ある女

ある女

2,310円 (税込)

11pt

4.0

母が死んだ。

十二歳で学校を辞めて工場で働き、父と結婚した後は、共に店を切り盛りしていた母の人生。自分の子供に少しでも良い教育をと子どもの数は一人にし、教育にお金をかけてくれた母。そんな母の誇りは、一人娘が教員免許をとり、知識階級の仲間入りを果たしたことだった。やがて忍び寄る病魔の影。母はアルツハイマー病になっていた。母を引き取り介護に明け暮れるが、自分一人では母の面倒を見切れず、養老院に預けることに――。

フランス人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した著者が、自らの母親の人生と、母が娘に託したものを綴る、自伝的小説。

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ある女 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2012年07月20日

    「シモーヌ・ド・ボーヴォワールに一週間先だって死んだ」著者自身の母親の生涯を描いたもの。貧しい家庭に育ち、勤勉に働いて、一人娘を立派に教育し、出身階層よりも上昇させたこの母親がたくましく仕事(食料品店とカフェの経営)をこなし、老いては娘夫婦と同居して中流階級にも適応していく。そんな才気あふれる母親が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月28日

    母親のことが書かれている。私自身も、母親と四六時中一緒にいると息が詰まるため、一定の距離を置いている。大学に入って実家を出たときにはホッとした。ある時、実家、母親のやり方に、ふと疑問を感じ、否定する気持ちが出てきたのだ。
    晩年の母親のシーンで、自分自身と母親、また、子ども達と母親としての自分を思って...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月03日

    エルノー二冊目。母の記憶をつづった一冊。『シンプルな情熱』の時同様、淡々とした語り口が好きなので、作品も好きだった。
    印象的な(視覚的に)冒頭のシーンも、母を冷静に見て、彼女が苦労したこと、階級を超えるために努力したこと、超えられなかったことも、淡々とつづられている。
    フランスは(?)こんなにも階級...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月15日

    母親が亡くなった後、記憶を頼りに書かれた母親の姿、回顧。ノルマンディの小さな村に生まれ育ち、貧しい中で常に上を目指して精力的に生きて来た母親と、大学に行き、いわゆる”社会的階級”の壁を乗り越えた娘。
    認知症になって施設に入った母親を、複雑な思いで見守る娘の気持ちが率直に書かれている。ボーヴォワールの...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2022年12月28日

    2022ノーベル文学賞受賞のアニーエルノーの作品。
    母親の死を契機に、母の人生を咀嚼するように、振り返るために書かれたかのような本。
     文を書くことで、母の人生を、母の価値観を、母の生活苦をそして母の心配を母の希望を母の喜びを追いかける。そうやって母の人生を文章で綴ることが唯一の追悼でああるかのよう...続きを読む

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ある女 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    早川書房
  • ページ数
    144ページ
  • 電子版発売日
    2022年11月04日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

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