アゴタ・クリストフのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
だいぶ昔に読み、面白かったのだが消化不良であった本書を再読。果たして物語において双子は本当に「悪童」だったのか。
双子や母親、祖母との関係性を先の大戦における国家同士のアナロジーとして読んでみたいとも思った。双子の国とは。そこには確かに寓話性がありそうだが、本書だけでは読みきれぬ、しかし確かに何かを示唆する異物感が残る。その正体が何かを知りたく、検索すると『悪童日記』は三部作の一冊であった。そんなことも、今更知ることになる。
日記なのか。兎っこは何を意味するのか。双子は周到に自分たちを鍛え上げていく。物事を為すにも完璧に作戦を練り上げる。そんな双子が証拠となるような日記を残すという矛盾。異 -
Posted by ブクログ
「悪童日記」の続編。
「ふたりの証拠」のラストにはかなりの衝撃を受けたけど、この「第三の嘘」では更に物語が二転三転する。クラウスとリュカの物語がパラレルワールドのように展開していき、まるで入れ子細工みたいな物語だった。
この三冊目を読んで、リュカと血の繋がらないマティアスが不気味なほどリュカに似ていた理由がわかった。クラウスはリュカでもあってマティアスでもあったんだな。
「悪童日記」も嘘「ふたりの証拠」も嘘、そしてこの三作目のタイトルが「第三の嘘」なんとも意味深。作中、リュカは手記の不要な部分は削除し書き換えている、というようなことが書かれていたので、今私が読んできた一連の物語は、クラウス、も -
Posted by ブクログ
「悪童日記」の続編。
前作では一貫して「ぼくら」という描写しか出てこなかった双子だけど、国境を越え隣の国へ行った方がクラウス、元の国に留まった方がリュカという名前で登場する。本作はリュカの物語。リュカは国境を越えたクラウスの戻りを待ちながら、手記を書き続けている。
リュカは色んな女(男も)に愛されているけど、リュカが本当に愛したのはヤスミーヌの子供のマティアスだけだったように思う。リュカとマティアスは血は繋がっていないけど、不気味なほど似ている。自分の子供時代を重ねて見ているのかな…なんて思って読んでいたら、ラストの展開には驚かされた。えっそういうこと…???前作の物語が続編で丸っと覆るような -
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アゴタ・クリストフ『ふたりの証拠』
『悪童日誌』の続編、第二弾
『悪童日誌』では語り手が双子兄弟の一人であり、固有名詞は出てこなかった
『ふたりの証拠』は、三人称で書かれた文であり、いきなり固有名詞が出て来る
もう冒頭から謎である
しかし、超ドライだが読みやすい文は変わらない
主役の双子兄弟の一人リュカは何処へ行ってしまったのか?
もう一人クラウスはなぜ戻ってきたのか?
今まで何処で何をしていたのか?
『悪童日誌』と思われる書物は創作なのか?
読み進めているとどんどん増える謎
そしてラストはまたもや衝撃!
もう第三弾『第三の嘘』は購入済み
早く読まないとーッ! -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作『悪童日記』に続いて、ラストが衝撃的だった。
『悪童日記』は、戦時中、魔女と呼ばれた「おばあちゃん」の家に疎開することになった双子の兄弟が、国境の町で強かに生き抜いた生活を日記という体裁で描いた物語だった。その前作は、双子の片方が、父親を犠牲に国境を越え、離れ離れになるところで終わった。今作は、国境を越えず町に残り、青年となった「リュカ」の物語である。
前作に引き続き、主観的な評価や描写を排した独特の文体で書かれているものの、もはや日記という体裁ではなく、普通の三人称小説として書き進められていく。リュカは、離れ離れになった双子の兄弟「クラウス」に読ませるため、手記を書き残していた。
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