アゴタ・クリストフのレビュー一覧

  • ふたりの証拠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    戦争というものは、かくも人の心を傷つけ続けるものなのかとあらためて思う。リュカは激しい悲しみと孤独の人だけれど、他の人々もそれぞれひとりひとりが喪失の物語を持つ。ヴィクトールの「すべての人間は一冊の本を書くために生まれた」という言葉にあるように。
    それにしても謎が回収されないままに終わってしまい、読者であるわたしは置いてけぼりだ。最大の謎は「兄弟」の存在だけれど、それ以外にもある。なぜリュカはこれほどまでにマティアスに執着したのか、なぜヤスミーヌを殺したのか、なぜ彼は神に祈らないのか...。3体の骸骨の下にある藁布団が「生温か」かったのはどういう意味なのかもよくわからなかった。アゴタ・クリスト

    0
    2024年10月16日
  • ふたりの証拠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「悪童日記」の続編だけども、表現の仕方がガラッと変わる。「悪童日記」は子供の世界「ふたりの証拠」は青年から大人への世界。登場人物に名前の無い、肩書や属性や特徴だけだった世界に、名前とともに個性が与えられて、それぞれのしがらみで、分かたれた双子の片割れであるリュカを浮き上がらせる。もう片方のクラウスの人生が対比で語られるのかと思いきや、終盤まで出てこないばかりか、イマジナリーフレンドだったのではないかという疑念が湧いて、そう言えば「悪童日記」での靴屋のおじさんの受け答えは不自然だったかもしれないなと思い至る。

    著者は、物事が人間の成長や変化に与える影響を、すごくよくわかっている人だと思う。

    0
    2024年04月10日
  • 第三の嘘

    Posted by ブクログ

    凄まじい三部作だった。
    『悪童日記』『ふたりの証拠』そして本作『第三の嘘』と、それぞれの作品に異なる衝撃があり、そして二作目を読めば一作目の、三作目まで読むとシリーズ全ての、見方や印象がガラリと変わってしまう。
    「真実」がどうであるのか考察することにさほど意味はないだろう。重層的かつ撹乱するような複数の物語を貫く、強烈な孤独感と、無理矢理引き裂かれ揺らぐアイデンティティ。亡命者である著者が故国と移住国に抱く感情の、言葉にし難い生々しい領域の、わずかな一端に触れた思い。

    0
    2024年04月03日
  • 第三の嘘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・感想
    悪童日記シリーズの3作目
    2作目でも驚いたけど今作の展開にも驚愕。
    結局彼らはどれなんだろう?全部嘘で作り物なのかな。

    個人的には悪童日記のあの不気味さと閉塞感が好きだったから悪童日記のみで終わらせてもよかったかも。

    0
    2024年03月06日
  • 第三の嘘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    (※ネタバレ)

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    実際には離れ離れだった双子。
    二人が一緒にいられた「悪童日記」は、
    二人が一緒にいられない現実から逃避する手段であった


    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた。日本翻訳大賞新人賞に輝く『悪童日記』三部作、ついに完結。

    (あらすじネタバレ)
    クラウスとリュカには悲しい事実(と思われる)があった。2人が4歳の時、父は浮気相手と一緒になりたいと話し、2人の母は父を撃った。その流れ弾がリュカの脊髄を損傷し、離れ離れに暮らすこととなった。2

    0
    2023年11月30日
  • ふたりの証拠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    双子のひとり、リュカの暮らし

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    戦争は終わった。過酷な時代を生き延びた双子の兄弟の一人は国境を越えて向こうの国へ。一人はおばあちゃんの家がある故国に留まり、別れた兄弟のために手記を書き続ける。厳しい新体制が支配する国で、彼がなにを求め、どう生きたかを伝えるために―強烈な印象を残した『悪童日記』の待望の続篇。主人公と彼を取り巻く多彩な人物の物語を通して、愛と絶望の深さをどこまでも透明に描いて全世界の共感を呼んだ話題作。

    (ネタバレ)
    祖母のいなくなった家へ戻ったリュカ。15歳。知り合ったのは自らの父との子をもうけてしまったヤスミーヌとい

    0
    2023年11月30日
  • ふたりの証拠

    Posted by ブクログ

    一作目の最後、国境を超えなかった「ぼく」の物語。「ぼく」は名前を持つことで、前作とは違った雰囲気を感じる。戦後下の厳しい環境で生きていく主人公は、他人に手を差し伸べながらも、常に孤独を抱えている。地の文に、主人公の感情は一切ない。それでも、彼の心情は、読者へ強く伝わってくる。予測できない展開に、はらはらさせられること必至。

    0
    2023年08月07日
  • 第三の嘘

    Posted by ブクログ

    二人の証拠のラストで、エエェ!
    てなった後の本作。
    悪童日記や二人の証拠であった若々しさ等はなく、
    老いたリュカとクラウスの話。
    全体を通じ、悲哀に満ちていて、なんとも言えない気分に。
    内容が悲哀に満ちているのもそうだが、一人称の私が、リュカとクラウスどっちがどっち?てなることもあったのでもう一度読みたいと思う。
    間違いなく名作。

    0
    2023年07月09日
  • 第三の嘘

    Posted by ブクログ

    「んっ?」ってなって、「あぁ。」ってなって、最後は「えぇぇぇっ?」ってwww
    もしかしたら、コレも嘘かもしれない。

    0
    2023年02月23日
  • 第三の嘘

    Posted by ブクログ

    ストーリーの整合性を予め確保した、一般的な小説を目指し書いたのではなく、自身の内側に漂い続けているものを小説という形をとって表現したのだと思う。
    訳者の解説が巧みで素晴らしかった。


