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Posted by ブクログ
非常におもしろい。
無駄な比喩がなく、本質が凝縮されたような文体。つまり、出来事の語りと視点の語りがうまく混ざり合っていた。
視点にはキリスト教や常識など文化的なものもあるし、立場や個人的な感情に立脚してもいた。
『若い男』では、周りの人から特別な意味で「見られてしまう」自分たちの関係を、そうした見方とのあからさまな対立を持ちだして掘り下げていくのではなく、相手をプライベートな人間と見なして、つまり好きな人間として相手と関わっていて、それにまつわる感情と知性と官能を描いていた。相手をあるカテゴリーに当てはめることはしてるけど、そうすることで相手を理解しようとかそういうことじゃなくて、自身の相対化に結びつけている。
『もうひとりの娘』では、両親への反抗を描いているというよりかは、愛の不在時における孤独と知性と共に生きる女性の、死者との袂の分かち方、自身の存在理由、書き続けることのあり方を掘り下げようとしていた。
感情や官能の作家というよりかは、孤独や知性の作家。自身の存在形式にえげつないほど敏感な作家なのだろう。
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