アゴタ・クリストフの作品一覧
「アゴタ・クリストフ」の「第三の嘘」「ふたりの証拠」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「アゴタ・クリストフ」の「第三の嘘」「ふたりの証拠」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
悪童日記でもそうだったのだが、双子は元々悪魔の素質は持っていたかもしれないけれどこの環境でなければ…と思ってしまう。今回も様々な登場人物が出てきた。人間って自己責任だけでは片付けられない問題があると思う。どんな人だって学んだことがなければ、親がいなければどんな人生になっていたか、今のように生きられていたのか。自分の人生は自分が選んだ選択肢によって紡がれてきていて、それはあくまでも自分が想像できる範囲内の選択肢であるから、環境にもそこそこ恵まれていたからそこここいい人生を送っているのだと感謝の気持ちが芽生えてきた。前回の悪童日記でもそうだが、いい人生を生きたほうがいいだとか教訓めいたことは一つも書かれていないのに感じとれる学びや衝撃は大きいものがある。
Posted by ブクログ
正直さとは、いざという時に嘘が通るための下準備だ。
『悪童日記』では、双子の作文が日記として描かれている。
「作文の内容は真実でなければならない、というルールだ。ぼくらが記述するのは、あるがままの事物、ぼくらが見たこと、ぼくらが聞いたこと、ぼくらが実行したことでなければならない。」
子どもの限られた語彙のなかで、極限までシンプルに表現された人の残酷さを垣間見ることができる。
ただ、これは壮大なフリなのだ。
この作品を読み進めていくと、前二部作が全て嘘だったことがわかる。
人は、真実を守るために嘘をまといながら生きている。そして、その嘘には真実が含まれる。その境目は、本人でさえわからない。
双子がどんなに虚構を重ねても、本質的に追い求めていた「失われた家族」「故郷」「愛」といった喪失感や孤独、それに対する切実な願いが痛烈に描かれていた。
亡命というのは、命を亡くすと書くように、自分にあったはずの何かを故郷に置き忘れることなんだろう。この双子のように、半身を引き離されたような、それでいてその場所に戻っても、そこにあったはずの何かは戻ってこないような、行き場のない痛みなんだろう。
あるはずのない何かを求めて、届かなくて、そういった痛みを抱えながら生き続けることもできなくて。
そんな時に人は、きっと嘘を本当と信じるんだろうと思った。