    双子の、「でも、あなたは、今しがたおっしゃいましたね。〝苦しみは減少し、記憶は薄れる〟って」という言葉に対し、不眠症の男の「そう、確かに私は、減少する、薄れると言った。しかし、消え失せるとは言わなかったよ」という一言が印象的だった。

    理不尽な力によって本来の自分から引き剥がされ、本来ならばそこに存在したはずの自分、家族、自然、国といった幻の中をさまよいながら、完治することのない傷と共に生き続ける人間の強さ、脆

    0
    2022年10月01日
  • 悪童日記

    Posted by ブクログ

    なんて読む手の止まらない文章だろうか。

    ぼくら、の目線で見る景色
    ぼくらが何とも斜に構えた感じで、起こったことに対する対応が読めない
    次はどんなクールを見せてくれるのかと手が止まらなくなる

    戦争下での悲惨さ、過酷な状況で生きる子どものたくましさ、適応した感情の起伏に心が打たれるとか言って人にオススメもしやすい。
    ただし本心では厨二心が揺さぶられまくっている。

    いやこれ続編ってどうなるのさ、ラストの鳥肌回収できるの?気になってしょうがない。

    0
    2025年07月24日
  • 悪童日記

    Posted by ブクログ

    本書は、戦争下においておばあさんの住む農村に疎開した双子の成長の話です。悪童なんてレベルじゃない。浦沢直樹 のMonster を彷彿させる双子の行動が凄まじく、相当な衝撃を受けました、特にラスト。本書は、三部作の第一巻ですが話の展開が全く予想がつきません 。

    0
    2025年12月21日
  • 悪童日記

    Posted by ブクログ

    戦争のお話でここまで淡々としたものはなかなかない気がします。

    主人公のである双子。なのに2人の名前すら分からない。そんな1種奇妙な書かれ方をしているのに何故だか2人のことを言っていると分かってしまうのがより切なかった。

    悲しいも嬉しいも表現されず、事実だけが書かれている冷たい日記。
    生き残るための最善策なのかもしれないと思うと戦争がどれだけ人を壊し、人で失くすかをよりものがってるようにも感じられた。

    0
    2026年01月26日
  • 第三の嘘

    Posted by ブクログ

    読みながら「スクラップ・アンド・ビルド」という言葉が頭に浮かんできた。
    『悪童日記』『ふたりの証拠』に続く三部作の完結編ということになっているが、普通の小説の三部作とは全く違う。何が違うのかは実際に読んで確かめて欲しいし、そもそも感想を綴るのが非常に難しい作品ではあるのだが、あえて書くとすれば、本作のタイトルにもなっている「嘘」とは何か?という点が物語全体を通した鍵であるということと、大ヒットした作品の続編でこの仕掛けをやったのは凄い、という点に尽きるかな。
    まさにこれこそ「スクラップ・アンド・ビルド」。

    それにしても『悪童日記』は大抵の書店に置いてあるのに、『ふたりの証拠』『第三の嘘』が全

    0
    2026年01月19日
  • ふたりの証拠

    Posted by ブクログ

    『悪童日記』の続編で、前作のラストで生き別れとなった双子の片割れのその後が描かれている。
    戦争を背景にした悲劇の物語というベースの設定は変わらないものの、前作とは打って変わり、5ページ前後だった一章あたりの長さがどんと増えたことが特徴的で、ともなって主人公を含めた登場人物の造詣に厚みが加わったように思う。語り手も双子から三人称のものへと変わり、客観的な描写が主になったので読んでいてずいぶん印象が異なる。
    またよく読むと、特に主役が変わる最終章で顕著なのだが、前作と辻褄が合わない箇所が出てくる。これは次作に繋がる意図的な仕掛けなのだが、読者は面食らうかもしれない。
    総じて『悪童日記』の衝撃度には

    0
    2026年01月17日
  • ふたりの証拠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    双子の兄弟クラウスに国境を越えさせてからのリュカの物語。父親の子を抱えたヤスミーヌ、障害を持った子マティアス、反逆罪で無実の夫を殺されたクララ、党書記のベテール、本屋のヴィクトールと色んな人間たちが面白い。とても引き込まれて行く物語で一気に読んでしまった。

    0
    2025年12月29日
  • 悪童日記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    映画視聴後に続きが気になり読み始めました。
    細かい話ごとに分かれてあるので読みやすく、さくさくと読めます。

    映画のラスト同じですが内容はやはり小説の方が濃いです。
    映画も中々だと思いましたが、小説はそれを上回るえぐみがあります。
    また二人の表現力が高く、「頭蓋に受けた愛撫は捨てられない」みたいな表現がとても切なくて好きです

    0
    2025年12月14日
  • 悪童日記

    Posted by ブクログ

    著者が女性というのに気が付きませんでした。
    30年前に書かれた文章ですが、これが60年前だったら
    もっとすごいなと、感じながら読みました。

    0
    2025年11月19日
  • 悪童日記

    Posted by ブクログ

    タイトルどおり悪童日記です。
    第二次大戦中の欧州のとある国の出来事を、ある双子の子どもの視点で語っています。
    彼等は生きるために知恵を駆使して狡猾に振る舞います。

    0
    2025年10月12日
  • 悪童日記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かった。
    2人の少年の感情が書かれていないから、我々はこの2人の少年のことを知っているようで知らないということが起きて面白い。
    森の中で遺体を見つけたらしいと分かるあたりで、この話は全てを書いているわけじゃないんだと分かり(遅かったかも)、最後の最後にあれなのも納得だし手法が凄いと思った。

    0
    2025年10月10日