の人も書いているが、漫画の『ミギとダリ』を思い出すのは、双子だからというだけでなく、作者のユーモアに通底するところがあるからかも。
    続編も読みたい。

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    2025年05月31日
  • ふたりの証拠

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    冒頭部分では、悪童日記ほどの面白さはないだろうと思われたが
    ヤスミーヌが出てきた辺りから、面白くなってくる。
    そこから『あの時』までは一気に読みたくなるぐらい引き込まれた。

    けれどその後の話は肝心な所が「え?どういうこと?」と思うままに終わってしまうので、早く続編が読みたくなる。

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    2025年03月24日
  • 第三の嘘

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    敢えて辻褄の合わなさを逆手に取ったようなこの第三部。悲劇に違いないのに、何だろううこのクールな終わり方は。静かな衝撃が持続している。

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    2024年12月01日
  • ふたりの証拠

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    ネタバレ

    ふたりの証拠

    ある
    けれど
    ない

    確かに町で有名な双子がかたわれだけになったのに、町のみんなは誰ひとりそのことに触れていなくて違和感があった。

    アゴタ・クリストフも翻訳者様も天才では?

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    2024年11月25日