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Posted by ブクログ 2023年08月07日
一作目の最後、国境を超えなかった「ぼく」の物語。「ぼく」は名前を持つことで、前作とは違った雰囲気を感じる。戦後下の厳しい環境で生きていく主人公は、他人に手を差し伸べながらも、常に孤独を抱えている。地の文に、主人公の感情は一切ない。それでも、彼の心情は、読者へ強く伝わってくる。予測できない展開に、はら...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月03日
悪童日記がおもしろくて2作品めのふたりの証拠を完読しました。
やっぱり純粋にリュカという人物を好きにはなれなかった…。いくら戦争を体験している可哀想な生い立ちだったとしても、大人として自分勝手でサイコパスなのは前作と変わらず、恐怖でした。マティアスを大事にし愛しているように見えて結局自分のことばか...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月08日
「大きな帳面」からはおよそ人間らしい感情を読み取れなかった「ぼくら」の片割れリュカが人間的に成長できたのはマティアスによるところが大きいだろう。もっともリュカが本当に成長したと言えるのかは分からないが。リュカの物語は小説の主体として十分に堪えられる物だが、正直に言って本書を読み進めた理由は『悪童日記...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月15日
「悪童日記」続編(三部作のうち二作目)を早速読んでしまった。「悪童日記」の画期的な小説スタイルは保持されてないけど、感情表現を削ぎ落とした文章はそのまま。同じく推測の読み応えがある。
「ふたりの証拠」とのタイトルだけど、証拠になり得るものはなんだろう?そもそも存在の証とは?アイデンティティとは?と...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年02月08日
独特な文体に引き込まれた前作『悪童日記』の興奮が冷めやまぬうちに、ページをめくった。
淡々と進む物語に、ストレートに何も考えずに読み進めたが、最後にしてやられた。 底が見えない深淵にはまったというか、それとも茫洋の海に放り込まれたような…そんな気分。
ここで止めては読者泣かせというもの。
続きが...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月02日
前作とは異なり、本作では登場人物の一人一人が名前を持って現れる。身分証明書、労働、財産、子育て、と主人公の成長に従って取り巻く環境は社会性を帯び、登場人物たちの背負う人生の悲哀にしても、政治性が強いものが増える。しかし、双子という一人称複数形の特殊さがありながら「世界」は確固たるものだった前作とは異...続きを読む
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